ユアサ商事 【東証プライム:8074】「卸売業」 へ投稿
企業概要
(1)サステナビリティ全般
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに資する経営の推進を図るため、サステナビリティ推進委員会を設置しています。当委員会は、気候変動を含むサステナビリティ全般のリスク及び機会、影響についての審議、リスク低減のための対応方針の検討を定期的に行い、取締役会に答申します。取締役会では、それらを事業戦略及びサステナビリティに関する重要事項として審議し、方針などを決定しています。
サステナビリティに関する各指標のモニタリングや目標管理、リスク管理を全社グループで進めるため、グループ会社を含む各事業部門・拠点にサステナビリティ推進担当者を配置し、グループ全体での管理を行っており、それらの進捗状況は、総合企画部内に設置したサステナビリティ推進室の専任担当者が事務局となり、サステナビリティ推進委員会へ報告しています。
② 戦略
当社グループは、「誠実と信用」「進取と創造」「人間尊重」を企業理念として掲げ、350年以上受け継がれてきた経営基盤をさらに進化させるため、2021年10月に以下「サステナビリティ宣言」を発表しました。引き続き、地球環境との調和を機軸として、世界のいかなる国、地域においても双利共生の関係を重視し、企業活動を通じて、より人間らしい豊かな社会づくり、持続的な社会の構築に向け積極的に貢献してまいります。
(注) サステナビリティに関する取り組みの優先事項を特定するため、マテリアリティマトリックスを作成しています。重要性の高い事項については、事業環境及び当社の事業計画を踏まえ、随時見直しを行います。
③ リスク管理
当社グループは、気候変動を含むサステナビリティ全般のリスク管理について、リスク管理統括責任者や各委員会(倫理・コンプライアンス委員会、内部統制委員会、環境・レジリエンス委員会等)とサステナビリティ推進委員会との連携により、リスクの特定及び評価・管理を行っており、必要に応じてリスク管理状況を取締役会へ報告しています。また、関連する社内諸規則・通達等に基づき当社グループの事業活動上の様々なリスクの把握、情報収集、予防対策の立案、研修を行うなどリスクを横断的に管理しています。
④ 指標及び目標
中期経営計画「Growing Together 2026」において、環境・ダイバーシティ・働き方改革・人材育成に関する定量計画を設定しました。なお、CO2排出量以外は提出会社を対象とした指標です。
| 2023年3月期実績 | 2024年3月期計画 | 2026年3月期計画 |
CO2排出量(Scope1,2) (注)1 | 算定中 | 5,850t-CO2 (10%削減) | 4,550t-CO2 (30%削減) |
女性管理職比率 | 1.9% | 2.0% | 3.0% |
女性総合職比率 | 4.2% | 4.2% | 6.0% |
女性総合職採用率 | 10.3% | 6.5% | 12.0% |
男性育休および 育児目的休暇取得率 | 78.1% | 80.0% | 90.0% |
有給休暇取得率 | 62.8% | 65.0% | 70.0% |
平均労働時間 | 1,955時間 | 1,940時間 | 1,920時間 |
マネジメント人材育成 ※研修プログラム受講人数(のべ) | 84名 | 250名 | 370名 |
デジタル人材育成 ※当社独自プログラムの合格者 | - | IT人材:100名 (注)2 | IT人材:600名 DX人材:40名 (注)2、3 |
(注)1 2023年3月期の当社グループ全体のCO2排出量見込を約6,500t-CO2としてKPIを設定しています。
2 IT人材…ITツールやデジタル技術を自らの業務に活かし、デジタル施策の実行ができる人材
3 DX人材…データ分析結果を利活用し、マーケティングと経営戦略に特化した知識により新たな企画立案を行い推進する人材
(2)「地球環境との調和」に向けた取り組み
① 気候変動対応への取り組み
当社グループは、すべての事業活動を通じ、地球環境の健全な維持と経済成長の調和を目指す「持続可能な発展」の実現に向け、環境方針を定めています。環境マネジメントの国際規格であるISO14001マルチ認証を活用し、環境パフォーマンスの改善に向けた組織活動、製品及びサービスにおける環境負荷の低減を行っています。
《環境マネジメント推進体制》
環境マネジメントの推進に向けて、当社グループは「環境マネジメント推進体制」を構築し、環境方針に基づき、PDCAサイクル(計画、実施・運用、点検、見直し)を図っています。代表取締役社長を最高責任者とし、「環境管理責任者」を設置し、環境管理委員会がグループ全体の環境マネジメント推進の運営を行っています。当社の各営業本部長、経営管理部門長、グループ企業代表が各組織内の環境管理委員と連携をとりながら環境マネジメントの実施・維持を行っています。
環境マネジメント推進体制の詳細については以下のウェブサイトをご参照ください。
https://www.yuasa.co.jp/csr/environment/activity1.html
《カーボンニュートラル体制》
脱炭素社会の実現に向け、当社グループのカーボンニュートラルを推進するとともに、これまで培った環境ソリューションのノウハウを活かし、サプライチェーン全体での環境負荷低減に努めています。
② TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿った情報開示
《ガバナンス》
当社取締役会では、気候変動に関わる様々なリスク、機会、影響等に関して、事業戦略及びサステナビリティに関する重要事項として審議し、方針等を決定しています。2021年10月に代表取締役を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、社外取締役を含む取締役による議論を進めています。当委員会は年2回開催を目安とし、気候変動を含むサステナビリティに関する重要事項について、取締役会に諮問・提言します。
気候変動に関わる指標のモニタリングや目標管理、リスク管理を進めるため、グループ会社を含む各事業部門・拠点にサステナビリティ推進担当者を配置し、グループ全体での管理を行っています。それらの進捗状況は総合企画部内に設置したサステナビリティ推進室の専任担当者が事務局となり、サステナビリティ推進委員会へ報告しています。
《戦略》
当社グループは、「モノづくり」「すまいづくり」「環境づくり」「まちづくり」の分野で複合専門商社として多様な商品・サービスを取り扱っており、気候変動に関する影響や事業環境の変化によるリスクや機会があります。
■気候変動によるリスクと機会
2022年度は重要と考えられる気候変動のリスクと機会の把握を行いました。事業部門の代表者や管理部門のサステナビリティ推進担当者と議論を行い、影響を受ける事業や分野について、変革やリスク管理を進めるとともに、今後の政策や規制、市場環境の変化に応じた移行期の事業機会を積極的に捉え、持続的な成長を目指していきます。
区分 | 主な内容 | |
移行リスク | 政策・法規則 | ・炭素税の導入等、政府規制を起因とするコスト増 ・製品に対する環境規制強化によるコスト増 |
技術 | ・低炭素技術による既存商品の需要減 | |
市場・評判 | ・脱炭素化に伴う原材料等の価格高騰やエネルギー価格上昇によるコスト増 ・対応遅れや情報開示不足による対外評価下落とサプライチェーンの競争力低下 | |
物理的リスク | 急性的 | ・大規模な自然災害による自社グループ拠点及びサプライチェーンの分断 |
慢性的 | ・水不足や電力不足による生産活動の停滞 | |
機会 | 製品・サービス | ・エネルギー効率の高い製品の需要拡大 ・レジリエンス商品の需要拡大 ・資源循環に関する製品の需要拡大 |
市場 | ・再生可能エネルギー需要の拡大 |
■機会をとらえる取り組みの強化
社会全体での環境負荷低減に貢献していくため、取扱い製品・サービスの製造や使用時のCO2排出量の削減を進めることが重要です。当社グループでは2009年より、省エネコンサルティングの専門部隊を設置し、仕入先の製造工場等への省エネ機器や再生可能エネルギーの導入支援を行うとともに、販売先やそのお客様による製品使用時のCO2排出量の削減を進めるため、省エネ製品や脱炭素関連製品の提案・販売を推進してきました。現在は海外市場に対する省エネ・脱炭素に関する取り組みを強化しており、世界全体での環境負荷低減に貢献できるようカーボンニュートラルセミナーの開催や二国間クレジット制度(JCM)を活用した省エネ提案を推進しています。
また、甚大化する自然災害等、気候変動の物理的リスクに対応するビジネスとして、2012年よりレジリエンス&セキュリティ事業を展開しています。防災・減災・BCP(事業継続計画)をキーワードに、社会インフラの強靭化(レジリエンス)につながる商品・サービスの普及に取り組むとともに、深刻化する自然災害や感染症といった社会課題に対応すべく、新たなソリューション開発を推進しています。
部門名・事業名 | 省エネや排出削減につながる主な対象商品・サービス |
産業機器 | コンプレッサ、発電機、電動シリンダ 等 |
工業機械 | 省エネ型工作機械 各種 等 |
住設・管材・空調 | 高効率空調設備、太陽光発電システム、蓄電池 等 |
建築・エクステリア | LED照明、屋上緑化 等 |
建設機械 | コンプレッサ、発動機 等 |
グリーン | 再生可能エネルギーの導入支援、ソフトウェア販売 等 |
レジリエンス&セキュリティ | 冠水検知通信システム・防災電源倉庫 等 |
今後はリスクと機会の重要度評価やシナリオ分析を行うとともに、機会をとらえた取り組みを強化し、持続的な成長を目指していきます。
《リスク管理》
当社グループは、気候変動を含むサステナビリティ全般のリスク管理はサステナビリティ推進委員会にて、評価を行い、リスクにCO2関する統括責任者と連携し、必要に応じてリスク管理の状況を取締役会に報告しています。
当社の事業は、主に国内の多様な産業分野にわたる大企業、中小・中堅企業との取引から成り立っており、気候変動に関するリスクは、法規制や政策の変化、顧客需要の変化、経済社会情勢の変化など多岐にわたります。
当社事業に関わるリスクについては、各事業部門において規制や市場環境の変化を評価し、対応しています。
また当社グループの国内拠点における物理的リスクの評価を行い、社内のBCP(事業継続計画)との整合性を踏まえたリスク管理を進めています。
《指標と目標》
