企業メタウォーター東証プライム:9551】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものです。

 当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震や台風・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっています。このような状況において、PFI(注1)法の施行や水道法の改正等による民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携、国土強靭化計画に基づく取り組み等が着実に進展しています。特にPPP/PFI推進アクションプラン(内閣府:令和5年改定版)では、PPP/PFIの質と量の両面から充実を図るために新たな公民連携方式「ウォーターPPP」の導入拡大を図っています。また、AI、IoT等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルが創出されています。

 一方、海外の上下水道市場では、欧米等の先進国では施設・設備の老朽化に加え、米国では水資源の確保に向けた再生水の活用、欧州では環境規制の厳格化等への対応が重点課題となっています。また、アジアの新興国等では人口増による水需要の増加に伴い、上下水道インフラ整備の需要が高まっています。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会の拡大が期待されます。

 さらに近年では、中東地域をめぐる情勢、中国経済の減速、物価上昇、サプライチェーンの停滞や半導体不足等のリスクが懸念されます。

 このような市場環境を踏まえ、当社グループは長期ビジョンの実現に向け、2027年度(2028年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2027」を策定しました。2027年度の経営目標を受注高2,000億円以上、売上高2,000億円、営業利益130億円とし、次の3点を重点施策として、全社を挙げて取り組んでいきます。

① 各事業分野の成長戦略

 当社グループは、2024年4月1日付で組織体制を見直すとともに報告セグメントを「環境エンジニアリング事業」「システムソリューション事業」「運営事業」「海外事業」の4区分に変更し、各事業セグメントにおける成長戦略を推進していきます。

(環境エンジニアリング事業)

 環境エンジニアリング事業は「水環境事業」と「資源環境事業」で構成しています。水環境事業では、昨今の環境課題に対応すべく、上下水道施設の温室効果ガス排出削減に貢献する製品及びシステムの開発、導入に取り組んでいきます。また、今後増加する更新需要に対して、維持管理を起点にした提案や最適なLCC(ライフサイクルコスト)を追求することで競争力を強化し、新たな機場の獲得を図ります。資源環境事業では資源リサイクル施設の更新需要に伴いDBO(注2)案件が増加するなか、提案から設計・建設・維持管理まで、組織としての対応力やパートナー企業との連携を強化し、新たな機場の獲得を図ります。

(システムソリューション事業)

 システムソリューション事業は「システムエンジニアリング事業」と「カスタマーエンジニアリング事業」で構成しています。システムエンジニアリング事業では、今後の電気設備の更新需要に対して、特に監視系のマイグレーション(注3)や開発投資等を積極的に推進し、新たな更新需要の獲得を図ります。また、事業部門横断によるエンジニアリング手法を改革し、ICT等を活用することで、データ連携による品質向上及びさらなる業務効率化によるコストダウン等に取り組んでいきます。カスタマーエンジニアリング事業では、これまでの実績やノウハウを活用して顧客への提案力を強化し、継続的な電気設備の保守点検及び修繕工事等の獲得を図ります。また、WBC(注4)の拡販及び活用等により、新たな顧客及び新規事業の獲得を目指します。

(運営事業)

 国内では、今後さらに人口減少、自治体の技術者不足や財政難等が顕在化していくなか、これらの解決策として新たに導入された公民連携方式「ウォーターPPP」を好機と捉え、当社グループとして、これまでの実績やノウハウを生かした新たなビジネスモデルを創出し、具体化していきます。また、当社グループが運営する機場に対して、現地運転員の省人化や無人化、運転ノウハウの蓄積や高度化等を実現するため、オペレーションサポートセンター(OSC)を活用し、競争力を強化するとともに運営事業の拡大を図ります。

(海外事業)

 欧米市場では水不足への懸念や環境規制等が強化されるなか、当社グループは引き続き欧米を戦略エリアと位置付け、再生水市場及び微量汚染物質処理等の高度な処理プロセスへの対応に注力します。また、当社及び欧米のグループ企業間の連携を強化し、さらなるシナジー創出を目指します。一方、アジア市場では当社グループの差別化技術やシステムの拡販に向けて、現地パートナーとの連携を強化します。

② 企業価値向上に向けた投融資戦略

 当社グループは、ステークホルダーの期待に応え、企業価値の向上を遂げるために、次の投融資等に積極的に取り組んでいきます。

(事業拡大に向けた成長投融資)

 当社グループの事業拡大に向けて、新技術や強い分野のさらなる強化に向けて研究開発投資や国内外のアライアンス、ウォーターPPP等における特別目的会社(SPC)への投融資を積極的に推進します。

(将来の安定成長に向けた基盤投資)

 当社グループは、人を最大の財産と捉え、将来の安定成長に向けて積極的な新卒及び即戦力の採用に取り組んでいきます。また、2024年4月1日付で経営企画本部内にDX推進室を設置し、全社横断の業務プロセス改革を狙いとして、AI・ICT等のシステムやツールに対する投資を積極的に推進します。

③ サステナビリティに関する取り組み

 当社グループは、2022年4月27日に持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上を目的として「サステナビリティに関する基本方針」を制定しました。当社グループの事業やステークホルダーとの関係性が特に深い課題を重要課題(マテリアリティ)として特定し、事業活動を通じて積極的に取り組みます。

(注) 1.PFI(Private Finance Initiative):施設の設計・建設、維持管理、修繕などの業務について民間事業者の資金とノウハウを活用して包括的に実施する手法

2.DBO(Design Build Operate):公共が資金を調達し、設計・建設、運営を民間に委託する方式

3.マイグレーション:既存のシステムやソフトウェアを新たな環境等に移転・移行して活用すること

4.WBC(Water Business Cloud):クラウド型プラットフォームを活用した上下水道事業をサポートするICTサービス

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