ブリーチ 【東証グロース:9162】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「世界を照らす。」という経営理念を掲げ、「一人ひとりが商売を生み出し、拡大させ、経済を回すこと」、そして「人財自らも成長して輝き、世界を照らしていくこと」を目指して事業を展開しております。当社が持つマーケティング力によって、「まだ照らされていない商品やサービスを輝かせていく」ことで社会に貢献していきたいと考えております。
(2)経営環境
政府統計(注1)によれば、2023年、我が国において売上高が100億円を超える企業の数は4,508社であるのに対し、売上高1億円~100億円未満の企業の数は102,555社であります。当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しているため、当初から潤沢なマーケティング予算を確保しにくい中小・中堅企業を含め、企業規模を問わずマーケティングDXの支援が可能です。
また、2022年、我が国における物販系分野BtoC-EC市場規模は14.0兆円にまで拡大した一方、EC化率は9.13%であり、まだ低水準にあるものと考えております(注2)。当社は独自のビジネスモデルを軸に、商品やサービスの分野を問わず様々な顧客企業に対してマーケティングDX支援を行うことにより、顕在化しているマーケティング支援へのニーズの取り込みに加えて、潜在的なニーズを掘り起こし、EC化率向上や国内消費者市場そのものの拡大を図っていきます。
なお、当社がターゲットとする市場は、化粧品、日用品、機能性表示食品、美容サロン、金融サービス等における、ウェブでの新規ユーザーの獲得ニーズであります。化粧品、日用品、健康食品のそれぞれの国内市場はそれぞれ2兆8,414億円(注3)、2兆635億円(注4)、8,880億円(注5)であり、これらにEC化率を乗じた市場規模はそれぞれ4,165億円(注6)、3,982億円(注7)、6,003億円(注8)です。顧客企業等へのヒアリングによれば、当社のレベニューシェア単価はLTV(顧客生涯価値)の30~50%を目安に設定されることが多いと見られることから、当社が直接的にターゲットとしている市場はEC化率を考慮した市場規模合計額14,151億円の40%と仮定した場合、5,660億円と推察されます。当社は、独自のビジネスモデルと高いマーケティング力により、消費市場全体とEC化率の両方を牽引することを目指しております。さらに、既に多数の問い合わせのある不動産、通信、人材、士業等のジャンルにもサービス展開していくことを計画しております。
(注)1.政府統計「経済構造実態調査 2023年経済構造実態調査(産業横断調査)二次集計(企業等に関する集計1)」、製造業を集計
2.経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」
3.株式会社富士経済「新型コロナウイルスを契機に拡大する化粧品EC市場の現状と将来展望」化粧品市場の2021年見込数値
4.株式会社矢野経済研究所「2022年版 トイレタリー用品マーケティング総鑑」トイレタリーの2021年度の市場規模。トイレタリー市場は、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品、「衣料関連」、「ホームケア関連」、「フェイス・ボディケア関連」、「オーラルケア関連」、「サニタリー関連」の5分野合計50品目を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出
5.株式会社矢野経済研究所「2022年版 健康食品の市場実態と展望~市場分析編~」健康食品市場の2021年度の見込数値。健康食品市場は、錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンク形状等の健康維持・増進、美容等を目的とした食品を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出
6.株式会社富士経済「新型コロナウイルスを契機に拡大する化粧品EC市場の現状と将来展望」化粧品EC市場の2021年見込数値
7.注4記載のトイレタリーの2021年度の市場規模に、株式会社博報堂「EC生活者調査」の日用品のEC購買シェア率19.3%を乗じて算出
8.注5記載の健康食品市場規模の2021年度見込数値に、株式会社博報堂「EC生活者調査」の健康食品・飲料のEC購買シェア率67.6%を乗じて算出
(3)経営戦略
当社収益を大きく支えるのは、当社の月次売上高10百万円以上の商材である「コア商材」であります。当社の一連のバリューチェーンを強く太くしていくことで、再現性をもってコア商材を生み出し、コア商材数と商材当たり売上高を引き上げていきます。
バリューチェーンの強化策として、主に以下の施策に取り組んでまいります。
① 人材採用と組織体制の強化
拡大する顧客企業からのニーズに応えるため、引き続き優秀な人材の確保と育成に注力していきます。
当社はこれまで新卒や未経験者を中心に採用活動を行ってきましたが、更に採用活動を強化し採用数を拡大していきます。また、効率的な社内分業・連携体制やITツールの活用による業務効率化に加えて、ステップ毎に必要な知識やスキルを言語化・体系化した育成プログラムの拡充、成功失敗事例等のナレッジ共有体制の構築などにより、未経験者でも早期に戦力化する組織体制を更に強化してまいります。
上記施策により、マーケター人員数、マーケター1人当たり売上高(注)などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) 売上高÷マーケター人員数にて算出しております。
② 商材パイプラインの拡充・コンサルティング力の強化
既存顧客からの売上拡大を図るとともに、広告代理店やEC支援コンサル等と連携し新規顧客を開拓していくと共に、販売先の分散によるリスク低減の観点からも新規顧客からの売上高増加に取り組んでまいります。また、新たな商材ジャンルにも展開していきます。
