企業兼大株主三井物産東証プライム:8031】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。

(1)中期経営計画の進捗状況

 2023年5月に公表した中期経営計画2026「Creating Sustainable Futures」の初年度となった2024年3月期においては、依然として先行き不透明なビジネス環境下でもリスク管理を徹底しました。同計画で掲げているグローバル・産業横断的取組み、ポートフォリオ経営の深化、基礎収益力向上に向けた取組み、サステナビリティ経営の更なる深化、グループ経営力の強化が着実に進捗しました。主な進捗は以下のとおりです。

1)グローバル・産業横断的取組み

 中期経営計画で定めた3つの攻め筋に沿って、厳選した成長投資を着実に実行しました。

  (a)Industrial Business Solutions

 FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の順調な立上げや稼働に加え、デジタルインフラの領域に進捗がありました。りらいあコミュニケーションズの公開買付け及びKDDIエボルバとの経営統合により、アルティウスリンクが発足しました。同社は、国内最大規模のコンタクトセンター事業者となり、生成系AIの活用等デジタル化によるサービスの高度化を進め、デジタル業務アウトソーシング(デジタルBPO)のリーディングカンパニーを目指します。また、当社が知見を有する領域とその周辺領域における事業群の形成・強化を推進しました。モビリティ分野では、ペルーの鉱山機械販売・サービス会社への出資を実行、建機・鉱山ソリューション事業群を形成しました。北米では、展開する自動車事業との相乗効果が見込める米国トラックオークション会社への出資を通じ、北米モビリティ・バリューチェーンの強化と事業群の形成に取り組んでいます。

  (b)Global Energy Transition

 タイのガス火力発電の順調な立上げや、台湾洋上風力発電、ベトナムBlock B天然ガス田開発における最終投資決断の実行等、将来の安定収益基盤拡充に向けた取組みを進めました。また、デンマークにおける、再生可能エネルギー電力等を活用するe-メタノール製造販売事業、ポルトガルにおける再生可能ディーゼル及び持続可能な航空燃料(SAF)の製造事業、米国における再生可能天然ガスの製造事業等に参画しました。引き続き、脱炭素社会の実現に向け、さまざまな分野でパートナー各社と協働し、先進国・新興国のバランスを兼ね備えた事業ポートフォリオの構築を進めていきます。

  (c)Wellness Ecosystem Creation

 タンパク質・ニュートリション・ウェルネス領域で積極的な成長投資を実行しました。タンパク質領域では、市場成長を背景に継続的な需要増が見込まれ、飼料効率が良いこと、育成期間が短く市況耐性を有していること、比較的安価に提供できることから、鶏とエビに注力し事業群形成を推進していきます。当連結会計年度においては、世界最大のエビ養殖事業者であるエクアドルIndustrial Pesquera Santa Priscila、飼料原料調達からブロイラーの生産・加工・販売まで一貫して展開するエジプトWadi Poultryに参画しました。また、米国Celaneseとの長年のパートナーシップに基づき、機能性食品素材を製造販売するNutrinovaに参画しました。さらに、ウェルネス領域では、国内大手給食事業者エームサービスを完全子会社化し、フードサービス事業の強化に取り組みました。

2)ポートフォリオ経営の深化

 欧州機関車リース事業会社Mitsui Rail Capital Europe、豪州電力事業会社International Power(Australia) Holdings、米国Kaikias油田等、資産リサイクルを推進しました。他方で、全社ポートフォリオマネジメントの視点から投資案件を厳選し、3つの攻め筋に沿った成長投資を実行しました。

3)基礎収益力向上への取組み

 既存事業の収益力強化や効率化、ターンアラウンドの推進及び新規事業の収益貢献により、中期経営計画では1,700億円の基礎収益力向上を目指しています。2024年3月期時点では、既存事業強化により200億円、ターンアラウンドと赤字事業からの撤退により250億円、新規事業の収益貢献により100億円、合計で550億円まで基礎収益力拡大が進捗しています。

4)サステナビリティ経営の更なる深化

 脱炭素社会の実現に向けた事業ポートフォリオ変革を進める中、当連結会計年度は発電事業ポートフォリオにおいて、再生可能エネルギー事業の最終投資決断や、石炭火力発電事業の売却に進捗がありました。また、自然資本の分野において、社会の関心が高まる中、自然への依存・影響の把握と分析を進め、10事業を重要な領域と特定し、当社ポートフォリオの良質化につなげるべくリスク審査機能強化や、自然資本を機会とする案件の推進につなげています。同時に、事業活動における人権尊重の取組みを強化すべく、取引実施にあたっての人権に関連する詳細調査の実行主体をコーポレートスタッフ部門から事業現場に一部移管するなど、実効性向上に向けた取組みを進めることで、将来リスクの低減につなげています。

