ミロク 【東証スタンダード:7983】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「誠実と正直こそ信頼への近道」を経営の基本方針として、以下の事項を基本理念に掲げ、会社に関わるすべての人々に比類のない喜びと感動を与えるため、高品質な製品とサービスを世界へ提供してまいります。
HONESTY ~ 誠実と正直こそ信頼への近道 ~
<私たちの約束>
① 私たちは、顧客を大切にします。 私たちは、製品・サービスの品質向上に努め、顧客と約束した品質と納期を確実に守るとともに、顧客の期待を上回る製品・サービスを生み出し続けます。
② 私たちは、従業員を大切にします。 私たちは、ミロクグループで働く従業員一人一人を大切な存在として尊重し、従業員が心理的かつ経済的幸せを感じられるように、働き甲斐のある環境と公平な制度を全力でつくります。
③ 私たちは、パートナー企業を大切にします。 私たちは、私たちの製品・サービスづくりに協力してくださるパートナー企業と、お互いがかけがえのない存在であり続けるために、強い信頼関係を築き、互いの繁栄を目指します。
④ 私たちは、地域社会を大切にします。 私たちは、会社の永続的な発展を通して地域における継続的な雇用創出に貢献するとともに、地域の環境保護に努めることで、地域社会と共存していきます。
⑤ 私たちは、株主を大切にします。 私たちは、株主にとって透明性のある経営を重視し、常に時代を先取りする製品・サービスの開発に果敢に挑戦することにより、会社の魅力を高め、健全な利益を生み出していきます。
|
(2)経営環境
猟銃事業につきましては、比較的安定した米国経済における手堅い個人消費を背景に、ブローニンググループからは新製品を含めたすべてのモデルでフル生産の受注があり、販売数量は堅調に推移すると予想されます。一方で、ウクライナや中東地域の情勢悪化等の影響による世界経済の先行き減速や、円安の進行による海外部品の高騰等が懸念されることから、市場環境には十分留意してまいります。新製品投入に向けた設備投資等の影響から次期は減益となる見通しですが、段階的に回復することを想定しており、中長期的な視点から利益向上を目指してまいります。
工作機械事業につきましては、ツール部門及び加工部門は、相応の需要から底堅く推移するものと予想しておりますが、機械部門は回復に時間を要すると見込まれることから、全体では前期水準にて推移する見通しであります。国内の設備投資は一部に持ち直しの動きも見られており、新たな分野における需要開拓も含めて事業の強化を図ってまいります。
その他事業につきましては、主力である自動車関連事業は自動車業界においてカーボンニュートラルに向けた対応や今後見込まれる電気自動車へのシフト等大きな環境変化にあり、主力であったステアリングハンドルが転換期を迎えております。これまで培った技術によって、新素材の開発等に注力し、更なる業績向上に努めてまいります。
以上の結果、次期の通期連結業績につきましては、売上高12,700百万円(前期比6.8%増)、営業利益120百万円(同比78.3%減)、経常利益310百万円(同比61.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益220百万円(同比54.3%減)を見込んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は2018年度より、ミロクグループの長期ビジョンとして「主力三事業の強みを活かし、向上させ、かつ新たな事業を創出することで盤石の経営基盤を築き、今後も成長し続ける企業グループを目指す」を掲げ、その実現に向けたマイルストーンとして中期経営計画を策定しております。
「2024中期経営計画」としましては、当社製品の市場からの要求に応えるため、生産工程の徹底した改善を通じて生産性を高め、大型投資に耐え得る強靭な企業体質を確立し、また各事業間の活発な交流による相乗効果や人財育成等を行うことで、持続可能なグループ企業を目指すことを基本方針として推進してまいります。
