三井倉庫ホールディングス 【東証プライム:9302】「倉庫・運輸関連業」 へ投稿
企業概要
<考え方>
当社グループは、「物流」という重要な社会インフラを支える企業集団として新たな価値を創出することで、持続可能な社会の実現、企業価値の向上を目指しております。
1. 事業活動を通じて、人権、安全衛生、ダイバーシティ、環境負荷低減等の社会課題解決に取り組みます。
2. 社会から信頼される企業グループとしてあり続けるために透明性の高い経営を行います。
3. すべてのステークホルダーとの対話を通じ、健全な関係の維持、発展に努め信頼関係を構築します。
(1)ガバナンス
サステナビリティに関する推進体制強化を目的として、2021年10月に、グループCEOを委員長とし業務執行取締役及び中核事業会社5社の代表取締役またはこれに相当する地位にある者のうち社長が指名した者を委員とするサステナビリティ委員会を設置しました。当委員会は、サステナビリティに関する戦略・方針の検討やリスクマネジメント、各取り組みの実行管理を行い、取締役会への報告を通じて、取締役会の意見や助言を取り組みに反映し、監督する体制としています。
委員会のもとには、マテリアリティに向けた重要テーマ別に戦略立案から目標KPI達成に向けた施策の検討・進捗管理等を行っているグループ横断的な常設部会の他、サステナビリティ委員会の議論・決定内容をグループ全体に共有するサステナビリティ連絡会、サステナビリティにおけるリスク及び機会分析により、新たに対応が必要なテーマの検討を行う新規検討会を設置しています。
なお、マテリアリティの経済に関しては、営業施策やDX推進施策との関連性に鑑み、業務執行取締役及び中核事業会社5社の代表取締役またはこれに相当する地位にある者のうち社長が指名した者を委員とする経営会議にて議論しております。
また、持株会社に専門部署を設けて、物流を脅かす様々なリスクの可視化・改善により物流課題を解決してサプライチェーンの最適化を行う「SustainaLink」という独自のサービスを展開することにより、サステナビリティにおける機会を創出し、物流インフラ企業として、社会課題解決と事業拡大による利益成長の両立を目指して取り組んでおります。
当社は国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact」に署名しており、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野から成る「国連グローバル・コンパクト10原則」に 連結子会社を含むグループ全体で賛同し、グループCEO自らのコミットメントのもと、その実現に向けた努力を継続してまいります。
(2)戦略
「社会を止めない。進化をつなぐ。」というPurposeのもと、事業活動を通じて新しい価値を創出し、当社グループと社会の持続的成長を実現することを目的に、以下の3つをマテリアリティ(重要課題)として特定しています。
経済 : 共創を通じた持続可能で強靭な物流サービスの提供
社会 : 安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現
環境 : 積極的な環境負荷低減による脱炭素社会・循環型社会への貢献
中期経営計画の策定にあたっては、各マテリアリティの活動との連動を強く意識しており、経営との一体化を図りながら取り組みを進めております。
(3)リスク管理
当社グループの事業活動におけるリスクの認識とその管理については「リスク管理規程」に定め、リスクの種類ごとに体制を整備し、リスク管理を実施しています。サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会主導のもと、リスクへの対応と最小化を目指し、リスク・機会の特定や分析・評価、グループ内での情報共有や、関係部署への対応指示、取締役会への報告が行われます。
(4)指標及び目標
マテリアリティに対し主要な取り組みを評価するための経営指標として、以下の通りマテリアリティKPIと目標を設定しています。
経済:社会課題を起点としたビジネスの拡大
DX推進・イノベーションを通じた高い経済生産性・効率性の達成
持続可能な物流へのパートナーシップ拡大
社会:従業員エンゲージメント向上
労働災害件数 0件
有給休暇取得率 70%達成
欠勤率 前年度水準改善
健康診断受診率 100%達成
男性育児休業取得率 30%達成
女性管理職比率 15%達成
環境:CO2排出量(Scope1+2)2014年3月期比 2031年3月期 50%削減、2051年3月期 ネットゼロ
廃棄物排出量 前年度水準改善
なお、各KPIの経年実績につきましては、グループサイトのサステナビリティページや、統合報告書等にて公開しております。
<個別テーマ>
(1) 気候変動対応
当社グループは気候変動を重要な経営課題の一つと認識し、当社グループ自身の温室効果ガス(GHG)排出量削減への取り組み(Scope1+2)と同時にお客様をはじめとするバリューチェーン全体での脱炭素化へ貢献することが、グループの企業価値向上につながるという考えのもと、「積極的な環境負荷低減による脱炭素社会・循環型社会への貢献」をマテリアリティのひとつとして特定しております。
