企業兼大株主フクシマガリレイ東証プライム:6420】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当企業集団において、研究開発活動は、連結財務諸表を提出する当社が主体となり行っております。

 当連結会計年度は、当企業集団の独自のシステムにより、環境・安全・安心に配慮した製品の開発を積極的に行い、食生活品質向上のため、環境にやさしい「食品安心技術」で製品の性能を更に高める観点からの研究開発活動を行いました。

 当連結会計年度における当企業集団が支出した研究開発費の総額は1,067百万円です。

 当社の研究開発活動を品目区分別に見ると、大きく4つに分けられます。

 (1) 冷凍冷蔵庫の成果 

  ① ノンフロン業務用冷凍冷蔵庫の開発

 ノンフロン冷媒(R1234yf)を採用した業務用冷凍冷蔵庫を開発しました。地球温暖化係数(GWP)は旧機種と比較して99.9%低減し、地球環境に優しい製品として縦型冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫で124機種、横型冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫で115機種をラインナップしました。可燃性は燃えやすく、店舗での修理が困難な冷媒ですが、ノンフロン冷媒(R1234yf)は微燃性で燃えにくく、店舗での修理が可能な冷媒です。JRA4084:2022で定められた安全機能要求事項に基づいて開発を実施し、取扱いも簡単で安全性にも優れた製品を実現しました。

  ② ノンフロンキューブアイス小型製氷機の開発

 ノンフロン冷媒(R1234yf)を採用したキューブアイス小型製氷機を開発するとともに、外観デザインを刷新しました。地球温暖化係数(GWP)は旧機種と比較して99.9%低減し、地球環境に優しい製品として9機種をラインナップしました。外観デザインの刷新では、飲食市場の多様化を見据え、あらゆる設置環境でそれぞれの店舗の雰囲気を損なわない、見られることを意識したシンプルかつ象徴的なデザインとし、デザイン性も評価され、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

  ③ ノンフロンスライド扉小型冷蔵ショーケースの開発

 ノンフロン冷媒(R1234yf)を採用したスライド扉小型冷蔵ショーケースとして、横型LGシリーズ、キュービック型CRシリーズを開発しました。DCファンモーターや庫内照明LEDを採用し、地球温暖化係数(GWP)は旧機種と比較して99.9%低減しております。横型LGシリーズ全6機種では2020年省エネ基準達成率141%から156%を、キュービック型CRシリーズ全6機種では2020年省エネ基準達成率111%から129%を達成し、地球環境に優しい製品としました。さらに横型LGシリーズは海外(ASEAN地域)向けも開発しました。

  ④ 大型ブラストチラーR448A仕様の開発

 大型ブラストチラー20型・24型・40型のモデルチェンジを行いました。ホテルパン1/1を収容したカートをそのままドッキングし冷却できる大型ブラストチラーは、大量調理施設において需要が高まっています。従来の冷媒より地球温暖化係数(GWP)が約1/3となるR448A(GWP1386)を採用し、環境負荷低減を実現しております。さらに、冷凍サイクル熱交換効率向上と庫内風廻り最適化により冷却効率を高め、従来比約35%(40型で負荷100kgを70℃から-20℃に凍結した場合)の省エネを実現し、電気代・CO2排出量削減にも貢献します。

  ⑤ 小型2室ドゥコンディショナーBDシリーズの開発

 小型2室独立ドゥコンディショナーのモデルチェンジを行いました。パン生地に合わせ設定保存できるメモリ機能や、繁忙期に合わせて簡易操作で完了時刻が変更できる早出遅出機能の追加を行い、利便性を向上させるとともに外観意匠はシンプルかつスタイリッシュなデザインとしました。扉ハンドルは埋め込みフラットにすることで、狭小店舗での使い勝手を向上させました。DCファンモーター最適運転制御により、冷凍パン生地をオーバーナイトで発酵まで自動的に行うことができ、従来比33.5%の省エネを実現し、従来よりも精度の高い冷却・加温加湿・除湿運転が可能で、パン生地の理想な仕上がりが実現できます。

⑥ 受取用コールドロッカー 半屋外使用の開発、省エネ大賞受賞

 受取用コールドロッカーの半屋外仕様を開発しました。受取用コールドロッカーは、テイクアウト商品などの受け渡しに利用されておりますが、物流2024年問題を受け宅配ボックスとしての引き合いが増えており、軒下であれば屋外でも設置可能なタイプを新たに開発しました。

 また、受取用コールドロッカー「HSN/HPNシリーズ」について、一般財団法人省エネルギーセンターが主催する2023年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)において、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。従来製品比約61%の省エネや、単相100Vで設置しやすい点が評価されました。お客様の電気代・CO2排出量削減だけではなく、時間の有効活用にも貢献します。

 海外(ASEAN地域)向けブラストチラーの開発

 海外(ASEAN地域)向け製品として、低GWP冷媒小型ブラストQXF-Aシリーズを開発しました。日本向けで築き上げた「-40℃」までの急速冷却技術を継承し、製品電源は50/60Hz単相220V-240Vに対応。海外(ASEAN地域)の冷凍食品市場に貢献します。従来の国内向け機種に使用している冷媒より地球温暖化係数(GWP)が約1/3となるR449A(GWP1400)を採用し、環境負荷低減を実現しております。6型2機種、12型1機種の計3機種をラインナップしました。

