企業ヤオコー東証プライム:8279】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、「地域のすべての方々の食生活をより豊かに、より楽しく」を長期ビジョンに掲げております。「お客さまに価格以上の価値を提供し続ける」、「働く全員が仕事に誇りを持ち、生活を楽しめる会社にする」、「無駄をなくし、生産性の高い独自のモデルを構築する」、「すべての関係者と協力しながら社会課題の解決に貢献する」、これらを実現することで持続的な成長を図ってまいります。

(2) 経営戦略

 当社グループは、スーパーマーケットを営む単一セグメントであり、当社を含むライフスタイル業態とディスカウント業態の2つの業態で構成されております。単一セグメントでありながら、異なるビジネスモデルを持つグループ各社が自律的な成長を果たすことで、グループでの商圏シェアの向上を図ってまいります。

(ライフスタイル業態)

 当社は、「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、「豊かで楽しく健康的な食生活提案型スーパーマーケット」づくりを進めております。当社は、小商圏高頻度来店型の食品スーパーマーケットであることから、地域ごとに異なるニーズに対してきめ細かく対応し、店舗の近くにお住まいのすべてのお客さまにご満足いただけるよう、「チェーンとしての個店経営」「全員参加の商売」「徹底した現場主義」を運営方針としております。

 当社の強みは、「商品力」と「販売力」であり、名物商品の「おはぎ」、プライベートブランド商品の開発など、当社でしか購入できない商品の開発に取り組むとともに、店舗における旬・主力商品の提案、クッキングサポートの展開、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の活用など販売力強化にも取り組んでおります。

(注)「ミールソリューション」とは、お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。

「価格コンシャス」とは、お客さまが買いやすい値段、値頃(ねごろ)を常に意識して価格設定を行うこと。

「FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)」とは、ロイヤルカスタマーの維持拡大を図るための販売促進に関するマーケティング政策のことで、ポイントカード等でお客さまの購買データを分析して、個々のお客さまに最も適した商品・サービスを提供すること。

 せんどうは、生鮮食品に圧倒的な強みを持つ食品スーパーマーケットを運営し、千葉県市原市を中心にドミナントエリアを形成しております。

ディスカウント業態

 エイヴイでは、主に広域のお客さまの「まとめ買い」ニーズに対応するために、圧倒的な品揃えと低価格を実現することで、競合他社との差別化を図っております。具体的には、プロセスセンターの活用、自社でのシステム開発、効率的な店舗オペレーションによる運用などのノウハウを積み重ね、徹底的に「ローコストオペレーション」を追求しており、神奈川県横須賀市を中心に横浜や県央エリアなどへの出店も進めております。

 また、同一のフォーマットであるフーコットは、埼玉県内や東京都の多摩エリアでの新規出店を進めており、エイヴイとは異なる地域でのディスカウント業態の出店も進めることで、グループでの商圏シェアの向上を図ってまいります。

(3) 目標とする経営指標

「500店舗、売上高1兆円」を長期の数値目標としております。

 また、「売上高経常利益率4%以上」を継続的に確保することで、各ステークホルダーに対する適切な還元や持続的な成長を実現するための成長投資が可能になると考えております。

(4) 当社における目指す姿

 当社は、「生活者の日常の消費生活をより豊かにすることによって地域文化の向上・発展に寄与する」を経営理念に掲げており、地域にお住まいのすべての方々に、毎日の生活での「幸せ」をご提供し続ける、地域のコミュニティの中心として、食に関わる生活文化を継承・創造することが当社の「存在意義」だと考えております。

 当社の経営方針である「豊かで楽しく健康的な食生活提案型スーパーマーケット」を実現することで、地域の皆さまに対して、当社の店舗に買い物に行くことで、健康で幸せな生活を送ることができる、食に関する様々な悩みが解決される、人とのつながりや豊かな暮らしについて学ぶ機会があるという価値を提供し、持続的な成長を図ってまいります。

(5) 第11次中期経営計画の概要(2025年3月期~2027年3月期)

