企業兼大株主ブルボン東証スタンダード:2208】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 研究開発の目的

 当社グループは「安全・安心・安定および健康」をお客様にお届けすることを目指し「品質保証第一主義」に徹した活動を行っております。新しい時代のニーズや少子高齢化への対応、生活習慣病予防のための商品開発、新素材開発の研究、おいしさと楽しさの追求、消費者ニーズや流通からの要請への迅速な対応、独創機械開発、新カテゴリーの創造、エリアの拡大、新チャネルの流通開拓を目的としております。

(2) 研究開発の課題と成果

〇 研究分野

 先端研究所では、健康増進総合支援企業を目指し、「食の健康科学」「再生医療」「IoT推進・AI活用」に焦点を当てた先端研究と事業開発を進めております。

 食の健康科学の研究については、順天堂大学に共同研究講座「先進老化制御学講座」を設置し、ボイセンベリーのヒトに対する有効性検証や抗老化に関連する食品素材の評価研究などを進めております。また、健康志向型食品開発を支えるため、武蔵丘短期大学と共同研究を進め「グミによる炭水化物の継続摂取がゴルフパフォーマンス維持効果への影響」および「エリートジュニアゴルファーのラウンド中の飲食品調査」について論文発表を行いました。

 再生医療領域の研究については、信州大学医学部との共同研究を継続しており、糖による細胞の増殖制御を応用した細胞培養用の研究試薬「Xyltech™」シリーズの開発を進めております。新たにヒト間葉系幹細胞用のアニマルフリー培養液の研究開発に取り組み、グループ会社にて2024年4月より販売開始しました。

IoT推進、AI活用研究については、工場の製造現場における品質と生産性の向上を目的として、オープンソースソフトウェアを用いた自社製のプログラムとシングルボードコンピュータを活用し、多様な製造現場に柔軟に対応するシステムの研究開発に取り組んでおります。製造設備の状態や検査機器からの測定データを収集し、その結果の可視化と設備の自動制御に取り組みました。また、プログラミング言語を用いて社内製のツールの開発に取り組み、これら研究開発で得た技術と知見を基に社内勉強会を実施し業務改善やビッグデータ分析による新規利益機会の発見に取り組みました。

○ 新製品開発分野

 製品開発部では「品質保証第一主義」を掲げ、“食”に対する安全、安心、安定を基に、お客様の健康と環境に配慮した商品設計を行うよう開発を進めております。社会環境やライフスタイルの変化に伴い、多様化するお客様のニーズにいち早く対応し、市場から求められる実質価値観の高い製品の開発に取り組みました。

 独自の製造技術開発としては、昨年度、雪国新潟県の風土を活かし雪を利用した雪室を使った雪室熟成技術のカカオ豆を使った「雪室ショコラ」2品を開発しましたが、今年はさらに雪室熟成コーヒー豆を使用したボトル缶コーヒー「雪室研ぎ澄ます珈琲」、雪室熟成カカオマスを練り込んだ「雪室ショコラアイス」を開発しました。

 配合・組み合わせ技術として焼菓子とアーモンド、キャラメルフィリングを組み合わせることで新食感を付与した「アマンデール」を開発しました。アルフォートミニチョコレートでは今まで使用していない生地ベースのサブレを組み合わせて風味と食感に特化した「アルフォートミニチョコレートサブレ」やチョコレートの融点を変え口どけにこだわった「くちどけホワイト」を開発しました。素材を多く配合した差別化商品としてフリーズドライいちごをたっぷり加えて小粒成型する技術により「きゅんと濃苺」、玄米素材を多く練り込んで成型し焼き上げた新食感の「ザクザク玄米クッキー」を開発しました。

 素材開発の研究では、食べる順序により甘みが変わる素材を配合した「キュービィロップ甘消しマジックキャンデー」や地方の名産品に特化した原料を配合した「フェットチーネグミ世界一りんご味」や「ふんわりバーム世界一りんご味」、また、抹茶商品ではこだわり一番摘み抹茶を十分に味わえる配合技術を行い差別化を図りました。

 機械化製造技術を活かして小型の型焼きケーキ「ちいさなフィナンシェ」を量産化しました。

 新分野への取り組みとしては、冷菓で新たに健康に着目した棒付きアイスクリームの「やさしいココナッツミルクバー」を開発しました。

 健康食品の研究開発では、栄養補給に特化し33種類の栄養素をバランスよく配合したバータイプの焼菓子「MITASEココア味」、不足しがちな栄養素を補える「しっとりソフトクッキーカルシウム」「しっとりソフトクッキー鉄分」を開発しました。今後も健康素材に注目し開発を進めてまいります。

○ その他

 設備開発管理部では、新製品のための新しい機械及び装置の研究・開発とその軌道化、基幹設備更新時の新しい機構・機能の導入研究および機械開発とその軌道化、品質向上のための設備の根本的な見直しと研究・検証活動や設備改善、安全・安心のための各種検査装置等の開発および導入検証、省人化・収益性改善のための設備開発などに取り組みました。

 マーケティング部では、営業活動を最適化・効率化できるツールや手法の構築を行うセールステック、得られた販売情報を解析しお客様のニーズや販売戦略の検討を行うマーケティング、営業管理手法や作業効率の改善など、営業活動における攻めおよび守りのDXを研究実践しております。

 チャネル営業部では当社の新しい成長軸の開発・軌道化を目的に、新しい小売事業開発に取り組んでおります。その一環として、JR新潟駅の商業施設「CoCoLo新潟」に、クラフトならではの特別な商品を楽しめる新しいコンセプトショップ「Un BOURBON(アン・ブルボン)」をオープンしました。これまでに培ってきたお菓子作りの技術を活かし「少量生産でしか実現できないクラフトならではの特別なおいしさもお客様にお届けしたい」という想いを形にし、1つ上の品質、1つ上のおいしさを追求したひと味違う唯一ここだけのおいしさをお届けします。また、複合食品自動販売機「プチモール」の設置活動に併せて、消費者のニーズの変化に対応した雑貨自動販売機、流通企業様のオリジナル商品を販売するコラボレーション自動販売機等の販路拡大に努めました。加えて、環境対策機能やエンターテイメント性など付帯機能を付けた自動販売機の実現に向け、継続的に試作検証を行っております。

 以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は1,170百万円(対前期比104.7%)となりました。

(3) 研究開発の体制

 当社グループでは、以下の部署において取り組んでおります。

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