企業ベースフード東証グロース:2936】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」というミッションのもと、「かんたん・おいしい・からだにいい」のすべてをかなえる、主食を中心としたBASE FOODシリーズを開発・販売しております。さらに、「人生を楽しみ尽くす基盤のある世界に。」というビジョンを掲げ、完全栄養食を開発し提供する会社として、1食に必要な栄養素を全てとれる、バランスのとれた食事をたのしみながら、誰もが健康でいられる社会の実現を目指しております。

(2) 経営戦略等

 ミッションである「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」を実現するため、当社は“栄養のインフラ”としてのBASE FOODを目指してBASE FOODシリーズの開発と販売を行っております。当社はR&Dを強化することで新商品開発および商品改善を継続して行うことでより美味しい商品をより多く販売することで顧客数の拡大と商品購入の継続率を高めてまいります。商品開発においては、自社ECで採用しているD2Cモデルにより、当社が直接顧客からのフィードバックや購買情報を得られるようになっており、これらの情報を基に顧客が求めている商品の開発・改善を行う体制を整えております。

 現在は「BASE PASTA」「BASE BREAD」「BASE Cookies」「BASE FOOD Deli」を主に自社EC、他社EC、卸販売というチャネルで販売しております。自社ECにおける注文の約98%(2023年2月期)は定期購入によるもので、売上の安定性を確保すると同時に、顧客には継続的に健康的な食事をとる習慣を提供することができており、これにより高い顧客継続率を維持することが可能となっております。自社ECのみならず他社ECおよび卸販売といったリテールチャネルを活用した販売体制によって、自社ECから商品を購入しない顧客との当社商品の最初の接点となり、最終的には自社ECで定期購入をする顧客のさらなる獲得につなげられていることを顧客からのアンケート回答からも確認できております(注1)。卸チャネルにおいては特に一袋単位での販売を行なっているため、顧客が気軽に購入し商品体験をする場としての役割を果たしていることに加え、自社EC定期購入をしている顧客も外出時や定期購入の追加として購入する場としての役割も果たしております。このように各販売チャネルは相互に送客を行う体制が構築できております。

(注)1.定期購入者の初回購入時に実施するアンケートにおける「過去にベースフード商品を購入したことがありますか?」という質問の回答選択肢より「Amazon」、「コンビニエンスストア」等の他のチャネルを選択する顧客の存在を確認しております。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等

 当社のミッションの実現及び継続的な企業価値向上を達成するために、売上高、売上高成長率、限界利益率(注1)を経営上の重要な経営指標としております。限界利益率を高めることで、「商品拡充と商品改善のための研究開発及び研究開発人員の採用活動」や「認知拡大のためのマーケティング活動」など、売上高を継続的に成長させるための施策の自由度を高めることが可能となるため当該指標を経営の重要指標としております。

 また、売上高を構成する要素の中においては、自社ECにおけるサブスクリプション会員数(定期購入者数)、解約率、平均購買単価及び卸販売における卸業者を経由した展開店舗数について、主要な経営指標として考えております。

(注)1.限界利益(売上高より、商品の製造から顧客の元に届くまでの費用を控除した金額)を売上高で除して算出。

(4) 経営環境

 当社の事業は、健康を求めるという確実なトレンドをもとに、創業来堅調に売上を伸ばしております。栄養や健康的な食事に関する課題は多くの人が抱える共通の課題であり、健康的でおいしい食事をしたいというニーズは非常に大きく、近年では健康食の市場規模が成長していることもその証左として捉えることが出来ます。当社は「おいしい・かんたん・からだにいい」商品を開発し販売することで、食事に関する健康と美味しさのトレードオフを解消します。

 当社の販売する商品は、それぞれ麺・パスタ:約11,300億円(注1)、パン:約15,800億円(注2)、Savory(スナック類):約10,500億円(注3)の国内市場に位置しており、その規模は2021年時点の合計で約37,600億円(注4)と非常に大きな規模となっております。さらに、2023年2月に新たに中食のカテゴリの商品の販売を開始し、中食の約24,200億円(注5)の市場規模を含めると市場規模の総額は約62,600億円にのぼります。他商品の例として、2019年度の無糖茶飲料市場において特定保健用食品および機能性表示食品の許可を受けている茶系飲料が占める割合(注6)は約13%あり、当該割合をプレミアム価格(高価格)で、従来からの必需品より健康的な商品購入を求めると考えられる人口割合と捉え、当社が対象とする市場においても同様の割合のニーズがあると考えており、当社のコアターゲットとなる市場規模は国内市場規模である約62,600億円に13%を掛けて約8,100億円と推計しております。

2020年以降の新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けて、消費者の健康に対する意識の高まりとともに、健康的な食事をすることへの意識も高まっており、このトレンドは一層顕著なものになっております。また、食品をオンラインで購入するという消費活動も一般化してきており、食品、飲料、酒類のEC化率(全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合)も2019年の2.89%から2020年の3.31%、2021年の3.77%(注7)と高まっており、今後も当社のコアターゲットとなる市場規模は拡大していくものと考えております。

