企業パリミキホールディングス東証スタンダード:7455】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、お一人おひとりに「お合わせする」ことを経営の基本方針としております。事業活動を通じて、お客様の抱えられている課題の解決と社会の発展に貢献することにより、お客様をはじめとするステークホルダーの皆様とともに歩んでまいりました。世界中でさまざまな社会課題が深刻化するなかで持続可能な社会の実現を目指していくために、この原点に立ち返る経営がより一層重要になると考えており、当社グループのパーパスである「『トキメキ』と『あんしん』でお一人おひとりをより豊かに」を実現することで、皆さまから求められる価値ある会社となるよう企業価値の向上に努めてまいります。

(1)ガバナンス

 当社グループでは、気候変動問題を含めたサステナビリティに関する基本方針などの重要事項、およびサステナビリティを巡る課題と取り組みについて、「人、地域、国、そして地球とその未来のために、私たちができることを常に考え、行動する」の方針のもとで「地球を元気にする委員会」(サステナビリティ委員会)において審議しております。同委員会では、当社グループにおける気候変動などの地球環境問題への対応、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先様との公正・適正な取引、社会貢献活動・災害支援活動等の実施について審議することとしております。これらの審議内容のほか、当社グループにおける各種の活動状況をレビューし、取締役会に報告・提言を行っております。取締役会での審議と指示・監督のもとで前述の活動を同委員会が推進することにより、サステナビリティ課題を巡る取り組みに対する取締役会の監督機能の充足を図っております。

 詳細につきましては、当社のウェブサイト(https://www.paris-miki.com/)の「サステナビリティ」のページをご参照ください。

(2)戦略

 当社グループでは、気候変動によるリスクおよび機会の特定にあたり、当社グループにおける製品およびサービスを対象として、2030年時点における影響を考察・分析しています。分析にあたってはIPCCやIEAが公表するシナリオを用いて、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇するとする4℃シナリオと、カーボンニュートラルへの取り組みにより1.5℃~2℃程度に気温上昇が抑制される2℃未満シナリオの2つのシナリオを設定し、それぞれの世界観において将来予測される影響を考察しました。

4℃シナリオにおいては台風や大雨をはじめとする異常気象の激甚化に伴う物理的リスクが拡大し、主に洪水被害によって約295.4百万円の被害を推計しております。対して2℃未満シナリオでは物理的被害予測は約半減するものの、炭素税や電力価格の高騰により、約57百万円の移行リスクに伴う支出増を試算していますが、一方で防災減災ニーズやエシカル消費の拡大をはじめとする顧客行動変化を示唆する将来予測パラメータから、双方のシナリオともに事業機会および社会貢献の可能性を認識しております。

2℃未満シナリオ

参考シナリオ

IPCC:RCP2.6

IEA:SDS / NZE2050

リスク

カーボンプライシングによって事業運営コストが増加する

リスク

再生可能エネルギーへの切り替え導入に伴いエネルギーコストが上昇する

リスク/機会

お客様のサステナブル消費意識の高まりから商品の買い替え頻度が低下することによる、販売数の減少や、修理事業の収益増が見込まれる

機会

ECO素材を採用したメガネフレームの導入等、エシカル消費嗜好に対応した商品の製造・販売拡大が見込まれる

4℃シナリオ

参考シナリオ

IPCC:RCP8.5

IEA:STEPS

リスク

異常気象の激甚化による損害やサプライチェーンの寸断による営業停止により、収支に影響を及ぼす。

リスク

慢性的な気温上昇により、空調コストが増加する

機会

日照時間の増加等の気象パターン変化に伴い、サングラスやUVカットレンズといった紫外線対策商品への需要が拡大する

 これらの分析を踏まえ、具体的な対応策を各事業で検討・立案し、不確実な将来世界のあらゆる可能性に備えるとともに、今後もさまざまな動向を踏まえて分析を定期的に行い、評価の見直しと情報開示の質・量の充実に努めてまいります。

 なお、現在の取り組みにつきましては、当社ウェブサイト(https://www.paris-miki.com/)の「サステナビリティ」「環境」ページの各項に記載しております。

