ビジネスブレイン太田昭和 【東証プライム:9658】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針と中長期的な経営戦略及びその実行状況
(会社の経営の基本方針と長期ビジョン)
当社グループは既に50年を超える社歴がありますが、今後新たに50年間成長・発展させ、100年企業として存続させることが現経営陣の使命であると考えております。そのために、「企業理念」に沿った活動を実践することで、お客様、取引先、株主、従業員等のすべてのステークホルダーを含む、社会全体と共に当社グループの持続的な成長・発展を実現することを目指してまいります。
当社グループでは、「お客様の企業価値の向上を通して、社会に貢献する」「お客様の発展の原動力となる」「お客様の利益増加に貢献する」を経営理念としています。
次に、経営方針ですが、当社グループに経営方針として定められたものはありません。一方で、創業者山﨑の経営哲学が「創業者の言葉」として、マネジメント層に沁みついています。その中でもグループ全体で連携・協働をはかりながら事業展開・発展を目指す「八ヶ岳経営」、お客様に導入する際に適切な時期に適切なソリューションを提供するための「波乗り経営」、また単純なサービスや商材を提供するのではなくそれらを組み合わせてお客様が本来求める高い次元の価値を提供する「ケーキを売る」など、創業者の言葉を大切にして経営に努めております。
最後にビジネスモデルです。当社グループは、お客様の現状把握や企画などを支援するコンサルティングサービス、実際の情報技術の活用支援やシステムの導入、さらにマネージメントサービスでお客様の業務のアウトソーシングを行っております。これらのサービスをシームレスに提供し、お客様の業務のさらなる改善と効率化を実現する「BBSサイクル」を提供しています。それぞれの事業分野に競合企業は存在しますが、これらのサービスをシームレスに提供できるのは当社グループだけであると考えています。
当社グループは、前回の中期経営計画BBS2023を策定するにあたり、変化する時代と、変化しない当社グループの基本理念を照らし合わせ、2030年度のゴールをBBSになぞらえたGoal2030を設定いたしました。また、数値目標として、連結売上収益1,000億円、連結事業利益100億円を設定いたしました。今回、新たな中期経営計画BBS2026を作成するにあたり、Goal2030は踏襲しております。
(経営環境)
当社グループは、主として日本国内で事業活動を展開しております。日本におけるコンサルティング、システム開発、BPO・アウトソーシング業界については、中長期的なトレンドとして生産年齢人口の減少が進む中で、各企業では、不足人材を、新技術やシステムを活用し省力化を図ること、BPOやアウトソーシング等のサービスを活用し業務を社外に切り出すことにより対応しなければならないことから、安定的に市場は拡大すると見込まれます。
当社グループは、BBSサイクルにより他社との差別化をはかり、市場拡大を上回る成長を目指してまいります。
(前中期経営計画BBS2023の振り返り)
当社グループでは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画BBS2023を実行してまいりました。
前中期経営計画BBS2023の結果として、計数面については、グループ会社のグローバルセキュリティエキスパート㈱(以下「GSX社」)を含んだ連結ベースでの実績で、売上は計画400億円に対して412億円、利益は計画34億円に対して36億円の実績となりました。
BBS2023開始時点の3年前と比較しますと、売上は142%、利益は150%に成長し、当初の計画であった売上400億円、利益34億円を上回ることが出来ました。なおこの金額は、株式売却により連結除外となった子会社、GSX社の連結を継続した前提で算出しています。
BBS2023では、Make Hybrid Innovationsの標語の下、当社グループにある各種ソリューションを組合せ、革新的なソリューションを提供することを目標に掲げ推進してまいりました。その活動の一環として、グループシナジーの強化に取り組んでまいりました。その結果、この3年間におけるグループ会社間の紹介案件533件、受注296件を達成するとともに、グループ各社における協働の機運が高まりました。また、手元資金の活用方針として、自己株式の取得や配当性向の向上などの株主還元と合わせて、成長投資にも振り向けてまいりました。結果として、4社、売上合計52億円のM&Aを実施しました。
品質強化についても一定の成果が出てきていると考えておりますが、残念ながら一部の事業では不調プロジェクトが発生しており、更なる対策が必要であると認識しております。
事業戦略は、RCN2戦略とNo.1戦略を中心に展開しました。RCN2戦略では、ロイヤルカスタマーを3社選定しお客様の深耕を進めました。No.1戦略では、広島・福岡地区の展開を推進しました。結果、ロイヤルカスタマー3社の売上が98億円に達し、広島・福岡地区の売上高も153百万円になりました。
全体的には、一部課題が残ったものの、概ね良い結果であると評価しております。
(新中期経営計画BBS2026)
新中期経営計画BBS2026では、Goal2030の売上1,000億円を確かなものとするために、3年後の売上目標を580億円としました。既存事業の売上の平均成長率を9%とすると既存事業での3年後の売上は475億円になりますので、580億円の不足分105億円は、M&Aや新規事業を中心に伸ばす計画です。
今回の中期経営計画では、M&Aや新規事業の開発を積極的に進め、飛躍的な成長を目指してまいります。
また、3年後の売上580億円を達成するために、BBS2026では、12のKPIを設定します。
