ラウンドワン 【東証プライム:4680】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針、経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 営業基盤の拡大
<新規出店>
当社グループは来場型の複合エンターテインメント事業を展開しており、継続的に売上向上を図るうえで、新規出店による営業基盤の拡大はその重要な要素です。
現在、日本国内においては、100店舗体制を構築しており、高収益体質を維持できる地域への出店が概ね完了していることから、現在の店舗形態による国内の出店候補地は限定的であります。加えて昨今の感染症拡大・震災等の経験から、当社グループが安定的な売上を確保するためには、地政学的なリスクを考慮しつつ出店地域をグローバルに分散することが重要であると考えております。そこで、当社グループは、中長期的な成長確保のため、引き続き国内における新サービスの開発と海外への新規出店に積極的に取り組んでまいります。
米国においては、大型ショッピングモールへ50店舗を出店し、日本国内に匹敵する利益を確保できる体制を築いてまいりました。当連結会計年度の新規出店は2店舗にとどまりましたが、米国への出店は高い投資効率が認められることから、当社グループ内での投資効率、米国市場の状況を見極めつつ、積極的な出店を行ってまいります。具体的には従来の形態の店舗に加えて、アミューズメントを中心とした小型店の出店も進め、年間10店舗以上の出店を目指してまいります。
中国においては、広州市、深圳市、上海市、南京市の4店舗体制のもと、引き続き収益構造の確立に尽力しております。同国特有のリスクを見極めたうえで、新業態であるアミューズメント専業店での出店など慎重に出店を検討してまいります。
なお、米国、中国に次ぐ新たな出店候補地域につきましても引き続き検討してまいります。海外出店にあたっては、適切な人材の確保に注力するとともに、「実効性の高い内部統制システムの構築」「不正抑止とリスク回避を徹底したオペレーションの構築」等、ガバナンス体制の強化や海外特有のリスクの検討を十分に行ったうえ、法令を遵守し適時・正確な情報を開示できる体制の整備に努めてまいります。
他方、日本においては、新業態であるクレーンゲーム専門店としてクレーンゲームパーク調布駅前店をオープンしました。今後も、出店地のニーズに適合した新型店舗を開発するなど、初期投資を抑えられかつ高い投資効率が見込まれる店舗の出店を積極的に検討し、継続的な成長を図ってまいります。また、収益性の低い店舗については退店を検討するなど投資効率の改善を進めてまいります。
なお、投資効率の改善とグループガバナンスの向上・意思決定の迅速化を図るため、持株会社体制への移行が最適と判断し、本年4月より、同体制に移行いたしました。
<新事業>
複合エンターテインメント施設を米国へ展開することで培った運営ノウハウを活かし、海外に日本の食文化を提供するため、2023年9月に株式会社ラウンドワンデリシャスを設立いたしました。先ずは米国への店舗展開を進め、新たな営業基盤の拡大にチャレンジいたします。
② 収益構造の改善・確立
日本国内では、若年層の人口減少が進んでおります。また世界的には、テクノロジーの急速な進化によりエンターテインメントの多様化・新規開発が進んでおります。
当社グループは若年層を主たる顧客層とし、ボウリング・アミューズメント・カラオケ・スポッチャといった来場型のエンターテインメントサービスの提供を主たる事業としていることから、これらの変化に耐えうる収益構造の確立を重要課題と認識しており、以下の施策を実施してまいります。
『ファン層の拡大』
エンターテインメントの多様化・新規開発がグローバルに進む中、当社グループが競争力のある来場型サービスの提供を継続することで、お客様に当社グループのファンとなっていただくことが収益の確保・向上に必要不可欠であると考えております。「多店舗展開」「多様なエンターテインメントサービス」「景品の魅力」等が当社グループの「強み」であり、これらの「強み」を維持しつつ「新たな価値を創造し続ける」ことが重要であると認識しております。また、各店舗においては「笑顔と健康とコミュニケーションの場」としてお客様に支持いただけるような企画を開発・実施し、ファン層の拡大を図ってまいります。
『魅力的な景品の開発』
当社グループの主力商品であるクレーンゲームの収益向上を継続的に図るためには、お客様に飽きの来ない魅力的な景品を提供することが、重要な課題であると認識しております。景品の自社開発、多様なクリエイターとの共同開発を進める等、景品の魅力を高めてまいります。
『新サービスの創出』
当社グループが提供するエンターテインメントサービスをデジタルの領域に広げ、リアルな店舗との融合を図ることで、新サービスを創出し、事業領域の拡大を図ってまいります。
また、他社との協創による新サービスの開発や、各国の市場にあわせた新サービスの提供にも努めてまいります。
『経営効率の改善・サービスの質の向上』
生産性の向上・労働環境の改善とエンターテインメントサービスの質の向上の両立が重要課題であり、IT技術の活用などによりこれらの課題を解決することは当社グループの継続的発展に欠かせないものと認識しております。
引き続き「競争力のある業務オペレーションの構築」「総労働時間の削減」「インフレへの適切な対応」等の経営課題に取り組みつつ、柔軟で自律的な働き方を可能とする社内文化を構築することでエンターテインメントサービスの質の向上を目指してまいります。
③人材の育成
グローバルな展開を進め、世界に通用するエンターテインメントサービスを提供し続けていくためには、環境の変化に迅速柔軟に対応し自律的に活躍できる多様なグループ人材の育成・確保が必須であります。人材活躍推進チームの活動等を通じて、グループ従業員が日々の業務を適切に遂行しながら成長できる社内環境を構築してまいります。
④財務体質の強化
「笑顔・健康・コミュニケーション」を基盤としたエンターテインメント事業を展開しつつ、新規出店や新規事業を創出していくためには、経営環境の変化や新たな資金ニーズに柔軟に対応できる財務基盤の強化が重要な課題であると認識しております。引き続き、金融機関や投資家の方々との信頼関係の構築による効率的な資金調達およびリースの活用、適切なコスト管理システムの構築などに積極的に取り組み、今後の物価や金利の上昇に耐えうる財務体質の構築・強化を進めてまいります。
⑤コーポレートガバナンスの充実
当社グループは、コーポレートガバナンスの充実を企業の成長に欠かせない重要課題と捉えており、引き続き、内部統制システムの整備・改善および内部監査体制の強化を進めるとともに、株主様をはじめとする関係者の皆様への適時かつ適切な情報開示に努め、透明性の高い会社経営を推し進めてまいります。
特に、内部統制システムの整備については、当社グループ全体として「効率的かつ透明性の高い業務執行体制」を構築すべく全従業員の意識向上を図るなど、各種施策に取り組んでまいります。
また、内部監査部門およびコンプライアンス・リスクマネジメントチームの活動をグローバルな視点から充実させることで、法令遵守・安全管理ならびにリスク管理を徹底した「健全なグループ会社運営」を進めてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益基盤を拡大すべく、海外への出店数を重要な指標としております。また、海外への新規出店を行ううえで、自己資本での投資を行うために、継続的な収益の獲得が必要となります。そのため、当社グループは海外への新規出店と事業の収益構造の改善を重要な課題と位置づけ、海外への新規出店数・総売上高前年対比・売上高経常利益率を重要な指標としております。
また、当連結会計年度の海外への新規出店数は2店舗(前年同期5店舗)、総売上高前年対比は12.1%増(前年同期47.3%増)、売上高経常利益率は15.3%(前年同期11.7%)となっております。
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