ヒップ 【東証スタンダード:2136】「サービス業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「開発・設計のプロ集団として業界の長期安定と社員の永続的成長を図り技術を通じ社会に貢献する。」の経営理念に基づき、技術者を第一に考えた会社作りに努め、付加価値の高い技術力を顧客に提供してまいりました。
今後も技術者が生涯技術者として活躍していくための環境づくりとプロの技術者の育成を図り、質の高い技術サービスの提供を通じて顧客と共に環境・社会課題の解決を推進し、企業価値向上に努めてまいります。
また様々な分野の顧客に対し、専門性の高いプロフェッショナルサービスを提供するビジネスを中心として拡大を図り、強固な経営基盤を構築していくと共に、持続的成長と社会貢献を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社の主要事業である技術サービス事業の中心となるのは人材です。社員一人ひとりに寄り添い、技術者それぞれが成長していけるキャリア形成を支援する企業こそ、真の意味で社員から選ばれ、最終的には顧客から選ばれる強い会社になると考えています。そのためには技術者のベネフィットを追求していくことが重要あり、プロの技術者を育成する教育体制の強化や能力を最大限発揮できる環境の提供、目指すキャリアに即した幅広い分野の受注の獲得、会社と社員のつながりやサポート体制の強化、経済的なメリットの向上に取り組んでまいります。
技術者にとって魅力ある会社作りを進め、当社の技術者の価値を高めていくことで、顧客価値の向上や企業価値・社会価値の向上を目指してまいります。
(3)経営環境
①企業構造
当社は単体企業、単一セグメントであり「アウトソーシング事業」以外の事業活動は行っておりません。本社に管理部門を集約し、事業運営の統括を行っております。全国を東日本、神奈川、中日本、西日本に分け、4つの事業部を設置しております。それぞれの事業部は各地域の営業所を統括し、営業活動及び採用活動を管轄しております。
現在の企業体系は、業績の状況や事業運営の状況等から判断し、良好に機能していると考えております。
②市場環境
当社の中核事業であるアウトソーシング事業においては、製造業を中心とした顧客企業が開発投資を継続するなかで、慢性的な技術者不足の状況にあり、顧客企業からの技術者要請は今後も継続していくことが見込まれます。新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行し社会経済活動は回復基調にある一方で、資源価格の高騰や物価の上昇などの影響には引き続き注視が必要な状況が続いております。現状では当社への技術者要請は堅調に推移しており、顧客企業や応募者との綿密なコミュニケーションを図り、稼働率の向上及び稼働人員の増加、優秀な技術者の確保に努めてまいります。
③競争優位性
当社は経営理念に基づき、設立当初から技術者を第一に考えた会社作りに努めており、「生涯技術者」「心の福利厚生」をキーワードに掲げた社員満足度を高めるための施策を実施しております。技術者の心に根差した施策が、技術サービスの良質なアウトプットや、優秀な人材の獲得などの効果を生み、顧客満足度の向上と事業成長へとつながっております。今後も時代に合った独自の施策を継続的に展開し、事業の拡大に努めてまいります。
④法改正
当社事業において、経営環境に影響を与える主なものは労働者派遣法や労働基準法が想定されます。平成27年9月30日に改正労働者派遣法が施行され、それまでの特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業は、新たな許可基準に基づく許可制となりました。当社は平成30年1月1日に労働者派遣事業の許可を取得し、法令遵守のもと運営を行っております。働き方改革により、平成31年4月1日には改正労働基準法が施行され、時間外労働時間の上限規制の導入や年次有給休暇の一部取得の義務化が実施されました。また、令和2年4月1日において改正労働者派遣法が施行されました。改正の主な概要は派遣労働者の待遇改善に向けた「同一労働同一賃金」の実現が目的となっています。当社では改正内容を関係各所と確認し、必要な手続きと適切な対応を実施しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営基盤、キャリア形成の支援、財務体質の強化を図る上で、企業規模を拡大することが重要であると考えており、中長期的には社員数1,000名体制を目標としております。
また、当社の目標とする経営指標は売上高と経常利益であり、株主の皆様の期待にお応えするためにも収益力を高め、経常利益率の向上に努めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の主要事業である技術サービス事業の中心となるのは人材です。そのため優秀な技術者の確保とキャリア形成支援が重要であり、多様な働き方に応える受注の獲得が必要です。技術者と顧客に選ばれる強い会社を目指していくために、対処すべき課題は以下のとおりとなっております。
①優秀な人材の確保
当社事業を成長させるためには優秀な人材が欠かせません。当社の技術者は従来の組織内での働き方とは異なり、真のプロフェッショナルとして会社という組織を超えて横断的に設計・開発をおこないます。そのため、当社ならではの働き方や価値観、将来の方向性を正しく伝え共感を得る必要があります。社員からのメッセージや動画での解説、採用ツールを駆使して、当社の魅力を伝え積極的で丁寧な仲間づくりを行ってまいります。
②受注の獲得
安定的に受注量を確保することは、高い稼働率を維持するために重要です。また技術者のキャリア形成と多様な働き方に応えるために、幅広い業種や地域の受注を獲得していくことも大切です。全国に営業担当を配置し、顧客に寄り添った密接な対話から技術者ニーズをいち早く把握することに努め、最適な提案ができる社内連携の構築を進めることで、取引先の拡大を図ってまいります。
③キャリア形成支援
社員から選ばれる企業として重要なことは「自らの成長可能性が感じられるか」であると考えています。主体的なキャリア形成が必要でありその環境の整備が大切です。様々なプロジェクトに参画してスキルを高めたい、未経験でも開発業務に携わりたいなど、一人ひとりが思い描くキャリアの実現のために、当社は長期的な視点にたった教育や幅広い業務の確保、働きやすい環境の整備に取り組んでまいります。
当社ではこれらの施策を通じて、個々のキャリアアップを図り技術者の価値を高めることこそが、顧客価値の向上にもつながると考えております。経営理念で掲げる「社員の永続的成長」は最優先課題であるため、人材への投資を行いキャリア形成支援企業としての成長を目指してまいります。
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