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企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、スモールビジネスは個性的かつ創造的であり、多様な価値観や働き方を促進し、持続可能な社会
の実現に必要となる新たなムーブメントを起こすことができると信じております。スモールビジネスが活躍するため
にはテクノロジーの活用が不可欠であると考え、「freee会計」「freee人事労務」をはじめとする各サービスの提供
により、だれもが自由に自然体で経営できる環境をつくることで、ユーザーの皆様の持続可能な事業運営に貢献でき
ると考えております。
また、当社グループ自身が持続可能な組織であるために、一人ひとりのメンバーが自らの能力を最大限に発揮でき
るような組織づくりを促進してまいりました。今後もミッションである「スモールビジネスを、世界の主役に。」を
合言葉に、持続可能な社会の実現に向けて、各種取り組みを推進してまいります。
<1>ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針及びリスク・機会認識に基づく対応方針・施策等について当社の取締役会にて監督しております。サステナビリティへの対応方針・施策等は、各担当部門が主体となって推進し、これらの進捗状況等を定期的に取締役会に報告します。
<2>戦略
(1)気候変動
気候変動は、持続可能な社会を実現する上で最も差し迫った課題の1つであり、気候パターンの変化や異常気象により我々の社会に大きな影響を及ぼすリスクがあります。当社グループは気候変動対策として、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の測定・開示・削減に取り組むとともに、「freee会計」、「freee人事労務」をはじめとする各種オンラインサービスの提供により、ユーザーの皆様のペーパーレス推進や不要な移動の削減の一翼を担うことで、社会全体の環境負荷低減に貢献していきたいと考えております。
(2)人的資本
当社グループでは、ミッションである「スモールビジネスを、世界の主役に。」を組織の存在目的として最重要視しております。ミッションを達成するために、ミッションに共感する優秀な人材を集め、成長させ、一人ひとりがその個性や才能を発揮し、ワクワクしながら自律的に行動を起こしてもらうと同時に、当社グループに所属する全てのメンバーが一致団結して同じ方向に向かって進み、組織として高いパフォーマンスを継続的に発揮し続けていくことが不可欠であると考え、様々な施策や制度策定をしております。
①従業員エンゲージメント向上
a. 社内コミュニケーション
当社グループでは、全従業員が同じ方向に向かって進んでいくために、経営陣と従業員がオフィスの同じ場に集まり、対面でのコミュニケーションを実施する場を頻繁に設定しております。経営陣から全社に向けた情報発信の場である「freeers総会」を毎月行い、従業員から経営陣も含む全社に向けた集会「Aekyo Hour」を毎週行うことで、経営陣と従業員の意思疎通を図っております。
b. 出社を促進するオフィス環境作り
当社グループでは、一致団結して事業推進の質・スピードを高めるために、原則オフィスに出社することを推奨し、その上で最低出社日を設けております。非エンジニア職は曜日固定で週3日、エンジニア職ではチームによって非エンジニア職が出社する曜日の中から、週1日を最低出社日として設定しております。更に「出社したくなるオフィス」をテーマに、理想のオフィスにあってほしい機能・スペースを従業員から募集し、実際に叶えることで、それらの空間を通して部署を超えたコミュニティの形成を促し、会社として指定している出社曜日以外にも、自発的に出社したくなるオフィス設計にしております。これらの取り組みを通じて、リモートワークのみでは実現出来ない、質の高い、スピード感のある事業運営を実現しております。
c. 従業員同士のつながり作り
当社グループでは、継続的に働きたいと思える環境づくりのため、所属部署を超えた従業員同士のつながりも重視し、「業務や業務外の悩み事に関して気軽に相談が出来る関係性」の構築や、「自分の好きな趣味でつながる関係性」の構築に積極的に取り組んでおり、「仲間がいるからオフィスに行く感覚」の醸成を進めております。具体的には、所属するチーム外の従業員とのランチ費用を補助する「Shall We Lunch?」制度や、趣味などの課外活動をサポートする「オフカツ」制度により、業務外でのつながりを増やしております。これらの制度もオフィスに出社しての対面コミュニケーションを前提としており、「一緒に出社する」ことを促しております。
d. 成長支援
当社グループでは、従業員が個々の強みを活かしながら成長することが、当社グループの長期的な成長に繋がると考えております。基幹人事制度「freee style 人事制度」では、「マジ価値を届けきる成長を加速すること」をコンセプトに、四半期ごとに従業員一人ひとりの成果・成長について直属マネージャーだけでなく、部署を跨いでマネージャー同士が多面的に議論し、今後の具体的な成長に向けたフィードバックの内容を作り込むことで効果的な成長促進を実現しております。また「グロースビジョン・シェアリング」制度では、年に1回一人ひとりが当社グループ内での成長にとらわれないキャリアビジョンを策定し、その内容をマネージャー同士で共有し、業務のアサインに活かすことで従業員の自己実現と当社グループのミッション実現の両立を追求しております。さらにこれらの制度の運用に加えて、従業員同士が日常的に1on1を実施し、相互にフィードバックし合う風土を従業員全員で育んでおります。
e. ワークライフバランス
