ミルボン 【東証プライム:4919】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループは、顧客から支持されるヘアデザイナーなど、高い美容のノウハウを持つ方に、顧客の代表として参画していただく「TAC製品開発システム」という仕組みで製品開発を行っております。ヘアデザイナーのデザインづくりなど、感性的な美容のノウハウを科学的な手法で解明し、製剤化技術によって製品に反映させることで製品を創り出しております。
当連結会計年度におきましては、基礎・基盤研究に注力することでヘアケア分野を強化し、サステナビリティの観点から環境に配慮した研究開発活動に取り組みました。日本・米国・中国・タイの4拠点において、連携体制を強化したグローバルな研究開発にも取り組んでおります。また、2023年12月により長期的な視点での製品・サービス開発に向けた新たな研究拠点として、東京・羽田に「イノベーションセンター」を開設しました。他社協業、産官学連携などの推進や、最先端の研究技術を活用する場として、将来の事業の芽となる機密性の高い研究を推進していきます。
今後は、変化の早い市場ニーズにいち早く対応するため、海外市場に向けては、従来の日本発のグローバル製品に加えて、各地の特性に合わせたローカル製品の開発に取り組み、世界の美容師、その先の顧客に喜ばれる製品を創り出したいと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は2,334百万円(売上高に占める割合は4.9%)であり、主な研究開発活動とその成果は次のとおりであります。
(1)ヘアケア分野
最新の毛髪研究成果と革新的な製剤開発技術の融合によってサロン品質を実現し、美容師の施術によって悩みを本質的に解決するサロンケア製品と、お客様の価値観やライフスタイルに合わせた美しい髪の実現を提案するホームケア製品の開発に取り組んでおります。
プレミアムブランドのオージュアからは、日々のダメージ蓄積による髪のゆがみを整え、まとまりのある輝く髪に導く「オージュア インメトリィライン」を発売。「ミルボン」からはブリーチデザインの広がりを踏まえ、ハイトーン顧客に向けた「ブロンドプラスシリーズ」と「クリエイティブスタイルシリーズ シマー」を発売しました。そして、「ミルボン」のサブブランドとして新たに誕生した「ミルボンアンド」からは幅広い髪への実感効果と共に、楽しみながら香りを選べる「アロマティックシリーズ」を発売しました。
テクニカルブランドからは繰り返しブリーチによる切れ毛を抑制する「マイフォース コントローラー」を発売しました。
プロフェッショナルブランドからは、使用シーン毎に好みの剤型を選べ、日光から髪のうるおい感を守る「エルジューダ サンプロテクト」、ヘアアイロン前に使用し、面の割れない大きなカールが持続する「ミインカール」を発売しました。
ヴィラロドラからは、エイジングやカラーダメージが進行しているお客さまへ自然の恵みによる補修効果で美しい色艶を叶える「ヴィラロドラ プロフェッショナル レノーボ テンプス&フルジェンス」を発売しました。
新たな試みとして、ビューティライフケア戦略を推進すべく、美容器具を共同開発し、美容液噴霧機能付きヘアードライヤー「エルミスタ」を発売しました。
(2)ヘアカラー分野
顧客に新たなヘアカラーデザインを提供する追加アイテムの開発と、最新の毛髪研究成果に基づいた付加価値の高い製剤開発に取り組んでおります。
ヘアカラーブランド「オルディーブ」から、ハイライトデザインにまで上品な抜け感をまとわせる「リラクシーライン」を発売しました。「オルディーブ アディクシー」には、新たなスタンダードラインとして、オレンジアンダーをかき消し、透き通るグレイッシュを表現する3色相を追加しました。
また、「オルディーブ クリスタル」からは、大人の髪に彩度ある輝きを与え自由で明るい色表現を叶える「ハイブライト」を発売し、「エノグ」に、締まり感でデザインを引き立て、その先のカラーチェンジまで可能にする脱染できる黒「オフブラック」を追加しました。
(3)ビューティヘルスケア分野
当連結会計年度より、ビューティライフケア戦略における重点分野の一つとして、顧客の健康的で美しい生活を支えるトータルビューティを叶える商品を発売しています。
「生命エネルギーの根源物質」とも呼ばれる5-ALAの約20年にわたる応用研究により、潤いあるみずみずしい毎日をサポートするビューティサプリメント「アラナス」を発売しました。
(4)基礎研究分野
最先端の研究を製品開発に応用するため、毛髪や細胞をナノレベルで観察できる大型放射光実験施設「SPring-8」の利用や、大学との共同研究を積極的に進めております。これらの成果は、「オージュア」や「ミルボン」などの新製品開発に活かされております。
また、大阪公立大学大学院医学研究科との共同研究部門において、ヒトiPS細胞を活用した新たな育毛研究を行い、ヒト毛包組織にて毛髪の伸長を促進させる成分を発見しました。この研究内容を、第33回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)バルセロナ大会2023にて発表し、口頭発表応用部門におけるトップ10に選出されました。この成分は2024年度に発売する新製品から順次応用する予定であります。
(5)その他の研究開発
環境に配慮した研究開発活動として、2030年目標石油由来バージンプラスチック使用量30%削減目標に対し、4R(Reduce、Replace、Reuse、Recycle)の取り組みを実施しております。
新製品では、ポンプ付きボトルと詰め替えパウチ仕様の採用により、ボトルの継続使用を推進しております。
さらに、詰め替えパウチのキャップ小型化、キャップレスパウチへの切り替え及びボトル成型方法の変更で品質を維持したままプラスチック使用量の削減に取り組みました。これらの取組みは2023年度の新製品と既存製品に順次展開しております。
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