また、当社は2021年9月にTCFD提言への賛同を表明し、従来の取り組みに加え、気候関連リスクや機会の特定、各体制を含めた情報開示の強化・拡充に取り組んでおります。
①ガバナンス
気候変動においては関連するリスク・機会の特定や分析・評価を主導、気候変動が当社グループの事業ヘ与える影響の把握や、その対応策に関する議論を行っております。その他気候変動・環境に関連する取り組みや、詳細な議論についてはサステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である環境部会において具体的な取り組みや管理指標の検討、実行管理を行い、責任者である取締役がサステナビリティ委員会に進捗状況の報告、提言を行う体制となっております。
②戦略
当社グループの事業に気候変動が与える影響について、複数の気候シナリオ(「1.5℃シナリオ」、「4℃シナリオ」)を用い、シナリオ分析を実施しております。バリューチェーン上で発生する気候変動の影響に関する想定をふまえ、リスク・機会の特定や分析・評価、対応策の検討をすることで、短期・中長期的な事業戦略に反映し、施策の推進をより効果的なものにしてまいります。
気候関連のリスク・機会と財務影響
[凡例]
大・中・小: 財務影響試算の結果をもとに定量及び定性評価
- : 潜在リスクはあるが、現在の情報では2030年時点で顕在化可能性が高くないもの
短期 : 3-5年程度
中期 : 10年程度(2030年)
長期 : 30年超(2050年以降)
[1.5℃シナリオ]
2050年カーボンニュートラル実現のための政策・規制が強化され炭素税等が導入される。また、消費者が脱炭素の動きを企業に対してより求めるようになり、B to B企業においてもCO2排出量削減等の気候変動への対応がより一層迫られる。
[4℃シナリオ]
炭素税等の導入はされず、自然災害が激甚化することで、より防災・BCPの対応が重視される。消費者の動向は現状と大きく変化せず、企業における気候変動対応についても現状の水準にとどまる。
それぞれのシナリオにおいてバリューチェーン上で発生する気候変動の影響を「消費者」「顧客」「当社グループ」「当社グループのサプライヤーである委託先企業」のそれぞれについて検討し、リスク・機会の発現時期と定量・定性的な影響の試算を実施いたしました。
今回行った定量的な試算において、当社グループにとって最も影響が大きいのは1.5℃シナリオにおけるカーボンプライシング(炭素税の導入)ですが、総じて、気候変動による当社グループの財務影響は小さく、気候変動に対しレジリエントであると考えます。
なお、カーボンプライシング(炭素税の導入)の影響が顕在化することへの対応策としては自社での排出量削減施策に加え、顧客やパートナー企業と協働した排出量削減施策が有効であるため、今後はこれらの施策を推進してまいります。また、定量分析項目だけでなく、定性分析項目についても、情報のアップデート・モニタリングを実施し、事業への影響を確認してまいります。
③リスク管理
気候変動に関連するリスクや機会については、サステナビリティ委員会の主導のもと、リスクへの対応とその最小化を目指し、リスク・機会の特定や分析・評価、グループ内での情報共有や、関係部署への対応指示、取締役会への報告が行われます。KPIの管理やデータの分析については、サステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である「環境部会」で実施しております。
④指標と目標
マテリアリティである「積極的な環境負荷低減による脱炭素社会・循環型社会への貢献」を実現するために、当社グループでは気候変動を含む環境分野のKPIを定め、進捗を管理しています。温室効果ガス(GHG)排出量については、当社グループの事業活動から発生するCO2排出量(Scope1+2)の削減を目指します。
なお、CO2排出量データに関する経年の実績や、他の環境に関連するKPIにつきましては、グループサイトのサステナビリティページや、統合報告書等にて公開しております。また、2023年3月期の実績につきましては2023年9月に公開を予定しております。
(2) 人的資本
<考え方>
三井倉庫グループは、自らも進化しながら成長し、心豊かで持続可能な社会の実現を支える存在でありたいと考えています。そのための原動力となるのが人材であり、価値創造の源泉です。グループの多様な従業員が、それぞれ自らの強みと役割を認識し、組織や企業の成長を支えています。従業員一人ひとりが、誇りと責任を持って生き生きと働き続けられる環境づくり、企業風土を醸成し、会社とともに成長し続ける環境を構築していきます。
<求める人材像>
「未来を描き、動き動かし続ける人」
