リニカル 【東証スタンダード:2183】「サービス業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2023年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、経営理念のもと「サステナビリティ方針」を策定し、この方針に沿ってサステナビリティ経営を推進してまいります。サステナビリティに関する重要課題に継続的に取り組み、進捗のモニタリングを行い、PDCAサイクルを回していくことで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
<サステナビリティ方針>
私たちは創業以来、革新的な医療が求められる疾患領域に注力し、難易度の高い医薬品開発に取り組んできました。経営理念のもと、役員・従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして、誠実さをもって企業活動を遂行し、患者様ならびに社会全体の幸せを追求しています。
私たちの存在意義は、医薬品開発の高い専門性とノウハウをもって、世界のヘルスケアカンパニー・医療機関のパートナーとして、新薬を含む新しい疾患予防・治療技術の誕生と成長を支援し、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献することです。
この実現のため、グローバル企業としてコーポレート・ガバナンスをより一層充実させ、ステークホルダーとともに重要課題に取り組み、社会とともに持続可能な発展を目指します。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
① ガバナンス
当社は、専務取締役管理本部長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。委員会には各部門の責任者・担当者が参画し、重要課題(マテリアリティ)に関する重点施策の策定と社内展開、および進捗状況のモニタリングを行い、サステナビリティの取組を全社で推進します。
また、サステナビリティに関する取組状況等は、定期的に取締役会および経営会議に報告しています。
② リスク管理
当社は、企業活動に影響を及ぼす恐れのあるリスクを想定し、問題発生の未然防止に努めると同時にこれに適切に対処するため、専務取締役管理本部長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しています。これにより、災害、不正、情報漏洩などの事業遂行リスクについて評価を行い、回避策・対応策の検討と実行を行っています。また、持続的事業成長を阻害するような環境変化や機会損失などの事業機会リスクについては、代表取締役社長の指示のもと各事業部・部門にて評価と対応策の検討および対応を行っています。
上記リスクの検討内容については、取締役会、経営会議およびサステナビリティ委員会においても情報共有が行われ、サステナビリティ委員会において全社に係るサステナビリティ関連の重点施策の策定と社内展開および進捗状況のモニタリングを行うことで、全社におけるリスク管理の強化を図ります。
なお、当社グループにおけるリスクマネジメントの取組については「3 事業等のリスク」に記載しております。
(2)戦略および指標と目標
上記(1)に記載の体制のもと、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の検討を進め、国際社会の要請や当社にとって影響の大きい社会的課題を「社会にとっての重要性」と「自社ビジネスにとっての重要性」の2つの視点で評価し、重要度の高い課題を抽出しました。それらについて取締役会を含む社内で討議を行い、特に重要度の高い課題として特定したマテリアリティは以下の通りです。特定されたマテリアリティへの取組を通じて、サステナビリティ方針で目指す持続可能な社会の実現と企業価値の向上を図ります。
<マテリアリティ>
① 革新的な医薬品の開発:Clinical Development Partnerとして、最先端のテクノロジーを活用し、高い専門性とノウハウを世界中のヘルスケアカンパニーに提供することで、新薬を含む新しい治療技術の開発支援とその安全性の確保に努めます。これを実現するため、多様なプロフェッショナル人材を育成し、活躍し続けられる環境整備を進めます。
② 倫理とコンプライアンス:医薬品開発を担うにふさわしい最高水準の倫理感を持ち、世界各国の法規制を遵守し公正で透明性の高い事業活動を遂行します。医薬品開発のあらゆる場面において患者中心の考え方を基に誠実に職務を遂行し、患者の安全・人権の確保と、臨床試験データの信頼性の確保に努めることで医療に貢献します。
