企業兼大株主レンゴー東証プライム:3941】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。

(1) サステナビリティについてのガバナンス

当社グループは、気候変動などの地球環境問題、人権の尊重、従業員の健康・安全、公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、これらの課題に積極的に取り組んでいる。

あわせて、経営品質の向上と将来のリスクの低減あるいは回避などを目的に、代表取締役会長を委員長とするCSR委員会を設置し、コンプライアンス、環境、災害、品質、情報等に係るリスク管理については、各担当部門およびCSR委員会の下部組織である倫理、環境、安全衛生、CS(顧客満足)、広報、情報セキュリティの6つの委員会が協力して、社内規程の制定、マニュアルの作成等を行うとともに、グループ全体の状況の監視を行っている。

取締役会は、これらの取組み状況について、各部門を管掌または担当する取締役および各委員会の委員長から報告を受けるとともに、必要に応じて改善策等を審議、決定している。

 コーポレートガバナンス体制図(2023年6月29日)


(2) マテリアリティ(重要課題)とそ取組

当社は、当社グループが取り組む重要課題について、国内外のガイドラインやイニシアティブに含まれる社会的課題との関連性が高いもののうち、ステークホルダーにとっての重要度、当社グループにとっての重要度の双方が特に高いと考えるものを「マテリアリティ」としている。



(3) 環境への取組

 ① 2050年に向けての環境の取組

 当社グループは、多様化する環境問題に対する企業の取組みの重要性がますます高まっていることを背景に、2021年4月に「レンゴーグループ環境憲章」を改訂し、あわせて環境に関する目標として、2050年を見据えた長期ビジョン「レンゴーグループ環境アクション2050」および2030年度までの中期目標「エコチャレンジ2030」を策定した。

 グループ一体となって目標の達成に向けて取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 ② エコチャレンジ2030

 当社グループは、「レンゴーグループ環境憲章」を具現化するための目標「エコチャレンジ」を作成している。2030年度を達成年度とする「エコチャレンジ2030」では、当社グループ全体の6つの重要課題を特定し、それぞれの課題に対応する具体的な目標を掲げている。

  2022年度の実績は以下のとおりとなった。

エコチャレンジ2030の概要

重要課題

項目

指標

対象範囲

脱炭素社会の形成

温室効果ガス排出量の削減

化石エネルギー起源CO2排出量
(2013年度比)

(注)3

エネルギ-効率の向上

エネルギーの効率的利用

エネルギー原単位(5年平均)

(注)4

循環型社会の形成

資源の有効利用

板紙の古紙利用率

国内連結会社の板紙製造拠点

廃棄物の削減

廃棄物の有効利用率

国内連結会社の製造拠点

環境問題や社会問題を

解決する製品の創出

生分解性のあるセルロース関連製品の開発・普及

ビスコパール®(セルロース粒子)の生産量

レンゴー㈱

REBIOS®(高バイオマス・生分解性パッケージング材料)の採用実績(2022年度まで)

国内連結会社

サプライヤーとの協働によるサステナブルパッケージの開発と普及拡大

GPIレンゴーのサステナブルパッケージ認定基準を策定(2022年度まで)

パッケージの軽量化

段ボールの平均坪量(1㎡あたりの重量)

国内連結会社の段ボールシート製造拠点

水リスクの管理

水リスク評価とリスクの低減

製造拠点における水リスクの調査と評価(2022年度まで)

国内海外連結会社の製造拠点

バリューチェーン
マネジメント(下流)

製品輸送の物流効率向上

段ボール輸送のCO2排出原単位
(2013年度比)

レンゴー㈱

(注) 1 国内連結会社は、レンゴー㈱および国内の連結子会社を指す。

   2 国内海外連結会社は、レンゴー㈱および国内、海外の連結子会社を指す。

   3 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(以下、省エネ法)」対象会社17社(レンゴー㈱、大和紙器㈱、セッツカートン㈱、東海紙器㈱、日之出紙器工業㈱、RGコンテナー㈱、アサヒ紙工㈱、㈱朝日段ボール、㈱金羊社、丸三製紙㈱、大興製紙㈱、大阪製紙㈱、朋和産業㈱、サン・トックス㈱、㈱タキガワ・コーポレーション・ジャパン、日本マタイ㈱、レンゴー・ノンウーブン・プロダクツ㈱)

