企業兼大株主モバイルファクトリー東証スタンダード:3912】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、『わたしたちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること』をミッションに掲げ、グループ全体として各種の経営施策に取り組んでおります。また、経営の透明性の確保、企業の社会的責任を果たすことにより企業価値の向上に努めてまいります。

(2) 経営環境及び経営戦略等

 当社グループに関連するモバイルゲーム市場及びモバイルコンテンツ市場につきましては、スマートフォンの機能拡充や5Gによるサービスが浸透している昨今の状況から、今後も更なる拡大を続けると予想されます。その中で、当社グループのモバイルゲーム事業における、主力サービスである位置情報連動型ゲームの市場についても、市場拡大の傾向がみられております。また、2023年に新型コロナウイルス感染症の分類が変更されたことで、2024年はさらに状況が改善し制限の無い様々な施策が取り組めるため、市場は伸張するものと考えております。

 当社は、2023年12月15日付で公表しました「ブロックチェーン事業の撤退及び中期経営計画(2021~2025)の取り下げに関するお知らせ」のとおり、IEOの中止を含むブロックチェーン事業の撤退と、「アワメモ!」における「シャボンシステム」の開発中止等を決定しております。これらの機能開発の中止や事業の撤退により確保された経営リソースにつきましては、当社グループの主力サービスである「駅メモ!」へ集中させるとともに、AI活用による全社生産性の向上に注力してまいります。「駅メモ!」におきましては、位置情報ゲームとしての更なる進化を図り、鉄道事業者や地方自治体、他社IPとのコラボの拡大などによる収益の安定と強化を進めてまいります。また、10周年に向けた新しいユーザー体験を提供する新たな企画や、長期運営を見据えたシステム基盤の再構築を検討してまいります。AIの活用におきましては、業務プロセスの改善や高品質なコンテンツ生成の検証を行い、全社生産性の向上を図ってまいります。

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、成長性と収益性の拡大を追求して企業価値の向上を経営目標としております。また、売上高の拡大に注力する一方、コストの削減を図り、利益体質の向上を図ってまいります。

 その経営成果の指標といたしましては、「連結営業利益」及び「EBITDA」を重視しております。

 実績における推移につきましては、以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

第19期

(2019年12月期)

第20期

(2020年12月期)

第21期

(2021年12月期)

第22期

(2022年12月期)

第23期

(2023年12月期)

連結営業利益

1,109,901

863,271

850,612

864,851

945,188

EBITDA

1,123,746

886,295

888,630

884,762

1,042,283

※1.EBITDA:連結損益計算書における税金等調整前当期純利益-特別利益+支払利息+特別損失+連結キャッシュ・フロー計算書に記載の減価償却費及びのれん償却額+連結財務諸表の注記に記載の株式報酬費用

※2.2024年12月期より指標の有用性向上を図るためEBITDAの定義を変更(EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用)いたします。

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。

① 位置情報連動型ゲームの成長

 当社グループは、「ステーションメモリーズ!」を中心としたモバイルゲーム事業の位置情報連動型ゲームに注力しており、当社グループのサービスの主軸を担っております。当該サービスを引き続き成長させるため、以下について取り組んでまいります。

 イ.ユーザー数を増加させることが重要な課題であると認識しております。そのため、WEBプロモーション、他社コンテンツとのタイアップやコラボレーション等を通じて新規ユーザーの獲得に努めてまいります。

 ロ.ユーザーに長期間継続して利用いただくことが重要な課題であると認識しております。そのため、地方自治体や鉄道事業者との取り組み等の各種施策等を実施することでサービスへの満足度及びエンゲージメントを高め、継続率の向上に努めてまいります。

 ハ.必要な人員を十分に確保し、当該サービスにリソースを集中いたします。

② サービス品質管理力の強化

 当社グループは、提供するサービスについて継続的に遊んでいただけることが重要と考えております。お客様に継続的に当社サービスをご利用いただくためには、マーケティングリサーチから汲み取ったお客様のニーズを実際のサービスに反映するとともに、満足していただける品質で提供することが求められ、高い品質管理体制の構築が重要であると認識しております。

 このため、当社グループのコンテンツをお客様に提供するまでの全ての制作工程について品質のチェックを強化するとともに、継続的に改善を行い高品質なサービスを提供できる仕組みの構築を追求してまいります。

③ 開発力の強化のための人材確保

 モバイル端末の高機能化、通信インフラの高速化・大容量化、コンテンツの多様化等により、当社グループの事業領域は今後も付加価値の高いサービスの提供が求められると考えられます。将来にわたりお客様から支持されるには、質の高い技術開発及び運営体制の構築が重要であると認識しております。このため、以下について注力してまいります。

 イ.高い技術力を持つ優秀な人材の確保が重要であると認識しております。現在は新卒採用を中心に行っておりますが、中途採用も適宜実施し、当社の求める人物像にあった人材の確保に努めてまいります。

 ロ.社内の人材育成のため、能力開発が重要となります。専門職別の勉強会の開催や社外研修への参加等、新たな技術の取得への支援により、開発者が成長を実感できるような体制・制度を整えてまいります。

 ハ.優秀な人材の確保及び維持のために、新しい生活様式に適応した「モバワーク」(※)の導入による遠方在住の人材の採用や福利厚生の充実、従業員への報奨等を積極的に進めております。報奨については、人事制度において定めており、成果を挙げた従業員への業績連動型賞与の支給や表彰を行っております。今後も会社の状況にあった人事制度を構築・運用してまいります。

※モバワーク:リモートワークをメインとした当社独自の柔軟な働き方

④ 事業領域の拡大

 モバイルコンテンツ市場及びゲーム等のエンターテインメント市場の拡大に伴い、顧客が求めるサービスのニーズは多様化しております。当社グループは、これら顧客に対応したサービス拡充を行っていくことが、当社グループの事業展開における一層の付加価値向上に繋がるものと考えており、当社グループの既存事業と事業シナジーを有する周辺業務については積極的に事業領域の拡大を検討していく方針であります。当該事業領域の拡大については、自社においてスキルを有する人材の採用又は他の専門性を有する事業者との提携により行っていくことを基本としておりますが、必要に応じて企業の買収等も検討していく方針であります。

⑤ 情報セキュリティ強化

 当社の子会社で昨年に発生したセキュリティの不備を真摯に受け止め、これらを含め、当社グループは業務システムへの不正アクセス等を防止するため、多層的な防御施策を実施し、情報セキュリティ管理体制の一層の強化を図ってまいります。

⑥ コーポレートガバナンスの充実と内部管理体制の強化

 当社グループは、今後も更なる業容拡大を図るため、当社の成長段階に沿った内部管理体制の強化が必要と認識しております。当社グループでは、内部統制に基づき業務プロセスの整備を行い、業務を有効的かつ効率的に行ってまいります。また、研修や社内勉強会等を開催し、内部統制及びコンプライアンスの強化を通じてコーポレートガバナンスの充実に努めてまいります。

⑦ 生産性向上

 当社グループは、今後も継続的に成長するために、「モバワーク」の推進とともに、AIやツールの利用等による業務の効率化や能力開発に取り組み、フルリモートワークにおける生産性の向上に努めてまいります。

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