私たちが考える「未来」とは、お客様の未来であり、当社グループの未来であり、私たちが生きている世界の未来までをイメージしています。「動き動かし続ける人」という言葉には、自ら主体的に動くことはもちろんのこと、他を巻き込んで動かし続けるという強い想いを込めています。仲間を動かし、お客様を動かし、物流を動かし、社会を動かす。そして、お客様の期待を超え、お客様の心までを動かす存在でありたいと考えています。不確実な時代だからこそ、物流のスペシャリストとしてお客様に向き合い、課題を見つけ、最適解を導き出す。お客様のビジネスの未来までも描ける人材を私たちは求めています。私たちが動かしているのは、目に見えるものだけではありません。お預かりした商品に込められた想いやビジネスの種を世界中に繋いでいくこと。それが私たちの存在意義であり、価値であると考えています。すべてのステークホルダーから選ばれる真のパートナーとして、私たちはこのような人材を目指し、個の力を磨き続けていきます。三井倉庫グループは1909年創業より100年以上歩んでまいりました。これからの100年もまた、常に社会の深化の起源に三井倉庫グループがあってほしいと願い、その中心を担える人材を「求める人材像」として表現しました。
①ガバナンス
人事領域における課題やリスク対応について、サステナビリティ委員会主導のもと、人的リスクが当社グループの事業ヘ与える影響の把握や、その対応策に関する議論を行っております。その他人的資本に関連する取り組みや、詳細な議論についてはサステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である人事部会において具体的な取り組みや管理指標の検討、実行管理を行い、責任者である取締役がサステナビリティ委員会に進捗状況の報告、提言を行う体制となっております。
人材戦略の3つの柱
1.採用:求める人材の積極採用
・採用ブランディング展開
・採用基準の明確化
・ジョブ型雇用の導入
・雇用の多様化(正社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣社員等)
・適正な人員計画の遂行
2.育成:活躍人材の育成強化
・職種、職階別育成プログラム
・人材ポートフォリオの最適化
・マネジメント、リーダーシップ、専門性の向上支援
・計画的人事ローテーション実施
3.定着:働きやすく、働き甲斐のある環境構築
・D&I推進強化
・1on1ミーティング実施
・業務効率化と生産性向上(DX推進)
・働き方改革
②戦略
中期的な人材戦略の重要テーマとして、「1.採用:求める人材の積極採用」「2.育成:活躍人材の育成強化」「3.定着:働きやすく、働きがいのある環境構築」を掲げています。
採用においては、当社グループで求められる人材要件を明確にし、私たちの企業価値や目指す方向性、ありたい姿に共感してもらえる人材を採用したいと考えています。また、職階や職種ごとの役割を明確にすることでジョブ型雇用も積極的に進め、専門性の高い人材を採用していきます。
育成においては、中核事業における活躍人材を定義し、それぞれの育成プログラムを通して様々なフィールドで活躍する人材を育てていきます。また、グループ横断的に計画的な人事ローテーションを実施し、経験・スキル・知識の幅を広げ個の力を向上させ、組織力強化につなげていきます。
定着においては、すべての従業員がモチベーション高く、個々の強みを活かして組織に貢献できる環境を整えていきます。多様な人材を受け入れる企業風土、時間の制約に縛られない柔軟な働き方、成果に見合った公正な評価制度など、多様性を活かした組織づくりを積極的に進め、誰もが働きやすく働きがいのある環境構築を目指します。
③リスク管理
人的資本に関連するリスクや機会については、サステナビリティ委員会主導のもと、リスクへの対応と最小化を目指し、リスク・機会の特定や分析・評価、グループ内での情報共有や、関係部署への対応指示、取締役会への報告が行われます。KPI管理やデータの分析については、サステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である「人事部会」で実施しております。
④指標と目標
※1 提出会社及び中核事業会社5社(三井倉庫㈱、三井倉庫エクスプレス㈱、三井倉庫ロジスティクス㈱、三井倉庫サプライチェーンソリューション㈱、三井倉庫トランスポート㈱)を対象範囲としております。
※2 2023年度入社となる新卒採用数を基にしたものであります。
※3 2023年3月31日時点によるものであります。
※4 2022年度の年間の外部委託研修費から算出しております。
※5 2020年4月1日新卒入社社員のうち2023年3月31日までの離職者数から2020年4月1日新卒入社社員総数を除す方法により算出しております。
※6 2022年度の年間の自己都合離職者数から2022年4月1日時点の総従業員数を除す方法により算出しております。
※7 2023年2月に調査を行い集計を行ったものによるものです。エンゲージメント測定ツールを利用し、中央値(スコア56)をベースにスコアの改善を目指しております。
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