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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、原則として当連結会計年度末現在において当社グループが評価・判断したものであります。

(1)ガバナンス、リスク管理

 当社では、グループのサステナビリティ経営の推進及び支援を目的として、グループサステナビリティ委員会を設置しております(2020年12月設置)。グループサステナビリティ委員会は、社長を委員長とし、委員として執行役全員により構成されるとともに、その下部組織としてFSIサステナビリティ分科会が設置されております。

 また、各リージョンには、リージョン担当執行役を委員長とするリージョンサステナビリティ委員会が設置され、グループ方針の展開、実行体制の構築・運営、施策の実行を行う体制となっております。

<取締役会>

 取締役会は、グループサステナビリティ委員会からの審議依頼・報告を受け、当社グループ全体のサステナビリティ経営に係る方針・規程等の決定、目標の設定・推進計画等の決定、推進体制の決定を行うとともに、その活動状況を監視・監督することとしております。

<グループサステナビリティ委員会>

 グループサステナビリティ委員会は、当社グループのサステナビリティ経営推進の中心として、基本方針等の検討・立案(マテリアリティ見直し含む)、取組計画及び結果、その他サステナビリティ関連事項の取締役会への付議・報告、サステナビリティ経営の進捗管理・モニタリング等を行うこととしております。

<FSIサステナビリティ分科会>

FSIサステナビリティ分科会は、グループサステナビリティ委員会の審議・活動を支援すべく、基本方針等の原案作成・委員会への提案、各施策・リージョンのKPIなどの進捗管理・監視、CO削減や各種方針の運用等を行うこととしております。

(2)戦略、指標及び目標

 当社グループは、持続可能な社会実現に向け貢献していくことを9つのマテリアリティとして整理し、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標もマテリアリティに対応させております。2020年に策定したマテリアリティは、社外取締役と共に毎年、社会からの要請に合致しているかを検討、マテリアリティの定性目標並びにKPIも見直しを行っております。

 これらマテリアリティの特定プロセスは、以下5つのStepのとおりです。

① 重要項目のリストアップ:GRIを基に重要な項目を追加し、リストを作成。事務局で検討し、精査・追加の上、28項目を候補に設定。

② 重要項目の絞り込み:上記の28項目について、執行役を交え、また外部評価機関の重視するものも参照しながら、9項目に絞り込み。

③ 妥当性評価:9項目について、社外取締役に外部視点からの評価をもらう。

④ 目標・KPIの設定:取締役会において定性目標とKPIを定め、グループで推進。

⑤ 見直し:社会情勢などを鑑み、都度見直しを実施。

 このマテリアリティの一つとして、「人にやさしいパッケージの開発」を掲げております。定性目標を「全社員が、使命と誇りを持ち、日々、人にやさしいパッケージの創造にチャレンジできる機会の創出」とし、2023年までのKPI(重要業績評価指標)として「グループ全体でアイデアバンクの応募件数:10,000件/年」を設定しております。2023年3月末時点の現状数値(アイデアバンク:全リージョン実施)は、9,628件/年となりました。社会に提供する価値として、「人にやさしい高付加価値の製品とサービスの創出」・「社会に豊かな生活の提供」を掲げ、主に、全社員を対象としたコーポレートビジョンの推進活動やアイデアバンクの展開と表彰などの取り組みを推進しております。

(なお、当社は、2020年8月に「統合報告書 2020」を発行いたしました。その後毎年、統合報告書の発行を継続し、当社ホームページで公開しております。当社グループのサステナビリティ経営及びマテリアリティについては、統合報告書「フジシールグループのマテリアリティ」をご参照ください。

https://www.fujiseal.com/jp/ir/library/integrated-report.html)

(3)人的資本・多様性に関する戦略、指標及び目標

<基本的な考え方>

 当社は、2021年に刷新したビジョン「人と環境にやさしい価値を届ける」のもと、実現に向けたキーワードとして「ワクワクを創る会社」を掲げ、人的資本経営・人財戦略の軸としております。各種ステークホルダーとの接点となる「人財」を最も重要なリソースとして位置付け、価値観を共有する従業員の成長こそが、企業の持続的な成長の根源であると考えております。

