リンナイ 【東証プライム:5947】「金属製品」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ共通
ブランドプロミス「Creating a healthier way of living(リンナイは、健全で心地よい暮らし方を創造します)」のもと、生活の質の向上及び地球環境問題という社会課題の解決に向けて取り組んでおります。ESGの視点でサステナビリティの諸課題に取り組むことが上記社会課題の解決に結びつくものであり、積極的に取り組んでおります。
1)ガバナンス
当社は、グループ企業の競争力強化と継続的な企業価値向上の観点から、コーポレートガバナンスの強化、充実が経営上の重要課題として認識しております。当社は、経営の意思決定に社外の声を反映するため、社外取締役2名を選任しております。社外取締役は、当社の経営判断・意思決定の過程で専門分野を含めた幅広い経験及び見識に基づき、監督・助言を行うなど、意思決定の妥当性・適正性を確保するための適切な役割を果たしております。なお、2023年6月29日開催の第73回定時株主総会にて、新たに社外取締役2名を増員することで、上記の役割のさらなる強化を図っております。
また、業務執行体制については、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制を構築するため、執行役員制度を導入しており、社長以下の取締役の一部が執行役員を兼務し、取締役会の決議内容を担当部門の管理責任者に伝え業務執行を行っております。また、3ヶ月単位の全社経営会議および個別経営会議で経営進捗の確認と課題事項の共有化を図っております。
サステナビリティについては、ESG委員会規程に基づき、社長を委員長とする「ESG委員会」にて、関係部門と諸課題・対応策を議論の上、決定しております。また、そこで議論された内容は、定期的に取締役会に報告されます。
リスクについては、リスク管理規程に基づき、社長を委員長とする「リスク管理委員会」のもと、同規程に従った体制を構築し、リスクの低減とリスク対応力の向上に努めております。また、そこで議論された内容は、適宜、取締役会に報告されます。
2)リスク管理
当社は、全本部を含む関係部門が参加するリスク管理委員会を年4回開催しております。同委員会では、グループを含めたリスクに関する社内点検・改善の実施状況や近時の重要リスクについて、報告・確認を行い、情報共有を図るとともにリスクの未然防止に努めております。具体的には、生命・信用・事業活動・財産に影響をおよぼす恐れのあるリスクを特定し、項目ごとに「影響度・発生頻度」にて重要性を評価した「重要リスク一覧表」を作成しております。また、項目ごとに責任担当部門を決め、未然防止の仕組みづくり、危機の早期解決、損害の最小化、再発防止などを議論し、取り組んでおります。
2.気候変動
1)ガバナンス
当社は、2021年にリンナイグループのカーボンニュートラル実現に向けて「RIM 2050」を策定、公表しました。この中では、商品ライフサイクルでの「開発・生産」「商品物流」における事業活動と「商品使用」「廃棄」における商品使用時のCO₂排出量の目標と共に、2030年をターゲットとする「低炭素」に向けて、従来から活動を進めている高効率給湯器「エコジョーズ」やハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」の普及拡大を加速すること、2050年をターゲットとする「脱炭素」に向けては、メタネーション・プロパネーションといった技術開発の動向を注視して従来機器における継続利用の可能性を探り、また水素燃焼機器やハイブリッド給湯器と再エネ技術を組み合わせたシステムの開発などによって長期的な事業戦略を模索していくことを定めております。
これらに関する施策については、経営企画本部環境部が主管となり立案し、ESG委員会にて関係部門議論の上、決定されます。また、その議論の内容、進捗に関しては、定期的に取締役会に報告されます。
2)リスク管理
気候変動については、経営企画本部環境部を責任担当部門として、開発本部、生産本部、生産技術本部等の関係部門と連携の上、未然防止の仕組みづくり等を進めております。
3)目標・指標
当社は気候変動リスクへの対応として「エネルギー効率の向上、およびそれを実現した環境配慮型商品の開発・普及」が重要と考え、重要課題(マテリアリティ)の一つを「エネルギー消費量、CO₂排出量」とし、主な目標指標として「商品使用時におけるCO₂削減貢献量」や「環境貢献商品の売上目標」を定め、気候変動リスクへの対応に努めております。
中期経営計画「New ERA 2025」では、商品使用時におけるCO₂削減貢献量を700万tとして目標設定しております。省エネ性・環境性を追求した給湯・暖房機器を開発し、家庭への普及・促進を通して、使用時におけるエネルギー消費、および家庭から排出されるCO₂の削減を目指します。
また、「New ERA 2025」では、当社グループが販売する商品の中でCO₂排出量低減となるものを、地球環境貢献商品として設定しております。2020年度を基準年として、2025年度には地球環境貢献商品の売上高を150%にする目標を掲げております。
事業活動におけるCO₂排出量の削減は、工場や事業所においてグリーン電力の購入や非化石燃料設備の導入によって、スコープ2は国内を2030年までにCO₂排出ゼロ、海外は2050年までにゼロを目指し、スコープ1については国内・海外ともに2050年までにゼロを目指します。
4)戦略
熱機器を取り扱う企業として気候変動に関わる諸課題の検討は重要であると認識しており、それらがリンナイのビジネスに与える影響を想定しております。また、この先の変化に応じた対応や利益影響を検討しております。
※2℃シナリオ/4℃シナリオ:
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書(2014年発表)にて用いられた、地球温暖化における約2℃の気温上昇、および約4℃の気温上昇によってどのような影響があるかを想定する予測シナリオ