③ 将来世代への責任:世代を超えて持続可能な社会の実現に貢献するため、事業活動において、エネルギーをはじめとする資源の有効活用に努めます。また気候変動に対し、適切な対応を推進します。
具体的な取組みは以下のとおりです。
① 革新的な医薬品の開発
中期経営ビジョンおよび中期経営計画において、事業を通じた社会課題への取組として戦略的に実行してまいります。またこれを実現するために必要な人材の多様性の確保を含む人材育成の方針・社内環境整備の方針および指標と目標は以下の通りです。
<人材育成・職場環境整備方針>
医薬品開発のプロフェッショナルとしてグローバルにサービスを提供する当社グループにとって、社員こそが価値創造の源泉です。変化の激しいヘルスケア業界において、グローバルに事業を拡大し、持続的に企業価値を向上させるためには、多様な経験をもつ人材がそれぞれの能力・特性を最大限に発揮し、活躍し続けられることが重要です。
そのために、プロフェッショナルとして変革の時代に飛躍できる人材を育成し、社員一人ひとりがその能力・特性を最大限に発揮し、自身の幸せを追求できる場を提供します。
さらに、グローバル企業として持続的な成長を実現できる次世代の経営者の育成を進めます。
<指標と目標>
革新的な医薬品開発を実現するために必要な人材が長く働き続けられるかどうか、また、効率的に実行できているか生産性を測る指標として以下を設定しております
指標 | 目標 | 2023年3月期 実績 |
離職率 | 連結:15% 単体:10%以下 | 連結:19.1% 単体:16.7% |
人員稼働率 | 原価人員一人ずつの、規定労働時間に対する有償稼働時間の割合と、顧客との契約における計画時間と実労働時間の割合の二つの指標を月次でモニタリングし、短時間で効率的に成果を創出する社員の比率を継続的に改善 |
② 倫理とコンプライアンス
当社グループは取締役Chief Compliance Officer(CCO)と倫理・コンプライアンスのグローバル責任者を共同議長とするコンプライアンス委員会を設置しており、委員会においてコンプライアンスに関するガバナンスとリスク管理、および重要課題への対応を行います。
コンプライアンスに関する基本方針として企業行動規範及び倫理・コンプライアンスプログラムを共有し、継続的に教育・啓蒙活動を行うことにより、役員及び従業員の倫理・コンプライアンスの意識の向上を図っております。さらに、ホットライン窓口を設け、コンプライアンス問題の未然防止・早期発見に努めております。
コンプライアンス委員会は必要なデータの収集と分析を行い、コンプライアンスプログラムの遵守・浸透状況を確認し、必要な対策を講じてまいります。その内容については取締役会に報告しております。
③ 将来世代への責任
気候変動に起因する社会・環境問題は喫緊の課題と認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の考え方に準拠しながら、必要なデータの収集と分析を行っています。現時点の状況は下記の通りです。
・ ガバナンス
当社ではサステナビリティ委員会において、気候変動に関する戦略策定とモニタリングを行い、その内容を取締役会および経営会議に報告しています。
・ 戦略
サービス業である当社グループが排出するCO2は、そのすべてが電力に由来するものであり、自社拠点が入居する賃貸オフィスにおける使用によるものです。このような状況を踏まえ、各オフィスでの省エネ活動に取り組み、また、今後、入居ビルごとに再生エネルギー由来の電力への転換が可能かどうかの検討等を行ってまいります。
また、上記の状況から、当社では気候変動に関する移行リスクの事業への影響度は大きくないと評価しておりますが、主要な物理リスクと機会として、下記を認識しています。なお、下記の物理リスクにおいては事業継続計画(BCP)を策定済みであり、継続的に見直しと訓練を実行してまいります。
物理リスク | 機会 |
急激な災害による事業拠点の操業度低下 | 新たな疾病に対する顧客(製薬関連企業)の新薬開発の増加 |
疾病の蔓延 |
・リスク管理
気候変動リスクの全社のリスク管理体制への統合については次年度報告までに完了予定です。
・指標と目標
気候変動の評価指標、目標に関しては今後検討していきます。GHG排出量の実績は下記のとおりです。
GHG排出量(t-CO2) | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
Scope1 | 0 | 0 | 0 |
Scope2 連結 | 384.2 | 396.7 | 415.7 |
Scope2 単体 | 326.1 | 341.7 | 364.8 |
※Scope1に該当する排出はありません。Scope2は外部から購入した電力使用によるものです。また、マーケット基準にて算出しています。
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