企業ラクト・ジャパン東証プライム:3139】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針・戦略等

 当社グループは、「パーパス(ありたい姿)」を見つめなおし、それを実現するための「ミッション(未来に向けた使命)」、「バリュー(大切にする価値観)」について、社員をはじめあらゆるステークホルダーの皆さまと共有すべく新たな経営理念としてまとめ、2023年1月に公表しました。

<経営理念>

パーパス(ありたい姿)

・世界を食で繋ぎ、人々を健康に、そして笑顔にする

ミッション(未来に向けた使命)

・食の基盤である一次産業の未来に貢献する

・乳製品の新たな需要を創造する

・ステークホルダーすべての豊かな生活を実現する

バリュー(大切にする価値観)

・フェアであれ

<コーポレートブランド>

「みらいを育む」

 食を通じて人々の健康的な未来に貢献したい、その基盤である一次産業の未来に貢献したい、株主、取引先、従業員などのすべてのステークホルダーの皆さまの豊かな未来を共に育んでいきたい、そのような想いを込めています。

<長期ビジョン>

10年後の長期ビジョンとして「LACTO VISION 2032」を策定しました。

①スローガン

・乳製品専門商社から複合型食品企業へ

・乳製品取扱高日本一、そして世界一へ

・ベストマッチングで需要を創造、酪農・畜産業発展への貢献

②計数目標

 

2023年11月期

実績

2032年11月期

目標

連結経常利益

28億円

60億円

海外比率(連結経常利益ベース)

27%

40%

乳製品取扱高(グループ合計)

21万トン

45万トン

③ESG目標(マテリアリティ・個別施策)

・安心、安全な食の提供

・健康的で豊かな生活への貢献

・持続可能な酪農・畜産業を通じた安定供給

・気候変動への適応及び環境負荷の軽減

・多様な人材が誇りを持って働ける職場作り

・ガバナンスの高度化

<中期経営計画>

 中期経営計画はこれまで毎年3年後の業績目標を掲げ、ローリング方式で公表しておりましたが、2023年に公表した中期経営計画「NEXT-LJ 2025」より、各期の業績目標を明示し3か年ごとに計画を見直す固定方式に変更いたしました。各期の目標を明確化することで、計画の実効性を高め、確実な成長の原動力とすると同時に、株主・投資家の皆さまとの対話を円滑なものにすることを目指しています。

「NEXT-LJ 2025」においては、既存ビジネスの「進化」と、アジア事業の拡大で成長を目指しつつ、次世代ビジネスの構築に向けた基礎固めにも注力してまいります。当中期経営計画の基本方針は下記のとおりです。

(基本方針)

事業成長

《Base》

既存ビジネスの「進化」

《Growth》

アジア事業の拡大

《Challenge》

次世代ビジネスの構築

サプライソースの

多様化による安定供給

チーズ製造販売事業の拡大

機能性食品をはじめとした
新たな商材の開発

ベストマッチングを生み

出すコンサルティング営業

現地営業体制の強化
販売エリアの拡充

 製造・加工の
川下分野の拡充

日本産食材の輸出

 宗教や多様な食文化に対応
した高付加価値製品の開発

酪農等の川上分野への関与

M&A(海外トレーディングハウスの買収、同業他社の買収、事業提携など)

経営基盤

の強化

持続可能な酪農・畜産業への貢献
気候変動への適応及び環境負荷を軽減するビジネス体制の構築

人材開発の強化/ガバナンスの高度化/情報システム整備

(前提となる事業環境)

世界

世界的な食糧争奪 / 環境意識の高まり

アジア

アジアの経済成長 / 食の欧米化

日本

輸入乳原料・チーズ、食肉への堅調な需要 / 高齢化・健康意識のさらなる高まり

ライフスタイルの変化、人手不足

(業績目標)

単位:億円

2023年11月期

(計画)

2024年11月期

(計画)

2025年11月期

(計画)

連結売上高

1,600

1,800

2,000

連結経常利益

32

36

40

親会社株主に帰属する当期純利益

23

26

29

 参考 : 実績

単位:億円

2023年11月期

(実績)

2024年11月期

(予想)

連結売上高

1,583

1,600

連結経常利益

28

34

親会社株主に帰属する当期純利益

20

24

(財務目標)

 

2023年11月期

(実績)

