ロココ 【東証スタンダード:5868】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループにおける経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の企業理念は以下のとおりであります。
当社は1994年6月の創業以来、「人を大切にするココロのこもったサービスを提供すること」、「最先端技術による創造的なソリューションサービスを提供すること」、「事業の安定化に向けた基盤構築を提供すること」の3つを基本方針とし、「情報と通信と人材」を合理的かつ効果的にマネジメントし、取引先企業に新しい価値を提供することで信頼されるビジネスパートナーとなることを信条に事業を行っております。
すべての従業員の行動指針となる心構えを「社心」と呼び、社心は「信頼はすべての礎なり」としております。高度情報化が進むグローバル社会で求められる多様な課題に対して、一人ひとりの個性を尊重し絆を作り上げ、より大きなパフォーマンスを発揮することで築いていく強い信頼こそが、課題解決に必要な心構えであると考えます。まさに、多種多様な特性を持つ自然の石を組み上げることで揺るぎのない石垣を築き上げる「礎」が信頼の原点であり、当社の信念であります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの経営戦略は下記のとおりであります。
① 選択と集中による既存事業の強化
各事業のシナジーを生み出し、選択と集中により、既存事業の量・質ともに向上させてまいります。ITを用いた多様なサービスを展開している当社グループの強みを活かし、シナジーの産出、ワンストップのサービス提供、よりニーズのある領域へのシフト、クロスセル展開を目指しております。
② 新サービスの開発
新たな領域における新サービスを生み出し、主力事業に育ててまいります。既存の技術を用いた新たなソリューションを考案するとともに、AI等の先端技術を用いた創造的なソリューションを開発してまいります。そのための論文調査、研究機関や大学との共同研究、新アーキテクチャの考案、目的にあったAIの実現性の確認、検証等の研究開発に注力しております。
③ 成長と育成の両立
事業成長のみならず、人の育成にも力を入れ、更なる強みを目指します。継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって、最も重要な経営資源と認識しております。人材の育成のため、入社時研修、入社2年目・3年目研修、スキルに合わせたオンザジョブトレーニング、専門的な知識やマネジメントスキルの習得を目指す外部トレーニングの活用等を行っております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、売上高及び営業利益を重要な経営指標としております。高収益事業の開発及びビジネスモデルの確立により、これらの指標の向上を図ってまいります。
直近3連結会計年度の、当社グループの各種指標の推移は以下のとおりであります。
| 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 |
売上高 | 6,304,969千円 | 6,929,026千円 | 7,175,217千円 |
営業利益 | 395,907千円 | 691,769千円 | 480,520千円 |
(4)経営環境について
日本は「失われた30年」といわれる長期デフレを経験することで、雇用形態もそれまでの終身雇用から派遣や契約社員の雇用へシフトし、IT人材についても長期的な社内での育成よりもアウトソーシングに依存する割合が多くなりました。長期的な伸びが期待できない中、積極的な設備投資に踏み切れない企業にとってアウトソーシングは非常に好都合であり、先行きの経済環境に劇的な変化が起こらない限り、今後もアウトソーシングの需要は高止まることが予測されます。加えて、昨今の労働力不足・人材不足を背景とした働き方改革やDX(デジタル技術による業務変革)の推進により、企業は自社内リソースの再構築を加速させており、ノンコア業務をアウトソースする機運も高まっております。
システム開発関連業界においては、既存システムの刷新や運用支援などの需要は引き続き底堅いと見込まれます。
一方、少子高齢化による労働人口の減少、「2025年の崖」問題等から人材不足が恒常化しております。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によりますと、労働生産性の年0.7%上昇を前提に、2025年に36万人、2030年には45万人のIT人員の不足が予測されており、今後、IT人材の確保が困難になっていくことが予想されます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 優秀な人材の確保及び育成
当社グループにおいて、人材は最も重要な経営資源の1つであり、今後の事業拡大には優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。
当社グループの属するITアウトソーシング業界、中でも、IT人材系ビジネスにおいては、基盤となる情報通信分野において様々な国家戦略や政策が掲げられておりますが、IT人材の恒常的な人員不足が続いております。このような状況の中、当社グループは、優秀な人材を獲得すべく、新卒採用向けのインターンシップの機会を設けるほか、キャリア採用にも力を入れております。加えて、育児休暇やリモートワークの推奨、有給休暇の取得推奨など、働きやすい環境づくりに力を入れて取り組んでおります。今後は、これらの取り組みに加え、採用活動の更なる強化、従業員教育のための研修制度の一層の充実、社員の成長を支援するための人事評価制度や資格取得推進制度の運用、社員満足度向上を目的とした福利厚生の充実など、より強固な人的基盤の構築を目指してまいります。
② 営業力の強化、クロスセル機会の創出
当社グループでは、多様なサービスを扱うことから、顧客に対してワンストップでITサービスを提供することが可能であります。当社グループでは、顧客に対して幅広いサポートを行うため、営業部員の事業部出向の機会を与えることで、事業部を横断した複数のサービスの提案が可能な体制を整備しております。加えて、パートナー企業との連携を進め、顧客の状況に応じて、パートナー企業と相互に顧客を紹介し合う関係性を構築しております。当社グループでは、これらの取り組みを継続して進めることで、新規顧客の獲得だけではなく、営業力の強化、更には既存顧客に対するクロスセル機会の創出につなげてまいります。
③ 技術力、サービス力の向上
当社グループの属するITアウトソーシング業界においては、競合企業も多く競争が激化しつつある状況です。このような状況の中、当社グループのサービスを顧客に浸透させるためには、他社との差別化が必要であると認識しております。
当社グループでは、顔認証サービスにおいて、顔認証技術の最新の動向をキャッチアップすることに加え、AI技術の推進を進めるなど、技術面の向上に取り組んでおります。加えて、当社グループにおける人材の教育に力を入れることで、更なるサービス面の向上も目指しております。当社グループでは、このような継続的な技術力、サービス力の向上を行うことで、顧客の継続的な信頼獲得につなげてまいります。
④ 認知度、ブランドイメージの向上
当社グループの広告宣伝・販売促進活動は新型コロナウイルス感染症と働き方改革によるB to B市場の変化に伴い、オンライン重視で展開しております。訴求表現では、動画CM、バナー広告から当社Webサイトまで「DX推進はロココ」を統一メッセージに、企業認知とブランドイメージ向上、営業リードの獲得を目的に継続的に実施してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化
当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要な課題であり、今後の更なる事業拡大には、効率的かつ適正な業務運営体制の構築が重要であると認識しております。当社グループでは、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させることによって、内部管理体制の更なる強化に取り組むと同時に、企業価値の最大化に努めてまいります。
⑥ 財務基盤の強化
当社グループは、継続的かつ安定的な事業の拡大を図るためには、手許資金の流動性の確保や、金融機関との良好な取引関係の継続が重要であると認識しております。当社グループは、有利子負債も活用した上で十分な事業資金を確保し、新たな事業価値創出のために機動的な資金調達を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことを、財務上の課題として認識しております。
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