ファースト住建 【東証スタンダード:8917】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループはこれまで、①「住宅作りにおいて、社会へ貢献する」②「より良いものを、より安く、より早く、より安全に提供することで社会へ貢献する」③「人を育て、健全経営を行い、社会へ貢献する」の3つを企業理念として、事業活動を行ってまいりました。
当社グループは、戸建事業を主軸としており、これまで支店展開などにあわせて事業エリアを拡大しております。当連結会計年度末では、当社におきましては、兵庫県下に本社を含めて8拠点、大阪府下に6拠点、京都府下に2拠点、奈良県下に1拠点、愛知県下に4拠点、広島県下に1拠点、福岡県下に1拠点、千葉県下に1拠点及び埼玉県下に1拠点の合計25の営業拠点を有しております。また、平成30年5月1日付でアオイ建設株式会社(相模原市南区)の株式60%を取得し、同社を連結子会社としたことにより、神奈川県下にも事業エリアが拡大いたしました。当社グループは、より高度なマーケティングを行うために地域に密着した営業活動を行うことを事業戦略としており、今後も引続き支店展開などを通じ事業エリアの拡大に努め、市場シェアの向上を目指してまいります。また、お客様第一主義で業務に取り組み、顧客満足の更なる向上を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、戸建事業におきまして戸建住宅供給棟数拡大を推進しており、マーケット・シェアの獲得による収益拡大を目指しております。当社グループでは、地域に密着した営業活動を行うことを基本戦略の1つとしており、創業以来、近畿圏を中心に営業拠点網を構築し、また平成20年12月に名古屋支店(名古屋市名東区)を開設して以降は、近畿圏以外の地域にも事業エリアを拡大してまいりました。
当社グループは今後も引き続き、既存の事業エリアにおいて更なる深耕を図るとともに、事業エリアの拡大を推し進めることを、中長期的な経営戦略としております。そして、顧客ニーズを的確に把握し徹底したマーケティングリサーチを行うため、年間2~3支店を目標として支店の新設を継続していき、それぞれの事業エリアにおいて地域に密着した営業活動を行ってまいります。
また、営業部門も工事部門もアウトソーシングを活用することにより、少数精鋭主義を持続させ、ムリ・ムダを省いた健全かつ効率的な経営を継続してまいります。これにより、柔軟で機動的な組織を構築し、事業展開のスピードを高めてまいります。
当社グループは将来にわたって戸建事業を柱として、①「地域に根ざした暮らし重視の住まい」、②「街の景観を形成する美しい住まい」、③「基礎・構造の確かな安心の住まい」、④「先端技術による居住性の高い住まい」の4つのキーワードでお客様のニーズに的確に応えていく方針であります。
当社グループではまた、主力の戸建分譲を中心とした戸建住宅の供給棟数拡大に加え、中長期的な観点で、事業の多角化による経営の強化を図るべく、注文住宅の請負工事、マンション分譲や不動産賃貸等のマンション事業など、周辺領域の事業育成にも取り組んでおり、また、木造建築のノウハウを戸建住宅以外の領域で活用することを目指す特建事業など、新たな分野への進出に向けた取り組みも行っております。当社では、将来の人口・世帯構成の変化に伴う住宅需要の多様化に対応できる体制を構築するとともに、収益基盤の強化並びに経営の安定性の向上を図ってまいります。
(3)経営環境
当社グループが事業を行う不動産業界においては、住宅ローン金利が低水準で推移していることや、新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化などにより、戸建住宅を中心に住宅需要は比較的堅調に推移してまいりました。しかしながら、競合他社との競争激化、建設労働者の減少、木材などの資材価格の高騰も生じており、厳しい事業環境が続いております。足許では物価上昇や個人消費の弱さもみられており、また住宅ローンの金利上昇も懸念されるなど、住宅需要の動向には注意が必要であると考えております。
住宅の建築工事の面では、若年層の建設業界離れなどにより、建設労働者の減少や高齢化が問題の一つとなっており、施工体制を確保することの重要性が高まるとともに、建築コストにも影響を及ぼす状況が生じております。 長期的な観点からは、わが国における人口の減少や世帯構成の変化などが予想されており、こうした住宅需要の変化に対応できる収益基盤の構築が必要であると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、今後も企業理念に基づいた事業の拡大を継続していくためには、会社の成長に応じた人材の採用並びに育成、施工能力の確保と建設労働者の減少・高齢化への対処、及び、事業の多角化による安定的な経営基盤の確立が必要であると考えております。
人材の採用並びに育成につきまして、当社の企画営業職は、販売をアウトソーシングする一方、緻密なマーケット調査、プロジェクトの立案、土地の仕入からプランニング、官公庁における許認可の取得、契約と業務が多岐にわたるため、その育成は非常に重要であります。また、工事部門では、施工は協力業者に分離発注する一方、工程、品質、コスト、安全の4つを徹底して管理することに人的資源を集中しておりますが、お客様にご満足していただける商品を作り、事業を拡大していくためには、これを適切に管理する人材を確保し、育成していくことが必要であります。
これに対し、人材の採用につきましては、長期的かつ安定的な人材確保を目的として、新卒者の定期採用を継続して実施しており、当連結会計年度におきましては22名が入社いたしました。更に、中途採用も継続して実施し、即戦力となる人材の確保に努めております。育成面においては、オン・ザ・ジョブ・トレーニングによる実務研修の他、社内外の講師を招いた研修会を定期的に開催し、法令等をはじめとする、業務に必要となる知識や技能の教育を実施しており、また資格支援制度によって各種業務資格の取得を促進しております。
今後も継続して新店舗を出店し、事業エリアを拡大していくためには、その責任者の確保が特に重要であるため、人材の採用並びに育成を当社の最重要課題として対処してまいります。
施工能力の確保と建設労働者の減少・高齢化への対処につきまして、近年、建設業界においては、若年層の建設業界離れなどにより、建設労働者の減少や高齢化が進んでおり、当社グループによる住宅の供給棟数を拡大していくためには、施工を行う協力業者の確保が必要となってまいります。これに対し、当社グループでは、継続して協力業者の新規開拓に取り組むとともに、海外からの技能実習生の受入等の取組みを行っております。
事業の多角化による安定的な経営基盤の確立につきましては、わが国において将来的な人口や世帯構成の変化が予想されており、それに伴って住宅ニーズも多様化することが見込まれるため、主力の戸建分譲に加え第2、第3の収益の柱となる事業の育成が重要であると考えております。これに対しては、当社グループでは現在、注文住宅の請負工事、マンション分譲や不動産賃貸等のマンション事業を始め、集合住宅などの大規模木造建築物の建築請負等を行う特建事業など、安定的な経営基盤の確立を目指して、住宅に関する周辺領域を対象とした事業分野の拡大を徐々に進めております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、既存の事業エリアの深耕及び新規エリアへの積極的な事業展開によって販売棟数を拡大しつつ、売上高経常利益率10%以上を目標としております。また、当社グループは一定の資本効率を確保することが会社の健全な経営と株主を始めとする様々なステークホルダーの負託に応えるものとして考えており、賃貸等不動産に関する資産、負債及び利益を除いた自己資本当期純利益率について10%以上、棚卸資産回転率について年3回転を目標としております。
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