企業ピー・ビーシステムズ東証グロース:4447】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 一般的な業務効率化を目的としたシステムは、手軽でリスクが少ない方法として汎用パッケージシステムをクラウド上で利用する形態に進んでまいります。一方、個々の企業における「競争力の源泉の一つ」である独自の経営ノウハウ、独自の技術、独自の文化(生産方法や営業手法、経営管理方法、顧客サービス手法等)をシステムとして組み上げ、最新技術を咀嚼しながらシステムを構築し運用していくことは容易ではありません。当社は、顧客企業の「競争力の源泉の一つ」となる顧客独自の情報システム構築を実現すること、そして、その道がたとえ困難であっても一歩踏み出す勇気を持つこと、をポリシーとし、以下を経営理念として定めております。

「勇者たらんと。」 小さな僕等が持ち得るものは、一人一人の知恵と勇気と諦めない強い心だけだ。

 どんな時でも、「その一歩」が踏み出せるように。

 勇者たらんと。

(2)目標とする経営指標

 当社は主力事業であるセキュアクラウドシステム事業を継続的に成長させ、エモーショナルシステム事業の収益力を確立することにより、持続的な企業価値の向上を目指しており、「売上高」「営業利益」「営業利益率」を重要な経営指標と位置づけております。下記「(4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題」への対応を行い、これらの経営指標の向上を図ってまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、主力事業であるセキュアクラウドシステム事業においては、事業のコアである仮想化技術をベースとしつつ、顧客企業に差し迫っているリアルなニーズに対応してまいります。必須のレジリエンス(サイバー攻撃や障害からの回復性、強靭性の確保)、2025年の崖対策、DX(デジタルトランスフォーメーション)等に対応した高品質な技術サービスを提供するとともに、技術サービスに付随する付加価値の高い製品・商品を顧客へ販売することで、継続的な成長を目指しております。

 エモーショナルシステム事業においては、主に「防災」「地方創生」「宇宙」「スポーツ科学とシニア市場」の4分野に向けた製品開発と販売に注力しております。「防災」では、国策である国土強靭化計画による防災市場の需要獲得のため、防災の専門家や専門企業との協業を推進いたします。「地方創生」は地方の観光施設や文化施設向けの需要に対応いたします。「宇宙」は主要な宇宙関連施設に見学者向け展示やプレゼン向けの活用を提案してまいります。「スポーツ科学とシニア市場」はスポーツやシニア向け健康維持トレーニングにMetaWalkersⓇを活用する研究開発を進めております。「体験共有型VR装置」であるMetaWalkersⓇを市場に広めるため、本社ショールームをリニューアルし、東京オフィスにMetaWalkersⓇ体験コーナーを設置して、実機デモによる営業活動を行っております。

 また、新たな成長分野であるメタバース市場においては、メタバースの構築サービスを企業向けに特化した形で提供いたします。MetaWalkersⓇと企業向けメタバースの2つのサービスを軸に、エモーショナルシステム事業の拡大を目指しております。

(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題

 国内景気は雇用・所得環境が改善する中で緩やかな回復基調が継続すると期待されます。海外景気は中東やウクライナの状況、金融資本市場の変動などの先行き不透明な国際情勢が続いており、国内景気への影響にも引き続き注意する必要があります。

 警察庁の2024年9月19日発表資料「令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、サイバー攻撃はランサムウェアにおける生成AIの活用など一層高度化しており、被害件数が高水準で推移しております。サイバー攻撃から事業を防御し、万が一被害が発生した場合には、その被害からいかに早急に回復させるかが、事業規模や業種官民を問わず、益々必要とされております。

 また、情報通信業界においては、クラウド市場の拡大が継続する見通しであります。これまではクラウド需要の牽引役はWebなどの情報系システムが中心でしたが、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を希求する企業が増加したことで、企業の根幹を支える「基幹システム」のクラウド化がクラウド市場成長の牽引役へと変化しつつあります。「基幹システム」は要件が多々あり、単純なクラウド化ではその要件を満たせません。例として、20~30年以上も前の古い言語でプログラミングされていることが珍しくないこと、動作速度を一定レベルに保ちシステム停止が許されないこと、各企業により取り込むべきデータを入手する様々な機器が存在すること、そして、セキュリティを万全にすること等が挙げられます。「基幹システム」のクラウド化は、いよいよ到来する「2025年の崖」とも密接に関わっており、企業存続問題にも及ぶ重要課題として大きな需要が見込まれます。

