企業ポーターズ東証グロース:5126】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「Matching, Change your business」というミッションを掲げ、「世界の雇用にもっとも貢献する企業になる」というビジョンのもとに事業を展開しております。

 また、企業使命実現に向けた価値として、「お客様が目的を達成し心から満足する製品を提供する」ことを掲げるとともに、特に以下の3つの価値観を大切に考えております。

・Be professional/顧客の目的達成のために

・Tettei/考え抜く、やりきる

・Keep challenging/チャレンジする

(2)経営戦略

 当社グループは(1)に掲げた経営方針のもと、「企業における人材ニーズ」と「人材」のマッチングプロセスを最適化することを事業領域と考え、この実現のために以下の経営戦略を行ってまいります。

① サービス価値の拡充とプロダクトの拡充

・サービス価値の拡充として、PORTERSの利便性を向上させるオプションの開発やシステムの安定的な稼働のためのシステム投資などPORTERSの機能向上に取り組む。

・プロダクトの拡充として、潜在的な顧客ニーズに応えられるようなPORTERS以外の新製品の開発に取り組む。

② マーケティング及びセールス体制の強化

・既存のデジタルマーケティング施策に加え、メディアへの広告展開や、異なる媒体への広告施策に取り組む。

・営業人員の拡充や教育体制を強化することにより、大口ID利用企業の顧客化に取り組む。

③ 顧客接点の強化

・オンボーディング(注1)及びカスタマーサクセス(注2)を強化することにより、PORTERSのアップデート情報を含めたPORTERSの最新情報を既存顧客に適時に通知するとともに、同一顧客内の他部署への当社サービスの促進及び有料オプションの利用を促進させる。

 (注1) PORTERSのユーザーがシステムの利用方法を適切に理解し、そのサービス価値を享受できている状態。

 (注2) 顧客の成功のためにPORTERSのユーザーへ能動的に関与すること。

④ 海外展開の本格化

・サービス拠点の展開や、現地企業等との業務提携及びマーケティング施策を実施することにより顧客拡大を進めていくこと。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループでは、HR-Tech事業におけるPORTERSの販売を主力事業として展開しており、PORTERSのID数(※)を伸長させることが企業価値の向上に繋がると考えられることから、PORTERSのID数及びその財務的な成果である売上高を重要な経営指標と位置付けております。また、持続的な成長のためには、事業活動で獲得した原資をもとに新規投資を行うことが重要とも考えているため、投資の原資としての営業利益も重要な経営指標として位置付けております。

※ ID数とは、「PORTERS」有料稼働ID数のことを指します。

(4)経営環境

 当社グループでは、主に人材紹介会社や労働者派遣会社等の人材サービス会社に対して人材マッチングクラウドサービスを提供しております。有料職業紹介事業及び労働者派遣事業の市況やそれらの事業を営む会社のITへの投資意欲が経営環境を分析するに当たって重要な要素と考えております。

 当社がサービスを提供する日本国内のHR-Tech事業の顧客は、有料紹介事業及び労働者派遣事業のどちらかもしくは両方に属しております。日本国内における有料紹介事業及び労働者派遣事業の市場につきましては、2018年から2021年にかけてそれぞれ、約17%増(2021年度 届出手数料:629,820百万円)、約29%増(2021年度 売上高8,236,300百万円)と拡大を続けております。2021年度の有料紹介市場届出手数料は新型コロナウイルス感染症が沈静化した影響もあり前年を上回っており、有料職業紹介事業者数は増加していることから、今後においては拡大するものと見込んでおります。有効求人倍率の年間平均においては、2018年の1.62倍から2021年は1.16倍と減少しているものの、2019年まで1.55倍と上昇していたことに加え、2023年12月においては新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなったこともあり、回復傾向にあります。このことから、当社がサービス提供するHR-Tech事業の顧客が属する有料紹介事業及び労働者派遣事業の市場規模は維持もしくは拡大することが見込まれます。

