ロードスターキャピタル 【東証プライム:3482】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」というミッションを掲げております。
当社は不動産投資業界における豊富な経験とネットワーク、不動産鑑定士や宅地建物取引士等による高度な物件評価能力を活かし、東京23区の中規模オフィスビル等への投資を中心に、アセットマネジメント事業及び不動産特化型クラウドファンディング事業等を展開しております。
今後も、不動産及び不動産金融に関するプロフェッショナル集団としての知見とITを駆使した事業戦略の差別化により、収益を最大化していきたいと考えております。
(2) 経営戦略等
(コーポレートファンディング事業)
① 安定的な経営基盤の確立
東京23区の潜在的価値の高い中規模オフィスビルへの投資に注力して自己保有資産残高を拡大し、賃貸から得られる利益のみで会社固定費を賄える事業規模へ到達し、より革新的なビジネスを遂行する基礎の構築を目指します。また、新規取得と合わせて適度に物件を入れ替えることで、投資ノウハウを社内に蓄積し、案件ごとの利益率の向上を図るとともに、事業成長促進を意識した投資ポートフォリオの運用を行ってまいります。
② 財務基盤の強化
事業拡大による収益の確保と安定化を図るために、市場環境に応じて効率的な財務戦略を立案し実行しております。また、保有物件を担保とした借入金の返済期間を原則10年以上の長期を中心としたファイナンスにより、安定した財務基盤を構築しております。
(アセットマネジメント事業)
日本の、特に東京の不動産市場は世界的にも魅力的なマーケットであるため、今後も旺盛な需要をもつ国内投資家及び投資ニーズがある海外投資家の開拓を推進し、受託資産残高(AUM)の積み上げを強化してまいります。
(クラウドファンディング事業)
クラウドファンディング事業のプラットフォームであるOwnersBookは、IT技術によって投資募集業務を効率化し、一口1万円からの不動産投資を可能にしました。貸付型商品の大型化や多様化、エクイティ型商品の安定供給を目指すことで、従来機関投資家等が独占していた不動産投資領域を、少額から始められる新たな不動産投資市場として個人投資家に開放していくとともに、資金供給源が主に金融機関に限定されていた不動産投資市場に個人マネーを引き入れることで同市場の安定化に貢献してまいります。
(3) 経営環境
当社が営む事業は多くの競合が存在し、また市場環境の変化を比較的受けやすくなっております。当社は、経験豊富かつ専門性の高い役職員を擁し、その知見とネットワークを活用するとともに、スピーディーな意思決定により競争優位を築いております。また、役職員はリーマンショックを経験したメンバーが多く、景気動向を踏まえた事業展開を常に意識しており、また、不動産に紐づく銀行借入の期間については原則10年以上とすることで、貸し剥がしやリファイナンスのリスクを低減し、市場環境への対応を図っております。
アセットマネジメント事業も多くの競合がいるものの、国内投資家の需要は旺盛であり、また、日本の不動産に興味をもつ海外投資家は多く、その市場規模も大きいことから、着実に受託資産(AUM)を積上げてまいります。
クラウドファンディング事業は近年、同種事業を営む会社が増加傾向にあり、市場規模拡大が見込まれます。当社は他の事業会社に先んじて、国内で初めての不動産特化型クラウドファンディングを開始しており、その知見が蓄積されていること、上場会社としての信用力、不動産の専門家が提供するサービスであることなどの競争優位を構築しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
① 安定的な経営基盤確立のための仕入体制の強化・維持
安定的な経営基盤の確立のためには自己保有資産残高の積み上げが必須であります。当社の主な投資領域である東京23区は限られた範囲であることから、他社との競争の中でいかに早く情報収集を行い、スピーディーに対応できるかが重要と考えており、豊富な経験とネットワーク及び高い専門性を有する役職員による迅速な意思決定により対応しておりますが、引き続き、優秀な人材の獲得や業務にかかる知識と経験、ノウハウの蓄積等によって、仕入体制の維持・強化に努めてまいります。
② 金利変動の影響
不動産の取得に当たっては、金融機関から資金調達しております。そのほとんどは変動金利による調達であり、今後の長期金利の変動により短期金利が上昇し、当社の損益に影響を与える可能性があります。現時点においてその影響は大きくないと当社は判断しておりますが、引き続き日本銀行の動きや景気動向には注視してまいります。なお、金利スワップ契約による金利変動リスクヘッジも一部実施しております。
③ アセットマネジメント事業の強化
投資家に代わって投資用不動産の管理・運用を行うアセットマネジメント事業では、投資家の発掘・関係維持と投資目線に適う投資対象不動産の仕入・運用・売却が重要課題となります。当社は、不動産投資ファンドやアセットマネジメント会社出身の役職員を多数擁しており、国内外の投資家への不動産アセットマネジメントサービスに関する知見とコーポレートファンディング事業で培った物件仕入の強みを活かして当該課題に対応し、投資家利益を最大化すべく事業の強化を図ってまいります。
④ 不動産投資市場の個人への開放を目的としたクラウドファンディング事業の拡大
クラウドファンディング事業の対処すべき課題としては、案件組成数の増加、及び投資家会員数と投資金額の拡大が挙げられます。これらの課題を解決するため、営業人員を増加するとともにSFA(セールス・フォース・オートメーション)等の導入といったDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、案件組成数の増加を図っております。また、システムの増強、サイトリニューアル等を通じUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を向上させること、WEBマーケティングを通じて投資家会員数と投資金額拡大を企図しております。さらに、ブロックチェーン技術を用いたSTO(Security Token Offering)によりクラウドファンディングへの出資持分の二次流通市場を創造することで上記課題の解決も検討しております。
クラウドファンディング事業は複数の法規制に基づき運営しており、法規制の改正により同事業の推進に影響が生じる可能性がありますが、業界団体等からも情報収集し、社内における改正内容の事前検討などを通じて対応を図ってまいります。
⑤ 人材の確保・育成について
当社グループの持続的な発展のためには、優秀な人材の確保が必要であります。このため、優秀な人材の採用を強化することはもちろんのこと、優秀な人材の流出を防ぐために、風通しの良い社風の醸成、より個々人が成長できる職場環境の提供等に努めてまいります。また、DE&I※の推進に向け社内規則・規程を改定し、従業員等がしなやかに活躍できる環境を整えることに努めております。
※ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン。人材の「多様性(ダイバーシティ)」と「包括性(インクルージョン)」を表す「D&I」に、「公平性(エクイティ)」を付加した概念のこと。
⑥ 内部管理体制の強化について
当社グループは、これからも堅実な事業成長を見込んでおります。今後も、各部門でコア人材となりうる高い専門性や豊富な経験を有している人材の採用活動を継続するとともに、引き続き内部管理体制の強化を図ることで、コーポレートガバナンスの充実により一層努めてまいります。
⑦ サステナビリティの推進
サステナビリティの推進に取り組むため、当社グループは、サステナビリティ推進委員会(旧SDGs推進委員会)を設置し、役職員が意欲的に働き成長できる環境を整えつつ、グループ全体として取り組むべき社会課題を明確にしてまいります。また、サステナビリティへの取組の一環として、当社が保有する不動産については電力源を再生エネルギー由来の電源に切り替え、CO2排出量の削減に努めております。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高と税金等調整前当期純利益を重要な経営指標ととらえ、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。また、持続的な事業拡大を測るために、コーポレートファンディング事業では自己保有資産残高、アセットマネジメント事業では受託資産残高(AUM)、クラウドファンディング事業では投資案件への年間投資金額を、それぞれの事業の重要な経営指標としております。
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