企業兼大株主ノリタケカンパニーリミテド東証プライム:5331】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであります。

2030年度を見据えた経営の方向性

(1)長期ビジョン(ありたい姿)

「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役へ」

 ノリタケグループは、創業者が「我カ社ノ精神」に記した"事業を通じて社会に貢献する"という姿勢を経営理念の核としてきました。

 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクの高まり、カーボンニュートラルをはじめとするサステナブル社会の進展、デジタル化の加速、生活スタイルの多様化など、不確実で先が予測しにくい時代が続くものと認識しています。こうした経営環境のなか、第12次計画の策定にあたっては、2030年度における当社グループの長期ビジョン(ありたい姿)と、その実現に向けた戦略の方向性を描き、その上で、第12次計画の3年間の位置付けを明確にして、取り組むべき具体的な戦略を定めました。

 当社グループは、経営基盤を強化するとともに成長領域に注力し、「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」として社会に貢献してまいります。

(2)全社戦略(基本方針)

「選択と集中(環境/エレクトロニクス/ウェルビーイングの領域へ)」

 当社グループの長期ビジョン(ありたい姿)を実現するために、今後の成長が期待される環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの3分野を成長領域と定めて「選択と集中」を進め、現状の基盤領域(内燃機関、窯業等)から成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)へ事業領域の転換を図ります。

 また、成長領域への取り組みを通じて、当社グループは、「地球を元気に」、「社会を便利に」、「人と社会を幸福に」する企業を目指します。

第12次中期経営計画

(1)中期経営計画の位置付け

「収益基盤の強化と成長領域への仕込み」

2030年度に向けて、2022年度から2024年度までの3カ年を対象とする第12次計画は、「収益基盤の強化と成長領域への仕込み」の期間と位置付けます。

「収益基盤の強化」として、不採算商品・事業の再編、収益改善・合理化を進め、「成長領域への仕込み」として、増産・拡販への対応、経営基盤の強化を進めます。

 経営基盤の強化として、「新事業の創出」「組織風土の改革」「サステナビリティ経営体制の整備」「DXの推進」の4つのテーマで、全社横断的な取り組みを進めます。

<経営基盤の強化>

1.新事業の創出

 新事業のテーマ探索を当社グループ全社レベルで行うと共に、事業化プロセスを構築し、新事業の創出に結び付けます。

(当期の進捗状況)

 全従業員から広く開発テーマを募る開発テーマ提案制度と、事業化のための新たな開発プロセス(ステージゲート制度)の運用を開始しました。また、新商品の開発、既存技術の用途開発・市場開拓、オープンイノベーション推進体制の整備など、新事業の創出に向けた取り組みを推進しました。今後は、開発テーマ提案制度を含む事業化プロセスの定着と改善を図るとともに、オープンイノベーション推進体制を構築し、スタートアップやパートナー企業など他社との連携を強化することで、新事業の創出に向けた取り組みのスピードをさらに加速します。

2.組織風土の改革

2030年度の長期ビジョン(ありたい姿)に必要な組織風土を実現するため、人事制度の整備や働き方改革を推進し、従業員のチャレンジ精神の醸成とエンゲージメントの向上を図ります。

(当期の進捗状況)

 従業員のチャレンジ精神の醸成とエンゲージメントの向上を目的とした新人事制度に改定し、2024年4月に導入しました。新たな人事制度では、①挑戦を促す組織風土の醸成、②貢献に対して報いる仕組みの整備、③多様な人材の活躍推進を3本柱として掲げ、その実現のため、より高度な挑戦を促す評価制度への改定、優秀な人材の早期登用、定年年齢の60歳から65歳への引き上げを実施します。また、エンゲージメントサーベイを実施し、課題設定と施策立案への活用を開始しました。今後は、チャレンジ精神の醸成に向けて新人事制度を定着させるとともに、引き続き、働き方改革の推進などエンゲージメントの向上を図ります。

3.サステナビリティ経営体制の整備

 持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決のため、サステナビリティ経営体制を整備し、カーボンニュートラルの実現、気候変動等のリスクへの対応等のサステナビリティに向けた取組みを進めます。

(当期の進捗状況)

 2023年4月にサステナビリティ統括委員会を設置し、マテリアリティに対する取り組みを含む推進体制をスタートさせました。5月には2050年のカーボンニュートラル実現に向けてGXリーグ*に参画し、10月にはノリタケグループ人権方針を制定・開示して、人権尊重への取り組みを本格化させています。また、2024年4月にリスクマネジメント委員会を新たに設置しました。当社グループにとって重要度の高いリスクを特定し、具体的な対応策の策定を進めます。引き続き、マテリアリティに対して設定した目標を達成するための取り組みを進めるとともに、マテリアリティの見直しと新たな中長期的目標の設定を行います。また、当社グループでは、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めるため、中長期的なCO2排出量削減計画を策定しています。第12次中期3カ年環境行動計画(2022年度~2024年度)では、2024年までに基準年(2018年)の25%以上の削減を目標としており、設備の省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用などを進めています。

*GXリーグ:経済産業省が主導する、2050年のカーボンニュートラル実現に向けてGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む企業が、同様の取り組みを行う企業群や政府、大学、学術機関と協働して、経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場。

4.DXの推進

 生産性や技術力の向上、顧客対応力の高度化を実現するため、DX推進体制を整備し、デジタル技術を活用したプロセス改革を推進します。

(当期の進捗状況)

 デジタル技術を活用した業務プロセス改革を推進する基盤を強化するため、工程の可視化やデータを活用した工程改善の取り組みを進めています。また、中核人材となる「DX推進リーダー」の育成プログラムをスタートさせました。今後は、長期ビジョン(ありたい姿)の実現に向けた課題解決のためのDX推進体制を整備するとともに、デジタル技術を活用した業務プロセス改革とDX人材の育成に引き続き取り組みます。

(2)経営数値目標

 第12次計画よりキャッシュフロー創出力を管理する指標として、FCF(フリーキャッシュフロー)を採用します。2024年度に売上高1,470億円、連結営業利益130億円、連結営業利益率9%、自己資本利益率9%、FCF200億円(3年間累計)を目指します。また、創出したFCFは、主に成長投資に充当します。

 セグメントごとに取り組むべき課題と対策は以下のとおりであります。

(工業機材)

「既存事業の収益改善と成長分野進出に向けた基盤整備」

 事業をオーダーメイド品と汎用品に再編することで、効率的な事業体制の構築を進めています。オーダーメイド品事業では、成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)向け製品の増産体制の確立を進めており、パワー半導体ウエハー用工具である「砥粒内包型研磨工具(LHAパッド)」の販売拡大に合わせた量産ラインの構築と、注射針用砥石の生産能力の増強を開始しました。さらに、徹底した収支改善、販売拠点の整備などにより、収益基盤を強化します。また、半導体、自動車の電動化などの成長領域における新技術・新商品の開発を進めます。汎用品事業では、研磨布紙において、タイ国関連会社の100%子会社化による経営権の取得により、製造・販売体制の再編を行い、収益力を改善・強化します。また、成長領域への進出に向けた製造・開発・営業体制を構築し、経営資源の最適化を図ります。

(セラミック・マテリアル)

「事業基盤の強化」

 電子ペーストは、エレクトロニクス分野において、製品ラインナップの拡張と新商品の開発を進めています。電子部品材料は、積層セラミックコンデンサ用材料の生産能力の増強と物流倉庫の整備を行いました。さらなる事業の拡大のため、引き続き、生産能力の増強と成長領域における新商品の開発を進めます。また、原材料費や物流費の上昇に応じた適正な価格改定を進め、収益性の向上を図ります。引き続き、事業の選択と集中、新商品・新事業の創出により、事業ポートフォリオの再構築を進めます。

(エンジニアリング)

「事業規模の拡大と新分野の開拓」

 エネルギー、エレクトロニクス分野では、拡販とアフターサービス体制の強化、新商品の投入によりシェアの拡大を図りました。製造体制の強化として、リチウムイオン電池用連続焼成炉の受注増加に対応するため、組立工場の増設に着手しました。自動車分野では、電動化に伴う新用途・新商品の開発を進めます。新しい分野(医療・医薬、半導体、新素材)への参入と市場開拓を目的に、テストセンターの拡充に着手しました。環境分野では、新用途・新商品の開発を強化します。また、超硬丸鋸切断機に係る事業とロードカッターに係る事業を統合し、営業体制を整備することで、インフラ市場での拡販を進めています。

(食器)

「黒字化の達成」

 国内は、流通販路の再整備による経費削減とホテル・レストラン向けの拡販を進めました。今後は、営業体制を見直してマーケティングを強化するとともに、ホテル・レストラン向け、オンライン及び直営店の販売に注力します。海外は、成長市場であるインド、中国、東南アジアなどの主要国での拡販を進めました。引き続き、主要国での拡販と米国の収支改善に取り組みます。

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