ニッコンホールディングス 【東証プライム:9072】「陸運業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社グループは、持続可能な社会の実現を最優先課題ととらえ、気候変動により生じる地球環境問題をはじめとした様々な社会問題に対し、ガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
① 気候変動への取組
当社グループは、組織的対応を強化するため、ESG活動を取締役が直接監督し、迅速な方針策定や指示を行う体制を整え、実効性の高い活動を推進するだけでなく、幅広いステークホルダーとの協働、積極的な情報開示と透明性の向上に努めています。
② 取締役会による監督体制
社外取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を取締役会の諮問機関として設置し、定期的に気候関連問題を含めたサステナビリティに係る事項について報告するとともに、重要度の高いテーマについて取締役が出席する会議において多面的な議論を行い、取締役会から指示を受け、迅速な方針策定及びより実効性の高い活動を長期的な企業価値向上に向けて取り組んでおります。
また、実行部隊であるESG推進室は、各部署及びグループ企業と連携し、ESGに関わる全社グループ戦略の立案を担い、気候変動対策を含むサステナビリティ戦略を検討・起案し、サステナビリティ委員会に提言し、また、企業活動を通じて実践すべきテーマや重要課題を特定し、気候変動対策や人権対応などの改善に向けた具体的な取組を推進しております。
(2) 戦略
当社グループは、気候変動により生じるリスクと機会について特定し、リスクの軽減、機会の獲得に向けた対応策を検討してまいります。
区分 | 種類 | 想定される リスク・機会 | 事業への影響 | 主な取組 |
移行 リスク | 政策・ 法規制 | 排ガス規制 | 環境対応車の導入によるコストの増加 | 適正料金の収受 |
技術 | 技術開発の遅延 | 自動車メーカーにおける大型トラックの低炭素車両の開発の遅延による導入の遅れ | 自動車メーカーの開発状況の情報収集 | |
市場 | 顧客ニーズ の変化 | CO2の排出削減の対応遅れによるシェアの減少 | 中長期の低炭素計画の策定、推進 | |
評判 | 資金調達及び 株価への影響 | CO2の排出削減への取組みが不十分と評価されることによる金融機関からの資金調達の困難及び投資家離れによる株価の下落 | 情報開示の充実 | |
物理 リスク | 急性 | 自然災害の発生 | 自然災害の発生による道路の寸断や倉庫の浸水等による物流サービスの停止 | ハザードマップ等に基づいたBCP対策の推進 |
慢性 | 気温の上昇 | 平均気温の上昇による労働環境の悪化 | 労働環境の整備 | |
機会 | 資源 効率化 | 輸送効率の改善及びCO2排出量削減 | エネルギーコスト等の減少 | ダブル連結トラックを活用した幹線輸送の推進 |
製品・ サービス | サービスの開発 | CO2排出量削減となる輸送サービスの開発による新たな事業機会の創出 | モーダルシフト、共同配送、輸送冶具の提案の推進 |
当社グループでは、2023年4月1日から開始する3か年計画である『第13次中期経営計画』において、「事業活動を通じ、人々が幸せを実感する豊かな社会の実現と持続的な発展に貢献する」を経営方針に掲げ、地球環境問題をはじめとした様々な社会課題に対し、リスクの軽減、機会の獲得を行い、ESG経営による企業価値向上に向け積極的に取り組んでまいります。
また、当社グループにおける多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は『次世代物流の構築』を軸として取り組みを進めております。
2022年12月に社長直轄の「HR(Human Resource)統括部」を発足し、当社グループ全体の人的資本経営に取り組む体制を整えました。
物流業界は2024年問題をひかえ、今まさに既存の物流から新たな物流への変革の時期にきており、この変革に遅れることなく対応することが必要であり、その中でも高度物流人材の投入は必須であります。
こうした背景から、当社グループにおける多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を以下のとおり定めております。
1.安全最優先
物流は、生活の根源である衣食住すべてを支える欠くことのできない機能であり、サステナブルなサービスを安定的に提供することが我々の使命です。その社会的使命において、物流サービスの根幹となる『安全』に関する事項は最も重要なテーマであり、全グループ会社において最優先で取り組んでおります。
