ニッカトー 【東証スタンダード:5367】「ガラス・土石製品」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1) セラミックス分野に依存していることについて
当社は、事業の73.5%がセラミックス製品の製造販売であり、かつセラミックスを一部に使用した複合品ではなく、セラミックス100%で形成される製品であります。
したがいまして、現状はセラミックス事業においては、100%セラミックス分野に依存しており、セラミックスに代替される新素材が登場すれば、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2) 電子部品業界向けの売上構成比率が高いことについて
セラミックス事業、エンジニアリング事業それぞれのIT(情報技術)分野関連の電子部品向けの売上構成比率については、昨今のITの発達に伴い上昇傾向にあり、2024年3月期決算においてセラミックス事業で54.2%、エンジニアリング事業で23.1%と高くなっております。したがいまして、電子部品業界の景気動向が悪化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) セラミックコンデンサー製造方法の変更について
セラミックスコンデンサー(MLCC)製造工程の中で、原料の粉砕用としてジルコニアの微小球が使用されておりますが、粉砕工程でジルコニア微小球に代わる粉砕方法が考案され実施された場合には、ジルコニア微小球は使用されなくなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定仕入先への依存度が高いことについて
当社は、セラミックス事業において原料仕入金額のうち69.4%を東ソー株式会社から仕入れております。これは、原料仕入金額のうち原料単価の高いジルコニアが71.3%を占めますが、ジルコニア仕入の97.3%を同社から仕入れているためであります。
仕入依存度が高い要因としては、同社の原料の安定性が優れていることや主力製品でありますYTZボールの欧米向けの販売については全面的に同社に依頼をしていること等があげられます。同社とは良好な取引関係が継続しておりますが、何らかの理由により同社から原材料仕入ができなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ジルコニアより高品質で安い原料の出現について
現在はジルコニアが耐摩耗セラミックスとして、原料の粉砕・分散用に最も高い評価を得ておりますが、ジルコニアに代わる高品質で安い原料が出現し、かつ当社にその原料が入手できない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) ジルコニア原料の値上げリスクについて
現状ジルコニアの仕入価格は、概ね安定的に推移しておりますが、将来ジルコニア製品需要の拡大や原料供給量の減少により仕入価格が大幅に値上がりした場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害、インフラ障害によるリスク
当社は、大阪府下に2工場を有しており、不慮の自然災害、インフラ障害についてBCP(事業継続計画)により備えておりますが、想定を超えた大規模な地震や津波、台風や洪水等自然災害による大きな被害を受ける可能性があります。それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、インフラの損壊・途絶もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響
2020年に世界中に拡大した新型コロナウイルス感染症を始めとした感染症等の長期に渡って蔓延することによる集団感染の発生や都市封鎖等に伴い、事業活動への制約や影響を受けます。当社は従業員の安全と健康を第一に考え、感染防止対策を徹底するとともに、働き方改革やコロナ収束後の事業活動の在り方等について検討し改善してまいりました。しかしながら感染症の収束時期やその影響等によっては事業活動に一定の制約や影響を受ける可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権におけるリスク
当社は、事業収益に資する知的財産権を重要な経営資源の一つと位置付けており、知的財産権の保護、それに絡む紛争の回避は重要な経営課題としております。
しかしながら、特定の地域や、その地域固有の事由によって当社の知的財産権が完全に保護されない場合があり、当社の知的財産権が第三者により無効とされる可能性やそのノウハウが漏洩する等、当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティにおけるリスク
当社は、事業活動の中で、入手した顧客及び取引先の機密情報や個人情報及び当社内の機密情報や個人情報を有しております。これらの情報は、外部への流出や破壊・改ざん等が発生しないように、管理体制を構築しております。また、情報の大半が電子データとして蓄積しており、その電子データへの不正アクセスや不正使用に対処するため、情報セキュリティ統括責任者を定め、社内情報システムへの外部からの侵入防止策、データの暗号化等を講じるとともに、従業員への啓蒙活動を実施しております。
しかしながら、想定した防御レベルを超える技術による不正アクセスや内部的過失や盗難等により、これらの情報が流出、破壊もしくは改ざん及び情報システムの停止等が起きる可能性があります。
このような事態が生じた場合には、信用低下や被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、または業務の停止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 人材育成と採用に関するリスク
当社は、顧客の技術の高度化や技術革新が加速する中、その多様な技術に対応するため優れた専門性を有した人材の必要性がますます高まっております。その人材を獲得するために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しております。また、目標管理制度に基づき公平・公正な評価、処遇制度の充実などの仕組みづくりにも注力し、従業員のエンゲージメントを高め、人材の定着にも努めております。しかしながら、これからの少子高齢化やそれに伴う労働人口の減少等、その優秀な人材採用の競争は厳しく、雇用環境の変化等により当社が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12) コンプライアンスに関するリスク
当社は、国内や諸外国・地域において、法規制や政府の許認可など、様々の公的規制の適用を受けて事業を展開しております。当社は、役職員が規範に基づきコンプライアンスに即した行動をするための体制や仕組みづくりを構築するとともに、企業倫理規範を定め、誠実で公正で透明な企業風土の醸成にも努めております。
しかしながら、このような施策や教育を講じても関連する規制に抵触したり、役職員による不正行為は完全に回避できない可能性があります。このような事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の棄損、社会的信用の失墜等により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(13) 環境規制に関するリスク
当社は、地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、製品等に含有する化学物質などに関する様々な環境法令の規制を受けております。当社は、これら法令を遵守し、事業活動を進めておりますが今後一層の規制強化に伴う、その対策費用の増加など予想されます。また、現在地球温暖化対策としての温室効果ガスの削減の取組強化が進められています。当社もこの取組は今後大きな経営のテーマとして、様々な影響を検討し、その対策に取組んでまいります。
しかしながら、その環境規制の適応が極めて厳しく困難な場合、想定を超える費用の発生や事業の部分撤退、社会的信用が損なわれる可能性も想定され、業績への重大な影響を及ぼす可能性があります。
(14)地政学的リスク
近時、地政学的な問題として、ウクライナ情勢や中東情勢、台湾を巡る緊張の高まり、米中の対立関係等々の要因により、エネルギー関連や原材料費の高騰などの影響により業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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