3.人的資本・多様性
中期経営計画「New ERA 2025」では、「社会課題解決への貢献」「事業規模の拡大」「企業体質の変革」を軸とした戦略ストーリーを策定し、持続的で堅実な長期成長を目指しております。次世代への成長の第一歩として掲げたこれら戦略ストーリーを実現するためには、その原動力となる従業員の力を結集し、チャレンジし続けることが必要不可欠となります。当社では、経営戦略に紐づく人的資本への投資を積極的に行うとともに、戦略ストーリーの推進を通じた企業成長を実現することはもちろん、そのプロセスの推進により従業員の成長そしてエンゲージメントの向上を実現していきます。
・人的資本戦略の概略図(指標および目標)
・重点施策(人材育成方針、社内環境整備方針)
『グローバル』人材の育成
海外売上比率が50%を超えた当社にとって、海外市場での成長は事業規模拡大を加速させる大きなドライバーとなります。海外展開をこれまで以上に強力に推進していくため、グローバル人材の質と量を確保していくことは、人材戦略上の重要な位置づけであります。これまで取り組んできたグローバル市場に必要な商品技術、製造技術、ファイナンススキル等の専門領域に加え、海外での実体験に裏打ちされた国際感覚豊かな社員の育成を推進していきます。
『DX』人材の育成
購買行動や流通構造が変化する社会において、本業における将来的な競争力を確保するため、これまでのビジネスや業務のプロセスの有り方を根本から見直し、消費者志向への転換など企業体質の変革を実現することが必要不可欠です。その実現に向けて当社ではDXを推進しており、既に推進体制の構築、人材育成、技術環境の整備、データ管理基盤の構築など様々な取り組みを行っております。特に人材面では、当社のDXをリードするコア人材について「DXビジネス人材」、「DX技術人材」と定義し、専門的な育成プログラムを開始しております。またコア人材以外にも、ITリテラシーの底上げを目的に、IT機器を活用する社員に対するデジタル基礎教育も推進しており、全社を挙げてイノベーションの創出、業務生産性の向上を実現していきます。
『ブランド』の浸透
当社では、2016年より国内外ともに一貫したブランド戦略を推進・展開しており、そのブランディング活動の中核に位置付けているのが、従業員への浸透活動です。新ブランド制定当初より、従業員一人ひとりがブランドプロミス「Creating a healthier way of living」を理解し、日々の業務の中で体現していくことが、リンナイブランドを確立していく上で必要不可欠な要素と考え、当社社員を中心に浸透教育を実施してきました。今後はこれまで以上に「差別化された選ばれるブランド」を目指し、このブランド浸透教育を海外グループ会社の社員にも拡大し、従業員のマインドチェンジを強力に推進していきます。
戦略を支える『人材投資』 (教育機会の増大、多様性の推進、社員の働き方/職場環境)
グローバル、DX、ブランドの取り組みに加え、経営戦略を実行する上で必要不可欠な従業員のパフォーマンス向上を狙う中長期的な人材投資も進めております。
・「教育機会の増大」
従業員に対する教育施策については、従来より階層別・部門別・自己啓発教育などの仕組みをもとに、その能力向上に取り組んできました。しかし、2021年10月に実施した第1回エンゲージメント調査結果を分析する中で、「管理職層と非管理職層のエンゲージメント結果に差が大きい点」、「社員の成長を促す仕組みが不足している点」が全社課題であることが判明しました。
これら課題を解決し、従業員個々の能力および組織力を向上するため、経営と現場をつなぐ立場である管理職層の意識転換施策(マネジメント力向上など)や、従業員の基礎的なビジネススキル・専門性の向上施策および将来のキャリアを踏まえた主体的な学びを後押しする環境の整備など、各種支援の取り組みを進めております。
また、上記に加え、カーボンニュートラル・デジタル化・少子高齢化などをはじめ、企業を取り巻く環境は変化に富んでおり、将来にわたって当社が成長し続けるためには、全社視点で経営を担うリーダーの発掘・育成が必要不可欠です。これに対しては、2021年度より中核人材育成プロジェクトを開始し、既に第1期生の選抜および教育プログラムを実施しており、今後も継続して優秀なリーダー人材の育成に取り組んでまいります。
・「多様性の推進」
労働人口減少の中での労働力確保および多様な価値観・経験を持つ人材の活用による新たなアイディア創出のため、女性・シニア社員・障がい者・キャリア採用者の活用に関する取り組みを進めております。
特に女性社員については、従業員の約30%を占める人数規模にもかかわらず、サポート業務(一般職)での活躍が中心となっており、その能力活用についてはまだまだ対策の余地があると認識しております。総合職採用および一般職からの職系転換を積極的に行うことや、管理職候補者の選定および計画的な育成を通じ、女性社員の基幹業務での活躍を推進しております。
また時短勤務制度、育児休業取得の促進など、女性社員がキャリアを継続できる働きやすい環境づくりと並行して、育児に対する男性の理解促進や働き方の見直しによる生産性向上を目指し、男性社員の育児休業取得率向上への取り組みも進めております。
・「社員の働き方/職場環境」
人生100年時代の到来、個人のキャリア観の変化など、世の中の価値観が大きく変化する中、従業員が高い意欲を持ち最大限の力を発揮しつづけるため、テレワークをはじめとした新たな働き方の推進や心身の健康サポートを含めた職場環境の整備に関する取り組みを推進しております。日々の健康意識向上のため、食堂での健康食の拡大や福利厚生制度と連動した健康プログラムの導入、従業員の心理的・物理的な安全を確保するための各種ハラスメント教育や安全衛生活動の推進など、従業員の日々のパフォーマンスを支える取り組みを実施しております。
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