 これらを踏まえ、当社が提供する業界の規模につきまして、今後も一定規模の維持、拡大することを見込んでおります。

項目

2018年

2019年

2020年

2021年

有料紹介市場

届出手数料(注)1

536,130

百万円

583,230

百万円

522,170

百万円

629,820

百万円

労働者派遣市場

年間売上高(注)2

6,381,600

百万円

7,868,900

百万円

8,620,900

百万円

8,236,300

百万円

有料職業紹介事業数(注)1

22,977

25,099

26,208

27,569

労働者派遣提出事業所数(注)2

38,128

38,040

42,065

43,042

有効求人倍率

(注)3

1.62倍

1.55倍

1.10倍

1.16倍

(注)1.出典:厚生労働省 職業紹介事業の事業報告の集計結果について

(注)2.出典:厚生労働省 労働者派遣事業の事業報告の集計結果について

(注)3.出典:厚生労働省 職業安定業務統計 一般職業紹介状況

 当社製品は、他の事業会社が提供するCRM(Customer Relationship Management)システムと競合する可能性があるものの、当社は創業以来20年間以上、有料職業紹介事業、労働者派遣事業等の人材業界に特化したサービスを提供しており、その中で得られた業界に対する深い知識や豊富な経験を競争優位性の源泉として、事業を継続して参りたいと考えております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては以下の事項を認識しております。

① サービスの認知度向上及び新規顧客の獲得

 当社グループはこれまで人材マッチングサービスを一貫して提供してきたことから、安定した顧客基盤の構築は出来ており、人材サービス業界における認知度は高いものと考えております。一方で、国内の主要地域及びアジア各国の販売網のさらなる拡大を行っていくためには、当社グループのサービスの認知度をより一層向上させ、当社グループのサービスが新規顧客に円滑に導入されることを強化していくことが重要な課題であると認識しております。新たな拠点の開設やデジタルマーケティングの強化により当社グループのサービスの認知度をより浸透させるとともに、新規顧客の獲得に努めてまいります。

② 開発スピードの強化

 当社グループが展開する既存サービスの新機能のリリースや海外市場へのサービス展開を迅速に実行していくためには、製品の開発体制を強化し、開発スピードを高い水準に維持することが重要な課題と認識しております。当社グループの開発部門における優秀な人員の確保や、開発プロセスの改善を行うことによりその実現に努めてまいります。

③ 新規事業の早期収益化

 企業価値の持続的向上を実現するためには、既存サービスにおける付加価値の向上に加え、積極的に新規事業の研究開発・育成を行うことが重要な課題と考えております。しかしながら、新規事業は初期段階においては収益に対して費用が先行することから、事業として十分な利益を獲得できない期間が長期化する可能性もあります。既存事業の顧客基盤を活用するとともに、自社での営業活動を積極的に行うことによって新規事業の早期収益化に努めてまいります。

④ 内部管理体制の強化

 当社グループが今後サービスの向上や業容の拡大をするためには、内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社では、事業規模に応じた適切な人員の確保に努めるとともに、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させていくことにより、内部管理体制の強化を図ってまいります。

⑤ システムの安全性の確保

 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しておりシステムの安定稼働の確保は重要な課題と認識しております。そのため、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー環境の強化や、システム安定稼働のための人員確保に努めてまいります。

⑥ 財務上の課題について

 当社グループでは毎期の事業活動で獲得した利益を原資としてシステム投資等を行うこととしており、安定的に利益を計上している現状においては、事業継続に支障を来たすような財務上の課題は認識しておりません。今後も当該方針のもとに事業活動を継続してまいりますが、新製品の開発や海外市場への展開に当たっては、多額の資金需要が生ずることも想定されます。そのような資金需要が生じた場合でも自己資金を充当する方針でおりますが、金融機関からの借入やエクイティファイナンスも選択肢として対応してまいります。

PR
検索