2025年11月期

(計画)

ROE

8.7%

10%以上

配当性向

23.2%

20~25%

連結自己資本比率

34.2%

30~35%

(2) 経営環境及び対処すべき課題

 各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。

<乳原料・チーズ>

 コロナ禍以降、酪農・乳業界において大きな課題となっていた国産脱脂粉乳の在庫問題は、当期解消に向けて進展がみられました。官民が一体となって取り組んだ対策の効果により国産脱脂粉乳の使用が進んだほか、生乳の生産量が減少傾向となったことから在庫水準は適正化に向かい、足元ではコロナ禍以前の水準まで低下しました。一方、輸入乳製品原料の調達に目を向けると、世界の乳製品市況は2022年の価格急騰から一転、2023年以降は価格調整局面が続く落ち着いた相場展開となっております。

 このような国内の在庫状況や乳製品の国際市況を踏まえると、今後は国内ユーザーの原料調達において、国産品から価格競争力のある輸入品への回帰が期待されます。当社は販売先のニーズに合った原料の供給および納品形態などに対応できるサプライヤーを拡充すること、さらにはタイムリーな提案と確実な調達を心がけ、拡販に努めてまいります。

<食肉食材>

 輸入豚肉の販売については、当面、仕入コスト高の状況が続くとみられ、厳しい事業環境を見込んでおります。これに対し当社は複数の産地動向や外部環境を十分に注視し、強みである優良なサプライネットワークを活用しつつ、販売先のニーズに応じたサービスの提供を行ってまいります。ポークの仕入に関しては、北米の大手食肉メーカーをサプライソースとして確保していることが強みである一方で、同社からの仕入比重が高いことがリスクにもなるとも認識しております。そこで当社は引き続き新規サプライヤーの開拓に取り組み、調達リスクの低減に努めてまいります。食肉加工品の販売については、コロナ禍以降の人手不足を背景に外食産業などで調理の手間を省く加工食品とその原料に対する需要が堅調となっていることから、原料の安定調達に加えて、既存顧客に対し新たな加工食品を提案するほか、新規顧客の開拓に注力し、事業の拡大に取り組んでまいります。

<アジア事業・その他>

(乳原料販売)

 乳原料販売部門においては、日本向け粉乳調製品需要の回復のタイミングを着実にとらえ、タイムリーな対応により粉乳調製品の原料販売を拡充することが当面の重要な課題です。当社は、本社とグループ会社との連携を強化した営業活動を推進し、販売数量の回復に努めてまいります。

 また、中国の景気低迷の影響も引き続き懸念材料となっています。東南アジア地域における当社の販売先の食品メーカーは、中国向け製品を多く製造しており、同国の需要動向は当社にも影響を及ぼします。当社としては中国景気の状況を注視しつつ、東南アジア各地の需要を開拓し、拡販していくことに注力いたします。

 調達面では、競合するオセアニア産乳製品の価格動向に留意しつつ、乳原料の提案力を高めるため、欧州や、北米といった他産地のサプライソースの開拓に引き続き取り組んでまいります。

(チーズ製造販売)

 アジアにおいては、当面中国の景気低迷の影響は残るものの、中長期的には、食の欧米化に伴いアジア地域における乳製品の消費は順調に拡大していくと見込んでいます。当社グループは、2025年に稼働を予定しているシンガポール新工場の生産が始まれば、事業規模を大幅に拡大できる可能性が高まると考えており、新工場稼働に向けて、生産・販売体制の整備を着実に進めてまいります。

 また、プロセスチーズの製造においては、本社を中心とした原料チーズの購買力を活用することで原材料価格を抑え、自社製品の競争力の維持、向上を図ってまいります。

(その他事業)

 ホエイプロテインは世界的に需要が旺盛であり、仕入価格は当面高値圏で推移することが予想されます。また、競合激化から商品の付加価値を高め、取扱商品の構成を多様化するニーズも高まっています。こうした販売先のニーズに対応するため、当社はホエイプロテインの安定調達にむけてサプライヤーの新規開拓などによる調達力を強化するとともに、商品の付加価値を高めるための多様な機能性食品原料の提案を積極化してまいります。

 また、東南アジア地域においても、機能性食品原料や、日本製の健康食品の販売を開始しており、今後は取扱品目の増加と新規顧客の開拓による販売拡大を目指します。

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