 また、当社グループのスローガン:「創造を〈夢〉と呼ぶ。創造へのチャレンジを〈勇気〉と呼ぶ。創造のぶつかりあいを〈信頼〉と呼ぶ。」において、チャレンジする企業文化創出の重要性を強調しており、従業員一人ひとりが、情熱とワクワク感を持って仕事に取り組むとともに、継続的な創造と挑戦によって成長を実現するための仕組みを拡充すべく、「多様性の尊重」・「価値観の共有」・「人的資本の拡充」等を中心に取り組みを推進しております。

<多様性の尊重:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)>

 これまで当社が培ってきた従業員の知識、専門性、能力、技能経験など多様な価値観や背景を持つ人々の「創造のぶつかりあい」から生まれた価値観を、持続的成長に必要な経営戦略の1つとして取り纏め、2022年12月に「グループダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定しました。

 また、すべての従業員が経営資源と機会を公平に利用できる企業文化とインクルーシブな環境を整えることを目的に、DE&I委員会を設立しました。委員長である人事担当執行役のもと、まずはリージョンごとにギャップ分析を行い、DE&I方針に定義された項目に対して、地域ごとの現状を評価し課題抽出、改善策から目標設定を行い、地域のマネジメントチームと協力しながら、段階的に実行しモニタリングを行うこととしております。

 なお、2024年3月期は、グループ内でのDE&Iの認知度を高めるためにも、経営層向け研修プログラムの実施を予定しています。

<価値観の共有:バリューセミナー>

 当社は、経営理念やバリューの理解浸透を目的としたバリューセミナー:「FSG Value Seminar」を企画、開催しております。

 バリューセミナーでは、経営幹部自らが講師となり、経営理念やバリューについて自身の経験や気づきを語るとともに、参加者同士のグループ討議ではそれらを理解した上で、どう行動に移すかを話し合います。経営理念、バリューはグループ共通の価値観であり、従業員が意思決定を行う際の行動指針、自身の行動を顧みる際の軸となります。多国籍から成る従業員一人ひとりが当社グループの経営理念、バリューに従って行動しミッションを達成できるよう、全リージョンでバリューセミナーを実施・継続しております。

<人的資本の拡充:次世代経営者創出プログラム>

 当社では、将来の幹部候補となり得る人財を選抜し、重点的に育成しています。

 次世代経営者創出プログラムでは、選抜メンバーが、経営層に向けてグループ共通の経営課題に対する解決策を提案し、熱い議論を行う場を提供しております。近年は特に、グループ人財の育成という視点での取り組みに力を入れており、2023年3月期はベルギーにあるビジネススクールの専門チームと共同で、経営幹部に求める必要なスキルマトリクスをベースとした、リーダーシップ・プログラムを開発し、実施しました。

 この他、広く従業員に対しては、1年に2回、自分のやりたい仕事などを書いて、上司ではなく人事部門に直接提出する自己申告制度を長年にわたり続けており、従業員一人ひとりのキャリア形成の確認や働きやすい環境づくりに活かしています。また、人財の積極的活用や社内の活性化を目的として、自ら手を挙げることができる社内公募制度を設けております。

<人的資本・多様性に関する指標及び目標>

 当社グループでは、以上のような人的資本経営・人財戦略を推進するにあたり、まず当社及び国内グループ会社(注)(日本セグメント)を対象として、女性活躍に関する行動計画(計画期間:2022年4月1日~2025年3月31日)を策定し、「女性管理職の割合」、「男女育児休業取得率」、「本社及び主要事業所勤務者の在宅勤務率」の目標(2025年3月期)を掲げ、取り組みを推進しております。

 当連結会計年度における実績は以下のとおりです。

指標

目標(2025年3月期)

実績(当連結会計年度)

女性管理職の割合

10%以上

8.1%

女性育児休業取得率

男性育児休業取得率

女性:100%

男性:13%

女性:100%

男性:14.6%

本社及び主要事業所勤務者の在宅勤務率

55%

43%

(注)国内グループ会社(株式会社フジシール・株式会社フジタック・株式会社フジフレックス・株式会社フジアステック・株式会社フジタックイースト・株式会社フジシールウエスト・株式会社フジシールビジネスアソシエ)

 なお、人的資本・多様性に関する連結グループ全体の目標設定につきましては、DE&I委員会における今後の検討課題として、最優先に取り組んでまいります。

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