プラスアルファ・コンサルティング 【東証プライム:4071】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
ミッション(Mission)
「お客様のビジネスにプラスアルファの価値を創造します。」
世の中にあふれる膨大な文章、数値、画像、音声等の情報を「見える化」し、お客様のビジネスに役立つ「気付き」を提供することで、お客様に+α(プラスアルファ)の価値を創造します。
ビジョン(Vision)
「見える化プラットフォーム企業を目指します。」
あらゆる分野でデジタル化が進み、情報量が爆発的な増加を続ける中、人が持つ創造力や生産性を向上させるソリューションを提案し、お客様、社員、パートナーと共に様々な業界の仕組みを変革するプラットフォーム企業を目指します。
企業理念
・私たちは、プラスアルファの価値を生み出すことで、「つきぬける感動」と「広がる可能性」を提供します。
・私たちは、互いに「勇気」「情熱」「思いやり」、そして、「地道な努力」を大切にします。
・私たちが優先するのは、強みが活かせ、自らが成長し、社会に貢献できる仕事であり、常に「ポジティブな姿勢」でやり遂げます。
これらの理念、ミッションの下、当社グループは、あらゆる分野におけるデジタル化の進展に伴い増加する情報量を「見える化」する技術をコアとして、多様なビジネス領域で価値のある事業を展開してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高、営業利益、営業利益率を重視しております。
(3)経営環境
当社グループの属する国内ソフトウェア市場は、2022年度において1兆9,768億円に達し、うちSaaS市場は12,062億円と全体の61.0%を占めており、今後も堅調に推移する見通しであります(出所:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」)。システム導入期間の短期化や導入コストの低減を図れること、API(注)連携による他システムとの連携が容易であることから、国内ソフトウェア市場の中でも特にSaaS型サービスが市場の成長を牽引している状況にあります。当社グループの事業領域であるテキストマイニングツール分野、CRM分野及びHRテック分野においても、企業のデジタル化シフトによる働き方の見直しや業務の自動化・効率化などへの取り組みが続いており、それらを支援するソフトウェア(特に当社グループが手掛けるSaaS型クラウドサービス)については需要が維持され、いずれも市場拡大が見込まれるものと予想されております(出所:同上)。
(注) API:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェアからOSの機能を利用するための仕様又はインターフェースの総称で、アプリケーションの開発を容易にするためのソフトウェア資源のこと。
(4)経営戦略等
当社グループは、このような経営環境の下、今後の新たな分野での事業展開を見据え、また既存事業の基盤強化を図るために以下の戦略を進めていく方針であります。
① タレントマネジメント領域への積極投資とHR分野への本格展開
働き方改革や労働人口減を背景に人材活用の質的向上や効率化を目指した人事系ソフトウェアの需要が拡大しております。急拡大する需要に対応するため、タレントマネジメント領域へ積極投資を行い、当社グループが推進する「科学的人事」を実現する機能強化を図るほか、HR分野へのサービス進出を積極的に進めたいと考えております。具体的には、人材情報プラットフォームに蓄積された情報やデータ分析結果を活用することで、既存の人事分野の業務(「人材紹介・採用」「研修・育成」「福利厚生・イベント」「ヘルスケア」など)において、一例としては、精度の高い採用手法や社員教育の効率化手法などを開発し、より実効性の高いサービスとして事業展開を図っていく予定です。
② ビッグデータと分析テクノロジーのプラットフォーム戦略
当社グループでは、様々なデータソースや分析機能をワンストップで取り扱えることで、サービスの付加価値が向上し、顧客にとっての魅力が更に高まると考えております。当社グループでは、サービスが取り扱うデータ種類の拡充を図るとともに、顧客の利用シーンに合わせた豊富な分析機能を用意することを継続して推進する予定です。
③ コンサルティング力強化による高付加価値化と大型案件創出
当社グループでは、コンサルティング業務を通じて顧客とともに課題解決に取り組んでおり、そのプロセスの中で顧客業界の市場特性や課題解決に直結する分析などの知識や経験が蓄積されております。これらの知見を活かして、新たなサービス開発につなげるほか、高付加価値のコンサルティングを合わせて提供することで、大型のソリューション案件の創出につなげていきたいと考えております。
④ 事業分野ごとの経営方針
<見える化エンジン事業>
「顧客体験フィードバック」のコンセプトのもと、企業が顧客に提供したい顧客体験と、顧客の感じ方のギャップを分析する仕組みを提供し、企業の商品・サービスの改善に対するソリューションとして事業展開を図っております。
顧客の声をマーケティングに活かす取り組みが着実に浸透してきていることから、当サービスへの引き合いも堅調に推移しており、ツール単体としての提供だけでなく、分析ノウハウや分析結果の活用方法などをコンサルティングとして提供しつつ、顧客内の幅広い部門での活用を促す取り組みを強化していく予定です。
