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企業概要

 サステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは会社の成長を、人や環境に配慮したものであるべきと位置づけ、SDGs(2030年までに国際社会が目指す共通の目標)で示されているグローバルな課題解決や、ESG(環境・社会・ガバナンス)に対する社会の課題や期待に対して積極的に取組んでおります。

 また「お客様の事業に貢献することでビジネス上の“ありがとう”を集める」を経営理念に掲げております。これは、利益だけを追求するビジネススタイルには自ずと限界があり、信用・信義を第一に据えた「先義後利」の精神こそが企業の成長にはより重要であると考えているためです。今やビジネスは、単なるお金のやり取りに限らず、人と人を結び、人間の進化に寄与する重要な社会活動となっております。

 当社グループは、こういった「ありがとうを集める」という志を出発点として、当社自身の発展のみならず社会の発展にも貢献できるような会社への成長を目指しています。

 そのような考え方のもと、様々なサステナビリティ課題がある中で、当社グループは特に「気候変動への対応」と「人的資本経営の実現」が重要な課題(マテリアリティ)であると考えております。

 「気候変動への対応」及び「人的資本経営の実現」に関する対応は主として経営企画本部で行っております。経営企画本部では、気候変動への対応及び人的資本経営の実現を含むサステナビリティに関連する重要なリスク・機会を特定し、それらの対応に係る具体策を策定し、重点課題に関するグループ全体の取り組みを推進・サポートを行い、進捗をモニタリングするとともに、対応方針の立案と関連部署への展開を行っております。経営企画本部ではこれらの結果は定期的に取締役会及び執行役員会議に報告し、取締役会及び執行役員会議において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。

 全社的なリスク管理及びモニタリングを行うリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク・コンプライアンス委員会では、全社的なリスクの一環として「気候変動への対応」及び「人的資本経営の実現」に関するリスクの識別及び対応状況のモニタリングを行い、その結果を執行役員会議へ報告しております。また、リスク・コンプライアンス委員会で識別したリスクへの具体的な対応は経営企画本部が中心となって行っております。

 なお、今後、必要な場合はサステナビリティ委員会を設置し、リスク・コンプライアンス委員会で行っているこれらの業務をサステナビリティ委員会へ引き継ぐ予定でおります。

(2)戦略

①気候変動への対応

 当社グループでは気候変動に関連し自社においてどのようなリスク及び対応策が考えられるか、また、どのような機会が考えられるかについて組織横断ワークショップを開催いたしました。気候変動に関する重要な物理的リスク・移行リスクと機会として、TCFD提言に倣い、以下の通り開示いたします。

リスク種類

顕在化時期

影響度

対応方針

移行リスク

(1.5~2℃シナリオで最も顕在化すると想定)

政策・法規制リスク

規制対応コストの増加

中期

・法規制調査および製造ベンダーからの情報収集

・製品の省資源化推進

・複数調達先による安定調達と適正価格での調達

技術リスク

環境配慮技術に対する投資・開発コスト増加

中期

・メーカーや業界の市場動向のモニタリング

・製品リサイクルの推進、省エネ、耐久性能向上による長期利用

・新規パートナー開拓

市場リスク

環境負荷の大きい商材需要の減少

中期

・環境配慮事業の成長に向けて投資・開発を拡大

・機器メーカーや業界の市場動向のモニタリング

物理的リスク

急性リスク

サプライチェーンの被災による操業停滞

中期

・持続可能な調達に向けたサプライチェーンマネジメントの実施

・サプライチェーンBCPの策定

機会の種類

顕在化時期

影響度

対応方針

機会

資源の

効率性

生産や輸送の高効率化によるエネルギーコストの削減

長期

・通信機器の製造コスト、在庫コントロールによる輸送コストの削減

・あらゆる場所に通信の導入、高速化、長距離化の促進により、ドローンやセンサー、VR/AR/MRによる遠隔ビジネスが活性化し、エネルギーコストが削減される

製品・

サービス

 

再生可能エネルギー事業による、自家消費型太陽光発電システムの需要増加

長期

・蓄電、蓄熱設備を増設し、リサイクルエナジーの提供促進

環境配慮技術の開発や実装に対する助成の強化

短期

・助成制度の活用による再生エネルギービジネスの拡大

環境配慮設備(再エネ、バッテリー、燃料電池など)に必要な材料や部品、ソリューション需要増加

中期

・環境配慮技術への開発投資、パートナー開拓による対応技術の発展、新市場開拓による販売増加

②人的資本経営の実現

 当社グループは製品開発、営業、導入、運用からアフターサポートまでのワンストップのビジネスモデルを実現しており、職種のダイバーシティが特徴です。具体的にはハードウェア、ファームウェア、ネットワーク等の各種エンジニア、営業スタッフやカスタマーサポート、経営管理スタッフ等、職種は多岐にわたります。