2030年度までに当社グループ全体のカーボンニュートラルを目指すとともに、サプライチェーン全体での環境負荷低減に努めています。当社グループのカーボンニュートラルに向けた第一ステップとして、中期経営計画の最終年度である2026年3月期までにCO2排出量30%削減(2023年3月期比)を目指します。
2022年より国内外のグループ各社で排出量の算定をはじめ、排出削減に向けた各種施策を開始しています。また、事業を通じたサプライチェーン全体の排出削減を進めるため、Scope3についても算定を開始しています。
■当社グループのCO2排出量(2022年3月期)単位:t-CO2
| Scope1,2 | Scope3 |
ユアサ商事(単体) | 2,892 | 算定中 |
国内・海外グループ会社 | - | - |
(注) Scope3に関しては、カテゴリー1(取扱い製品の製造時の排出量)、3(Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動)、7(自社社員の出勤にかかる排出量)について算定中です。また、2023年3月期のデータは統合報告書に掲載予定です。
統合報告書については以下のウェブサイトをご参照ください。
なお、統合報告書の更新は2023年9月頃を予定しています。
https://www.yuasa.co.jp/ir/library/corporate_report.html
(3)「良品奉仕の事業活動」に向けた取り組み
当社グループ「取引方針」の遵守
当社グループは、創業から続く「良品奉仕」の精神に基づき、公正かつ堅実・誠実な商取引を行ってきました。様々なステークホルダーとともに、地球環境との調和をはじめとするサステナビリティを重視した経営をより推進するため、「ユアサ商事グループ取引方針」を策定しています。お取引先様とともに本方針に取り組んでいくため、定期的な確認を実施していきます。
(4)「人間尊重の経営」に向けた取り組み
① 人財力強化に向けた風土改革
当社グループは、「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードに、「つなぐ」イノベーションにより社会課題を解決し、新たな市場創出と成長戦略の推進を目指しています。そのために、ビジネス変革は欠かせないものであり、その変革を加速させるため、「つなぐ」イノベーションが常態化する企業風土を醸成していきます。
働く社員のゆとりと豊かさを実現し、安全で働きやすい環境を確保するとともに、人格や個性を最大限に尊重し、自由闊達で創造性の発揮できる風土を実現するため、風土改革を推進しています。
② 「働きがい」と「働きやすさ」の向上
2023年3月より2026年3月までの3年間、働きがい・働きやすさを向上させていくための全社員参加型プロジェクト「YUASA PRIDE プロジェクト」を開始しました。
《働きがい向上に向けた具体的な取り組み》
■人材育成
当社グループは人材育成のひとつとして、マネジメント人材の育成が重要であると考えています。その上で、マネジメントの定義を「組織運営」「事業創造」「お取引先様の経営課題解決」とし、研修体系を見直していきます。
具体的には、ビジネススクールや資格取得支援などのマネジメントスキル研修、本部研修や業界資格取得支援などの専門スキル研修、DX研修などのデジタルスキル研修、海外研修生制度や語学研修などのグローバルスキル研修を実施していきます。
《働きやすさ向上に向けた具体的な取り組み》
■ダイバーシティと働き方改革
当社グループは「人間尊重」の精神に基づき、社員の個性と権利を尊重し、起業家精神と革新的な発想を重んじて事業活動を継続してきました。今後はこれまで以上に、性別・年齢・国籍・障がいの有無・様々なライフスタイル・価値観等、多様なバックグラウンドを持つ社員が、互いの価値観を尊重し、協力する風土を醸成していきます。
また、社員の健康や効率的な業務推進を目指し、労働時間の削減など、労働環境整備の推進にも取り組んでいきます。
■健康経営
2018年8月に健康宣言を制定し、社員の安全と心身の健康維持・増進に取り組んでおり、2019年より経済産業省より健康経営優良法人として認定されています。今後も、健康経営優良法人認定企業として、社員の健康維持・増進をより一層支援します。2022年4月より開始した主な取り組みは、以下のとおりです。
・WPC(Wellness Promotion Center)の拡充
2022年11月より常勤保健師を配置し、面談室・保健室を増設しました。
・当社の健康増進・維持への取り組み
(ⅰ) 定期健康診断およびストレスチェックの受診率向上
受診率目標 100%
(ⅱ) 定期健康診断で高リスクと診断された社員の受診率向上
受診率目標 100%
(ⅲ) 社員の健康意識向上への取り組み
健康管理アプリへの登録率目標100%
(ⅳ) 受動喫煙対策への取り組み
全事業所内の完全禁煙または分煙化
《指標と目標》
「(1)サステナビリティ全般」の「④ 指標及び目標」に記載しています。
③ 当社グループ「人権方針」の遵守
当社グループの事業活動において、人権の尊重は重要な要素の一つと考え、「ユアサ商事グループ人権方針」を策定しています。本人権方針を実践するとともに、サプライヤーをはじめとするビジネスパートナーに対しても、人権を尊重し、侵害しないよう求めていきます。
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