当社グループがサステナブルな企業になるべく成長、資本効率、投資の3つの観点からKPIを設定し、戦略的なパフォーマンス管理を行います。
成長分野では、売上、利益、BPO売上比率に加え、BBSサイクル率や女性管理職比率をKPIに設定します。
資本効率では、ROEや配当性向に加え、ROICや有利子負債EBITDA倍率という新しい指標をKPIとします。
投資については、M&A、研究開発、人財への投資をKPIとして設定します。
SI市場のマーケット予測によると、SaaS市場は年平均12%の成長率が見込まれるのに対して、パッケージ市場はほぼ横ばいと予測されています。
成長が見込まれるSaaSビジネスとしては、自社開発のツールである「次世代基盤」を基にしたソリューション開発など、新サービスを積極的に投入していきます。
一方横ばいが予測されているパッケージビジネスは、BBSサイクルという当社グループ独自のビジネスモデルを、しっかりと回すことによってSaaSに対抗できるソリューションを提供します。SaaSは、お客様にとって資産や保守体制を社内に持つ必要が無いというメリットがある一方で、カスタマイズの自由度が低いというデメリットもあります。当社グループが提供するソリューションはSaaSに対しても決して負けない競争力があると考えています。
マネージメントサービス(BPO)の成長戦略です。BPOのマーケットは、2~3%の成長が予測されており、安定的なマーケットと言えます。このような環境下で、当社グループは市場成長を超える売上拡大を目指していきます。
短期間でBPOをしたいお客様には、BPaaSによるサービス提供を推進していきます。Bulas等自社システムを強化し、人事給与分野でのBPaaSを拡大するとともに、経理業務のBPaaSにも取り組んでいきます。
一方、大規模BPOのマーケットでは、従来のHigh Value BPOを継続してお客様に提供します。税務、会計、人事等の専門知識に加え、ITのノウハウを活用し、高付加価値、高効率なサービスで競争優位を確立します。
そして将来的には「日本の経理部・人事部」と認知されるような、総合バックオフィスサポーターを目指します。
資本・財務戦略については、資本コストと株価を意識した経営を引き続き推進いたします。
BBSグループでは、従来から、手元資金をM&A等の成長投資に振り向けつつ、配当性向の引き上げや自社株買いの実施など、成長と株主還元のバランスを保った経営を進めてまいりました。
しかし、前期にGSX社の関連会社化に伴い自己資本が大きく膨らんだ結果、資本効率を示す指標に大きな変動がありました。
このためBBS2026では、ROEを12%まで戻すことを目標にしております。
これらのKPIを達成することで、資本効率を示す指標であるROE、PBRの達成をはかってまいります。
(2) 優先的に対処すべき課題と対処方法
当社グループでは、2024年4月から3年間の新中期経営計画『BBS2026 - Evolving Innovations - 』をスタートします。この中期経営計画により飛躍的な成長への道筋を構築し、Goal2030の達成を確かなものにしたいと考えております。
翌連結会計年度は、この新中期経営計画の初年度として、『サステナブルな基盤を構築し、DX・人財・品質のイノベーションを進化・連携させる』をテーマと致しました。DXでは、組織内やお客様に対して変革や変化を提供するだけでなく、そこに質と持続可能性を求めていく時期にあると認識しています。また、人財や品質に関しても、組織やグループでの改善、そして各グループ会社が有する技術やノウハウを結集し、グループ全体でイノベーションを行っていく必要があると考えています。そして「進化」「連携」としているのは、これまでに生み出されたイノベーションを惜しむことなく、グループ会社で連携しさらなる価値創造に繋げていくためであります。
Goal2030 売上高1,000億円に向け大きく飛躍するためにも当社グループ一丸となって取り組んでまいります。
1.重点項目(3つのキーワード)
①デジタルトランスフォーメーション
新サービス及び事業の創造、DXサービスの市場浸透をはかり、当社グループの新たな成長の柱へ進化・深化させます。またデータドリブン経営の実現を目指し、データに基づいたリアルタイムな意思決定支援の実現をはかります。
②人財強化
BBS2030 売上高1,000億円を実現する体制を構築するために、働きがいの向上や教育研修の充実といった「質」と、人財確保に向けたブランディングの強化や採用チャネル施策等による「量」の両面から人財力を強化してまいります。
③品質の更なる向上
「事前」品質管理を当社グループにも展開・活用するとともに、社内PMO設置によりPM孤立化の防止と人依存からの脱却をはかり、製品・サービスの品質を向上させます。
2.事業戦略
(1)コンサルティング・システム開発事業
①RCN2戦略
当社グループとして最も重要なお客様であるロイヤルカスタマーとの取引を拡大するとともに、ロイヤルカスタマーの社数を増加させます。また、BPO事業でも適用するとともに業種の拡大をはかってまいります。
②No.1戦略
当社グループの強みである経営会計を中心に、顧客基盤、エリア、事業領域を拡大します。社会課題や最新テクノロジーをタイムリーに捉え、半歩先行くソリューション展開をはかります。
(2)マネージメントサービス(BPO)事業
①High Value BPO × BPaaS戦略
High Value BPOにて業務改善を伴う専門領域への展開を推進するとともに、当社グループの技術を活用し、業務運用だけではなく業務のDX化も合わせて推進してまいります。業務とシステムの両面を融合し生産性の高いBPOを実現します。
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