ナック 【東証プライム:9788】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、企業理念とNAC WAYのもと、暮らしのお役立ち企業として、社会・環境の変化を事業成長の機会と捉え、ステークホルダーの皆様と共に、持続可能な社会の実現および更なる事業成長を目指してまいります。
また、脱炭素社会の実現を重要課題のひとつとして捉えており、2021年9月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同も表明しております。さらに、TCFD提言に賛同する企業や金融機関が一体となって取り組みを推進するTCFDコンソーシアムにも加盟しており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行っております。
(1)ガバナンス
当社では、気候変動が事業活動へ与える影響は重要なものであると捉え、年2回以上、取締役会が気候変動によるリスクと機会の実態を把握・監視できる体制を構築し、気候変動に関するガバナンスの強化を進めています。
サステナビリティ推進PJでリスク、機会の評価、戦略、計画、予算の見直しと指導、設定した目標に対する進捗状況をモニタリングし、その結果を取締役会にて報告・審議します。取締役会では、気候変動に関するリスク・機会を経営上の重要な事項とし、取締役会議長でもある代表取締役社長が気候関連問題の責任者となり、意思決定および業務執行の監督を行っております。
ナックグループでは、サステナビリティ課題に対応する役割をサステナビリティ推進PJが担い、ビジネスサポート本部長を兼任する管掌役員のもと、各種サステナビリティ対応を推進しております。
(2)戦略
当社グループでは社会課題・環境課題を経営上のサステナビリティ課題と認識した上で、気候変動シナリオの分析を行い、気候変動に関するリスクと機会による影響を把握し、サステナブルな社会の実現に向け取り組みを行っていきます。
リスク
| 世の中の変化 | ナックグループの リスク | 影響事業部 | 影響内容 | 影響項目 |
移行リスク | GHG排出規制 | 化石燃料の高騰 | 全社 | ・ガソリン車から低公害車への移行に関する 導入費用 ※ガソリン車:約1,300台 | 費用増加 |
再エネ利用への移行 | クリクラ | ・クリクラプラントにおけるGHG低排出の 設備への入替費用 | 費用増加 | ||
炭素税の引き上げ | 全社 | ・CO2排出に伴う課税による税負担の増加 ※炭素税:10,000円/t-CO2換算 | 費用増加 | ||
物理的リスク | 台風・豪雨 などによる水害 | 営業・製造拠点の停止 | クリクラ | ・製造機能の停止 ・営業拠点の機能停止による売上高減少 ・被害拠点の復旧費用 ※ハザードマップ参照(国土交通省) ※該当プラント:4プラント/10プラント 該当拠点:12拠点/28拠点 | 売上高減少 費用増加 |
レンタル | ・営業拠点の機能停止による売上高減少 ・被害拠点の復旧費用 ※ハザードマップ参照(国土交通省) ※該当拠点:27拠点/61拠点 | 売上高減少 費用増加 | |||
平均気温の上昇 | 設備投資 | 全社 | ・空調設備増設に伴う設備投資費用の増加 | 費用増加 | |
配送業務の効率低下 | クリクラ レンタル | ・配送員増員による人件費増加 | 費用増加 | ||
海面上昇 | 沿岸地域の 拠点移転 | 全社 | ・沿岸地域の営業拠点およびプラントの移転 費用 | 費用増加 | |
良質な水資源不足 | 原水確保のコスト増 | クリクラ | ・水道料金高騰による原水確保費用の増加 ※2040年1.36倍(2015年比) ※参照:新日本有限責任監査法人 | 費用増加 |
機会
側面 | 事業部 | 世の中の変化 | 機会の内容 | 影響項目 |
資源の効率化 | コンサル | 研修・セミナーオンライン化の更なる進展 | ・潜在顧客へのアプローチの実現 ・諸経費(印刷費/デザイン費)の削減 | 売上高増加 費用減少 |
エネルギー源 | 全社 | 低公害車(EV車など)普及 | ・車両維持に関するトータルコストの削減 | 費用減少 |
製品/サービス | クリクラ | 省資源・低排出技術の開発 | ・環境負荷の少ないプラント設備を加盟店 向けに販売 | 売上高増加 |
クリクラ | 飲料水需要の高まり | ・繁忙期の伸長による売上高増加 | 売上高増加 | |
レンタル | 害虫駆除機の需要の高まり | ・出店エリア拡大による売上高増加 | 売上高増加 | |
市場 | クリクラ | 防災意識の高まり | ・ローリングストック啓蒙による消費促進 | 売上高増加 |
全社 | 環境を意識した消費行動 | ・リユース商品の需要増加による顧客増 ・リターナブルボトルの優位性による顧客増 ・プレミアムサービス会員へのサービス拡充 による解約率の低減 | 売上高増加 |
気候変動による世界的な平均気温の上昇について、ナックグループでは2.0℃上昇した場合、4.0℃上昇した場合、それぞれのシナリオを採用し、検討を行っております。
シナリオ郡の定義
想定期間 | 2030年~2050年 |
シナリオ定義 | 2.0℃シナリオ (IPCC RCP2.6) 4.0℃シナリオ (IPCC RCP8.5) |
| 2.0℃上昇の世界 | 4.0℃上昇の世界 |
政策・規制 | 炭素税の引き上げ GHG排出制限 | 特段の政策や規制はなし |
調達 | グリーンエネルギー普及による電力価格上昇 原材料費の高騰 | サプライチェーンにおける洪水被害の増加 |
配送 | 低公害車への移行 | 原油価格上昇により、電力等コストの上昇 |
商品・サービス | サステナブル商品の需要増加 | 飲料水、防災関連商品の需要の高まり |
(3)リスク管理
ナックグループでは、リスクおよび機会の特定やシナリオ分析を通して、サプライチェーン全体を含むグループの事業領域が気候変動によって受ける影響の把握・評価を進めております。
サステナビリティ推進PJを中心に、各事業部へのヒアリングをもとに気候変動によるリスクと機会の抽出から識別・評価まで行っており、年に1回以上、見直しのプロセスを設けております。
その中で、重要な影響を与えると評価されたリスクと機会に対し、サステナビリティ推進PJを中心に各事業部と具体的な対応策について検討、対応方針を策定の上、年2回以上は取締役会へ報告を行い、その内容を含む気候関連問題への対応全般に関して監督を受ける体制を構築しております。
気候関連リスクにおいては、サステナビリティ推進PJからの報告に基づき、取締役会にて決定を行うものとしております。
(4)指標及び目標
ナックグループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価するための目標として、下記取り組みを検討しております。
・低公害車の導入
・再生可能エネルギー由来の電力への切り替え
・太陽光パネル設置拠点での売電から自家消費への切り替え
・クリクラ製造工程におけるガス使用量削減の検討
・他、技術革新の成果をいち早く取り入れるための情報収集、提携の検討等
ナックグループでは、GHG排出量に関して、日本政府目標に準じ、2050年までのカーボンニュートラルを目指します。
Scope1+Scope2
| 2022年度 実績 | 2030年度 目標 | 2050年度 目標 |
Scope1+Scope2 | 8,782 t-CO2 | 7,010 t-CO2 (2021年度比25%減) | 0 t-CO2 (2021年度比100%減) |
Scope3
Scope3におけるGHG排出量削減施策につきましては、現在、影響の大きいカテゴリ別に検討を進めております。
カテゴリ | カテゴリ名 | GHG排出量(t-CO2) |
カテゴリ1 | 購入した製品・サービス | 76,906 |
カテゴリ2 | 資本財 | 150 |
カテゴリ3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 | 503 |
カテゴリ4 | 輸送、配送(上流) | 105,384 |
カテゴリ5 | 事業から出る廃棄物 | 1,104 |
カテゴリ6 | 出張 | 65 |
カテゴリ7 | 雇用者の通勤 | 503 |
カテゴリ8 | リース資産(上流) | 算定除外 |
カテゴリ9 | 輸送、配送(下流) | 1,721 |
カテゴリ10 | 販売した製品の加工 | 算定除外 |
カテゴリ11 | 販売した製品の使用 | 算定除外 |
カテゴリ12 | 販売した製品の廃棄 | 34 |
カテゴリ13 | リース資産(下流) | 2,199 |
カテゴリ14 | フランチャイズ | 2,789 |
カテゴリ15 | 投資 | 算定除外 |
※Scope3排出量の算定方法
産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)(2015年)や産業技術総合研究所のIDEAv2.3、環境省のサプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.1等を参照しました。今後、参照先及び算定条件変更に伴い、GHG排出量が増減する可能性があります。
≪人的資本に関する方針及び目標について≫
① 基本的な考え方
ナックグループ企業理念実現のため、「暮らし」と「住まい」を軸とした事業を展開し、生活に寄り添った幅広い商品・サービスを提供しています。お客様からの信頼を得られるよう、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、成長意欲をもって挑戦し続けることが必要だと認識しています。この考えのもと、ナックグループでは以下の通り人材育成方針および社内環境整備を定め、推進していきます。
② 人材育成方針
ナックグループは、「暮らしのお役立ち企業」を実現するため、顧客に対して価値を提供し、信頼を直に得られるような人材の育成を追求し、実行していきます。
<具体的な取り組み>
・研修制度
研修制度等を通じ、ナックグループの将来を担う人材育成に努めていきます。従来の集合研修をはじめ、コロナ禍で新たに導入したオンライン研修やeラーニング研修により、役職やキャリアに応じた研修などを通じて、社員のスキル向上やコミュニケーションの醸成に努めていきます。
・サテライト制度
ナックでは、新入社員2~4人と先輩社員1人で「サテライト」という班を組んで営業研修を行います。現場でのOJT研修を中心に行うことで若手社員の早期育成を図ります。
・社内公募
社内公募制度を年間2回開催し、キャリアチェンジやスキルアップを望む従業員のキャリア開発支援を実施してます。
・DX人材の育成
DX人材の育成を目的に、2018年から若手社員を中心に「デジタルイノベーションプロジェクト」を開始しました。2022年からは階層に応じ「DX研修」を導入し、デジタルコア人材の育成を図っています。
③ 社内環境整備
ナックグループは、意欲ある人材の可能性を最大化させるため、多様なサポート制度を整備していきます。
<具体的な取り組み>
・女性活躍推進
女性従業員が安心して長く働ける環境を作ると共に、自身の強みを活かして活躍できる組織作りを行っていきます。また、多様な価値観や新たな視点・発想を取り入れるべく2026年度までに正社員に占める女性正社員比率を30%まで引き上げ、女性が活躍できる環境づくりを進めていきます。
項目 | 2022年度実績 | 2026年度目標 |
女性正社員比率(%) | 17.9 | 30.0 |
女性管理職率(%) | 4.9 | 10.0 |
育児短時間勤務利用率(%) | 100 | 100 |
20代正社員の平均継続勤続年数 | 男性:2年3ヶ月 | 男女共に勤務年数を |
| 女性:2年4ヶ月 | 5年にする |
・中途採用者の活躍
多様な考え方、価値観を事業に取り入れると共に、組織の活性化を目的に中途採用も積極的に活用していきます。
・障がい者雇用
障がい者雇用について社会的責任と捉え、計画的な採用活動に取り組んでおります。
・人権尊重
不正な行為(法令違反・パワハラ・セクハラ等)を防止するため、eラーニングによる研修やコンプライアンス委員会を開催しています。また、外部の法律相談事務所とも連携し相談窓口(ナックホットライン)を設置し、相談しやすい環境構築を目指しております。
・多様な働き方
従業員が働きがいのある職場を目指し、労務管理の改善強化を図ります。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度導入をはじめ、男性の育児休業取得促進、仕事と育児・介護の両立支援など、働きやすい職場環境づくりに努めていきます。
・エンゲージメント向上
従業員がつねに高いモチベーションを維持できるようエンゲージメントサーベイを実施し、従業員の本音を聞き取り組織力アップや職場の改善につなげる活動を推進していきます。
2023年度よりナック単体で実施、ナックグループ全体でも順次実施し、より良い労働環境の改善に繋げていきます。
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