   4 「省エネ法」対象会社のうち11社(レンゴー㈱、大和紙器㈱、セッツカートン㈱、東海紙器㈱、日之出紙器工業㈱、RGコンテナー㈱、アサヒ紙工㈱、㈱朝日段ボール、丸三製紙㈱、大興製紙㈱、大阪製紙㈱)

エコチャレンジ2030 2022年度の実績

指標

2022年度

2030年度

目標

実績

目標

化石エネルギー起源CO2排出量
(2013年度比)

2%削減

9.1%削減

46%削減

エネルギー原単位(5年平均)

1%/年削減

0.6%/年削減

1%/年削減

板紙の古紙利用率

98%以上

98.7%

98%以上

廃棄物の有効利用率

有効利用率の向上

98.4%

99%以上

ビスコパール®(セルロース粒子)の生産量

65t/年以上

47t/年

200t/年以上

REBIOS®(高バイオマス・生分解性パッケージング材料)の採用実績(2022年度まで)

5件

5件

GPIレンゴーのサステナブルパッケージ認定基準を策定(2022年度まで)

認定基準を策定

未達成

段ボールの平均坪量(1㎡あたりの重量)

0.5%/年削減

0.23%/年削減

0.5%/年削減

製造拠点における水リスクの調査と評価(2022年度まで)

調査の実施

調査・評価とも実施
(達成)

段ボール輸送のCO2排出原単位
(2013年度比)

3.8%削減

3.1%削減

13%削減

 ③ 温室効果ガス排出量の削減

 気候変動問題への対応は世界共通で取り組むべき喫緊の課題となっている。レンゴーグループは、脱炭素社会の形成を環境経営の最重要課題と捉え、事業活動に伴う温室効果ガス排出量削減に積極的に取り組むとともにサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の削減に努めている。

 当社グループの事業活動から排出される温室効果ガスの大部分を生産活動に伴う化石エネルギー起源CO2が占めている。「エコチャレンジ2030」では、温室効果ガス排出量の削減目標として、2030年度までに生産拠点における化石エネルギー起源CO2排出量を2013年度比で46%削減することを目指している。この目標を達成するために、徹底した省エネルギー化とともに、石炭・重油ボイラの燃料転換、バイオマスボイラの新設、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでいく。

2022年度はバイオマスボイラの新設稼働等により、化石エネルギー起源CO2排出量は2013年度比で9.1%の削減となった。2030年度の目標達成を確実なものとするため、活動計画に基づいた実践と改善を推進し、CO2排出量削減の取組みを進めていく。


 ④ 気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 当社グループは、気候変動によるリスクおよび機会に関連する影響評価、対応策の立案と推進に向け、2021年12月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明した。2022年度にはTCFD提言に沿った情報を開示したことに続き、主要な事業である板紙・紙加工関連事業についてのシナリオ分析を実施しており、その詳細な結果を含む情報をインターネット(注)等で開示している。

 [ガバナンス]

 経営品質の向上と将来のリスクの低減あるいは回避等を目的に、代表取締役会長を委員長とするCSR委員会の下部組織として環境経営推進部管掌役員を委員長とする環境委員会を設置している。環境委員会の開催頻度は年4回で、CSR委員会は議事の報告を受けている。CSR委員会に報告される内容は、案件の重要性や緊急度に応じ、適宜取締役会にも連携されており、環境経営に対する監視と指導が有効に働く体制としている。

 環境委員会の下部組織である「脱炭素ワーキンググループ」「グループ環境活動会議」では、温室効果ガス排出削減に関する情報収集や当社各部門およびグループ全体の活動計画・進捗状況を管理している。

 [リスク管理]

 (リスク・機会の特定とマネジメントシステムを通じた対応の枠組み)

 当社は重要な環境側面ならびに環境法規制等を考慮の上、環境委員会での審議を経て、環境経営の推進にかかる事業計画上のリスク・機会を特定している。

 環境委員会およびCSR委員会では、リスク・機会を特定の上、その発生可能性と影響度を評価するとともに、即時ないし中長期といった対応の時間軸を念頭に取組みの優先順位付けを行い、リスク・機会に対応した事業計画を検討している。また、社内規程の制定、マニュアルの作成等を指揮するほか、グループ全体の状況を監視している。

 取締役会では、特定されたリスク・機会の認識を踏まえ、環境経営にかかる事業計画の遂行を監督するとともに、グループ全体の状況を踏まえ、必要に応じて改善策等を審議・決定している。

