ユビテック 【東証スタンダード:6662】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティに関する基本方針
当社グループは、企業理念である「人と社会に安全と快適を」のもと、「お客さまの健康と安全を守る」こと、「社会変革と多様性に応じた最適な答えを導き出す」ことを提供価値と定めています。お客さまの真のパートナーとなり、「人の安全と健康に係るデータの価値創造」を最優先した事業活動を通じて、安全と健康の実現を支援し続けることで、サステナブルな企業経営の実現と社会の発展に貢献してまいります。
(1)ガバナンス
サステナビリティ推進体制 当社グループではサステナビリティを推進するために取締役会が監督・指導する「サステナビリティ委員会」を設けております。これは社長を委員長、副社長を副委員長、オブザーバーを常勤監査役、事務局をグループ管理部とし、サステナビリティに直接関わる部門の責任者、議案の内容に応じてその他の関係者が出席するものとなります。サステナビリティ委員会は原則年2回開催し、マテリアリティ(重要課題)・KPI・具体策を策定し、当該モニタリングを行い、取締役会に報告及び承認を諮っております。 |
<サステナビリティ推進体制>
|
(2)戦略
当社グループは、2023年6月に次の5つの事項をサステナビリティに係る「マテリアリティ(重要課題)」として設定し、課題の解決と目標達成に向けて各種取組を進めています。
<当社グループにおけるサステナビリティ体系図とマテリアリティ(重要課題)>
① 事業活動を通じたサステナビリティへの貢献
当社グループは、以下主力サービスの事業活動を通じて、社会課題解決へ貢献をしてまいります。
[Work Mate]
近年、労働災害の死傷者数は上昇傾向にあり、効率化による省人化、人手不足等を背景に労働安全管理の高度な対策が急務となっています。この社会課題に対し、「Work Mate」は、製造業や建設業等の現場作業者を対象として、バイタル情報のAI・データ活用による危険予知機能及び事故検知機能をクラウドサービスで提供しています。労災事故の未然予防及び早期発見により、お客さまの安全と健康を実現し、サステナブル経営を支援してまいります。
[D-Drive]
飲酒運転等の危険運転による交通事故が後を絶たない中、道路交通法施行規則の改正で業務使用の自家用自動車における酒気帯び確認が義務化される等、国策としての対策強化が進められています。この社会課題に対し、「D-Drive」は、当社の保有技術を融合し、クラウドサービスによる酒気帯び確認・自動記録や運行管理、デジタルキーによる自動制御等、企業の安全運転管理を包括的に支援しています。技術革新により、安全運転に向けた法令遵守、業務効率化を同時実現し、交通事故のない社会を目指して貢献してまいります。
[カーシェア関連事業]
カーシェアは環境負荷低減、地域活性化の観点から社会課題解決策として注目され、また、ライフスタイルの多様化から、今後も普及拡大が期待されています。当社は、カーシェア用車載機とプラットフォームを提供しており、カーシェア事業運営に必要な車両制御機能や各種車両データの取得等技術支援を行っています。また、普及が進むEV車両へも対応しており、社会課題解決への寄与を高めてまいります。
② 気候変動:省資源と環境・人権に配慮したものづくり
当社グループは、環境マネジメントシステム(ISO 14001)の活動をとおした生物多様性の保全や環境との調和、社会課題でもある人権の尊重に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
[省資源、省エネルギー活動の推進]
電力及び紙資源の使用量低減に努め、「ムダな使用"0"」を目指します。また、省資源、省エネルギーに配慮した信頼性の高い製品を提供することにより、低炭素化社会の実現に向けた取り組みに貢献してまいります。
[環境と人権に配慮した調達]
当社が行う購買活動においては、環境と人権に配慮した調達により、社会に貢献してまいります。
1) サプライヤーの「環境影響」を確認し、遵守先より優先して取引を行います。
2) 化学物質含有調査に基づき環境規制に順守した製品・部品を採用します。
3) 当社製造製品の部品に含まれている3TG(タンタル、スズ、タングステン、金)の製錬/精製業者を把握し、武装勢力の資金源とならない部品の採用を行います。
[リサイクル&リユースの推進]
廃棄機会を減少させる取り組みとして、以下の取り組みを行い、社会に貢献してまいります。
1) 当社製造製品は、耐用性の高い製品供給を推進いたします。
2) 当社提供サービスにおいて利用する製品は、リファビッシュ等による再利用を積極的に行います。
③ 社会:安全で高品質なものづくり体制
当社グループは、品質マネジメントシステム(ISO 9001)、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001)及びISMSクラウドセキュリティ(ISO/IEC 27017)の各マネジメントシステム活動をとおした高品質で安全な製品、サービスを提供してまいります。また、事業活動をとおして取り扱うお客様の個人情報を厳格に保護します。
[製品品質・製品安全]
2021年6月期にテレマティクス車載機で発生した品質上の不具合からの自主回収を教訓として、品質上の問題事象や安全性を脅かすような製品、サービスを作り込まない、流出させない製品開発、品質管理の体制を構築しています。また万が一、当社の提供する製品・サービスに品質、安全性にかかわる問題事象が発生した場合であっても、問題事象を早期に検出し、市場での影響を拡大させない品質モニタリングにより、お客様に当社製品を安心してご利用いただける製品づくりを進めてまいります。
[データセキュリティの確保]
製品、サービスの企画・開発段階から廃棄までの製品ライフサイクルに応じて、各段階でセキュリティ対策を行うセキュリティ・バイ・デザイン(Security by Design)の考え方のもと、製品・サービスの開発を進めています。また、このセキュリティ・バイ・デザインに基づく考え方に加え、安全性にも十分配慮を行った”Security & Safety by Design”による製品、サービス作りを進めてまいります。
