企業ペイクラウドホールディングス東証グロース:4015】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは「アイディアとテクノロジーで世界をもっとハッピーに」というミッションを掲げております。当社グループは全ての人々の幸せな未来の生活を想像し、アイディアとテクノロジーでサービスを創造し、提供することで社会的課題を解決し、みんながハッピーでいられる社会を実現してまいります。当社グループは、このミッションに基づく事業活動が社会に貢献し、ひいては企業価値の最大化につながると考えております。

(2) 経営戦略等

 当社グループは、成長投資事業と位置付けている「キャッシュレスサービス事業」及び「デジタルサイネージ関連事業」、安定収益事業と位置付けている「ソリューション事業」を、事業会社を通じて展開し中長期的な収益拡大を目指す方針であります。

 株式会社バリューデザインが展開する「キャッシュレスサービス事業」おいて、顧客との年間契約に基づきサービスを提供しており、月額利用料、決済取扱高に応じた手数料というリカーリングビジネスによる継続的な売上を得ることを最重要の戦略と位置づけております。

 株式会社クラウドポイントが展開する「デジタルサイネージ関連事業」において、継続的な受注の見込める優良顧客からのデジタルサイネージ機器販売・施工工事によるスポットビジネスによる売上増、及びリカーリングビジネスである「Cloud Exa」のシステム提供数増、機器保守提供数増による継続的な売上を得ることを最重要戦略と位置付けております。

 アララ株式会社が展開する「ソリューション事業」において、顧客との年間契約に基づきサービスを提供しており、月額利用料もしくは年間ライセンス料というリカーリングビジネスによる継続的な売上を得ることを最重要の戦略と位置付けております。

当社グループのリカーリングビジネスの拡大のために、以下の開発を計画しております。

① より大規模かつ、顧客の要望に対応できるよう、データ処理能力の向上及び多種多様な機能を搭載した独自Payプラットフォームの開発

② 現地決裁型ふるさと納税「ふるまちPay」のシステム開発

③ 銀行口座・その他汎用決済手段から独自Payへチャージするためのシステム開発

④ デジタルマーケティングサービス領域におけるチャージバック等のサービスラインナップ拡充のための開発。独自Pay利用促進・付加価値向上のための新サービスの開発

⑤ デジタルサイネージ事業において新機能を追加したセットトップボックス(注)の開発

⑥ メッセージングサービスにおいてサービス連携パートナー等の他社システムとの連携を容易にし、長期的に顧客がサービスを利用できるような多種多様なAPIの開発

(注)デジタルサイネージの画面上に表示すべき内容を映し出す映像表示器を指します。

2022年3月に発表した当社グループの中期経営計画における2025年8月期の売上70億円、EBITDA(注)15億円の実現のために、特に「キャッシュレスサービス事業」に経営資源を集中し拡大を図っております。

(注)EBITDAとは、営業利益+減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む)+株式報酬費用 を指します。

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

各事業の目標達成状況を判断するための客観的な指標は下記のとおりであります。

事業

客観的な指標

キャッシュレスサービス事業

・独自Pay決済取扱高:店舗等でエンドユーザーが支払った金額

・顧客数:当社グループのサービスを利用する顧客社数

・エンドユーザー数:当社グループがデータベースとして管理する、エンドユーザーが保有する店舗の会員カード等に付されたIDの累計数

デジタルサイネージ関連事業

・累計デジタルサイネージ設置面数:事業開始以来設置したデジタルサイネージ面数

ソリューション事業

(メッセージングサービス)

・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100

・取引社数:当社グループのサービスを利用する顧客社数

(4) 経営環境

 成長投資事業として位置付けております「キャッシュレスサービス事業」に関連する国内のプリペイド決済市場(注1)は、2027年には42兆4,710億円市場に成長し、全キャッシュレス決済額の21%を占めると予想されております。当社グループの「バリューカードサービス」が属するサーバ型前払式支払手段は、「Felica」(注2)等に代表される非接触IC電子マネーを超えて、2024年3月末に約13兆6千億円(注3)となっております。

 また、経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指す(注4)としております。2023年のキャッシュレス決済比率は、既に39.3%に達して(注5)おり目標に向けて順調に拡大しております

 同じく、成長投資事業として位置付けております「デジタルサイネージ関連事業」に関するシステム販売/構築市場(注6)は、2027年には1,477億円市場に成長し、2022年から2027年の年平均成長率は8.2%と予測されております。2027年のデジタルサイネージ国内市場全体3,294億円の約45%を占めると予想されております。

 安定収益事業として位置付けております「ソリューション事業」の主なサービスである「メッセージングサービス」に関連する国内メール送信市場は、2022年度、2023年度予想は7~8%増と安定した成長が見込まれております(注7)。