 環境経営推進部は、これらのリスク・機会の認識に則した対応の戦略的枠組みを具体化し、当社各部門およびグループ全体で運用するため、現場人材の育成支援やモニタリング等の運用全般を調整・指導している。当社グループでは、これらのパフォーマンスにおいて改善の機会を特定し、その後のパフォーマンス改善につながる施策を遂行するとともに、その効果をモニタリングするサイクルを継続することで、気候変動に対するレジリエンスの向上に努めている。これらのマネジメントシステムにおいては、その全体にトップマネジメントが関与し、環境パフォーマンスの継続的な改善を指揮することで、当社グループ全体のマネジメントシステムの一つとしての実効性確保を図っている。

 [戦略-気候変動関連のリスクおよび機会と対応策]

 (シナリオ分析に基づくリスク・機会の特定)

 当社は2022年度、主要事業である板紙・紙加工関連事業を対象に、2030年時点における外部環境の予測に基づいたシナリオ分析を実施した。シナリオについては、パリ協定を踏まえて低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと、現状の想定以上の気候変動対策は実施されない4℃シナリオを設定した。

 部門横断型ワークショップ等で議論を重ね、気候変動によるリスクと機会の絞り込み、予想される財務影響の把握、対応策の検討を行った結果、4℃シナリオでも、リスクと機会の両面で影響が生じる可能性が確認されたが、低炭素社会への移行が進む1.5℃シナリオでは、移行リスクと機会における影響がより大きくなる可能性が高いとの認識に至った。当社グループでは、各シナリオにおけるリスクおよび機会を考慮し、環境経営を推進している。

 (リスク・機会の認識と対応策)

 当社ではシナリオ分析に基づき、2030年度において事業継続または利益への影響が懸念される要因として、炭素税の導入をはじめとする政策・法規制の変更や、電力小売価格等の上昇を含む移行リスクのほか、災害の激甚化と頻繁化に伴い施設への影響等が懸念される物理リスクを認識している。

 当社グループでは、これらへの対応策として、移行リスクについては、エネルギー転換のための設備投資や財務影響を最小化する適正な製品価格の実現を基本としつつ、工場の稼働や調達の平準化による原燃料価格変動リスクの制御等を図るとともに、物理リスクについては、BCPの策定とその実効性確保、生産拠点における水害対策(嵩上げ、止水板、非常用電源等の設置)を行うほか、有事の分散調達も可能とするサプライチェーンマネジメントの強化等を図っている。

 また、これらのリスク回避の一方、物流効率化に資する包装設計やグリーンロジスティクス、ライフサイクルアセスメント(LCA)に基づく低炭素化を戦略的に推進するとともに、一連の取組みに関する情報開示の拡張と深化を図ることで、新たな機会の獲得に努めている。

 なお、これらのリスク・機会の認識と対応策の詳細はインターネット(注)等で開示している。

 [指標と目標]

 当社グループは、2050年を目途とする長期目標「レンゴーグループ環境アクション2050」を掲げ、温室効果ガス排出量実質ゼロの達成を目指している。2021年4月には、2030年度を目途とする中期目標「エコチャレンジ2030」の中で、国内グループ会社を対象とするCO2排出削減目標を制定した。また、2023年1月からはSBT(Science Based Targets)認定の取得に向けた目標設定に取り組むことで、対象を国内・海外グループ会社のScope1、Scope2、Scope3全体に広げていく。これらの目標の達成に向け、脱炭素ワーキンググループにおいて温室効果ガス排出削減のロードマップを策定し、省エネの推進や再生可能エネルギーへの転換等の進捗を管理することで、温室効果ガス排出量の削減を進めている。

(注)詳細情報URL https://www.rengo.co.jp/sustainability/environment/climate/index.html

(4) 人的資本・多様性に関する取組

 [戦略]

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は次のとおりである。

 

レンゴーグループ 人材育成方針・社内環境整備方針

 

レンゴーグループは、人本主義(人間中心主義)を会社経営の柱に据えて、働く者一人ひとりの成長こそが

企業を成長させるとの考えのもと、以下の人材育成、社内環境整備を行っています。

 