猟銃事業につきましては、世界的な銃ブランドであるブローニンググループの市場占有率拡大戦略に歩調を合わせ、年間19万丁の生産体制構築を必要最小限の設備投資で実現し、事業の継続的成長を目指します。工作機械事業では、深穴明けというニッチな市場の数少ない総合メーカーとして、継続して加工部門を収益の柱と位置づけ、顧客からの潜在ニーズと当社の強みの分析から事業の拡大・創出を目指します。自動車関連事業では、これまでの主力であった木製ステアリングハンドルから部分加飾ハンドルへ移行し、その収益性を確保し製品競争力の強化を図り、さらに新たなカーボンニュートラル分野の開拓を目指してまいります。以上を通じて主力三事業で計画の達成に邁進いたします。
持続可能なグループ企業を支える基盤としての「サステナビリティ」に関する当社の取組みとしましては、2023年度末にサステナビリティ委員会を発足させ、人的資本を中心に戦略の策定を開始しました。また、現在予定している工場の新設や、老朽化した既存工場の将来的な建て替えを通じて、猟銃事業を中心とした当社の持続可能性を高めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
セグメントごとの課題は次のとおりであります。
① 猟銃事業
猟銃事業につきましては、ブローニンググループへのOEM供給を行っており、ビジネスパートナーとして50年以上に及ぶ良好かつ密接な関係を継続しております。主力の米国市場は、コロナ禍後の経済が比較的安定して推移していることから、一定の受注が続くものと思われます。同グループからは生産能力の拡大を要請されているため2022年8月に高知県南国市に約1万坪の土地を購入し、今後新工場建設及び設備等を導入することで生産能力の拡充を図ってまいります。併せて既存工場の再構築等により、当社猟銃生産体制の最適化を図ります。
また、主力二製品のフルモデルチェンジとなる新製品の市場投入によって、新規顧客の獲得及び既存顧客の需要喚起により大幅な売上拡大を目指します。さらに省人化を通じた生産性の向上を目的とした工程の自動化やロボット及びIT/IoTの導入により、価格競争力の向上と顧客ニーズに対応した柔軟な供給体制の構築を実現してまいります。品質につきましては、引き続き自工程完結の仕組みづくりを推進し、品質管理体制の強化に取り組んでまいります。
数値計画としましては、2024年10月期及び2025年10月期は、新製品開発に係る設備投資に伴う減価償却費増の影響、2026年10月期には新工場に係る設備投資に伴う減価償却費と経費の増加等が付加されることによる製造原価高の状況が続きますが、同時期には、新製品による販売増と全体的な増産効果が見え始めるため、段階的に利益が回復してくると想定しております。
② 工作機械事業
工作機械事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、当事業の重要な顧客である自動車業界は半導体不足の影響緩和により緩やかな回復が見られます。また、半導体業界は一時的な生産調整が見られるものの、中期的には今後も市場が拡大すると考えております。FPD(フラットパネルディスプレイ)におきましても、単価の下落等厳しい状況ですが、パネルサイズの大型化により装置メーカー各社の量産に向けた開発が進められると予想されます。
このような環境のもと、販売戦略としましては当社の強みである総合ガンドリルメーカーとしてのブランド力を活かし、加工部門を核とした戦略で、半導体やFPD市場の需要を取込み、全国4拠点の稼働率向上を目指し、また拠点の追加も模索してまいります。機械部門ではコロナ禍後の営業活動を推進し、新規顧客の獲得とエリアごとの営業戦略で売上獲得を目指し、ツール部門では、設備更新により顧客の要求に応え、販売促進につなげていきます。さらに全部門において原価低減を推し進めるとともに、人財育成による多能工化に推進してまいります。
③ その他事業
その他事業につきましては、主力である自動車関連事業は、自動車業界が自動運転やカーボンニュートラル対応という大きな環境変化におかれています。これまでの木製ステアリングハンドルを中心とした事業から、今後当事業の主力製品となる部分ウッドステアリングハンドルを中心とした部分加飾ハンドルの新製品開発と製品競争力の強化に取り組み、当社部分加飾ハンドルの商権を維持拡大してまいります。さらに、高知県産孟宗竹を原材料としたカーボンニュートラルに貢献する複合材料「Bamboo+」の事業化を進めてまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング