バイタルケーエスケー・ホールディングス 【東証プライム:3151】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2009年4月1日、㈱バイタルネットと㈱ケーエスケーの株式移転により共同持株会社「㈱バイタルケーエスケー・ホールディングス」を設立し、バイタルケーエスケー・グループとして新たなスタートを切り15年が経過しました。
バイタルケーエスケー・グループは、「私たちは、健康で豊かな社会の実現に貢献します」を企業理念として掲げ、その実現に向け「経営のスピードアップと市場開拓の強化」「IT技術の駆使と長年培った医薬品流通技術の融合・進化」「シナジーの発揮による収益力の向上」に取り組んでおります。
(2)目標とする経営指標
第5次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の目標
次年度の2025年3月期は第5次中期経営計画の最終年度になります。その最終年度の利益計画および株主還元方針は次のとおりです。
「最終年度の利益計画と株主還元方針」
| 2025年3月期 | ||
計画 (百万円) | 売比 (%) | 前年比 (%) | |
売上高 | 590,000 | - | 100.4 |
営業利益 | 5,500 | 0.93 | 99.0 |
経常利益 | 6,400 | 1.08 | 97.6 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,000 | 1.02 | 102.7 |
ROE(自己資本利益率) | 5.8% | ||
総還元性向方針 | 50%以上 | ||
配当方針 | DOE2%以上 |
「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(注1)の目標
経営指標 | 目標値 |
ROE(自己資本利益率) | 第5次中期経営計画期間(2023年3月期~2025年3月期)5%以上 第6次中期経営計画期間(2026年3月期~2028年3月期)6%台 第7次中期経営計画期間(2029年3月期~2031年3月期)7%台 第8次中期経営計画期間初年度(2032年3月期) 8%以上 |
PBR(純資産倍率) | 第8次中期経営計画期間初年度(2032年3月期) 1倍以上 |
政策保有株式の縮減 | 第8次中期経営計画期間初年度(2032年3月期)対純資産比率10%未満 |
(注1)2023年12月26日「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」
URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3151/ir_material_for_fiscal_ym2/147449/00.pdf
長期ビジョン2035が目指す姿(事業別売上高・営業利益の構成比)
科目 | 2022年度(2023年3月期) | 2035年度(2036年3月期) |
売上高 | 医薬品卸売事業 94% 医療周辺ビジネス 6% | 医薬品卸売事業 80% 医療周辺ビジネス 20% |
営業利益 | 医薬品卸売事業 83% 医療周辺ビジネス 17% | 医薬品卸売事業 60% 医療周辺ビジネス 40% |
(3)中長期的な会社の経営戦略
団塊の世代が後期高齢者となる2025年が目前となり、これまでも実施されてきた社会構造変化を見据えた社会保障費の抑制と制度の見直しは今後も継続するものと考えられます。同様に、当社グループのコアビジネスである医薬品卸売事業の市場においては、引き続き抗悪性腫瘍剤などをはじめとする新薬の市場が伸長することが見込まれ、底堅い需要はあるものの、薬価改定や後発医薬品の使用促進が継続されることに加えて、新型コロナウイルス感染症関連商品の販売が落ち着いてくることから全体としては伸長が抑制されるものと推測され、安定供給継続のためにもさらなる流通の効率化を実現しなければなりません。
また、医療では先端技術を活用した新たな診断技術や治療技術の発達が大きなイノベーションをもたらしつつあります。再生医療に加え、新たな診断薬、医療機器、ロボットなど、新たな診断・治療手段は今後の市場伸長を牽引する一方、流通上の新たな課題も生じさせるものと思われます。さらに、医療を中心としたヘルスケア領域におけるDXの進展は、地域のヘルスケア提供の効率化・高度化などに寄与するとともにそこに関わるすべてのビジネスに大きな変革をもたらすと思われます。
このような市場構造変化と経営環境変化を踏まえて、当社グループでは2023年5月に「長期ビジョン2035」を策定しました(下記を参照)。この新たな長期ビジョンのもと、自立と連携により医薬品・メディカルの持続可能な流通体制を構築することで社会課題の解決と健康寿命の延伸に寄与することを目的に医療周辺ビジネスを拡大してまいります。
【長期ビジョン2035】
垣根を越えて薬の先へ“つなぐ”ことで医療の未来を革新する
<主な実践課題>
・物流機能の高度化 3PL事業の展開
・医薬品卸売事業の刷新 各事業エリアにおける最適な事業戦略
・メディカル商材の拡販 医薬品周辺事業への深耕
・レンタル事業の強化 各種ソリューションの提供
・薬局事業の拡大 薬の受け取り方を変える
・行政・自治体との連携強化 健康寿命延伸に貢献
・ライフサポート事業の展開 子育て支援や病気の予防
・コンパニオンアニマルとアグリテック分野の事業拡張 エリア拡大と新事業の展開
また、当社グループでは2023年3月期から2025年3月期までの3年間にわたる第5次中期経営計画を策定しており、「次代を見据えたビジネスモデルの革新」を中期ビジョンに掲げ、実践課題として「1.市場の構造変化と市場特性に合わせた医薬品流通モデルの追求」「2.医療のDX進展に伴う流通・マーケティングモデルの進化」「3.プライム市場に対応したグループ経営推進」を設定し、次の具体的な課題に取り組んでおります。
【第5次中期経営計画 主な課題】
<医薬品卸売事業>
1.市場構造変化を踏まえた体制整備
(1) 効率化・適正化推進によるローコストオペレーションの実現
(2) 処方元への効率的・効果的マーケティング活動の実施
(3) MS機能の拡張(MR機能の代替へ)
2.地域の医療提供の中核となる“病院”への取組み強化・営業体制刷新
3.調剤薬局のDX推進
4.サプライチェーンマネジメント力の持続的向上
(1) 在庫管理システムを活用したパッケージ納品の拡大
(2) 3PL事業の展開
(3) 調剤センターを活用したサプライチェーン構想実施
(4) 物流品質と効率化の持続的向上
<グループ経営戦略>
1.財務戦略
(1) ROE 5%以上
(2) 適正な株主還元策の実行
総還元性向方針:50%以上、配当方針:DOE2%以上
(3)政策保有株式の縮減
2.より高度なコーポレート・ガバナンスの検討・整備
3.コーポレート・コミュニケーション(CC)のさらなる充実
(1) ネット時代と財務戦略を踏まえた適切なCC活動の実施
(2) 英文開示の充実(当社ホームページ、株主総会招集通知書など)
(3) ESGに加え、TCFDを見据えたCC活動
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社は、2022年10月28日に公表いたしました「企業価値向上に向けた取り組みの強化について」(注
2)ならびに2023年12月26日に公表いたしました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向
けた対応について」(注1再掲)に従い、当社グループの企業価値向上に取組んでまいります。
(注2)2022年10月28日「企業価値向上に向けた取り組みの強化について」
URL:https://www.vitalksk.co.jp/corp/wp-content/uploads/2022/11/b017a0e4daaf9680ebaceb120937e041.pdf
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