トピー工業 【東証プライム:7231】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「トピー工業グループは、事業の存続と発展を通じて、広く社会の公器としての責務を果たし、持続可能な循環社会の実現に貢献する。」をグループ基本理念としております。すなわち、当社グループは、顧客の満足を得られる品質とコストを追求した商品を提供することで、社会の発展に寄与し、また、適時・適切な情報開示、地域社会への貢献、地球環境問題への積極的な取り組み等を通じて、企業として社会的責任を果たしていくことにより、持続的な成長を目指し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を一層高めていくことを使命としております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
①経営環境及び対処すべき課題等
今後の世界経済は、持ち直しが続くことが期待されるものの、世界的な金融引き締めや中国の景気減速、物価上昇等による下振れリスクや中東地域をめぐる情勢により、先行き不透明な状況が続くと予想されます。また、当社グループを取り巻く事業環境は、鉄スクラップやエネルギー等の価格推移、海外自動車生産の動向、海外油圧ショベル需要の更なる減少、労務費・物流コストの上昇等により厳しい状況となることが想定されます。
このような環境下、当社グループは、2022年度から2025年度を実行期間とする中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2025」を実行しております。資本コストや株価を意識した経営の実現についての社会的要求が高まる中、事業ポートフォリオの最適化をはじめとした中期経営計画諸施策を推進するほか、原材料やエネルギー、副資材等の価格変動や、労務費、物流コストの上昇等の影響を受けにくい事業基盤を構築するための持続可能な販売価格形成を進め、イノベーションの追求による企業価値の向上と社会課題解決への貢献を目指してまいります。
財務目標
項目 | 2025年度目標 |
売上高営業利益率 | 4.5%以上 |
EBITDA | 320億円 |
自己資本利益率(ROE) | 8.0%以上 |
非財務目標
ESG視点 | 評価指標 | 数値目標 |
環境 | CO2排出量 | 2013年度比46%削減を目指す(2030年度)※ |
社会 | 女性管理職比率 | 10%以上(2030年度) |
国内労働災害件数 | 毎年0件を目指す(休業災害以上) | |
ガバナンス | 重大なコンプライアンス違反件数 | 毎年0件を継続 |
※当社および国内連結子会社のScope1&2が対象。
各セグメントにおける対処すべき課題は、次のとおりです。
(鉄鋼セグメント)
鉄スクラップや電力等のコストに見合った持続可能な販売価格形成を引き続き進めてまいります。また、異形形鋼圧延技術を活用した当社独自の異形形鋼等の高付加価値製品の拡充を図ります。また、明海リサイクルセンター株式会社の金属高度選別設備を用いたリサイクルの高度化によって、当社の製鋼工程のCO₂排出量の削減と循環型社会の実現に貢献します。
(自動車・産業機械部品セグメント)
セグメント全体として、コストに見合った持続可能な販売価格形成に引き続き努めるほか、自動車用ホイールでは、製造・販売・開発の一体性を強化し、生産性・競争力の向上及び事業ポートフォリオの最適化を図ります。また、成長分野である乗用車用アルミホイールにおける開発・運営機能の一体化の推進、アライアンスの強化や地場企業への拡販等による海外需要の捕捉等により、収益力の向上を図ってまいります。さらに、自動車メーカーの車体軽量化ニーズやEVの普及等に対応し、魅力ある製品開発を推進します。
建設機械用足回り部品及び鉱山機械用超大型ホイールでは、グローバルサプライヤーとしてお客様の信頼をさらに高めるとともに、成長市場への供給体制の構築や補給品ビジネスの強化・拡大に取り組み、安定した収益基盤の強化を図ります。
(発電セグメント)
2000年の事業開始以降安定操業を続け、東日本大震災後における国内の電力不足を補うなど社会への貢献も果たしてまいりましたが、発電燃料である石炭の価格高騰や中部エリアの電力需給の安定化等による電力市場価格の下落を受けた収益性の低下が今後も継続する見込みである点や、環境負荷の低い事業ポートフォリオ構築の必要性に鑑み、2024年3月末をもって発電事業を廃止いたしました。
(その他)
マイカ事業においては、化粧品基礎原料である合成マイカの高い透明感や安全性が評価されています。肌ざわりの良い着色マイカ等、顧客ニーズに合致する多彩な製品バリエーションに加えて、新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ化粧品市場の再活性化のトレンドを確実に捕捉し国内外に販売を拡大します。
②サステナビリティへの取り組み
当社グループは、グループ基本理念の下、多岐にわたる社会課題の解決を図るとともに、持続可能な循環社会の実現に貢献し、末永くステークホルダーの皆さまから信頼され、時代の要請に応えられるグローバル企業であり続けることを目指しています。サステナビリティ経営推進体制の構築、サステナビリティ基本方針をはじめとする各種方針の策定、マテリアリティ(重要課題)の特定等を行い、各種方針に沿った取り組みを推進しています。2023年4月には環境投資判断の基準の一つとしてインターナルカーボンプライシング制度を導入、2024年1月には国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、UNGCに署名している日本企業などで構成されるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンに加入しました。今後も企業価値向上および企業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指します。
<サステナビリティ経営の推進体制>
当社グループは、サステナビリティ戦略委員会(委員長はサステナビリティ戦略管掌取締役、原則年2回以上開催)を設置し、サステナビリティ経営の推進に取り組んでいます。
同委員会では、基本方針の策定や中長期戦略をはじめとする重要事項についての協議・決定、モニタリングを行うことのほか、協議・決定した内容の経営会議や取締役会への報告や審議を行っています。なお、委員会の傘下にはサステナビリティ推進協議会及びカーボンニュートラル推進協議会を設置し、当社グループ内での連携を図りながら具体的なサステナビリティ施策の立案・実行を行います。
<サステナビリティ基本方針>
トピー工業グループは、「グループ基本理念」に基づく経営を推進し、技術革新の追求と社会課題の解決によって、持続的な企業価値の向上を図るとともに社会の持続的な発展に貢献することを目指します。
・グリーンイノベーションへの継続的な挑戦を通じて、かけがえのない地球環境の保全と未来への継承に貢献します。
・トピー工業グループの事業活動に関わるすべての人々にとって持続可能で豊かな未来の実現を目指します。
・すべてのステークホルダーから信頼される健全かつ透明性の高い経営の実現に努めます。
各種方針:人権方針、調達方針、サプライチェーンマネジメント方針、腐敗防止方針、知財方針、タックスポリシー
<マテリアリティの特定>
当社グループは、サステナビリティ戦略委員会及び取締役会でのディスカッションや外部有識者からの助言を踏まえ、当社グループが取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
環境(E):グリーンイノベーションの推進、循環型社会構築への貢献
社会(S):人権の尊重、多様な人財の活躍支援、事業を通じた社会への貢献
ガバナンス(G):確固たる経営基盤の構築
③DX(デジタルトランスフォーメーション)推進への取り組み
当社グループは、DXの推進を重要な経営戦略の一つと位置付けており、基幹業務システム刷新やエネルギーの見せる化の全社展開、スマートファクトリーによるモノづくり領域のデジタル変革、省エネ活動等を段階的に進めています。これらの取り組みにより、2024年6月にはデジタル技術による社会変革を踏まえて経営者に求められる対応をまとめたデジタルガバナンス・コード2.0の基本事項への対応が認められ、経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」としての認定更新を受けました。
今後もDXの推進を加速させるため、2025年度末までにスタッフ系社員約600名をDX人財として育成する計画を策定し、レベルに応じた教育体制を整備する等、DXを戦略的に推進してまいります。
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