 また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針については、当社グループのパーパス(存在意義)である「『トキメキ』と『あんしん』でお一人おひとりをより豊かに」していくことを実践できる、個性豊かな人材を育成していくことにより、長期のビジョン(目指す姿)である「2030年、私たちは世界的な『ホスピタリティブランド』になる」ことの実現を目指してまいります。

 取締役会の重要決定事項として経営資源の配分を決定することとしており、人的資本への投資については、中期経営計画における重要課題の1つとして人材育成を盛り込んでおります。特に、高齢化に伴う目の衰えやスマートフォン等の普及による子どもの視力の低下など、目に関する不安やお困りごとが多様化・高度化しており、社会的課題として捉えられています。お一人おひとりにお合わせする適正な眼鏡を作製する必要性と、眼科医との連携により目の健康を守るための眼病未病への取り組みの重要性が求められているなかで、2022年より国家検定資格となった「眼鏡作製技能士」の資格取得を中心に、人材の育成と社内環境の整備に取り組んでまいります。

 詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://www.paris-miki.com/)の「サステナビリティ」「顧客満足推進」ページをご参照ください。

(3)リスク管理

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載したシナリオ分析を含む気候関連リスクについては、「地球を元気にする委員会」において検討・評価を行い、同委員会が当社グループにおける取り組みの推進を担っております。また、特定された気候関連リスクは当社グループ全体の総合的なリスク管理体制の整備・運用に関する事項の決定・監視・改善を担うリスクマネジメント委員会にも共有され、全社リスクへ統合のうえ当社グループにおける重要性を評価のうえ、対応を検討・実施しております。

 詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

(4)指標及び目標

2020年度実績値におけるScope1・Scope2の温室効果ガスの排出総量は約5,599 t-CO2eqと試算しております。パリ協定における長期目標2050年カーボンニュートラル達成だけでなく、再生可能エネルギーへの切替をはじめ、削減に向けた対策や、中期削減目標の設定、Scope3排出量の算定および削減目標の設定について検討してまいります。

 詳細につきましては、「当社のウェブサイト(https://www.paris-miki.com/)の「サステナビリティ」 「環境」 「気候変動(TCFD提言に基づく開示)」」のページをご参照ください。

 また、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標について、上記「(2)戦略」において記載した国家検定資格「眼鏡作製技能士」については、当社グループでは制度開始初年度より746名もの資格保有者を輩出することができました。これはお客様の抱える課題の解決に積極的に取り組もうとしてきた社員の努力と、お一人おひとりのお客様に「お合わせする」技術の向上のために眼鏡医療技術専門学校ワールドオプティカルカレッジと連携した社員教育について、これまで継続して取り組んできた成果だと考えますが、今後も、資格保有者数の目標(2025年に1,200名以上)の達成に向けて、策定している資格取得を支援する教育プログラムに基づき、人材育成を図り、経営戦略と連動した人材育成に取り組んでまいります。具体的には、社内研修の履修内容と国家検定資格受験科目との連動性を高めること、資格取得にかかる費用の一部を支援するなど社内環境の整備に取り組んでおります。

 なお、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する実績および目標は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年3月までに10.0%

6.0%

男性労働者の育児休業取得率

2025年3月までに80.0%

44.4%

労働者の男女の賃金の差異

(正社員)2025年3月までに85.0%

(契約社員)2025年3月までに93.0%

(正社員)81.2%

(契約社員)91.3%

(注)上記の実績および目標は、連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社および主要な連結子会社((株)パリミキ)の合計で算出しております。

 人材の採用および登用においては一人ひとりの個性を重視し尊重すること、また、人材育成においても性別・年齢などの属性によらず個人のオリジナリティや得意分野などの個性を活かすことを基本方針としております。

 近年の国内の正社員採用においては過半数が女性でありますが、社員数に占める女性管理職比率は相対的に低い水準にあると認識しておりますので、社員構成比率に近づけるよう、研修の実施、働きやすい環境の整備と就業制度の見直し等を行い、管理職登用者の増加に取り組んでまいります。

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