5)グループ経営力の強化

 デジタルや知的資本等の三井物産グループアセットの活用を促し、1人当たりの生産性向上を加速させています。現場での主体的なDX推進を加速させるため、全役職員のデジタルスキルを向上させ、ビジネスモデルの変革を担うDX人材を育成しました。全社での更なる生産性向上に向け、既存業務の棚卸等、定型業務の効率化を加速させています。また、当社がさまざまな国や産業における事業を通じて培ったビジネスナレッジ・ノウハウ等を知的資本と位置づけ、その活用を促進しています。

6)グローバルでの多様な個の活躍推進

 社員一人ひとりがより自分らしく活躍するために、幅広いフィールドの中で自身のキャリアを自律的に形成できる仕組みづくりを目指し、2024年7月1日より新たな人事制度を導入します。新人事制度では、旧来の「担当職」と「業務職」を廃止し、「総合職」として統合した上で、自身のキャリア・ライフプランに応じて勤務地限定の有無を定期的に選択できるようにします。また、グローバルでの適材配置を支えるタレントマネジメントシステム「Bloom」の全世界での展開に向け、海外拠点にて先行導入しています。人は、三井物産にとって最大の資産であり、さまざまなバックグラウンドと強みを持つ多様な「個」が協働し、経営資源を最大限活用しながら、自らビジネスを創り、育て、展(ひろ)げ、新たな価値を世界中で生み出しています。

7)進化を続けるガバナンス体制

 2024年3月期は、ガバナンス委員会、経営会議、取締役会等において当社の執行体制及び機関設計に関する議論を実施し、監査役会設置会社の機関設計を維持しつつ、社外取締役比率を上げ、社内外取締役人数を同数とするなど、ガバナンス体制を変更することを決定しました。

 また、取締役会では、経営課題への対応の進捗状況を検証するため、個別案件のみならず、全社的な課題に関する付議・報告を行っています。2024年3月期は、コンプライアンス体制、サステナビリティ経営、労働安全衛生管理体制及びウェルビーイング経営、資産ポートフォリオ、リスクエクスポージャーとコントロール、サイバーセキュリティ対応等の全社的な課題について付議・報告が行われました。個別案件審議においては事前説明をより一層丁寧に行うなど、取締役会の審議の更なる充実化と効率化に進展がありました。

(2)経営環境

1)全般

 注:本項目は、2024年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経営環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。

 当連結会計年度の世界経済は、米国が堅調に推移しましたが、欧州は停滞が続き、中国の回復も低調であったことから全体として減速局面が続きました。

 米国経済は、良好な雇用環境のもとで底堅い個人消費に支えられ、堅調に推移しました。先行きはインフレがさらに落ち着いていく中で、FRBによる利下げも見込まれることから、景気拡大が続くものとみられます。欧州では、金融引き締めの影響や輸出の不振などから景気の停滞が続きました。先行きは物価の上昇が落ち着く中で個人消費の回復が期待され、ECBによる利下げも見込まれることから、緩やかに回復に向かうものとみられます。日本では、企業収益が好調であることに加え、インバウンド需要も回復しましたが、物価高の影響などにより個人消費が低調だったことや年初に一部自動車メーカーの出荷停止などがあったことから景気回復の勢いは弱まりました。先行きは昨年を上回る賃上げや所得税減税により個人消費の持ち直しが期待されることから景気は回復基調に戻るとみられます。中国は、輸出は昨年の不振から脱しつつありますが、不動産市場の低迷が長引く中で、消費が伸びず、経済成長は減速しました。先行きは政府の政策対応によって持ち直していくことが期待されます。ブラジルは、昨年、農産物の輸出が伸び、消費も底堅く推移しましたが、今後は昨年夏からの利下げが景気を支えることが期待されます。ロシアは、国際社会から課された経済制裁による経済活動への下押しが続く一方で、軍需品の生産が伸びており、プラス成長は維持するとみられます。

 世界経済の先行きは、米欧先進国のインフレの落ち着きに加え、米欧の利下げなど金融引き締め局面からの転換が期待されることから、2024年後半以降、減速局面を脱する道筋に移行していくものとみられます。ただし、中東情勢の不安定化など地政学的リスクは懸念されます。

