企業パラマウントベッドホールディングス東証プライム:7817】「その他製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発活動は、「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社 技術開発本部の研究開発部、要素技術部、開発部、デザイン部、IBSソリューション開発部の合計5部門と睡眠研究所が担当しております。なお、役割分担の概要は以下の通りであります。

 研究開発部は、医療・介護・健康等の分野での、新技術の調査・先行開発、機械学習等の解析技術開発・評価を行っております。要素技術部は、制御回路・センサー・組込みソフト・通信/ネットワーク・アプリケーション等、電装システム関連の製品/サービスの先行開発及び技術開発を行っております。開発部は、国内外の医療看護現場、介護現場及び健康領域の問題解決やニーズに対応した製品開発及び床ずれ防止や快適な睡眠を提供するためのマットレスの開発を行っております。デザイン部は、ユーザー視点に立った安全で使い勝手の良いデザイン開発、ブランディングに関わるデザイン監修を行っております。IBSソリューション開発部は主に医療分野のベッドサイドケア業務を支援するソリューションの企画・設計・開発・導入・保守を行っております。睡眠研究所は、睡眠に関する研究、及び要素技術の開発、睡眠に関する製品の評価、情報収集・発信を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費は1,868百万円であり、主な成果は以下のとおりであります。

(1)一般病室向けベッド「メーティスシリーズ」とマットレス「ストレッチシリーズ」を発売

 一般病室向けベッド「5000シリーズ」「ウッディーシリーズ」の電動ベッド後継機種として、「メーティスシリーズ」を2023年7月に発売いたしました。転倒・転落対策として、ベッド内蔵センサーにより、患者の起き上がり等を検知してナースステーションへ通知する「離床CATCH」を搭載しております。また、より安定した姿勢で起き上がりをサポートする「カインドモーション」や、長身患者向けにボトム面の長さを切り替えられる機能も搭載し、利用者の快適性にも配慮いたしました。

 ベッドの両サイドにナースコールの接続口を設け(「離床CATCH」利用時に使用)、接続しやすくし、ストローク41cmの「垂直ハイロー機構」で省スペースでの設置を可能といたしました。

 これに合わせ、ハイ・スタンダードマットレスの「ストレッチフィットⅡ」、床ずれ防止用マットレス「ストレッチグライドⅡ」、転落予防と使いやすさに配慮した「折りたたみベッドサイドレール」を同時発売いたしました。

(2)ワイドサイズの在宅介護用電動ベッド「楽匠Wing(ウィング)シリーズ」を発売

 高齢者の身長の上昇傾向に対応した在宅介護用電動ベッド「楽匠Wing(ウィング)シリーズ」を2023年8月に発売いたしました。当社製標準サイズのボトム幅91cmより大きい100cm幅とし、全長もロングサイズへの切り替えが簡単にできる製品を開発いたしました。ベッドを構成するフレームの頭側・足側部品の取り付け位置を調整するだけで、全長を191cmから205cmへ切り替えることができます。

 「ラクリアモーション」の搭載により、従来の背上げと比較して身体のずり落ちや圧迫感を大幅に軽減しながら、足先が下がり安定した姿勢をとることを可能といたしました。また、ベッドに慣れていない方でも違和感が少なくご使用いただけるように、床からボトム面までの最低床高を21.5cmの低床設計としております。さらに手元スイッチ上部にある呼び出しボタンを押すと、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンに通知することができます。

(3)一般家庭向け電動ベッド「INTIME1000」が2023年度グッドデザイン賞を受賞

 2023年10月、一般家庭向け電動ベッド「INTIME1000」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」を受賞いたしました。審査員からは、「電動リクライニングベッドインタイム1000は、介護ベッドとしても使用できる電動リクライニングベッドだ。全体的にはシンプルで電動ベッドには見えないデザイン。メカも様々な工夫で隙間などから見えないように工夫されている。これだけシンプルで介護ベッドに見えなければ一般の人も日常的に導入したくなるのではないだろうか。さらに、介護の度合いによって介護に必要な機能は全て追加していけるのも使用者に前向きな気持ちで豊かな毎日を過ごしてもらうためには嬉しい配慮だろう。」と評価コメントをいただきました。受賞でより多くの方々の目に留まり、自分の寝室に置きたいと思っていただけることを期待しております。