 セキュアクラウドシステム事業では、喫緊であるサイバーセキュリティの社会問題に対して、サイバーセキュリティ構築サービスとシステム障害回復ソリューションの提供を拡充し、当社のコンセプト「必須のレジリエンス」の普及拡大に努めてまいります。

 また「2025年の崖問題」による「基幹システムのクラウド化需要」へ迅速に応えるため、長年の経験で培ったクラウド構築、プログラミング技術を生かし、当事業年度からの中心戦略である「ハイブリッドクラウド」構築を更に推進してまいります。「ハイブリッドクラウド」は、自社保有型(オンプレミス型)のプライベートクラウドをパブリッククラウドのシステムと融合させた形で推進するもので、「基幹システム」のクラウド化に対する様々な要件に対応できるものです。

 このような状況に適応するため、当社は強みであるクラウドセキュリティ構築力、基幹システム開発力、そして、ハイブリッドクラウド構築力を一層高めるべく人財の増強を積極的に行いながら事業を展開してまいります。

 新規顧客の増加のための主な取り組みとしては、首都圏中堅企業や九州半導体関連企業といった優良顧客における拡大するクラウド需要に対応するため、マーケティングソフトを導入し、更にマーケティングの専門人財をキャリア採用(2024年11月入社)しております。顧客獲得プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、効率的な顧客獲得に繋げてまいります。

 エモーショナルシステム事業では、防災、地方創生、宇宙、スポーツ科学とシニア市場の4つの注力分野でMetaWalkersⓇの販売拡大を推進してまいります。当事業年度に実施したイベント出展、リニューアルした本社ショールームと東京オフィスに設置したMetaWalkersⓇ体験コーナーでの実機デモにより、それぞれの注力分野で見込顧客が増加しております。

 国土強靭化計画の推進により防災市場が拡大しているため、政策に詳しい学識経験者や大手企業との協業体制を図り、防災分野での国策需要を獲得してまいります。

 地方創生は、デジタル田園都市国家構想を背景に、各地の観光施設の整備が推進されてきております。MetaWalkersⓇは、美術館や資料館などの地方文化施設やレジャー客向けの遊園地からの引き合いが増えており、地方創生需要に向けたMetaWalkersⓇの販売拡大を加速してまいります。

 宇宙分野では、宇宙産業振興の流れを捉え、宇宙産業の事業者が要人へのプレゼンテーションや宇宙ファン向けの見学施設目的としてMetaWalkersⓇの導入を検討しております。

 スポーツ科学分野では、産学連携共同研究によるMetaWalkersⓇをベースとしたトレーニングシステムが試作機段階まで進捗しました。このトレーニングシステムを製品化し、スポーツ産業向けの販売活動をスタートする予定であります。このトレーニングシステムはシニア向け健康寿命の延伸市場にも展開が可能と考えております。

 メタバースについては、社史体験や研修、バーチャルイベントなどの企業向け需要に加え、メンタルヘルスケア分野でも社会人から小学生まで幅広い需要を確認しております。このような多様なニーズに応えるため、各分野のパートナー企業や専門機関との連携・協業を強化し、メタバースサービスの充実と販売拡大に取り組んでまいります。

 当社は、2025年9月期を規模拡大に舵を切るファーストステップの2年目、持続性のある成長への基盤を固めるための準備を加速する1年と位置づけ、セキュアクラウドシステム事業の人財の採用と投資を継続するとともに、以下の施策に取り組んでまいります。

 ①セキュアクラウドシステム事業の営業利益率の向上

 当社は、主力事業であるセキュアクラウドシステム事業の営業利益率16%(※1)を2027年9月期までに達成するというKGI(経営目標達成指標)と、2つのKPI(重要業績評価指標)を設定していましたが、人財への投資を継続し持続性のある成長基盤を築くため、KGIの達成期限を1年延期し2028年9月期に変更しました。この決定は、前期からの積極的な人財投資の成果を定着させ、既存事業の効率化を進めると同時に、新規事業の創出を通じて収益基盤を多様化し、中長期的な利益成長を確実にするための戦略的な判断です。国内のシステムインテグレーター企業131社における営業利益率の平均値は7.3%(※2)であり、当社がKGIに設定した16%は、その上位5位に入る優良な利益水準です。

