企業モダリス東証グロース:4883】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

ゲノム編集治療薬の研究開発及び製造を営む当社グループは、そのコアとなるプラットフォームである『切らないCRISPR技術(CRISPR-GNDM®技術)』を用いた創薬によって、その多くが希少疾患に属する遺伝子疾患に対して治療薬を次々と生み出し、企業理念である「Every life deserves attention (すべての命に、光を)」のとおりに、病気で希望を失わなくてすむ社会の実現に貢献してまいります。

(2) 経営戦略

 当社グループでは、独自の創薬プラットフォームシステムCRISPR-GNDM®技術を活用し、遺伝子治療薬を生み出すことにより、数千あるといわれる遺伝子疾患で苦しむ方々に貢献することを目的とし、新しい創薬技術(モダリティ)である「遺伝子治療」あるいは「ゲノム編集治療」市場の創成に寄与し、世界の医療の進歩に貢献してまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 遺伝子治療薬は、世界的にもまだ本格的な普及段階には至っていない最先端のものであり、当社グループを取り巻く環境の今後の動向は不確実性が高くあります。また、医薬品の開発においては、研究開発段階から上市に至るまでの研究期間が長期間にわたるため、一般的なROAやROE等の財務指標を目標とすることは適さないと考えております。

 そのため、当社グループは、開発パイプラインの量と質を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。開発パイプラインの量とは開発パイプラインの本数のことであり、質とは開発パイプラインにおける研究開発や臨床試験等の進捗状況のことであります。開発パイプラインの量と質を充実させていくことが、経営の安定を図りながら企業価値を高めることになると認識しています。

(4) 経営環境

 2017年にLuxtrnaが遺伝性疾患に対する最初の遺伝子治療薬として米国で製造販売承認を受けたことを皮切りに、遺伝子治療は世界で3000本のアクティブ治験が行われている状況で、黎明期から成長期に移行してきました。また、ゲノム編集は、2019年以降クリスパーセラピューティックス社、エディタスメディシン社、インテリアセラピューティックス社等により臨床試験が米国にて開始されました。そのうちクリスパーセラピューティックス社の血液疾患における臨床試験は、良好な結果を伴って進捗し、ヨーロッパ当局への承認申請が行われ、英国で承認、遠くない未来に最初のゲノム編集薬が上市を迎えることになると予想されております。

 アメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)は遺伝子治療に対して引き続き前向きな姿勢を維持しており、ガイドラインの制定、治験のための環境整備を通じ、遺伝子治療に係る承認制度の整備や新薬承認のスピードアップが継続に図られていくことが予想されます。一方、日本では2014年11月に施行された「再生医療安全性確保法」及び「薬機法」において、再生医療とともに遺伝子治療も産業促進化が進むなか、2015年9月には、新制度の早期承認制度下で初めてとなる国内の再生医療等製品(遺伝子治療を含む)に対しての条件・期限付き販売の承認がされるなど、遺伝子治療推進への意識は見られています。しかしながら、現実的には欧米や中国に比べても臨床試験の本数は圧倒的に少ない状況となっています。これはカルタヘナ法対応など米国に比べてより重い規制対応があることも原因ですが、根本的には先端医療に対する保守的なパブリック・アクセプタンスや、医療側の経験がまだ十分でないことにより大きな原因があり、ファースト・イン・ヒューマン試験(世界で最初に開発薬を投与する試験)を日本で行うには引き続き障害が大きいと考えています。このままでは日本の遺伝子治療がさらに水をあけられることになると危惧しています。

 また、遺伝子治療業界全体としては、その裾野が眼科領域などの局所治療から、筋肉疾患領域などの全身疾患へとターゲットが広がった結果、新しい安全性上の問題が指摘されるに至っています。2020年にFDAはCTGTACミーティングを通じていくつかの安全性上の論点をまとめ、治験入りあるいは製造販売承認までのハードルは科学的な理解の進捗と共に上がっていると言えます。

 一方で、円安の進行、景気の改善に伴う米国雇用の逼迫状況は、人件費をはじめとした費用高騰の形で当社の支出サイドにもインパクトを与えております。今後、事業遂行上で様々な制約を受ける可能性が否めず、また受ける制約は広範かつ予測が困難であるために、慎重に注視する必要があります。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループでは、当社が継続企業として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。

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