当社グループでは、従業員一人ひとりが健康かつ生産性高く働き、成長と働く幸せを実感できる状態を体現できるよう各種制度を整えております。ライフスタイルが変わっても自信を持って働き、成長し続けられる環境の構築を目的として産休育休明け職場復帰サポート制度を設け、認可保育園と認可外保育園との差額補填や家事育児代行サービス利用補助等により、復職をサポートしております。また、個人の事情に応じた柔軟な勤務形態を尊重する風土が社内に根付いており、制度面でも家事育児介護の場合に限らず時短勤務を選択することが可能な「働き方freee」制度を導入するなど、多様な働き方の実現とワークライフバランスの支援に力を入れております。
②DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)
a. ダイバーシティ
当社グループでは創業以来、ミッション実現のために多様な人材が自律的に活躍できるフラットな組織であることを大切にしており、誰にとっても働きやすい職場の実現を目指しております。2018年にダイバーシティ推進室を設置し、性的マイノリティ、外国籍、障がいを持つ従業員など、多様な人材が持続的に活躍できる環境を作るために、入社時及び管理職登用時にダイバーシティに関する研修(「アンコンシャス・バイアス」研修など)やアクセシビリティー研修を行い、全社に対する意識醸成を行っております。また、具体的な施策として、アジア最大級のLGBTQ関連イベントの東京レインボープライドへの協賛や、視覚障害者の従業員に向けた社内各所への点示案内の設置、外国語話者に向け重要な社内の案内を日英併記にするなど国籍や言語による情報格差を生まない工夫等を行っております。
b. ジェンダーギャップの解消
当社グループでは、社内で意思決定に関わる従業員の多様性向上を目指し、その中でも特にジェンダーに関わるギャップの解消を重要と位置づけております。2022年10月から、チーフ・カルチャー・オフィサー(注1)を当課題解決の責任者として任じ、代表取締役から全社に向けた「ジェンダーによらず活躍しやすい環境作り」の宣言を行い、日常のコミュニケーションを通して職場環境から整えていく意思を示しました。その他、ジェンダーを含む多様性を意識するための定期的な研修実施のほか、男女を問わず育児に関わるメンバーが情報交換・交流できるコミュニティとして「つばめっ子クラブ」も積極的に活動を行っております。
(注) 1.カルチャーの強化推進を担う役職として2020年より設置しております。
<3>リスク管理
当社グループでは、サステナビリティに関する事業への影響を把握・評価し、認識したリスクと機会については以下のとおりに対策を進めております。リスク管理の観点で重要な事項についてはリスク管理委員会にて協議し、必要に応じ当社の取締役会にて報告・協議しております。
区分 | 当社グループに及ぼす影響 | 対応策 |
リスク | ・自然災害の激甚化によるデータセンター等のダウン、当社グループの事業活動休止、サービスの停止 | ・操業停止期間を減少させるBCPの構築 ・災害復旧計画の検討 |
・気候変動対応が不十分なことによる金融機関投資家からの評判低下(株価低下のリスクや資金調達への影響) | ・電力消費の削減や、再生可能エネルギーの利用 ・情報開示の充実化 | |
機会 | ・環境意識の高まりやBCP観点での消費者選好の変化に伴うクラウドサービス利用者の増加 | ・安心かつ安定したサービスの継続的提供 |
また、当社グループのサービスは社会のインフラであるという認識のもと、ユーザーの皆様にいつでも安心してご利用頂くためにサービスの安定稼働に努めております。ユーザーの皆様の重要な情報資産を適切に管理、保護するとともに、情報セキュリティ基本方針を定め、メンバーに対して継続的な研修活動や障害訓練を実施しております。加えて、当社グループのサービスは全て拡張性・信頼性が確保されたクラウドサービス上に構築しており、さらには複数のデータセンターで構成されるサービスを利用する等、物理リスクが直接的に影響して業務継続に影響を及ぼす可能性を極めて低い状態に保っております。
<4>指標及び目標
(1)電力使用量および温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量
当社グループの2023年6月期の電力使用量および温室効果ガス排出量実績は以下の通りです。(注1) 前年度か らの排出量の増加は、東京本社移転に伴う利用フロア面積の増加及び出社再開によるものです。(注2) また、当 社グループでは再生可能エネルギーを使用したクラウドサービスを活用し、サービスを提供しております。当社グループが気候変動に与える影響の多くは電力消費によるものであり、環境負荷を抑制していくためにも、さらなる電力消費の削減や再生可能エネルギーの利用を進めてまいります。
| 2022年6月期 | 2023年6月期 |
SCOPE1(kg-CO₂) | 0 | 0 |
SCOPE2(kg-CO₂) | 308,650 | 409,359 |
SCOPE1,2合計 | 308,650 | 409,359 |
電気使用量(kwh) | 709,624 | 937,354 |
(注)1.対象はフリー株式会社の東京本社及び関西オフィス
2.東京本社は2022年8月にアートヴィレッジ大崎セントラルタワー(東京都認定「優良特定地球温暖化対策事業所」)に移転
(2)ジェンダーギャップの解消
当社グループでは、社内で意思決定に関わる従業員の多様性向上のために、管理職に占める女性労働者の割合を
増やすことが重要であると考えております。労働者に占める女性の割合を高めると共に、管理職に占める女性労働
者の割合について、労働者に占める女性の割合と同水準にすることを目標とし取り組んでまいります。
| 2023年6月30日 |
労働者に占める女性の割合(%) | 25.2 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) | 12.6 |
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