ヤマノホールディングス 【東証スタンダード:7571】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業の拡大を図るとともに、事業を通じて社会課題の解決へ向けた貢献を目指しております。
この基本方針のもと、2024年5月に「中期経営計画~Tsunageru2027~」を発表し、当社グループの果たすべき使命であるミッションを「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」とし、さらに、2030年をゴールとしたビジョンを「従業員が投資したくなる会社へ」と定めました。当社が持続的な成長をしていくためには、お客様から選ばれ続ける会社でなければなりません。その前提として、日々、お客様やお取引先様と接し、当社の状況を一番理解している従業員が、まず、投資したくなるような会社にならなければならないという思いが、このビジョンに込められております。
(2)経営環境及び中期経営計画策定の背景
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の制限が解消され、株価上昇や賃上げ率の上昇等、コロナ禍で激減した外出型消費の回復が期待されております。一方で、不安定な国際情勢による原材料やエネルギー価格の高止まり、急激な物価上昇による消費マインドの低下、生活者の価値観の多様化等、外部環境変化のスピードは一層加速しており、依然として景気の先行きは不透明な状況が続くと想定されます。加えて、コロナ禍の影響による新規顧客の開拓不足、慢性的な各部門における人財不足等、従前からの人的資本に起因する構造改革への対応が喫緊の課題であると認識しております。このような経営環境に対し、新たに対応できる体制を整備するとともに、当社の強みを活かした独自の付加価値を創造し、持続的な成長につなげていくための経営目標として、2025年3月期から2027年3月期を対象とする中期経営計画を策定いたしました。
(3)当社のビジネス成長モデル
当社グループは、これまでも企業理念である美道に基づき、対象企業と従業員全員を受け入れる友好的な「Win-WinのM&A」を数多く成功させてきた事業投資会社であります。現在は、和装宝飾事業を中心に、美容事業、DSM事業、教育事業等にリソースを配分しておりますが、本中期経営計画期間においては、独自の技術やノウハウを持ち国内外の経済を支えつつも、後継者不足等に課題がある中小企業を対象とする、「事業承継型M&A」を積極的に推進してまいります。この「事業承継型M&A」においては、これまでのPMIの成功実績で培ってきた知的資産を活かし、経営管理面を全面的にバックアップいたします。対象会社が営業活動により専念し、持てる強みを最大限に発揮することで、当社グループとしての企業価値を向上させてまいります。
(4)中期経営計画~Tsunageru2027~
当社グループは、本中期経営計画を「経営基盤のさらなる充実を図る3ヵ年」として位置付け、以下の3つの重点事項を対処すべき課題とし、グループ一体となって取り組んでまいります。
①人的資本をより活かす経営
少子高齢化が進む中、採用難や人財の流動化は今後さらに進むと予想されております。当社グループにおいては、全ての価値創造の源泉である「人」が、主体的に仕事に取り組み、個々の能力を最大限に発揮するために、さらなる仕組みと環境の整備が重要であると認識しております。当社グループには、「多様性を受け入れるユニークな企業風土」があります。M&Aを通じて事業を展開してきた結果、出身企業の異なる多様な人財をグループ内に数多く抱えており、当社においては女性社員比率が72.1%と高いことも当社グループの特徴であり、強みであると考えております。
当社グループは、注力する取り組みを「多様な人財の活躍と有機的な結びつきで生産性の向上につなげる」とし、その実現に向けた組織風土と成長環境の改革を、グループ横断で進めてまいります。
②既存事業の収益安定化
当社グループには、創業時より構築してきた顧客ネットワークと、そこに蓄積されたノウハウがあります。すなわち、以下の強みがあります。
・対面だからこそ共有できる安心感や信頼感を大切にした接遇
・お客様との永年にわたる取引関係に支えられた営業基盤
・一人ひとりの要望に応え、納得感の高い商品とサービスを提供
当社グループは、注力する取り組みを「全ての事業で店舗運営における課題を解決し、生産性の向上につなげる」とし、その実現に向けて、グループ一体となって取り組みを進めてまいります。
③資本コストや株価を意識した経営
当社グループは、株主からの資金や銀行からの借入金を元手に事業を営んでおります。そのため、それら調達コストを上回る当期純利益を安定的に稼ぐことで、株主の期待に応え、持続的な株価向上につなげていくことが重要であると認識しております。
当社グループは、注力する取り組みを収益性の改善、資本効率化、IR活動の強化とし、株価水準の向上を目指してまいります。
(5)2027年3月期利益計画・財務目標・利益配分方針
本中期経営計画においては、各事業の収益性の向上を重視し、次の目標を掲げて取り組んでまいります。
<利益計画>
・既存事業とM&Aの両輪による利益成長を図り、売上高は175~185億円、 EBITDAは7~8億円の達成を目指す。
<財務目標>
・事業収益力を高め、株主資本コストを上回るROEの実現を目指す。
なお、2027年3月期時点における目標は、以下のとおりとする。
EBITDAマージン 5.0% 以上
エクイティスプレッド 7.0% 以上(ROE 15%、株主資本コスト8%)
PBR 2.5倍 以上
<利益配分方針>
・安定的かつ継続した株式配当を基本とし、株式価値の向上に資する「人的投資」と「事業成長投資」並びに「自己資本の蓄積」など、バランスを重視した利益配分を計画する。配当性向については、利益配分方針に沿い、また各年度の業績に連動して適切に検討する。
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