(注) 1.出典:2024年2月株式会社矢野経済研究所「2024年版 国内キャッシュレス決済市場の実態と将来予測」

2.「Felica」とは、ソニー株式会社が開発した非接触型ICカードの技術方式、及び同社の登録商標であります。交通系電子マネーやコンビニエンスストア等が発行する電子マネー等で利用されております。

3.出典:一般社団法人日本資金決済業協会2024年11月掲載「第26回発行事業実態調査統計」

4.出典:2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」

5.出典:2024年3月経済産業省「2023年のキャッシュレス比率を算出しました」

6.出典:2023年7月株式会社富士キメラ総研「デジタルサイネージ市場総調査2023」

7.出典:2024年1月株式会社アイ・ティ・アール発行「メール/Web マーケティング市場2024」

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。

① 成長事業における新たなビジネスモデルの開発
「キャッシュレスサービス事業」及び「デジタルサイネージ関連事業」を成長投資事業、「ソリューション事業」を安定収益事業と位置づけ業績の拡大を図っております。経済産業省が2018年に掲げた「キャッシュレス・ビジョン」の目標よりも早く、日本国内のキャッシュレス比率が進捗し、今後もキャッシュレスサービス事業の市場規模が拡大すると予測されております。大手企業の参入等による競争激化が見込まれる環境においても、当社グループが継続的に業績を拡大するために、独自Payの強みを活かしたビジネスの多様化を推進してまいりました。また、2024年3月に「デジタルサイネージ関連事業」を行う株式会社クラウドポイントを経営統合いたしました。伝えたい情報のアップデートが常に求められる時代背景、人手不足という社会的課題を受け、プッシュ型情報配信ソリューションとしての、デジタルサイネージの継続的な需要が今後も予測されております。導入・施工から運用に係る全ての業務をワンストップで行える同社の強みを活かし、顧客の人手不足解消、店舗DXを推進しております。
② 共通顧客基盤への営業力強化によるビジネス拡大

「キャッシュレスサービス事業」において、全国に店舗展開を行う多業態飲食チェーンや、大手スーパーマーケット・ドラッグストア等の受注が進んでおります。「デジタルサイネージ関連事業」においても同様の顧客セグメントがターゲットであり、個別に非効率な営業を行うのではなく、統合のシナジーを最大限生かす取り組みを開始しております。

③ 代理店等を活用した営業力の強化による収益向上

受注先企業規模の大型化によって導入までの準備に期間を要し、販売費及び一般管理費の増大傾向は継続しておりますが、自社の営業力だけではなく、代理店やサービス連携パートナー企業等を活用した営業力の更なる強化及び早期収益化が必要と考えております。

④ システムの安定性の確保

当社グループは、インターネットを利用して顧客にサービスを提供しているため、システムの安定稼働が必要不可欠であります。このため、顧客の増加に合わせサーバの処理能力を増強する施策を継続的に実施し、システムの安定性の確保に努めてまいります。また、パブリッククラウドサーバの利用を積極的に推進することで、データ量の増加にもフレキシブルな対応が可能となり、ディザスタリカバリー(注)による安全性も担保しやすくなります。

(注) ディザスタリカバリーとは、地震や津波等の天災や、テロ、不正侵入等によりシステムが壊滅的な状況になった際に効率的、かつダウンタイムを最小限にして復旧・修復すること、また、その災害に備えたシステムや体制を指します。

⑤ 個人情報管理体制の強化

GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)等による世界的な個人情報管理の規制強化を背景に、個人情報を保有する法人の情報管理の実効性強化が求められております。一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークを取得する等、個人情報保護に努めております。

⑥ アジアへの事業展開の体制構築

当社グループは、アジア(シンガポール、タイ、マレーシア、インド)において、現地法人を設置しております。各国とも代理店等と共に新規顧客の開拓を続けており、案件の規模が徐々に拡大し、新規営業やサービス運営、及び現地法人の運営体制の強化が課題となっております。また、会員管理やモバイル決済など、各国の事情に合わせたサービスニーズの提供に向けた現地企業との提携や、M&Aなども視野に入れた各国の同業企業との連携などを行い、アジア主要国での実績の早期確立・拡大に努めてまいります。

⑦ 内部管理体制の強化

当社グループは、今後も更なる業容拡大を図るため、成長段階に沿った業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が必要と認識しております。内部統制に基づき業務プロセスの整備を行い、業務を有効的かつ効率的に行ってまいります。また、内部管理体制を充実させるために、研修や社内勉強会等を開催し、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めております。

⑧ 従業員教育等の支援強化

当社グループでは、将来の経営幹部候補育成のために外部講師による研修を開始いたしました。経営課題の分析、経営戦略の策定、会社経営を総合的に見たうえでの意思決定などに必要な素養を身につけられるように継続した従業員教育を行っております。一人ひとりが、新しい事業を生み出し、更には起業できるような人材を育成することが、当社グループの収益拡大につながると考えております。

PR
検索