ヤマト 【東証スタンダード:1967】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
ヤマトグループは常にお客様価値を高めた製品・サービスの提供を追求し、業界最高の「技術とものづくり」の力を高め、地域社会の発展に貢献します。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社が属する建設業界においては、関連予算の執行により堅調に推移する公共投資の増加に加え、民間設備投資においても、社会経済活動の正常化が進んだことにより国内景気が持ち直し、機械投資やデジタル関連投資を中心に増加することが期待されるものの、建設資材価格の上昇は続くものとみられ、また、技能労働者の高齢化や現場労働者数の減少は建設業における喫緊の課題であり、今後はデジタル技術を活用した、より生産効率を高めた生産システムの構築が進むものと思われます。
このような状況に対応すべく、当社グループは当連結会計年度を初年度とする3か年の中期経営計画を策定しました。
当社グループは、以下の3点を成長戦略とした「中期経営計画」(2023~2025年度)を推進していきます。
1. コア事業の強化・拡大
当社の強みである「カタチにする力」(見える化・工業化)を更に推進し、高品質・高評価・高収益につなげます。
・品質向上、ものづくり体制の確保・強化
・競争の強化
・顧客の拡大
2. グリーンイノベーションの推進
地方都市の脱炭素社会実現のため、環境性・快適性・経済性がバランスする技術・サービスを提供します。
・資源の有効活用
・省エネルギーの強化
・再生可能エネルギーの拡大
3. 経営基盤の強化・地域貢献
変化に対応し、継続的に成長するための人的資本投資とDX、ガバナンスを強化、エッセンシャル企業として地域に貢献します。
・モチベーションの向上(長く安心して働ける環境整備など)
・ガバナンスの強化(グループでのガバナンスレベル向上など)
・地域貢献(2023年3月21日に開駅した「道の駅まえばし赤城」の事業運営など)
当社グループは、本計画の目標達成に向けて、総力をあげて取り組んでまいります。
ひとを育て、技術を磨き、イノベーション(新しい価値創造)を起こして、地域とひとの幸せを創造する企業を目指し、さらなる努力を重ねてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画(2023~2025年度)において連結売上高、連結経常利益、連結ROE、連結配当性向を経営目標とし、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。また、70億円の投資計画(3期累計)を掲げており、その内訳は生産性向上投資60億円、成長投資(企業連携・M&A・人財投資)10億円です。
項目 | 2025年度(第81期)目標 | 2024年度(第80期)目標 | 2023年度(第79期)実績 |
連結売上高 | 530億円 | 510億円 | 482億円 |
連結経常利益 | 39億円 | 33億円 | 23億円 |
連結ROE | 8.0%以上 | 6.3% | 4.1% |
連結配当性向 | 30%以上 | 36.8% | 46.0% |
なお、当連結会計年度の実績及び現在の事業展開の進捗状況から中期経営計画の見直しは不要であると判断しています。
(4)建設プロダクトとSDGs
当社グループは「建設プロダクト」というコンセプトを合言葉に、お客様価値の高い「モノ」と「サービス」を提供し、社会的課題の解決や気候変動などの地球環境問題への取り組みを通じて持続可能な地域社会づくりの実現に貢献します。
SDGs17の目標 | 中期経営計画(2023~2025年度)における施策 |
建設プロダクト ―省人化・資源ロス削減・環境負荷低減
建設製品をワンストップ(基本計画~設計~施工~メンテナンス~資産管理・一部運用から資金供給まで)でお客様に提供します。
8:働きがいも経済成長も 9:産業と技術革新の基盤を作ろう 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任、つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を | ◆品質向上、ものづくり体制の確保・強化 ・工業化と意思決定の促進 (工場加工・ユニット化・見える化・生産設計) ・施工管理体制の確保と強化 (オフィスにて現場管理業務を支援)