(2) 冷凍冷蔵ショーケースの成果

①冷凍機内蔵型コンパクトインショーケースMEGシリーズのグッドデザイン賞受賞

2022年10月に発売したコンパクトインショーケースMEGシリーズが2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。本製品はスーパーマーケットやドラッグストアのゴンドラ什器内へ設置が可能で、要冷食品の隣に常温食品を陳列することができるため、関連商品を同じ売り場で販売することができるクロスマーチャンダイジングを実現しています。シンプルで高品位なデザインだけではなく、店舗の売上にも貢献するデザインとなっており、また本体からの排熱を結露防止に利用できるレイアウト設計にしている点も環境や省エネを考慮しており、総合的に優れたデザインであると評価されました。

②対面クローズショーケースAPKシリーズの開発

 地球温暖化係数の低いR448A(GWP1386)を採用し、地球環境に配慮した製品を開発しました。冷凍機インバータ化と照明LED化により、消費電力が従来比43%の省エネを実現しております。デザートやサラダ販売に適した環境配慮と省エネ性にこだわったショーケースです。

③ CO2冷媒冷凍機内蔵型リーチインショーケースの開発

 自然冷媒であるCO2冷媒を採用した冷凍機内蔵型リーチインショーケースMGシリーズ3尺/5尺タイプを開発しました。自然冷媒R744(GWP1)を採用し、地球温暖化係数はフロン冷媒機種と比較して99.9%削減しました。また新冷凍サイクルと最適制御により、フロン冷媒機種と比較して約19%の省エネを実現しております。冷凍機上置き仕様で、陳列最上段でも別置ケースと同じ高さのため商品が取り出しやすく、またMGシリーズ同士の連結も可能にするなど、利便性を向上させました。

④ 冷凍機内蔵型ショーケースのグリーン冷媒への転換

 環境負荷低減のため、従来の冷媒より地球温暖化係数の低いR448(GWP1386)へ転換を進め、当連結会計年度は以下2つのシリーズのモデルチェンジを実施しました。

a.デザートアイランドショーケース RMCシリーズ

b.ドーム型アイスクリームショーケース DMシリーズ

 地球温暖化係数を65%削減し、地球環境に配慮した製品となっております。

店舗の生産性向上に貢献する省エネ、省人化、省力化機器のご提案

2024年2月開催の展示会「スーパーマーケット・トレードショー2024」においては、クロスマーチャンダイジング用2温度帯ショーケース(冷凍/冷蔵)、冷蔵扉付きショーケースのガラス扉ラインナップ比較、ストックスペース付ショーケース各種、冷凍リーチインショーケースのガラス扉仕様別省エネ比較、各種スライド棚、スライドデッキ、リテールレディパッケージ対応フリップアップ棚、減速機構付きナイトカバーなど、様々な省エネ、省人化、省力化の提案を実施しました。

(3) 店舗システムの成果

 ① HACCP ExAround「冷媒ガス漏れ予兆検知サービス」の開発

 日本冷凍空調工業会の「業務用冷凍空調機器の常時監視によるフロン類の漏洩検知システムガイドライン(JRA GL-17)」に対応した冷媒漏洩検知システムをリリースしました。温度管理システムHACCP ExAround温度管理プランに加入しているお客様向けのオプションサービスであり、ショーケースやプレハブ庫、冷凍機の運転データをAI(機械学習)を用いて毎日診断します。冷媒漏洩の傾向があるとお客様にご連絡して早急に点検を行うことで、冷媒漏洩量の大幅な低減を図ることができ、また食品ロスの発生を防ぎます。フロン排出抑制法では機器使用者に年4回の簡易点検が義務づけられておりますが、本システムを導入することで、簡易点検が不要になります。

② HACCP ExAround「厨房まるっとプラン」の開発

「インターネットオブキッチンプラットフォーム※1」に対応した日本初の複数社厨房機器向け温度管理クラウドサービスをリリースしました。本プランは、様々なメーカーの機器の温度・運転データをリアルタイムに収集し、お客様の効率的なHACCP管理運用や、設備の予防保全などにお役立ちするサービスです。さらに既存サービスの「温度管理プラン」や「衛生管理プラン」と組み合わせることで、HACCP管理に必要なデータをデジタル化し、人手不足の中でも確実に食品事故の抑制やフードロス削減に貢献します。

※1 日本エレクトロヒートセンターが運営する、当社をはじめ厨房機器メーカー複数社が参加するデータ共有プラットフォームです。厨房内には複数メーカーの熱機器・冷機器・加工機器が立ち並ぶことが一般的ですが、これら多様な機器のデータ管理を一元化することが可能です。

 ③ 店舗環境最適化システムGalilei Air-tec導入物件でZEB実証事業を開始

 令和5年度建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業及び新築建築物のZEB化支援事業(新築建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業)において、スーパーマーケットで初となる「ZEB」分類での採択となる店舗を施工しました。店舗内の環境を最適化するGalilei Air-tecシステムを用いて、令和6年4月より実証事業を通して、さらなる省エネ・ZEB化に貢献していきます。

(4) 冷熱・環境ファシリティの成果

 トンネルフリーザーや大型冷凍冷蔵倉庫向けのCO2冷凍システムNOBRAC(ノブラック)のラインナップ拡充

2022年に開発した空冷式CO2冷凍システムに加え、食品工場や大型冷凍冷蔵庫で採用頻度が高い“水冷式”CO2冷凍システムを開発し、ラインナップを拡充しました。2023年11月に市場導入を開始し、空冷式に対して10%以上の省エネを実現しました。地球温暖化による消費電力の増加(電気料金増加)への対策やCO2排出量の削減など、より一層の環境負荷低減システムを提案することが可能となりました。

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