(4)クラウド管理可能な見守り支援システム「眠りCONNECT」の提供開始

 介護施設において、睡眠をはじめとする利用者の状態をリアルタイムに把握することで介護の見守り業務の負担を軽減する見守り支援システム「眠りCONNECT」を2023年10月より提供開始いたしました。また、「眠りCONNECT」の中心となる体動を検知するセンサー「眠りSCAN」をモデルチェンジして同日より発売いたしました。「眠りCONNECT」は、介護施設利用者の睡眠データを遠隔で表示することができるシステムです。「眠りSCAN」は、マットレスの下に敷いて睡眠状態を把握できる非装着・非侵襲の体動を検知するセンサーで、心拍数や呼吸数(※)を算出し、「眠りCONNECT」内で管理者・スタッフ間で共有することができます。

 日本の高齢化率が上昇し続ける中、介護従事者の皆さまの負担はますます増えており、介護現場における業務効率化は喫緊の課題となっております。パラマウントベッドでは、本システムの導入により、介護施設の現場におけるケアの質向上、業務負担軽減や生産性向上に貢献し、介護現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を支援したいと考えております。

 ※心拍・呼吸に相当する体動から算出した推定値をそれぞれ心拍数・呼吸数と表現しています。

(5)海外向け製品ラインナップの拡充(「ここちあ利楽Flow」「歩行補助器」「電動診察台」等)

 エアマットレス「ここちあ利楽Flow」の海外向け販売機種では、これまで、対応ベッドから給電するベッドリンクケーブル機種のみ販売しておりましたが、販売市場の電源電圧状況に適合したACアダプタ及び電源プラグの機種追加を行いました。また自立歩行が困難な方の歩行を補助する「歩行補助器」及び自立座位が困難な方のベッドサイドでの端座位をサポートする「端座位保持テーブル」について、ブラジル向け販売機種のラインナップを追加いたしました。

 PT.パラマウントベッド インドネシアでは、「電動診察台(PC-510シリーズ)」を開発いたしました。現地ニーズの高い電動昇降機能を搭載するとともに、任意の高さを記憶することができるメモリペダルを配したフットスイッチを備え、操作性の向上に配慮いたしました。これらにより、更なる販売機会の創出、市場拡大を目指します。

(6)長時間過ごしやすい電動リフトアップチェア「Lifmia(リフミア)」を発売

 座面を上下させて立ち座りをサポートする福祉用具、電動リフトアップチェアをモデルチェンジし、2023年6月に「Lifmia(リフミア)」を発売いたしました。最大の特徴は安楽な姿勢になるように工夫した背もたれと座面です。背もたれは、よりかかりやすいように後方に傾斜(115度)させ、腕が動かしやすいように、肩甲骨の下までの高さに設計いたしました。座面は後傾(12度)させて、臀部がずれにくく姿勢が安定しやすい構造といたしました。アームレスト下部にあるスイッチを握ると、座面が40.5cmから56cmまで上昇し、自力での立ち座りをサポートします。上昇した時の座面はほぼ水平で、滑り落ちも予防します。やわらかい色味の天然木と淡いグレー色の生地を使用し、通常使う家具に合わせやすいデザインといたしました。

※「メーティス」「ストレッチフィット」「ストレッチグライド」「楽匠Wing」「Active Sleep」「Intime」「眠りCONNECT」「眠りSCAN」「ここちあ利楽Flow」「Lifmia」は、パラマウントベッド株式会社の登録商標です。

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