2)事業セグメント

 上記経営環境を踏まえた各事業セグメントにおける環境認識並びにリスクと機会は、以下のとおりです。

(a) 金属資源セグメント

環境認識

・人口増加・世界経済の成長に伴う素材・資源需要の継続的増加

・EV化・電動化をはじめとする脱炭素社会に向けたEnergy Transitionと、地域偏在性ある重要鉱物の必要性

・鉱山操業やサプライチェーンにおける気候変動・自然資本・人権関連対応の拡大

リスク

機会

・中国経済減速による資源需要への影響

・インフレ・高金利による事業コスト影響

・技術革新による商品の需給や価格への影響

・リサイクルを含むグリーン鉄源・素材の需要増加

・金属資源需要地としてのインド・東南アジアの継続的成長、資源供給地としてのアフリカの将来的可能性

(b) エネルギーセグメント

環境認識

・ 人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は増加する見込み

・ エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に対する社会ニーズの高まり

リスク

機会

・世界的な地政学的リスクの高まりや、主要国の選挙結果を受けた政策変更等に起因するエネルギー価格の大幅な変動

・流動的なEnergy Transition進捗の時間軸

・エネルギー安全保障・安定供給ニーズに伴う底堅い化石燃料需要、及び現実解としての天然ガス・LNG需要の増加

・脱炭素化の進展による、クリーンエネルギーや次世代エネルギー需要の増加、またそれに伴うエネルギーソリューション事業機会の拡大

(c) 機械・インフラセグメント

環境認識

・脱炭素社会に向けたEnergy Transitionニーズの高まり、デジタル化に伴う電力需要増、国・地域ごとの電源多様化

・半導体不足による自動車供給不足は今後正常化の見込み

・環境負荷の低いモビリティへのシフトが進む見込み

・ばら積み船需要は安定的に推移、またタンカー需要増は継続見込み

リスク

機会

・世界的なインフレ傾向と金融マーケットの変化

・社会ニーズの変化を受けた新規資源開発の減少など産業構造の変化

・DX活用の進展、デジタルインフラ需要増加

・気候変動対応に伴う再エネ電源や、次世代燃料・電動化など輸送インフラのサービス需要拡大・多様化

(d) 化学品セグメント

環境認識

・気候変動対応に伴う環境配慮型事業に対する社会からの要請の高まり

・人口増加や経済成長に伴う食料やエネルギー由来の化学品需要の増大

・健康意識の高まりによる食の高付加価値化ニーズの増大

リスク

機会

・気候変動対応に伴う石油化学産業の構造変化の加速

・地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの再編と地産地消化

・エネルギー価格高騰、金利高や人手不足によるコスト上昇や商品需要の低迷

・サプライチェーンの変化による安定供給ニーズの増大

・次世代燃料・リサイクル素材をはじめとする環境配慮型素材・製品・事業の需要増加

・健康・ウェルネス、Quality of Life向上への関心の高まり

(e) 鉄鋼製品セグメント

環境認識

・脱炭素社会に向けた技術革新による段階的なグリーン化の進展

・地政学的リスクの顕在化継続による地産地消の重要性増加

・中期的な世界鉄鋼需要はインド・東南アジアを牽引役として増加見込み

リスク

機会

・国内粗鋼生産減少を背景とした流通構造の変化

・地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの影響

・人件費高騰・労働力不足

・脱炭素化、地産地消ニーズに伴う新たなサプライチェーン構築需要の拡大

・循環型経済の加速によるインフラ長寿命化・メンテナンス需要の高まり

(f) 生活産業セグメント

環境認識

・先進国でのライフスタイル多様化と健康志向、サステナビリティなど社会価値への関心の高まり

・新興国での人口増・経済成長・所得増・高齢化によるヘルスケアニーズの高まり

・原材料費・労務費等の上昇が継続する見通し

リスク

機会

・気候変動による伝統的産地の移動

・地政学的リスクによる貿易構造の変化

・医療規制動向及び人手不足、GAFA等異業種参入に伴う医療業界パラダイムシフト

・価値観の多様化・細分化、及び消費行動の多様化

・未病・予防、健康への行動様式や価値観の変化

・アジア等新興国における医療需給ギャップ拡大、先進国における未病・予防市場の拡大

(g) 次世代・機能推進セグメント

環境認識

・生成AIを用いたサービスや、サイバーセキュリティ対応に関するニーズの高まり

・環境意識の高まりなどの市場環境・ニーズの変化を捉えた投資判断の重要性増大

リスク

機会

・株価変動などの市場価格変動リスク

・金利上昇、インフレに伴う景況感、企業業績の悪化

・技術進化に伴うICTソリューションニーズの高まり

・ライフスタイルの多様化に伴うデジタルサービスの普及

・気候変動対応に伴う金融商品組成機会、ボラティリティ上昇によるヘッジニーズ増加

(3)2025年3月期事業計画

 2025年3月期は、「Creating Sustainable Futures」をテーマとする中期経営計画の2年目となります。「挑戦と創造」の精神で、当社の強みを活かし、グループ全体でグローバル・産業横断的なビジネスを展開し、価値を提供することで、基礎営業キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから運転資本の増減に係るキャッシュ・フローを除き、リース負債の返済による支出額を減算したもの)1兆円、当期利益9,000億円を計画します。また、コア事業の強化、赤字事業の削減、厳選した成長投資及び戦略的リサイクルの加速からなる重点施策を実行し、一層の企業価値向上に取り組みます。