(注)1.Euromonitor International Ltd.のStaple Foodsin Japanレポート(as of Oct 2021)より、日本におけるNoodels及びPastaのRetail Value RSPの2021年の値を掲載

2.矢野経済研究所「<2021年版>パン市場の展望と戦略」

3.Euromonitor International Ltd.のSnacks in Japanレポート(as of Aug 2022)より、Savoury Biscuits & Nuts, Seeds and Trail Mixes & Salty SnacksのそれぞれのRetail Value RSPの2021年の値を合算し掲載

4.当社の商品が属する麺・パスタ、パン、Savory(スナック類)の各市場規模(麺・パスタ、Savory(スナック類)は注1・3のEuromonitor International Ltd.の調査による各Retail Value RSP、パンは注2の矢野経済研究所による市場規模予測値)の単純合算による当社による試算値

5.清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査2019(富士経済)

6.経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①商品開発および改善のスピード

 当社が今後も事業成長を継続していくためには、販売するBASE FOODシリーズのラインナップの拡充及び、それぞれの商品の味について更なるおいしさの追求が必要不可欠であると認識しております。商品ラインナップの拡充は顧客の食事シーンにおける接点を増やし、飽きによる解約の防止及び顧客単価と継続率の向上に寄与すると認識しており、2017年の「BASE PASTA」のリリース以降「BASE BREAD(プレーン、チョコレート、シナモン、メープル、ミニ食パン・プレーン)」、「BASE Cookies(ココア、アールグレイ、抹茶、ココナッツ、さつまいも)」など、新商品の発売とそれぞれの商品の味や品質の改善を繰り返すことで事業成長を遂げてまいりました。創業より絶え間なく行なってきた開発と改善のノウハウを活かすとともに、今後はITやデジタル(AIによる配合計算や数理モデルによるシミュレーション)とテクノロジー(ディープテックやフードテック、バイオテックなどを用いたたんぱく質の食感操作、素材の味覚操作、添加物を用いない制菌等)を組み合わせた商品開発を進めるべく、多様なバックグラウンドを持つ人員の採用を強化することで商品開発と改善のスピードを速めてまいる方針です。

②販売チャネルの拡充

 当社は自社EC、他社EC、卸業者を経由した小売店への卸販売という3つの販売チャネルにて商品販売を行なっております。特に小売店への卸販売は、2020年よりスポーツジムやドラッグストア、コンビニエンスストアでの取扱店舗数を増やしてまいりました。小売店への卸販売の増加は、当社の売上高の拡大とともに、当社商品の認知も拡大し、ブランド力の強化にも寄与しております。取扱店舗数はまだ多くの拡大余地を残していると認識しており、人員増強等の営業体制の強化を通じて、取扱店舗数の拡大を図ってまいります。

 また、2022年5月より香港の他社ECプラットフォームにおいてBASE BREADチョコレートのテスト販売を実施しており、当該テスト販売の結果も踏まえ、需要及びコストも見極めながら、展開国・地域を拡大していくことで販売チャネルの拡充も図ってまいります。

③製造委託先の拡充について

 当社の商品は、製造業務を外部に委託しており、製造委託先が製造した商品の品質に問題が生じた場合や、製造委託先が法令違反により操業の全部又は一部を停止せざるを得ない場合等においては当社商品の供給に影響を及ぼす可能性がございます。当社の更なる事業拡大及び商品の安定的な供給には、製造拠点の分散化や他の製造委託先起用の拡充などが重要であると認識しております。今後、法令遵守及び安全・品質管理の徹底に十分留意し、製造委託先の拡充を図ってまいります。

④原材料の調達および価格変動への対応

 当社は商品の安定的な供給を行うために、世界情勢による原油高や原材料価格の高騰、急激な為替変動への対応が重要であると認識しております。当社商品は小麦全粒粉、大豆、油脂、卵等を主要な原材料として製造しておりますが、調達先の追加や価格の上昇が見込まれる原材料を使用しない新商品の開発等により、特定の原材料の価格高騰に影響を受けにくい体制の構築など、リスクヘッジを図ってまいります。

⑤収益基盤の強化及び利益率の改善

 当社は「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」のミッションの実現に向け、継続的な研究開発活動、販売促進活動、人材採用、グローバル展開を目的とした先行投資を行っております。今後も将来的な業績拡大のために先行投資を継続すると同時に、収益基盤の強化及び利益率の改善が必要であると認識しており、全社的な生産性改善、営業利益率の改善を行い、黒字化に向けた取り組みをすすめてまいります。

⑥コーポレート・ガバナンス体制の強化

 当社の更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要であると認識しております。積極的な採用の継続に加えて、定期的な内部監査の実施及び監査役と内部監査部の連携を通して、事業上のリスクを十分に把握・分析し、適切に対応してまいります。

⑦財務基盤の強化

 当社は、商品開発への取り組み、また安定した事業活動を継続するために、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係の維持が重要であると考えております。一定の内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。

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