1.人材育成に関する方針

  自立と自律の気概を持ち、自ら学び、考え、やり抜く人材を育成するため、さまざまな成長の機会を

  提供します。

   生産性とは人間の心の持ちようであるとの基本に立ち返り、全要素生産性(TFP)向上に邁進する

    人づくりに取り組みます。
    そして、全要素生産性の向上を図ることにより生み出される付加価値を従業員に適切に分配し次の

  長につなげる「成長と分配の好循環」を中長期的に実現するための取組みを、労使一致協力して推し

  進めてまいります。

 

2.社内環境整備に関する方針

  多様な人材が互いに尊重かつ受容し、持てる能力を最大限に発揮して活躍できるよう、D&I(ダイ

  バーシティ&インクルージョン)に積極的に取り組みます。

  生涯現役の考えに基づき、心身ともに健康で、安全かつ安心して、いきいきと働くことができる職場

  環境を築くとともに、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進します。

 

当社グループは、人本主義(人間中心主義)を会社経営の柱に据えて、人への投資、人づくりを通して、持続的な成長と生産性向上に取り組んでいる。

人材育成に関しては、優秀な人材を確保し適正に配置したうえ、「現場にこそ真理がある」をモットーに、それぞれの持ち場におけるニーズに対応した職種別や階層別教育を計画的に実施するとともに、グローバル人材の育成、自己啓発の支援といった教育制度を整備・拡充し、自己の成長を実感できる取組みを進めている。

生産性についてあらゆる要素を分析し、技術革新とともに人の働き方、心のありようも意識しながら全要素生産性を高めることに労使一致協力して取り組んでおり、2022年度からは、「生産性とは人間の心の持ちようである」という基本に立ち返り、「心をみがこう」をスローガンとする人づくりの研修を全社展開している。3事業年度にわたって全社員が受講するもので、第一弾は製造現場の係長・主任240名を対象に計8回実施した。特に職場におけるコミュニケーションは、働く人と人を結びつけ、組織力・現場力の源になる重要なものと考えている。さらなる現場力の強化、生産性の向上を図り、人への投資、人づくりにこれまで以上に力を入れている。

多様な人材が互いに尊重かつ受容し、個々の能力を最大限に発揮することによってイノベーションが生まれる企業を目指している。まず2014年4月に女性活躍推進室を設置して女性が能力をさらに発揮できる企業風土づくりや環境整備に取り組み、2022年4月にはD&I推進室へ改組してダイバーシティ&インクルージョンを推進・強化している。

中でも女性の活躍推進については、「女性の活躍推進に関する行動計画」に掲げる目標の達成はもとより、採用促進と職域拡大に注力し女性比率を高めるとともに、教育・キャリア形成の強化・充実を図っている。さらに、管理職登用についても積極的に取り組み、女性の役員登用につなげていく。

また、生涯現役の考えのもと、2019年4月に導入した65歳定年にあわせて「レンゴーはつらつ健康宣言」を策定し、誰もが健やかで心豊かなはつらつとした生活を実現するために、日々の健康づくりと安全・安心な職場づくりに取り組み、健康経営を実践している。

少子化対策と次世代育成支援の一環としては、第3子以降の出産には100万円の祝い金を贈呈している。制度導入の2006年4月から延べ466名が受給し、子育てを制度面と経済面の両方からサポートしている。

 [指標および目標]

 当社グループにおける、上記[戦略]において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、提出会社においては次の指標を用いている。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりである。

①女性の活躍推進に関しては行動計画(期間:2021年4月1日から5年間)を策定し、次の目標を掲げている。

 1.総合職女性採用比率を3割以上とする

 2.業務職女性採用比率を2割以上とする

 3.女性管理職数を1.5倍以上とする(2020年度40名 → 60名以上)

 4.男性の育児休業取得率を8割以上とする

 

2021年度

2022年度

目標

(2026年3月末)

総合職女性採用比率

31.1% 

31.0% 

30%以上 

業務職女性採用比率

21.3% 

29.2% 

20%以上 

女性管理職数

39名 

46名 

60名以上 

男性育児休業取得率

82.4% 

97.6% 

80%以上 

②誰もが働きやすい職場環境を整える中で、障がい者の雇用促進や職域拡大に積極的に取り組んでいる。2023年3月時点の障がい者雇用率は2.4%と法定雇用率を満たしている。

③2015年より「全要素生産性(TFP)向上による総労働時間削減」に取り組んでいる。年次有給休暇取得促進については、2022年度の取得率は目標とする60%を超えた。引き続き70%に向けて取組みを着実に進めていく。

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