企業ドラフト東証グロース:5070】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営方針

 当社グループは、「ALL HAPPY BY DESIGN」を経営理念としております。「ALL HAPPY BY DESIGN」は、デザインの力で世界にHAPPYの循環を作り出し、これによって社会に貢献することを意図しております。

 当社グループは、ディスプレイ、インテリア、建築、プロダクトから企業ブランディングの領域まで、デザインを軸に分野横断的に事業を展開しており、オフィス・商業施設・都市全体等のデザインを通じて、企業や社会の課題解決に取り組んでおります。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、2024年2月13日に開示いたしました「中期経営計画(2024年12月期-2026年12月期)において、売上高及び売上高営業利益率を経営における重要な指標と定めました。同中期経営計画において2026年12月期の目標値を次のとおりとしております。

 売上高      145億円

 売上高営業利益率   9%

 また、併せて企業価値を表す時価総額についても2026年12月期の目標値を設定いたしました。

 時価総額     150億円

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、オフィス空間のデザインから事業をスタートし、デザインを基軸に事業領域を拡大してまいりました。現在、デザインの対象領域は商業施設等におけるディスプレイデザイン、建物全体のコンセプト開発や環境設計、都市計画における建築デザインと多様化しており、また、受注する案件も大型化が進んでおります。

 このような中、当社グループは、以前よりプロジェクト(実施業務)をレギュラープロジェクト、プロポーザルプロジェクト、リーディングプロジェクトの3つに分類し、これらの相互作用による収益化と価値創造の両立を実践してまいりましたが、引き続きこれを基本方針といたします。

 レギュラープロジェクトはクライアントからの依頼により獲得する受注型プロジェクトで、高い評価を得ているディスプレイデザイン、オフィスデザイン等、当社グループの業績の基盤を形成しております。リーディングプロジェクトは大規模な建築コンペティションや設計競技を通して挑戦するプロジェクトで、新たなデザイン領域を開拓し、当社グループの設計技術及びブランド価値を向上させる取り組みです。プロポーザルプロジェクトは、レギュラープロジェクトとリーディングプロジェクトの中間に位置し、当社グループが自ら企画・提案し、場合によっては先行投資を行うプロジェクトで、受注型とは異なる収益モデルを実現いたします。例えば、リーディングプロジェクトによる先鋭的デザインがプロポーザルプロジェクトとして事業化され、さらにはレギュラープロジェクトとして収益基盤を支える事業となる、といった循環を継続してまいります。


 このような成長を支えるため、「(4)経営環境及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載した事項の他、「山下泰樹建築デザイン研究所」の積極的な活動による新しいデザインの実現とそれを起点とした事業の拡大を進めてまいります。新しいデザインによる価値創造の創出は、プロジェクト獲得の原動力となるだけでなく、ブランド価値の向上につながることとなります。

 また、当社グループでクリエーションと呼称する実験的な企画提案を加速してまいります。クリエーションの1つの事例が横浜市臨港地区の活性化のために当社グループが提案した「臨港パークプロジェクト(仮称)」であり、先進的な木造複合施設の建設やエリアマネジメントの受託を通じて、新しい地域活性化モデルをデザインしてまいります。

<「リーディングプロジェクト」の事例>


(4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき課題

 当社グループはデザインを事業の中心としております。デザインの対象は、都市・商業施設・オフィスといった空間が主ではありますが、クライアントの要望に応じて企業ブランドの構築といったブランドデザインも行っております。また、オリジナル家具のデザイン・企画・製造・販売、オリジナルインテリアブランドの展開といったプロダクトデザインも事業領域に含まれますし、空間の付加価値を高める当社グループの事業はディスプレイ業の要素をも含んでおります。このような企業は他に例がないため、直接的な競合会社は存在しないと考えておりますが、業務領域ごとの競合は存在します。

 例えば、大型商業施設の空間デザインであれば、有名設計事務所や総合ディスプレイ企業が競合となります。また、オフィス空間のデザインであれば、オフィスデザイン専業企業や大手オフィス家具メーカーが競合となります。都市計画(エリアデザイン)の場合は、大手不動産会社やそのグループ会社が競合となる場合があります。


 また、当社グループでは広告宣伝やコンサルティングを含むデザイン関連(プロフェッショナルサービス)市場及びディスプレイ市場を需要動向の指標としております。世界におけるデザイン関連市場は、2028年には5.9兆ドル(約839兆円)まで成長すると見込まれており、同市場の約30%強を占める建築デザイン・技術コンサル分野は、2028年には262兆円まで拡大すると予想されています(注1)。一方、ディスプレイ業の国内における市場規模は、コロナ禍からの経済回復に伴い、2023年度は2021年度から約11%増加の1兆4,100億円と予測されており、更に2025年度には2023年度との比較で約10%の拡大が見込まれる(注2)など、新しい空間デザインを常に創出し続けてきた当社グループにとっては事業を伸展させる好機だと捉えております。これらの状況を踏まえ、次の3点を対処すべき課題と認識し、対応を進めてまいります。

① 優秀な人材の確保及び育成

 当社グループの事業の根幹は新しい価値の創出であり、これを実現する人材の確保及び育成は、今後の事業拡大において必要不可欠な要素と考えております。また、事業領域の拡張においては、これまでとは異なるスキルを有した人材の確保も必要となります。

 人材の確保及び育成には中長期的な視点での人材施策の立案と実現が必要であり、オフィス環境の整備、柔軟な勤務体制、生活者としての従業員のサポート体制の構築等様々な施策を通じて、人的資本の充実を目指してまいります。

② 業務実施体制の高度化

 当社グループの事業は領域・規模ともに拡大しており、持続的な成長のためには、組織体制の更新やITをはじめとした業務インフラの整備等への継続的な取り組みが必要となります。

 当社グループでは、山下泰樹建築デザイン研究所の設置によりデザイン業務実施体制の高度化を推進するとともに、既に先端的機能を有する3Dデザイン領域での機能拡充(海外専門子会社の設立等)を進めてきましたが、環境の変化に対応した業務実施体制の高度化に今後も取り組んでまいります。

③ 内部管理体制の拡充及びコンプライアンスの徹底

 当社グループは、社会的責任を果たしつつ、持続的な成長とこれによる企業価値向上の実現を目指しております。

 当社グループの成長には、成長ステージに見合った管理機能とコンプライアンスの精神が深く浸透した企業風土の醸成が必須であると考えており、これまで管理部門の充実やITインフラの整備等を継続的に実施してまいりました。2024年12月期からは、リスク管理を担当する代表取締役を新たに選定し、内部管理体制の充実とコンプライアンスの一層の徹底を推進してまいります。

(注)1.出典:Business Research Company「Specialized Design Services Global Market Report 2024」

2.出典:株式会社矢野経済研究所「ディスプレイ業の市場展望と事業戦略2023年版」

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