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企業概要

 当社グループは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を普遍的な当社グループのPurpose(パーパス)に掲げ、データ活用によるサステナブルな社会を創ることを目指し、社会課題の解決に貢献していくことを私たちの存在意義としております。そして、この普遍的なPurposeを私たちの事業において具体的に実現していくためのVision(ビジョン)を「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる」とし、さらに時間軸の短いMission(ミッション、使命)を「技術と人材のサプライチェーンを再構築し、国際競争力のある豊かな日本の再生に貢献する」と設定しております。

 これらの理念を定めた背景には、IMD「世界デジタル競争力ランキング2022」において、日本が「デジタル/テクノロジースキル」において63か国中62位、「ビッグデータと分析の活用」において63か国63位に沈んでいるという厳しい現実があります。

 日本経済が国際競争力を取り戻していくには、日本企業は、ITやデジタルの力を活用し、時代に応えた新しい価値を創造するための「内なる力」を高めることが必要であります。その実現に向けて、私たちは、国内のIT人材やデータ活用人材の不足、リスキリング、そして、ITやデータ活用の内製化促進という課題解決に真正面から取り組むこととし、日々進化するさまざまなテクノロジーを実用的な形に転換し、技術と人材のサプライチェーンを再構築していくことで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の高度化・高速化に貢献していきたいと考えております。

 当社グループは、これらの考え方をまとめ、2023年5月12日開催の取締役会において、2024年6月期を初年度とする3か年の中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)を策定し推進しております。その概要は、以下のとおりであります。

[中期経営計画の位置付け]

 当社グループは、本中期経営計画期間を「構造改革期」と位置づけ、これまで急速に拡大させてきた事業体制から経営モデルを刷新し、今後の環境変化にも機動的に対応できる高利益体質への転換を図ります。

[財務目標]

 中期経営計画の達成状況を判断するための客観的指標としては、連結ベースにて、事業規模の拡大を示す売上高、高利益体質への転換の進捗を示すEBITDAマージン、資本効率性を示すROEの3つを設定しております。

 特に、構造改革期と定めた本中期経営計画期間においては、従来の「組織拡大による成長」から「利益重視のマネジメント」へと舵を切り、売上高の成長以上にEBITDAマージンの向上に力点を置いております。なお、重視する利益を、営業利益や経常利益ではなくEBITDAとしたのは、今後は、M&Aや子会社/合弁会社設立による事業拡大を成長戦略のひとつに置いているためであります。

 同計画の初年度であった当連結会計年度においては、第一に解決すべき緊急性の高い課題として設定したプロフェッショナルサービス事業の有償稼働率の向上、プロダクト事業の利益率の向上の2点を、想定よりも早く進捗させることができました。これにより、当社グループは、最重要課題を事業規模の拡大と売上成長へと切り替え、初年度に回復した利益率を維持しながら既存事業の売上成長率が10%を優に超える水準にまで復活させていくことを目指し、2025年6月期の事業計画を立案しております。

 翌連結会計年度において対処すべき課題は次のとおりであります。

[課題と取り組み1]「三位一体」の独自のビジネスモデルによる差別化

 当社グループは、日本におけるIT人材の不足という課題を解決するために、「データ・AI活用の内製化」というテーマに力点を置き、以下3つの要素からなる「三位一体」での価値提供という当社グループ独自のビジネスモデルにて、大手DX支援企業との差別化を促進してまいります。

(要素①)データ分析/コンサルティング/SI(システムインテグレーション)を支援する

 プロフェッショナルサービス

(要素②)データ・AI活用のポテンシャル人材の発掘とリスキリングの推進による人材育成・教育

(要素③)人のスキル不足を補う実践的なソフトウェアを提供するSaaSの提供(プロダクトサービス)

[課題と取り組み2]営業基盤の強化

 当社グループは、当連結会計年度より始動したマトリクス組織による業界別営業体制をさらに進展させるとともに、販売促進活動の強化による当社グループの認知拡大と案件パイプラインの創出を推進してまいります。

 加えて、プロフェッショナルサービス事業における高い有償稼働率を持続させるために、中堅層以上の中途採用のための活動を再始動させ強化を図ってまいります。

[課題と取り組み3]非連続成長の加速

 当社グループは、株式会社TimeTechnologiesのM&AおよびPMI(M&A後の統合プロセス)が成功した実績をもとに、M&Aや資本提携を専門に推進する新組織を立ち上げ、類似業界や近接業界の企業を対象に、次なるM&A、資本参画、スタートアップ投資を通じて、既存事業の成長の枠にとどまらない非連続な成長機会を創出してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が判断したものであり、不確定な要素を含んでおります。そのため、経済環境をはじめとするさまざまな要因の変化により、実際の業績はこれと異なる可能性があります。

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