リンガーハット 【東証プライム:8200】「小売業」 へ投稿
企業概要
(1) 研究開発活動の体制
当社グループにおける研究開発活動は「生産技術研究所」を設け、専任担当者を置いて研究開発活動にあたっております。
また、店舗のメニュー開発は「リンガーハット商品開発チーム」と、「浜勝商品開発チーム」が担当しております。
「生産技術研究所」においては店舗、工場の設備・機器・システムの研究開発と機器の内製化を推進することにより品質の向上とコストダウン及びノウハウの蓄積を担うべく活動しております。
「商品開発チーム」においては商品戦略を業態別にロードサイド、フードコート、都心ビルインに分け年間商品開発カレンダーに落とし込み、商品コンセプト策定、消費者ニーズ等の調査、試作、役員試食、消費者試食、オペレーション検証と機器開発、自社工場製造ラインテスト及び品質保証チームによる食品衛生チェックを経て、販売を決定する体制をとっております。
ちゃんぽん麺、皿うどん用フライ麺、ぎょうざ、チャーハンをはじめ多くの材料を自社工場で生産するシステムをとり「他社との絶対的な商品の差別化」を図っている当社グループでは、「商品開発チーム」は、素材調達を担当する「購買チーム」及び生産・加工を担当する「生産チーム」と連携して商品開発活動を行っております。
また、販売に際しては、店舗オペレーションマニュアルの作成と周知、店舗責任者への教育・訓練を「トレーニング開発チーム」と連携して行っております。
(2) 研究開発活動の方針
「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」という企業ミッションを達成するために、研究開発におきましては「お客さまに喜んで頂ける研究開発活動を推進する」こと、商品開発におきましては「健康的で高品質な商品を手頃な価格で提供する」ことをその活動基本方針としております。国内にせまる少子高齢化対応、国内外の多様化する消費者ニーズ等、時代の変化、販売拠点の変化に対応、あるいは企業側からの積極的新提案ができるよう、業界動向、消費者調査、来店客調査から得られる情報を活動方針に反映させております。
(3) 当連結会計年度における研究開発活動
① 長崎ちゃんぽん事業
a.ちゃんぽん類の開発
毎年好評をいただいている季節のグランドメニューの商品をブラッシュアップし、春には「あさりとアスパラの鶏白湯ちゃんぽん」夏には「梅肉と鶏むね肉の冷やしまぜめん」「冷やしちゃんぽん麻婆茄子」秋には「かきちゃんぽん」冬には「海鮮ちゃんぽん」「北海道コーン味噌ちゃんぽん」を展開しました。
また地域限定メニューとして愛知県「超こってりちゃんぽん」京都府「九条ねぎ和風あんかけちゃんぽん」大阪府「リンガーハットの焼きそば」を開発し販売しました。
b.新スープの開発
個食でスープを作れるように「ちゃんぽんスープ」「皿うどんスープ」をブラッシュアップしました。
c.テイクアウト商品の開発
ワンハンドで食べられる商品としてパンに具材を挟んだ「ちゃんぽんこっぺ」を開発しました。
また福袋用に「おでん」「袋めん」を開発しました。
d.食の安全・安心・健康について
食の安全・安心・健康を確保するため、今後も店頭及びホームページにて原産地情報及びアレルギー情報等の開示を積極的に行ってまいります。
上記の結果、当連結会計年度中に長崎ちゃんぽん事業の研究開発に投資した金額は、39,752千円であります。
② とんかつ事業
a.とんかつ類の開発
毎年好評をいただいている季節のグランドメニューを春には「重ねかつ(明太子)」「重ねかつとアスパ
ラ巻」、夏には「重ねかつ(梅しそ)」、「梅しそ巻」秋と冬にかけては「かきふらい膳」を盛り合わせの
変更とブラッシュアップをおこない販売しました。
b.新規顧客獲得に向けた商品の開発
とんかつ以外のニーズを探るために「ハンバーグ」をブラッシュアップし販売しました。
新しいニーズを探るために「チーズかつ丼」「特盛エビフライ丼」「おろしとんかつシリーズ」
「ねぎ塩レモンかつ」「キーマかつカレー」「冷やしだし茶漬け」「和風クリームシチュー」
「煮込みハンバーグ」「和風油淋鶏」を開発し地域限定販売をおこないました。
c.テイクアウト商品の開発
自動販売機での販売やや家庭で保存できる商品として「冷凍かつサンド」を開発しました。
上記の結果、当連結会計年度中にとんかつ事業の研究開発に投資した金額は、42,493千円であります。
③ セグメントに区分できない基礎研究開発活動
生産技術研究チーム
a.画像処理技術を駆使した検査設備の開発と外部への販売
自社開発した画像処理検査装置については、工場への導入実績を基に、外部販売可能な一体型モデルを新規開発しました。賞味期限印字の照合検査(OCR)とAI判定機能による異品種混入や部品入れ忘れを検出でき、ユーザー様の使用環境やライン構成に応じて柔軟にカスタマイズできる仕様としています。
検査システムは、目視検査相当の120万画素カメラを搭載し、食品加工を主とした工場向けに特化しており、コンビニベンダー殿・総菜加工工場殿からの引き合いが増えております。
多様化するユーザー様の作業環境に対応すべく、カメラ・制御盤・検査モニター分離型モデルを開発し商品力を高めております。既存ラインを大幅に変更することなく隙間に追加可能なシステムとして、設置場所が見つからず導入に困っておられるユーザー様のニーズに応えております。
b.高感度カメラの研究
展示会商談ならびに顧客打合せにて、高感度カメラを使用した検査システムへの期待が高まりつつあります。より高精細な画像処理検査に適用すべく研究・開発に着手いたします。
c.内製技術力の向上
少子高齢化に伴う作業員不足の課題に対応すべく、協働型ロボット実装技術開発に着手いたしました。
ロボットが理解できる命令語に翻訳するスクリプト言語について研究を進めています。現時点では、食品関連展示会に内製開発検査機器と組み合わせて、NG判定品を排除するシステムとして出展し、来場者の注目を得ております。今後、ベルト速度を電気信号に変換する検出機器を組み込み、搬送コンベアとの同期取出し動作を開発中です。この技術開発を経て、工場ラインへの適用先について検討を進めます。
以上、当連結会計年度中に研究開発活動へ投資した金額の合計は、各セグメントに区分できない費用26,570千円を含め、108,816千円であります。
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