 KGIを達成するためには、付加価値の高いカテゴリの販売を増やしていくことが重要となります。そのため、当社は第一のKPI(重要業績評価指標)を「売上総利益率が25%以上の高付加価値製商品の売上高」と設定しています。製商品販売の高付加価値化を図る戦略として、専門技術を要するVDI構築や基幹システムのクラウド化、レジリエンス構築(システム障害やサイバー攻撃に対する防御と回復の仕組み)に積極的に取り組みます。それらに付随する高付加価値製商品の販売を拡大することで営業利益率の向上を図ります。

 次いで、高付加価値分野は提案営業や受注後の構築に技術力が必要であり、その提案力、構築力を高めることが重要であるため、第二のKPIとして「セキュアクラウドシステム事業のエンジニア・セールスエンジニア数」を設定しています。このKPIを実現するための人財採用・育成戦略として、エンジニアとセールスエンジニアを集約する新オフィス「エンジニアハビタット」を2024年2月に開設しました。人財開発部を中心に中長期的な人事・教育制度の整備を推進し、技術力とビジネス感覚を兼ね備えた人財の育成に取り組んでいます。

(※1)営業利益率は事業計画に基づき、全社費用配賦後の営業利益率を算定・記載しています。

(※2)売上高10億円以上のシステムインテグレーター131社の2019年8月以降の最新期決算(変則決算を除く)

 の営業利益率。2022年9月上旬時点の民間調査会社による当社調べ。

 ②「必須のレジリエンス」 事業コンセプトの推進

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や、テレワークの普及により、社会のデジタル依存度が高まっています。情報システムを構成するネットワークやデータベースサーバー類の障害等により、一部でもシステムが停止した場合には、想像以上に甚大な影響を生じ、ひいては社会問題にまで発展しかねません。ランサムウェアなどのサイバー攻撃により、復旧困難な障害に陥ることも近年多発しています。サイバー攻撃や人為的ミスなどによるデータの棄損や改竄に対して、100%防御することは不可能であり、インシデントの発生の都度、多くの労力を使い緊急に対処せざるを得ない現実があります。

 こうした中、今、企業経営者に求められていることは、前向きなデジタル化の推進と同時に、障害発生時に極力短時間でシステムを回復する「レジリエンス」の重要性を意識したシステムを構築することです。単に止まらない前提のシステムではなく、万が一止まっても速やかに回復できるシステム、つまり、回復のための選択肢を準備しておくことが必須です。これこそ事業の強靭化であり、その実現には高度なノウハウが必要となります。

 当社は独立系システム構築会社として様々なシステム障害対応の経験を有しており、それらのノウハウの蓄積と、メーカーを問わず優れた製品やサービスをいち早く検証し、組み合わせることで質の高いレジリエンスサービスを提供しています。

 ③優良顧客の獲得のための営業力の強化

 顧客のビジネス進展に応じて、システムに関する様々なご相談を当社に継続して行っていただける優良顧客の数を増加させることが、当社の安定的成長に欠かせない経営課題です。そのため、2024年1月に開設した東京オフィスでの採用を推進することで、九州地場優良企業だけでなく、国内でも経済規模の大きい首都圏の顧客開拓に向けた営業力の強化に努めます。

 ④ストック型売上の拡大

 当社は、クラウド基盤構築の受託業務を主体とする会社であり、それらはフロー型の売上が中心です。今後は保守などのストック型の売上の積極的な拡大を図ります。また、サブスクリプション型(月額料徴収型)のソフトウエア、クラウドサービスを組み合わせたハイブリッドクラウドシステムの構築・販売を推進することで、ストック型売上の拡大に努めます。

 ⑤エモーショナルシステム事業の売上の拡大

 MetaWalkersⓇの本体販売とMetaWalkersⓇを活用したイベント運営サービスの展開を推進するとともに、企業向けメタバースやシニア市場などの新たな需要に向けた研究開発と市場開拓に努めることで、売上の拡大を図ります。

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