 第11次中期経営計画期間におきましては、「グループでより強くなる」をメインテーマに掲げて、ライフスタイル業態とディスカウント業態の各社が自律的な成長を果たすことで、商圏シェアの向上を図るとともに、「グループ売上高1兆円体制」に向けた基盤づくりについても進めてまいります。

① グループとしての商圏シェアアップ

・ ライフスタイル業態とディスカウント業態でのシェア向上

・ ライフスタイル業態でのM&Aの継続検討

② グループ共通機能の強化(グループ売上高1兆円に向けた基盤づくり)

・ 人事、財務、内部統制、店舗開発、物流、システム、製造

・ 経営人材の育成、人材交流・学び合い

③ 成長市場への投資と協業

・ ベトナム市場での成長支援と協業

・ 国内ベンチャーとの協業と新たな価値の創出

 ヤオコー単体 第11次中期経営計画の骨子

 当社は、第10次中期経営計画期間においては、「『2割強い店づくり』の実現」をメインテーマに掲げ、取り組みを進めました。コロナ禍という特殊な与件があったものの、EDLPによる集客、企画を通じた販売力強化、AI自動発注導入によるカイゼンの進化などで「利益創出・投資・成長」のサイクルが着実に回り始め、1店舗当たりの売上高を大きく増加させることが出来ました。一方で、「働きやすさの実現」、「旗艦店の進化」などでは課題も残りました。

 第11次中期経営計画期間におきましては、変化を捉えて自ら変化し「価値」を生み出せる企業しか勝ち残れないとの強い危機意識を持ち、各種施策に取り組んでまいります。

① メインテーマ「シン・ヤオコー:昭和モデルから令和モデルへの構造転換」

・ 専業主婦・パートタイムモデルから共働き・フルタイムモデルへ

・ 店舗だけからサプライチェーン全体で価値を生み出すモデルへ

・ 店舗だけから店舗を超えて商品・サービスを提供できるモデルへ

・ 紙ベース・属人管理モデルから、デジタルベース・自動化モデルへ

・ 資源消費型モデルから資源循環型モデルへ

② 目指すこと

・ 地域社会にもっと大きな価値を生んでいく

・ 人が価値を生む仕事に集中できる仕組みをつくる

・ 1店舗当たりの支持を高めることで価値創造と働きやすさを同時実現

(目標:1店舗平均売上高30億円)

③ 重点施策・重点目標

イ 商品・販売戦略

・ 顧客別対応の進化

・ 生鮮部門の構造改革と集客力向上

・ SPA型商品開発によるカテゴリー強化

 ロ 運営戦略

・ デジタルを活用したカイゼンの進化

・ サプライチェーン全体での省人化とムダの削減

・ 省エネ・リサイクルの継続

 ハ 育成戦略

・ 人が集まり、人が育つ職場づくり

・ 心身の健康を高める働きやすさの実現

・ グループ売上高1兆円に向けた次世代リーダーの育成

 ニ 出店・成長戦略

・ ドーナツエリアを中心とした出店継続

・ 各フォーマットでのチャレンジと深化

・ ネットスーパーの黒字化と新サービスの立ち上げ

(6) 優先的に対処すべき課題 

少子高齢化

 少子高齢化に伴うマーケットの縮小が想定されますが、過疎化が進む地方や欧米諸国などと比較しても、当社グループの出店エリアでのシェアは依然低く、グループ各社が各々の強みを磨き、自律的な成長を果たしていくことで、まだまだ成長の余地はあると考えております。また、マーケットの縮小に合わせて極小商圏でも運営を可能にする店舗フォーマットづくりに取り組んでまいります。

労働力不足

 従業員ひとりひとりが「働き甲斐」を持てる企業集団を目指してまいります。特に当社においては、店舗作業の「カイゼン」の取組みと同時に、業務効率化を目的としたIT・機器の導入、店舗作業の省力化を目的としたデリカ・生鮮センターの積極活用など積極的な設備投資も継続しております。

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