1)5つのCorporate Strategy

 中期経営計画2026の実現に向けて着実にCorporate Strategyを推進します。

2)ポートフォリオ経営の深化

 当社の強みである、先進国と新興国の双方においてバランスよく分散されたグローバルなポートフォリオを継続的に見直し、組み替えます。厳選した成長投資や事業群戦略を踏まえたボルトオン投資を実行し、早期収益貢献と長期収益基盤の構築を両立させることで、当社の収益基盤をより強固なものとしていきます。同時に、世界中の各業界を代表するパートナーとの関係性を深化させ、それぞれの機能を組み合わせたプロジェクトを実行していきます。さらに、資本効率を意識することで資産の入替えを加速し、戦略的リサイクルと以下の3つの攻め筋に沿った成長投資(中期経営計画2026の3年累計で1兆8,000億円を予定)を推進します。

(a)Industrial Business Solutions(中期経営計画2026の3年累計で8,000億円の成長投資を予定)

 グローバルかつ産業横断的なプレゼンスや事業ポートフォリオを通じ、資源開発、機械・モビリティ、インフラ・デジタルインフラ等のコア領域でさまざまな産業における課題解決に向けた取組みを強化します。資源開発事業においては、優良資源の積増しを通じ、長期収益基盤を盤石なものとします。また、機械・モビリティ領域においては、船舶事業のバリューチェーン強化、モビリティ事業群の形成・強化を実行します。デジタルインフラにおいては、デジタルBPOの提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献します。

(b)Global Energy Transition(中期経営計画2026の3年累計で6,000億円の成長投資を予定)

 天然ガス及びLNGをコア事業として安定収益基盤を拡充し、エネルギー安定供給と気候変動対応の双方の観点か

 ら、事業を通じて社会課題であるエネルギートランジションの実現に貢献します。また、長年培った知見やパートナーシップを通じ、厳選した良質な案件を獲得し、多様な低炭素メタノールの製造・販売、クリーンアンモニア等の次世代燃料安定供給への取組み、再生可能エネルギー事業の着実な立上げ、低炭素鉄源事業の推進等、脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めます。

(c)Wellness Ecosystem Creation(中期経営計画2026の3年累計で4,000億円の成長投資を予定)

 コア事業の競争力強化、市場成長・ニーズを捉えた事業群戦略を推進します。食・ニュートリション領域におい

 ては、新たな事業獲得による鶏・エビを核とするタンパク質事業群の形成及びバリューチェーンの高度化、事業間シナジーの実現を推進していきます。また、ウェルネス領域では、未病・予防ソリューションの強化のほか、IHH Healthcareを中核とするヘルスケア事業を通じたアジア市場の成長の取込み、完全子会社化したエームサービスの収益力強化を目指します。

3)キャッシュ・フロー・アロケーションの最新見通し(中期経営計画3年累計)

 2024年3月期の実績と今後の見通しを踏まえて、昨年5月に公表した中期経営計画3年累計のキャッシュ・フロー・アロケーションをアップデートしました。基礎営業キャッシュ・フロー及び資産リサイクルの増加を反映しキャッシュ・インの増加を見込みます。これに伴い、マネジメント・アロケーションは中期経営計画2026の3年累計で1兆1,300億円から1兆7,500億円までの拡大を見込み、厳選した成長投資及び株主還元へのバランスの取れた配分を予定しています。引き続き、投資機会と事業環境を総合的に勘案し、成長投資と株主還元へ柔軟で戦略的な資金配分を実行します。

(4)利益配分に関する基本方針

 株主還元策については第 4 提出会社の状況 3 配当政策をご参照ください。

(5)2025年3月期連結業績予想

①2025年3月期連結業績予想

[業績予想の前提条件]

25年3月期

予想

24年3月期

実績

期中平均米ドル為替レート

145.00

145.31

原油価格(JCC)

