ファーストブラザーズ 【東証スタンダード:3454】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、急速に変化していく投資分野を中心に、「最高のプロフェッショナルであり続ける」という企業理念のもと、「クライアントファースト」、「パフォーマンスファースト」、「コンプライアンスファースト」を行動規範としております。豊富な知識と経験によって培われたノウハウを活かし、時代の変化に応じて既存の考え方にとらわれない柔軟な発想で業務に取り組み、顧客に満足度の高いサービスを提供することを目指しております。加えて、当社グループは、自らも投資家として安定収益が見込める賃貸不動産や社会インフラ等への投資を通じて、地域社会との共生を図り、長期的かつ持続的な企業成長を実現する方針であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上総利益、経常利益及び株主資本を重要な経営指標と捉え、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
①投資運用事業について
当社グループは、投資運用事業において、顧客である機関投資家に対し、私募ファンドの形式で主として不動産又は不動産信託受益権に対する投資機会を提供する資産運用(アセットマネジメント)事業を行っております。一般的に、資産運用会社の規模は、その運用資産の残高で評価されるものであり、また、資産運用の対価として定期的に得られる管理報酬は、通常は運用資産の額によってその金額が決まるものであるため、資産運用会社は、運用資産残高を積み上げる方向にインセンティブが働く可能性があります。しかしながら、当社グループでは、上記の企業理念と行動規範のもと、顧客の満足を第一に考える投資サービスの提供を最重要視しており、最も利益の出るタイミングにおいて投資案件の売買を行うことこそが資産運用会社の使命であり、自らの運用資産残高にこだわるあまり、顧客の投資案件の売却機会を逃すようなことは決してあってはならないと考え行動しております。このため、不動産売買市況の変動等にあわせ、当社グループの運用資産残高も大きく変動し、運用資産残高が減少している時期においては、資産運用の対価として得られる各種フィーが減少し、投資運用事業の業績が縮小いたします。
このように、当社グループは、中長期的に見れば、顧客にとって望ましい行動を繰り返すことにより、顧客からの信頼が増大し、当社グループのブランド力が高まり、ひいては当社グループの成長にもつながるものと考えております。したがって、今後も、当社グループは、運用資産残高を経営上の目標指標とせず、顧客の満足を第一に考える投資サービスを提供する方針を維持いたします。
②投資銀行事業について
当社グループは、投資銀行事業において、自己資金により、中長期的に安定収益が見込める優良な賃貸不動産の取得を積極的に行っており、規模や立地、用途などが異なる、様々な不動産を多数積み上げて運用しております。
主として市場流通数が多い中小型案件から厳選投資し、取得後は安定収益を享受しつつ、その価値を向上させる施策を行いながら保有する他、新規の開発も行っております。また、ポートフォリオ入れ替えの観点から一部の物件を売却し、価値向上施策により得られた含み益を実現することで相応の売却利益の獲得を目指しております。
③施設運営事業について
当社グループは、投資運用事業及び投資銀行事業の推進にとどまらず、さらなる企業成長を目指し、時代の変化に対応した事業内容へと大胆な転換を行うことも視野に入れて事業活動を展開していく方針です。当社グループは、宿泊施設等への投資を増加させるなかで、これら宿泊施設等をテナントへ賃貸するという運用だけにとどまらず、当社グループ自らが宿泊施設等の運営を行う事業に取り組んでおります。
施設運営事業においても、顧客の価値観を尊重し、地域との共生を図るという、ファーストブラザーズらしいホスピタリティサービスの提供を行っていきたいと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、特に下記を重点課題として取り組んでいます。
①賃貸不動産ポートフォリオの拡充について
当社グループは、中長期的に安定収益が見込める賃貸不動産を厳選して取得しており、規模や立地、用途などが異なる、様々な不動産を多数積み上げて運用しております。保有物件に対しては、その潜在力を最大限引き出すために魅力あるテナント誘致や建物の改修などに留まらず様々な手法を駆使して価値の向上を図ります。また、既存の物件に手を加えるだけでなく、新規に土地・建物を開発するケースもあります。ポートフォリオは適宜一部を入れ替えており、物件を売却することで価値向上によって得られた含み益を実現し、その実現益を新たな物件の取得原資として活用し、ポートフォリオの規模を持続的に拡大・成長させるとともに、新たな成長投資にも振り向けております。
当社グループは、長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するためには、過去の成功体験に囚われることなく、時代の変化を見据え、経済・金融動向を注視しつつ、地域社会との共生も図りながら、より柔軟な発想でこれらの業務に取り組んでいく必要があると考えております。
②事業領域の拡大について
当社グループはこれまで、主に不動産を投資対象として投資・運用事業を展開してまいりました。しかし、今後のグループ全体の更なる発展に向けては、当社グループの強みを活かせる他の分野へと事業の対象を広げていく必要があると認識しております。
これまでに培ってきた当社グループの強みとして、様々な不動産取引手法の知識経験はもとより、不動産投資において投資対象を選定する高い眼識や不動産価値向上を実現してきた実績、そしてこれらの活動を通じて築いた顧客や金融機関等関係各社からの信頼、幅広い営業チャネル等が挙げられます。当社グループは、こうした事業基盤を活用し、時代背景や顧客ニーズに合わせ、再生可能エネルギー分野、スタートアップ企業への投資など投資領域を不動産以外の分野へも拡大させております。
さらに、当社グループは、宿泊施設等への投資を増加させるなかで、物件をテナントへ賃貸する運用だけにとどまらず、当社グループ自らが宿泊施設等の運営を行う、施設運営事業に取り組んでおります。
③優秀な人材の確保と社内育成、流出の防止について
当社グループの顧客に対するサービスの提供及び自己勘定投資は、不動産投資や金融にかかる専門的知識はもとより、豊富な業務経験やノウハウの裏付けがあって初めて実現するものであります。当社グループには、弁護士や公認会計士、不動産鑑定士、一級建築士といった専門性の高い人材や、各業務分野で活躍してきた経験豊富な人材が多数所属しており、当社グループの業務において中心的な役割を担う優秀な人材の厚みは、現在の当社グループの大きな強みであると考えております。
また、当社グループでは、若年層を積極的に登用しており、従来の視点に囚われない柔軟な発想やアプローチは、時代や環境の変化といった厳しい状況下での対応において大きな強みとなると考えております。
今後も、継続的に質の高いサービスの提供及び自己勘定投資による利益成長を実現していくために、引き続き十分な経験を積んだ専門性の高い人材を確保するとともに、新規事業分野を中心に有望な若手を含め成長意欲の高い人材を積極的に採用し、社内教育を行うことにより、優秀な人材を育成していくことが当社グループの重要な課題であると認識しております。また、当社グループが属する業界は比較的人材の流動性の高い業界ではありますが、従業員のモチベーションを高めるような人事制度や働きやすい職場環境を整備する等、人材の外部流出を最小限に留める工夫も継続して行ってまいります。
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