[顧客プライバシー保護]
「Work Mate」や「D-Drive」等、当社の提供するクラウドサービスは、お客様からの重要な個人情報をお預かりしてサービスを提供しています。また、当社の各事業を進めるに当たってのお取引先様や当社従業員の個人情報も日々取扱いを行います。これらの個人情報を取り扱うに当たっては、国内外の関係法令に遵守すると共に、より厳格な社内ルールに基づいたデータの取扱いを行ってまいります。
④ ガバナンス:ガバナンス強化によるグループ経営基盤強化と透明性の確保
当社グループは、取締役会を経営戦略の決定・実施の主軸とし、意思決定の迅速化を図り、事業環境にスピーディーな対応をすべく組織体制の整備を行っております。また、当社は公正かつタイムリーな情報開示を行い、経営の透明性を一層高めてまいります。
[取締役会の活動状況の開示]
開催頻度、具体的な検討内容、個々の取締役の出席状況等を追加開示します。個々の取締役会の出席状況等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ 取締役会の活動状況」をご参照ください。
[内部統制の強化]
内部監査チームを中心として、当社グループにおける法令や社内規程の遵守状況、職務執行の内容及びその手続きの妥当性、有効性を監視するとともに、内部統制システムが適切に運営されているかどうかのモニタリングを行います。
[内部監査の実効性確保]
原則年2回、内部監査結果を代表取締役に加えて取締役会と監査役会へ直接報告するデュアルレポーティングラインを構築しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
① 人的資本:人財開発とダイバーシティ&インクルージョンの推進
[人財開発と社内環境整備]
中期経営計画「ユビテック4.0」による事業・エクスパティーズの転換と定着を着実に実行するとともに、次の項目を重点テーマとして社内環境整備を行い、将来の顧客ニーズや社会変化に対応し、持続的な価値創造を実現する多様な人財育成を目指してまいります。
重点テーマと社内環境整備
1) マインドセット(企業理念及び提供価値の浸透)
中期経営計画「ユビテック4.0」で再定義した企業理念と提供価値の理解、浸透を深め、より社会への貢献実感に繋がる風土づくりを行います。
2) 事業・エクスパティーズ転換に伴うリスキリング
従来のハードウェア量産品中心のビジネスモデルから、AI活用、IoTアプリケーション、SaaS型ビジネスへの転換に必要な新たなスキル習得機会を作ります。現状スキルを数値化して強化目標を設定し、eラーニングを活用したOFF-JTの場を提供すること、並びに資格取得制度の推奨を図っていきます。
3) 持続的成長に向けた技能承継とマネジメントスキル向上
4) 新たな価値創造を引き出す人財育成
新規事業提案制度「パピリオ・チャレンジ」を実施し、従業員の発想機会を作るとともに、優れた提案には事業化までの調査・育成支援を行います。
[ダイバーシティ&インクルージョン]
当社グループでは、従業員の多様性を尊重し、働きがいを持って能力を発揮できる環境を構築します。これにより、多様な視点で新しい発想とリスク予見を生み出していくことを目指します。特に、会社の意思決定に参画する女性リーダーの育成に注力します。
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、次のとおり、マテリアリティごとにリスク・機会を特定しています。特定したリスクと機会に対しては、サステナビリティ推進体制のもとでKPI・具体策を策定し、施策実行状況やKPI達成状況のモニタリングを行っています。さらに、サステナビリティ委員会から当該内容を取締役会に報告し、取締役会が取り組み状況の監督・指導を行っています。
<凡例> ●…リスク 〇…機会
マテリアリティ | リスクと機会 |
①事業活動を通じたサステナビリティへの貢献 | ●…品質低下、債務不履行による信用失墜 〇…安全衛生に係る価値提供による顧客獲得 |
②省資源と環境・人権に配慮したものづくり | ●…委託先の不正、不祥事による信用失墜、企業価値の下落 〇…社会的信用力の向上による企業価値向上 |
③安全で高品質なものづくり | [製品品質・製品安全] ●…品質偽装等の不正による信用失墜 〇…高品質なものづくりによるブランド向上と顧客獲得 [データセキュリティの確保、顧客プライバシー保護] ●…情報漏洩等の重大事故発生による信用失墜 〇…セキュリティ意識の高い顧客の取り込み |
④人財開発とダイバーシティ&インクルージョンの推進 | ●…人財確保の競争激化による経営への影響 〇…持続的な価値創造を実現する多様な人財育成 |
⑤ガバナンス強化によるグループ経営基盤強化と透明性の確保 | ●…社会的信用力の低下 〇…企業価値向上、経営透明性向上 |
(4)指標及び目標
当社グループでは、次のとおり、マテリアリティごとに指標と目標KPIを定めています。
マテリアリティ | 指標と目標KPI |
①事業活動を通じたサステナビリティへの貢献 | ・顧客への提供サービスに係わる事故発生ゼロ |
②省資源と環境・人権に配慮したものづくり | ・オフィス使用電力量 前期比1.5%減 ・紙使用枚数 前期比1.5%減 ・環境関連の法令違反・行政処分、健康被害発生ゼロ ・産業廃棄物排出量(売上比)前年以下 |
③安全で高品質なものづくり | [製品品質・製品安全] ・重大品質問題発生ゼロ [データセキュリティの確保] ・重大インシデント発生ゼロ [顧客プライバシー保護] ・エンフォースメント発生ゼロ |
④ガバナンス強化によるグループ経営基盤強化と透明性の確保 | ・不正、不祥事発生ゼロ |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
マテリアリティ | 指標と目標KPI |
①人財開発とダイバーシティ&インクルージョンの推進 | ・女性管理職比率を2025年6月期末に20%へ引き上げる ・性別ごとの管理職比率の男女差均衡を図る |
- 検索
- 業種別業績ランキング