また、人員増を含む組織体制の見直しにより、新規顧客・ジャンルの開拓を進めてまいります。さらに、顧客LPや商品設計等の上流に関するコンサルティング力を強化することで、当社のマーケティング力、売上拡大力を向上させてまいります。
上記施策により、ランク別コア商材(注)数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) 当社ではコア商材について、平均月次売上高が100百万円以上の商材を「Aランク商材」、同50百万円以上100百万円未満の商材を「Bランク商材」、同25百万円以上50百万円未満の商材を「Cランク商材」、同10百万円以上25百万円未満の商材を「Dランク商材」として分類しております。なお、平均月次売上高の参照期間は四半期毎としております。
③ マーケティング手法の拡大
動画等の新しい広告フォーマットや、広告媒体や配信面の利用拡大により、マーケティング手法の拡大を図ります。近年、特にショート動画の再生回数は急増しており、2022年には動画広告市場は5,920億円(注)にまで急拡大しております。
当社はこれまでディスプレイ広告等で培ったマーケティング力を活用し、動画フォーマットの活用も積極的に進めてまいります。また、当社は、LINEやYahoo!、Pangleに加えて、Google、Facebook等、より幅広い広告媒体を更に活用してまいります。
上記施策により、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) CCI/ D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングス「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」ビデオ(動画)広告の2022年市場規模
④ データ・ITツールの活用促進
独自データベースの構築やマーケティング効果測定ツール、自動トレーディングツール、クリエイティブの自動生成AI等、当社のマーケティング力を高めるとともに業務効率化に繋がるツールの開発を強化してまいります。また、独自ECカート、チャットボットの導入等による購買ページ・決済システムの改善によるマーケティング力の向上、及びこれらから得られるデータの利活用を推進してまいります。
上記施策により、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、ROAS、広告利益、マーケター人員数及びマーケター1人当たり売上高を主要財務指標(KPI)としております。
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用していることから商材がヒットした場合に大きなアップサイドがあり、またヒットした商材に社内リソースを再配置していくことで、当社全体の収益の最大化を図っております。そのため、当社収益に占めるコア商材の寄与度が高くなる構造にあることから、当社業績の変動要因をランク別コア商材数とランク別コア商材に係る平均売上高を確認することで把握・分析しております。
また、当社は収益性を管理する観点でROAS及び広告利益を、人材の採用・育成は当社の成長ドライバーの一つであるため、マーケター人員数及びマーケター1人当たり売上高をKPIとしております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべきと考える事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 顧客基盤の拡大と新規顧客からの売上高増加
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しており、大ヒットを生み出した際にはその商材ひいては顧客企業による売上高は急速に増加することがあります。当社としては顧客との取引継続性を高め、また商材を分散させることにより事業上のリスクを低減することに努めておりますが、顧客基盤を拡大させることにより顧客別売上高についても分散させ、安定的な事業成長に努めていきます。
② 人材の採用と育成
当社は、拡大する顧客からのニーズに応え更なる事業拡大を実現していく上で、優秀な人材の確保が必要不可欠であると認識しております。このため、中途採用と新卒採用を積極的に行ってまいります。
また、教育プログラムの拡充やITツールの開発促進等にも取り組むことで、未経験の人材を早期に即戦力化し、急速な成長への対応とサービス品質の維持・向上を図ります。
③ 情報セキュリティ体制の更なる整備
当社は、顧客と取引を行うにあたり、顧客情報及び営業機密等の機密情報を取り扱うことがあります。
情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進していくとともに、情報の取り扱いに関する社内規程の適切な運用、役職員の機密情報リテラシーの向上、役職員による機密情報の取り扱いに関する内部監査等を通じ、情報セキュリティ体制の強化を図ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は、急速な事業成長と外部環境の変化に適応し継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用・監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実及びITツールの拡充等による経営管理業務の効率化を進めることで迅速かつ適切な経営判断を行ってまいります。
⑤ 安定的な事業資金の確保
当社は、事業拡大のために広告宣伝費及び人材の採用・育成への投資を継続しております。今後も資金調達をはじめ、財務基盤の強化及び安定的に事業資金を確保するための諸施策を講じてまいります。
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