トナミホールディングス 【東証プライム:9070】「陸運業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「和」の経営理念を実践し、経営基本方針に基づいて、サステナビリティに向けた取り組み推進を図ります。
「安全・確実・迅速なサービス」の提供を通じた事業の発展を図り、株主の皆様へ「適正で安定した配当」を継続することを経営の基本方針とし、この基本方針に基づき、収益性を確保し、常に企業価値の向上に努め、その成果を株主の皆様、お客様、取引先、社員、社会と適正に分かち合うことが、トナミホールディングスの使命であり、社会全体のサステナビリティへ繋がるものと考えます。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
(ガバナンス)
当社には、経営方針及び経営戦略に関わる重要事項を担当する機関として、社外取締役3名を含む8名で構成する取締役会を設置しております。取締役会は、取締役会規則に基づき月1回これを開催することを原則とし、その他必要に応じて随時開催して、取締役会の意思疎通を図るとともに相互に業務執行を監督し、必要に応じて外部の専門家を起用し、法令定款違反行為を未然に防止することといたしております。
また、内部統制構築の一環として、監査役会制度を採用しており、常勤監査役2名と社外監査役2名を含む4名体制で構成し、監査役は取締役会及びその他重要会議への出席や意見の具申等で取締役の職務執行の適法性を監査しております。なお、取締役の職務執行については、監査役会の定める監査の方針及び分担に従い、社外監査役を含め各監査役の監査対象となっております。
なお、当社では気候変動対応など全社的なサステナビリティに関わる具体的施策を策定し実施することを目的にサステナビリティ推進委員会を2023年2月に設置し、気候変動等の当社事業に与えるリスクと機会について、サステナビリティ推進委員会が適宜取締役会で報告を行うとともに、取締役会はサステナビリティに関する取り組みの監督・指導を行う体制を構築しております。
(リスク管理)
リスク管理体制として、自然災害や事故等の人為的災害及び経営上の様々なリスクに的確に対処し、経営目標の達成を阻害するすべての要因を可能な限り防止し、排除することにより、社会的責任を果たすことを「経営リスクマネジメント方針」として定め、社長を最高責任者とする経営リスク管理委員会を設置し、気候関連リスクをはじめとする事業運営に影響を及ぼす様々なリスクに対応するために「トナミホールディングスグループ経営リスクマネジメント管理規程」を制定しています。
(2)気候変動に係るリスクと機会への対応
当社グループは、第22次中期経営計画の取り組みを推し進めることにより、新しい経営ステージを目指しております。事業活動を継続するにあたり、環境に関する事項、とりわけ温室効果ガス排出削減への取り組みは重要課題であると認識しており、EVトラックの導入や物流施設での太陽光発電の展開などによる環境保全につながる活動を通じ、持続的な発展に努めております。
その中で、長期的視野に立った気候変動への更なる取り組みを推進し、サステナブルな社会の実現に貢献するため、2022年7月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2023年2月に同提言に基づく情報開示を行っております。
①戦略
気候変動による影響が大きくなるとされる上昇温度設定が異なる2つの気候シナリオを用い、当社グループにおける気候変動に関するリスク・機会項目を抽出し、抽出したリスク・機会項目について、起こりうる事業インパクトを定性的に表現し、事業へのインパクトの大きさを評価しております。
その評価結果を踏まえ、リスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
リスク・機会の分類 | リスク・機会の概要 | 想定される主な事業活動への影響 | |
移行リスク | リスク | ・温室効果ガス排出規制や削減義務強化等への対応 ・気候変動,脱炭素の取り組みへの遅れ | ・炭素税の導入による利益圧迫 ・車両の脱炭素化やフロン類規制強化に伴うコスト増加 ・ブランド価値低下に伴う売上減少 ・人材獲得への影響 |
物理的リスク | リスク | ・異常気象の深刻化,増加 | ・災害による通信障害等によるデータ通信の混乱、輸配送網の寸断による売上減少 ・災害復旧コストの増加 ・熱中症等の健康リスクの増大や作業の制限 |