2.次世代物流の構築
当社は、若い世代へ物流の重要性を伝えていく次世代物流の発展にも注力しております。2021年から一橋大学『物流経営論』寄付講座を開講し、講義や事業所見学を通じて物流業界の発展と今後の物流を担う次世代人材の育成に貢献しております。また、最新の物流を研究すべく外部物流研究機関への出向を行っております。
3.従業員の持続的成長への取組強化
当社グループでは、誰もが仕事と個々のライフイベントを両立するための制度を利用でき、平等に教育・研修・評価を受け能力を伸ばしていく成長支援の施策・環境づくりに取り組んでおります。性別・国籍を問わず多様な人材を受け入れるとともに、様々な国の認証制度を取得推進し環境を整え、具体的に、かつ中長期的な視点で持続可能な人材構築体制を計画してまいります。
当社では以下の5項目を重点課題として捉えており、それぞれに対する具体的取組は下記項目に記載のとおりであります。
① 次世代物流の構築
・高度物流人材とグローバル人材の積極的な採用
・新サービスの開発を行うための研究開発部門の新設
・物流業界の発展と今後の物流を担う次世代人材の育成に貢献することを目的とした一橋大学での寄付講座開講
・新技術開発への参画や導入を行うための研究機関や大学との連携
② 次世代人材育成と後継者計画
・経営者育成及び幹部養成を目的としたニッコン経営スクールの実施
・若手社員が海外グループ会社での実務研修を行う海外トレーニー制度の実施
・女性活躍推進に向けた採用活動、継続就業に繋がる働き方改革や多様なキャリアコースの整備
③ 多様な人材の雇用促進
・海外事業会社から国内事業会社へのトレーニー制度の実施
・外国人技能実習生の受け入れ推進
・障がい者の受け入れ推進
④ 優秀な人材確保に向けた環境整備
・ホワイトカラーエグゼンプション制度導入の推進
・働きやすい職場認証制度、健康経営優良法人認証制度、えるぼし認定、ホワイト物流推進等の国の認証制度の取得促進
⑤ 人的資本の拡充
・人材基盤の確立を行うため国内外のグループ会社において教育・育成体制の充実
・従業員エンゲージメントの向上を図るため、タレントマネジメントとスキルアッププランの見える化
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティ委員会を設置し、将来の気候変動リスクへの対応に取り組んでおり、重要なリスクについては、取締役会に報告し、グループ企業全体に周知し対応する体制としております。
① 気候関連のリスクを特定・評価するプロセス
サステナビリティ委員会は、実行部隊であるESG推進室に対し、気候関連リスク及び機会を特定、評価を指示し報告を受けます。ESG推進室は、主要子会社8社と構成するESGワーキンググループにてディスカッションを重ね、社会課題のリストアップを行い、当社グループの事業活動との関連及びステークホルダーからの期待の把握、優先順位づけを実施することで、気候関連リスク及び機会を特定、評価の実施を行います。
② 気候関連のリスクを管理するプロセス
ESG推進室は、気候変動リスクを含めたESGに関わる全社グループ戦略の立案を担い、当社グループの気候変動に係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会は、原則として四半期に1回を目途に定期的に開催するほか、必要に応じて臨時に開催することとしており、取締役会への報告及び提案を行うとともに各部門への指導を行っています。
(4)指標及び目標
当社グループは、カーボンニュートラルの達成を目指し、温室効果ガス(Scope1・Scope2)排出量に関する削減目標を設定しました。使用エネルギー量の削減を行うとともに、今後はクリーンエネルギーへの切替えなどによる対応を進めていくことで目標達成に向けて取り組んでいきます。
《CO2排出量(Scope1+2)》
| 2023年3月期 | 2026年3月期 |
| 2030年度 | 2050年度 |
CO2排出量削減目標 | - | ▲3% |
| ▲30% | ▲100% |
CO2排出量(t) | 160,000 | 155,200 |
| 112,000 | 0 |
また、人的資本に関する指標及び目標は以下のとおりです。
《女性従業員比率》
| 2023年3月期 | 2026年3月期 |
従業員全体に占める女性の割合 | 24% | 30% |
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