 そのため変革に対応できる人材育成及び社内環境整備が重要であると考えており、具体的には以下の戦略及び施策を掲げております。

戦略

施策

経営戦略としての人事戦略

・次世代リーダーの選抜・育成

・社内公募制度

・従業員エンゲージメントの可視化による見直し

仕事を通じた自己実現、やりがいを支援

・社内教育制度、資格取得支援制度の充実

・表彰制度の確立・運用

・副業制度の活性化

人材・働き方多様化への対応

・ダイバーシティ&インクルージョンの促進

・柔軟な働き方(フレックスタイム制、育児休暇取得)の促進

・多機能組織の適正な評価システムの導入

(3)リスク管理

①気候変動への対応

 リスク・コンプライアンス委員会にて、全社的リスク管理の一環として気候変動リスクに関するモニタリングを行っております。また、経営企画本部では、社内各部署やグループ会社の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況把握を行ったうえで課題を精査しGHG排出削減を対象として目標の設定を行っております。取締役会及び執行役員会議では、経営企画本部より適時報告を受け、課題や設定した目標を監督しております。

②人的資本経営の実現

 リスク・コンプライアンス委員会にて、全社的リスク管理の一環として人的資本経営の実現に向けたモニタリングを行っております。また、経営企画本部では、社内各部署やグループ会社の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況把握を行ったうえで課題を精査、目標設定の検討を行っております。

(4)指標及び目標

①気候変動への対応

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

 当社は現在、気候関連リスク・機会を管理するための指標については定めておりません。

 今後、当社において指標を定める目的や必要性を協議し、また、同業や同規模の企業のTCFDに関する開示動向を注視しながら、必要な場合は指標の策定を検討して参ります。

(b)温室効果ガス排出量(Scope1・2)(※1)

 当社は2021年度(※2)からグループ全体の温室効果ガス排出量の算定に取り組んでおります。

 当社のScope1・2温室効果ガス排出量は、2021年度(※2)は約89.42 t-CO2、2022年度(※3)は76.77t-CO2、2023年度(※4)は77.23t-CO2となりました。2030年度には排出量ゼロを目指してまいります。

 Scope3温室効果ガス排出量については、今後、測定を行ってまいります。

 当社Scope1・2温室効果ガス排出量実績、見込み及び目標

(単位:t-CO2)

温室効果ガス排出量

実績・目標

実績

目標※5

2021年度

2022年度

2023年度

2030年度

Scope1・2排出量 合計

89.42

76.77

77.23

0

内訳

Scope1排出量

4.67

5.99

6.72

0

Scope2排出量

84.75

70.78

70.51

0

※1.

・Scope1→当社のガソリン使用量×排出係数(2.320(t-CO2/kl))。

 排出係数は環境省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を参照しております。

・2021年度Scope2→当社各オフィスの電力使用量×電力会社別排出係数の合計値。

 排出係数は「電力会社別排出係数-R1年実績-R3年1.7環境省、経済産業省」を参照しております。

・2022年度Scope2→当社各オフィスの電力使用量×電力会社別排出係数の合計値。

 排出係数は「電力会社別排出係数-R2年実績-R4年1.7環境省、経済産業省」を参照しております。

・2023年度Scope2→当社各オフィスの電力使用量×電力会社別排出係数の合計値。

 排出係数は「電力会社別排出係数-R3年実績-R5年1.24環境省、経済産業省公表、R5年5.26一部修正、R5.6.20補正率追加、R5.7.18一部追加・更新」を参照しております。

・Scope2について台湾オフィスの排出係数は以下の値を参照しております。

https://www.moeaboe.gov.tw/ECW/english/content/ContentLink2.aspx?menu_id=965&sub_menu_id=8674

※2. 2021年度→2020年7月1日~2021年6月30日

※3. 2022年度→2021年7月1日~2022年6月30日

※4. 2023年度→2022年7月1日~2023年6月30日

※5. J-クレジット購入による削減を含みます。

②人的資本経営の実現

 当社グループは、多様な視点・価値観を有する人材育成による企業価値向上を目指しており、様々な職種の経験を通じて社員のスキルアップを実現する職種ダイバーシティや、変革に対応できる人材育成と社内環境整備を行っております。

 人的資本経営の実現のための戦略として、「経営戦略としての人事戦略」「仕事を通じた自己実現、やりがいを支援」「人材・働き方多様化への対応」を掲げております。

(a)働き方多様化への対応指標として、当社グループでは「リモートワーク実施率」「育児休暇取得率」「女性管理職比率」「グローバル人材の比率」を集計しております。実績は以下のとおりです。

 

2023年6月期実績

リモートワーク

実施率(注)1

育児休暇取得率

(女性)

育児休暇取得率

(男性)

女性管理職比率

グローバル

人材比率

(注)2

割合

76%

100%

25%

27%

12%

(注)1.正規雇用労働者のうち、月1回以上リモートワークを実施した従業員の割合

2.正規雇用労働者のうち、外国籍の従業員比率

(b)当社グループは、多様な年代の人材が活躍できるダイバーシティの推進を図る指標として年代別分布を集計しております。実績は以下の通りです。

 なお、指標に対する目標については、グループとしての現状の人的資本への取組み状況をふまえ検討中です。

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