81ドル

86ドル

期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格

86ドル

91ドル

単位:億円

2025年3月期

業績予想

2024年3月期

実績

増減

増減要因

売上総利益

13,200

13,197

+3

 

販売費及び一般管理費

△8,300

△7,943

△357

退職給付制度改定

有価証券・固定資産

関係損益等

1,500

1,785

△285

資産リサイクル

利息収支

△1,100

△1,038

△62

 

受取配当金

1,500

2,107

△607

エネルギー、金属資源

持分法による投資損益

4,700

4,916

△216

商品価格下落

法人所得税前利益

11,500

13,024

△1,524

 

法人所得税

△2,200

△2,219

+19

 

非支配持分

△300

△168

△132

 

当期利益

(親会社の所有者に帰属)

9,000

10,637

△1,637

 

 

 

 

 

 

減価償却費・無形資産等償却費

2,900

2,936

△36

 

 

 

 

 

 

基礎営業キャッシュ・フロー

10,000

9,958

+42

 

・為替レートは2024年3月期の145.31円/米ドル及び95.32円/豪ドルに対し、2025年3月期はそれぞれ145.00円/米ドル及び95.00円/豪ドルを想定します。また、2025年3月期の原油価格(JCC)を81米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を86米ドル/バレル(2024年3月期比5米ドル/バレル下落)と想定します。

 オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。

(単位:億円)

2025年3月期

業績予想

2024年3月期

実績

増減

増減要因

金属資源

2,900

3,351

△451

鉄鉱石価格

エネルギー

1,400

2,817

△1,417

前期一過性利益反動、LNG物流

機械・インフラ

2,300

2,487

△187

自動車・船舶事業

化学品

700

392

+308

関係会社業績改善

トレーディング

鉄鋼製品

250

112

+138

関係会社業績改善

生活産業

750

941

△191

前期一過性利益反動

次世代・機能推進

650

538

+112

FVTPL益、国内中核関係会社伸長

その他/調整・消去

50

△1

+51

 

連結合計

9,000

10,637

△1,637

 

 オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。

(単位:億円)

2025年3月期

業績予想

2024年3月期

実績

増減

増減要因

金属資源

3,600

4,091

△491

鉄鉱石価格、関連会社配当

エネルギー

2,900

2,478

+422

LNG配当入金
(24/3期からの期ずれ)

機械・インフラ

1,500

1,769

△269

子会社の関連会社化

関連会社配当

化学品

800

634

+166

関係会社業績改善

トレーディング

鉄鋼製品

150

85

+65

関連会社配当

関係会社業績改善

生活産業

500

402

+98

トレーディング

関係会社業績改善

次世代・機能推進

500

454

+46

 

その他/調整・消去

50

45

+5

 

連結合計

10,000

9,958

+42

 

② 2025年3月期連結業績予想における前提条件

 2025年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。

価格変動の2025年3月期

当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額

2025年3月期

前提

 

2024年3月期

実績

市況商品

原油/JCC

81

 

86

連結油価*1

24

億円(US$1/バレル)

86

 

91

米国ガス*2

13

億円(US$0.1/mmBtu)

2.46

 

2.66*3

鉄鉱石*4

27

億円(US$1/トン)

*5

 

119*6

原料炭

3

億円(US$1/トン)

*5

 

294*7

*8

7

億円(US$100/トン)

8,700

 

8,483*9

為替*10

米ドル

34

億円(1円変動あたり)

145.00

 

145.31

豪ドル

25

億円(1円変動あたり)

95.00

 

95.32

*1 原油価格は期ずれで当社連結業績に反映されるため、それを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2025年3月期には約35%が4~6カ月遅れ、約30%が1~3カ月遅れ、約30%が1年超遅れ、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。

*2 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。

*3 米国ガスの2024年3月期実績には、2023年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。

*4 Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。

*5 鉄鉱石・原料炭の前提価格は非開示。

*6 鉄鉱石の2024年3月期実績欄には、2023年4月~2024年3月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。

*7 原料炭の2024年3月期実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。

*8 銅価格の価格感応度は、2024年1月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。

*9 銅の2024年3月期実績欄には、2023年1~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。

*10 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。

 注) 経営成績に対する外国為替相場の影響について

 2023年3月期及び2024年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ8,946億円及び7,429億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドル及び豪ドルです。2025年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。

(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず米ドル及び豪ドル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出しました。これら2つの通貨別に表示された海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に一部の海外出資先からの通貨別の配当金を合計した金額に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高/円安は、1円あたり34億円程度、豪ドルに対する円高/円安の影響は、1円あたり25億円程度、当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少/増加をもたらすと試算されます。

(b)なお、豪ドルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

(c)ただし、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

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