◆顧客の拡大 ・建築、設備、電気の一括事業 (提案~設計~施工~保守一括)
◆資源の有効活用 ・原材料の削減・活用 (管材、継手類の削減、地場材活用) ・リサイクルの強化 (梱包材削減、再生材活用) |
蓄熱技術 ―省エネ・省CO2
省エネルギー社会の実現や余剰電力の活用は喫緊の課題となっています。 独自の空調システムで余剰電力を活用し、省エネ・省CO2・ライフサイクルコストの低減に貢献します。
7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 9:産業と技術革新の基盤を作ろう 13:気候変動に具体的な対策を | ◆省エネルギーの強化 ・エネルギー使用の合理化技術・サービスの開発・普及 (使われ方の調査分析+省エネ・畜エネ・創エネシステムの組み合わせ+チューニングによる最適化) |
冷蔵・ノンフロン技術 ―食品ロス削減
日本国内における食品ロス量は、年間約500万トンにのぼります。 高鮮度冷蔵庫は野菜の鮮度を長時間維持することを可能とし、食品ロスの低減に貢献します。
2:飢餓をゼロに 7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 9:産業と技術革新の基盤を作ろう 12:つくる責任、つかう責任 | ◆顧客の拡大 ・食品工場や冷凍冷蔵施設等への積極的な営業・提案
◆省CO2の推進 ・空調・冷蔵熱源でのノンフロン化推進 (CO2冷凍機の活用やブライン冷却システムの導入促進) |
SDGs17の目標 | 中期経営計画(2023~2025年度)における施策 |
温浴技術 ―安全・安心・癒し
当社は施設の皆様と共に省人化や省エネルギー化、レジオネラ感染症対策に取り組み、地域社会に安全で安心してやすらげる温浴環境を提供します。
6:安全な水とトイレを世界中に 9:産業と技術革新の基盤を作ろう 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任、つかう責任 | ◆省エネルギーの強化 ・エネルギー使用の合理化技術・サービスの開発・普及 (使われ方の調査分析+省エネ・畜エネ・創エネシステムの組み合わせ+チューニングによる最適化)
◆地域貢献 ・「道の駅まえばし赤城」の温浴施設 (サンゴライト化粧水風呂、レジオネラ対策消毒システム) |
水処理技術 ―安心・安全・安定
水インフラの老朽化や大規模な自然災害が相次ぐ中、安心、安全で持続可能な水インフラの実現は私たち共通の願いです。当社は水処理設備全般の改修、新設から運転管理まで包括的に取り組み、地域の水インフラを守っていきます。
6:安全な水とトイレを世界中に 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任、つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を | ◆競争の強化 ・工場系施設への積極営業・提案 (配管・設備の工業化、水処理技術) ・水環境インフラの効率整備・運用支援 |
脱炭素化・快適化 ―省エネ・創エネの実現
脱炭素社会の実現は現在の私達の責任です。当社ではZEBの実践や 快適空間を通して、省エネ・創エネの実現による環境負荷低減を目指し、サステナブルな建物づくりに取り組んでいます。
7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任、つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を | ◆省エネルギーの強化 ・ZEBの拡大 (中小規模建物向け普及型ZEBの整備、推進) ・エネルギー使用の合理化技術・サービスの開発・普及 (使われ方の調査分析+省エネ・畜エネ・創エネシステムの組み合わせ+チューニングによる最適化)
◆再生可能エネルギーの拡大 ・地産地消型再生可能エネルギー源の創出と活用システムの構築 |
加工センター ―快適な作業環境の実現
誰でも活躍できる作業環境実現に向け、装置段取の簡易化、部品の軽量化、治具化、作業の自動化を推進しています。 また、床冷暖房システムを取り入れ快適な作業環境を作り出しています。
8:働きがいも経済成長も 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任、つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を | ◆品質向上、ものづくり体制の確保・強化 ・工業化と意思決定の促進 (工場加工・ユニット化・見える化・生産設計)