移行リスク | 機会 | ・気候変動,脱炭素の取り組みの推進 | ・ブランド価値向上に伴う売上増加 ・他社に先行した脱炭素技術の導入やインフラ整備による市場優位 |
物理的リスク | 機会 | ・異常気象の深刻化・増加 | ・災害時の被災地域への物資輸送への貢献 ・EV用充電器の地域開放等の地域と連携した防災の取り組みの推進 |
当社グループでは、温室効果ガスの削減の取り組みの一環として、遊休地や物流施設の屋根に太陽光パネルを設置し太陽光発電を開始しております。また、廃食油や動物油などを原料として製造された次世代燃料であるリニューアブルディーゼルの活用や水素トラックの実用化に向けた研究開発に参画しております。
②指標と目標
2021年10月に地球温暖化対策計画が閣議決定され、日本は、温室効果ガスを2030年度において46%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルを目指すことを表明しました。交通・物流部門(運輸部門)については、2030年度おいて、温室効果ガス35%削減(2013年度比)を目標としています。
当社グループでは、このような情勢を踏まえて、2030年に35%削減達成(2013年度比)、2050年のカーボンニュートラル達成という目標を設定しました。
なお、TCFD提言に基づく情報開示に関する詳細な情報については、弊社ウェブサイトに公表されております資料「TCFD提言に基づく気候変動取り組みの開示内容」を御参照ください。
(ウェブサイトURL:https://www.tonamiholdings.co.jp/investor/tcfd/)
(3)人材戦略について
当社グループは、人材こそが競争力の源泉であり、企業価値の持続的な向上にとって極めて重要であると認識しており、第22次中期経営計画においても「多様な人材を採用確保、事業形態や地域特性に応じた人事制度の構築」を重点戦略に掲げております。
①人材採用・育成
多様性の確保の視点からも、性別や国籍といった条件の制約は設けず、能力や適性等を総合的に判断して採用する方針としております。連結子会社であるトナミ運輸株式会社では「外国人技能実習制度」を採り入れ、開発途上地域の経済発展・産業振興の担い手となる人材の育成協力の一端を担うと同時に、社員の多様性に対する意識向上を図っております。
社員育成にあたっては、担当職務や役職に合わせた教育研修プログラムを設けております。
交通事故防止への取り組みは、事業の中で活かされるだけではなく、安全な社会づくりにも貢献できると考えており、交通安全の取り組みをPDCAサイクル(Plan 計画・Do 実行・Check 評価 ・Action 改善)として回すことで、改善に向けた取り組みを継続し、優秀なドライバーの育成に努めております。
その他、自己啓発プログラムとして通信教育制度を設け、受講料の一部を会社が負担する支援制度も実施しております。
②人材の活躍・働きやすい職場環境の構築
社員一人ひとりがワークライフバランスを保ちながら、安心して長く会社で活躍できることが大切だと考えております。
少子高齢化による労働力不足が懸念される中、定年以降でも活躍できるよう「継続雇用制度」の拡充や、過去より物流業界、他の産業と比較しても男性社員が多い傾向にある中、女性が一層活躍でき、働きやすい職場環境を構築できるよう、各種制度の見直しや施設設備の改修等に取り組んでおります。これら取り組みは、性別や年齢等は問わず全社員の「働きやすさ」につながると考えております。
③指標及び数値
当社グループでは、上記①「人材採用・育成」、②「人材の活用・働きやすい職場環境の構築」において記載した事項に係る指標や目標については、グループ各社において事業形態や地域特性を考慮した取り組みやデータ管理を行っていることから、連結グループにおける関連指標や目標のデータを記載することが困難であります。
「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」、「労働者の男女の賃金の差異」の実績については、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しておりますので、そちらをご参照ください。
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