当社グループでは、コンサルティング業務を通じて顧客とともに課題解決に取り組んでおり、そのプロセスの中で顧客業界の市場特性や課題解決に直結する分析などの知識や経験が蓄積されております。これらの知見を活かして、新たなサービス開発につなげるほか、高付加価値のコンサルティングを合わせて提供することで、大型のソリューション案件の創出につなげていきたいと考えております。
<カスタマーリングス事業>
「実感型デジタルマーケティング」のコンセプトのもと、データの効率的な活用にとどまらず、オンライン施策が顧客行動に与える影響を見える化し、次の施策決定の際に分析結果を直接活用できるソリューションとして事業展開を図っております。
電子商取引市場の拡大により、顧客とのデジタル接点から収集した情報を次のマーケティング施策に活かす取り組みが広がっていることから、新規顧客の獲得に加えて、既存顧客の利用度拡大によるプランアップなどを推進していく予定です。
<タレントパレット事業>
働き方改革や労働人口減を背景とした人材活用プロセス(採用、教育、配置、評価)の質的向上や効率化を目指した人事系ソフトウェアの市場は急拡大しております。当サービスについては、顧客基盤の拡大に向け、先行的に積極的にマーケティング投資を実施するほか、分析的視点での人事戦略を実現する「科学的人事」のコンセプトのもと、継続的にサービスの機能強化を図り、また導入企業へのコンサルティングを通じて蓄積された分析ノウハウや活用方法などをサービス強化に結び付けていく予定です。
⑤ AI・テキストマイニング、技術力強化による機能差別化
IT業界は変化が激しく、新しい技術やトレンドには常にキャッチアップしていくことが不可欠と考えております。特に、当社グループが関わる情報分析の領域においては、近年、機械学習やAIなど新しい技術の枠組みが台頭しております。当社グループでは、他社に先駆けて最新技術を取り入れることで、サービスの差別化や新市場の開拓につなげていく方針です。
⑥ 経営基盤の強化、社員の戦力強化
事業が拡大し社員数が増えていく中で、スピードを落とすことなく成長を継続するため、それを支える経営基盤の強化が不可欠と考えております。社員一人ひとりのレベルアップのため、研修・教育などの制度充実を図るほか、組織拡大に合わせバランスを取りながら経営管理体制を強化してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対応すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。
① 優秀な人材の確保
当社グループでは、持続的な成長のために優秀な人材を確保することが不可欠と考えております。当社グループビジョンに共鳴できる人材獲得のため、積極的な採用活動を推進するだけでなく、入社後に定着して能力を発揮できるよう研修の充実を図るなど職場環境を整備してまいります。
② サービスの付加価値創出
SaaS型サービスは、導入費用の低さや導入までの期間の短さから認知度が高まっており、今後も成長が継続すると予想しております。一方で、新規参入者や競合事業者が参入してくることで、今後はサービス提供者が増え、価格競争が進むものと考えております。当社グループでは、顧客ニーズに合わせてサービスを進化させるとともに、新機軸のサービスを取り入れ差別化を図ってまいります。
③ 認知度向上とマーケティング強化
当社グループでは、インターネットへの広告や展示会への出展等を通じて顧客獲得を進めてきましたが、更に顧客基盤を拡大させるため、サービスの認知度を一層高めることが不可欠と考えております。幅広い顧客層にリーチするため、新しいマーケティング手法を取り入れるほか、マス広告等のメディア活用も取り入れながら、更なる認知度の向上に努めてまいります。
④ 情報管理体制の強化
当社グループが運営するサービスにおいては、顧客情報や個人情報を取り扱っており、これらの情報管理体制を強化することが重要であると考えております。プライバシーマークやISO/IEC 27001:2013及びISO/IEC 27017:2015を取得しており、情報セキュリティに関する方針を定め、社内規程の整備や運用の徹底、研修の実施、社内システムの一層のセキュリティ強化等を通じて、これらの情報を厳正に管理するための体制の強化に取り組んでまいります。
⑤ システムの安定的な稼働
当社グループが運営するサービスはインターネットを利用したサービスであり、システムの安定的な稼働が不可欠であります。利用者の増加やデータ容量拡大に対応するため、システム投資、メンテナンス投資及び運用管理体制の強化を引き続き行ってまいります。
⑥ 社内管理体制の強化
当社グループが事業環境に適応しつつ、持続的な成長を維持していくためには、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクを適切にコントロールするための内部管理体制の強化が重要であると考えております。内部統制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、監査役と内部監査室が積極的に連携して定期的な監査を実施するほか、役員・従業員に対しては研修の実施等を通じてコンプライアンス体制を強化してまいります。
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