◆モチベーションの向上 ・長く安心して働ける環境整備 |
従業員への取り組み ―1人ひとりが能力を発揮することができる働きがいのある職場を目指して
従業員の多様性を尊重し、能力を十分に発揮することが企業競争力を高めるとの認識から、職場環境の整備を行うとともにワークライフバランスを推進しています。
4:質の高い教育をみんなに 5:ジェンダー平等を実現しよう 8:働きがいも経済成長も | ◆モチベーションの向上 ・長く安心して働ける環境整備 (定年延長、人事制度改革) ・課題解決型人材の育成と学び直し (教育センター、技術講習の改革)
◆ガバナンスの強化 ・ダイバーシティへの取組み推進 (多様性を尊重) |
パートナーとの取り組み ―協働、協創そして共存共栄
17:パートナーシップで目標を達成しよう 8:働きがいも経済成長も 9:産業と技術革新の基盤を作ろう 11:住み続けられるまちづくりを | ◆品質向上、ものづくり体制の確保・強化 ・施工管理体制の確保と強化 (サプライチェーンまで含めた効率化の推進、技術継承・人財育成)
◆顧客の拡大 ・地域社会を元気にする官民連携事業の推進 (PFI事業、ESCO事業) ・企業連携の推進 (建設生産の効率化を推進する同業・異業との連携) |
SDGs17の目標 | 中期経営計画(2023~2025年度)における施策 |
地域社会への取り組み ―自然との調和から豊かな地域社会づくりへの貢献
17:パートナーシップで目標を達成しよう 7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 11:住み続けられるまちづくりを 15:陸の豊かさも守ろう | ◆省エネルギーの強化 ・ZEBの拡大(中小建物への普及型ZEB)
◆再生可能エネルギーの拡大 ・地産地消型エネルギーの整備・拡大 (太陽光・小水力発電 施工・維持管理)
◆地域貢献 ・本支店所在地での地域貢献活動の推進 |
「中期経営計画」(2023~2025 年度)及び「SDGs行動宣言」の詳細は、当社ホームページにてご確認ください。
・中期経営計画(2023~2025 年度):2023年3月27日公開
・SDGs行動宣言:2023年2月1日公開
(5)内部統制報告制度(J-SOX)における開示すべき重要な不備の解消について
当社は、2023年6月19日付で関東財務局長に提出した2023年3月期の内部統制報告書において、当社連結決算に使用する子会社の個別財務諸表の正確性を担保する内部統制の不備(「収益認識に関する会計基準」等の適用にあたり、連結決算手続の過程で一部の連結子会社の個別財務諸表を誤って修正したこと及び株式会社スズデンの会計処理の誤りを当社が連結決算手続の過程で識別したことによる連結決算作業の遅延)は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いと判断し、開示すべき重要な不備として2023年3月期末日における財務報告に係る内部統制は有効ではないことを開示しました。
当社は、当該事実を真摯に受け止め、財務報告の信頼性を確保すべく以下の再発防止策を講じて、その整備及び運用状況の改善を実施しました。
・経理部内でのチェック体制の見直し
決算作業手順の見える化及び決算作業の属人化を排除するために、外部の専門家(公認会計士)を利用して決算チェックリストの拡充を図るとともに、当該チェックリストを用いた検証を多重的に実施することで、決算処理の誤りを防止しました。
なお、決算チェックリストは人的統制であることから、ケアレスミスを可能な限り防止するため、決算処理のIT化を進めてまいります。
・経理人員の補強や会計的な知見の向上
当社及び株式会社スズデンにおいて決算開示の業務経験を有する経理人材の採用や経理部での勉強会を行うとともに、当社経理部員による建設業経理に関連する資格取得や外部セミナーへの参加等を通じて会計的な知見の向上を図りました。
以上の結果、前連結会計年度の開示すべき重要な不備は解消され、当連結会計年度末日における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効であると判断しました。
皆様の信頼回復と当社グループの企業価値の向上を図るために、引き続き、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化に努めていきます。
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