企業トスネット東証スタンダード:4754】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「トータルセキュリティネットワークの構築」を基本方針として、コア事業である警備事業を通じて社会に「安心・安全」の提案型の警備を提供していく中で、売上総利益率を重要な経営指標として位置付け、高付加価値営業により高い収益性の受注に努めるとともに、コスト管理の徹底を図ってまいります。

 また、当社グループは、最も重要な基盤が人材であるものと強く認識し、継続して社員の指導教育に取り組んでまいります。

 今後とも事業の更なる発展と経営の安定を実現し、企業価値の創造と拡大に努め、株主の皆様、取引先の皆様、当社社員との持続的な信頼関係を築いてまいります。

(2)経営環境

 当社グル-プを取り巻く経営環境は、各種政策の効果もあり、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しておりますが、欧米における高い金利水準の動向や中国経済の先行き懸念、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東をめぐる情勢、金融資本市場の変動等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。当警備業界におきましては、各種イベント、コンサート等が再開されたこと及び能登半島の地震や豪雨で被害を受けた地域の復旧、復興工事に伴い、需要が高まることが期待されております。

 今後も主力の交通誘導警備、施設警備、列車見張り警備等の警備事業及び電源供給事業の積極的な営業活動を展開し、事業の拡大と収益力の強化に取組み、取引先や当社グループ社員の安全を最優先に事業活動を行ってまいります。

 次に、警備員不足と人材確保が大きな課題となっております。その対策として、ハローワーク、学校訪問、各種求人媒体の活用により募集活動を積極的に行います。経験不足の警備員に対しては、技術と経験を伝承していくことが当社グループの発展と位置付けております。一方で、体制整備や警備品質向上のための投資等、コスト面での上昇も顕著になってまいりました。警備業者間の過当競争等により受注単価が一段と低下した場合は、売上高及び利益を圧迫する要因となる可能性があります。

 また、国道、県道及び指定する主要道路の工事にかかる警備を受注する場合には、「検定合格者の配置基準」の義務化が実施されております。さらに、雑踏警備業務における配置基準が施行されているため、検定合格者を抱えていない警備会社は、受注機会を逸する可能性があります。

(3)経営戦略

 経営戦略としましては、2021年9月期をスタートとして、創業50周年を迎える2027年3月30日までの6年間を、その後の継続的成長を確実にするための重要な期間と捉え、コア事業のさらなる拡大と、それを支える強固な事業基盤の構築を成し遂げるため、中期経営計画VISION for 50(Step.1)に引き続き、2024年9月期~2026年9月期の後期3年間は、中期経営計画VISION for 50(Step.2)の連結業績目標に向けて役職員一丸となって推進しております。経過した4年間の実績は、下図のとおりです。

                                     (単位:百万円)

 

 

売上高

営業利益

営業利益率

経常利益

 

2021年9月期

9,918

742

7.48%

914

 

2022年9月期

10,030

690

6.88%

804

 

2023年9月期

10,937

797

7.28%

893

 

2024年9月期

11,559

817

7.07%

901

 

2025年9月期

連結業績目標

11,900

825

6.93%

910

 

2026年9月期

連結業績目標

12,300

850

6.91%

940

なお、中期経営計画のキーワードを「革新(イノベーション)」と定め、以下の重要戦略にグループ全社を挙げて取り組んでおります。

ア.システム革新「DX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組み」

 グループ内のあらゆる領域のデジタル化を推進することで、業務の効率化による生産性の向上を目指します。まずは、(株)トスネット、(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット首都圏及び(株)トスネット上信越の5社について、「警備業務システム」、「人事給与システム」及び「会計システム」の新システムを導入、本稼動したことに続き、2024年4月からは、新たなグループ5社での導入を進めております。将来的には、当社グループ全体で本格的なシステム革新を進めてまいります。

 イ.営業手法の革新

Step.1で根付いたマンパワーによる警備事業をコアとした「ソリューション型営業」を実践することで、「新たな事業機会の創造」と「新たな事業領域の開拓」に取り組んでおります。

 ソリューション(問題解決)提案の「種」は、お客様や皆様ご自身の身の周りのあらゆる事象に内在しております。お客様との対話を通して、お客様が抱えている問題(課題)をつかみ取り、より高いレベルのソリューション(問題解決)提案ができるよう、当社グループ役職員挙げて取り組んでおります。

 ウ.規模の拡大を追求

(ア)M&A

M&Aの機会を機敏に捉えて、コア事業である警備事業の相乗効果があり、かつ、グループ全体が成長に資する案件については積極的に対応しており、2024年9月期につきましても2社のM&Aを実現いたしました。

(イ)エリア戦略

 コア事業において、当社グループ空白地域へ積極的に拠点を拡大してまいります。

(ウ)ロードスタッフ業務の販売体制拡大

 当社オリジナル商品であるロードスタッフ業務について、研修を充実させ付加価値商品としての販売体制を拡大してまいります。

 また、当社グループは、環境の変化に柔軟に適応していくため、各グループ会社の特長を活かし、グループのシナジーの創出を図ってまいります。今後も主力の交通誘導警備の積極的な営業展開、積極的な採用活動、警備業務全般及び情報収集等に万全を期してまいります。

(株)トスネット北東北、(株)トスネット南東北、(株)トスネット首都圏、(株)トスネット上信越、(株)三洋警備保障、(株)トスネット北陸、アサヒガード(株)、(株)エイコー、(株)トスネット琉球、北日本警備(株)、(株)トップロード、(株)アイワ警備保障及びNEXT(株)につきましては、交通誘導警備及び施設警備へ注力してまいります。

(株)大盛警備保障につきましては、さらに列車見張り警備に特化し、当社グループとのシナジー効果を発揮してまいります。(株)メーリングジャパンにつきましては、当社グループのネットワークからの情報を活用し、業績の更なる向上を図ってまいります。I・C・Cインターナショナル(株)につきましては、当社グループの展開するイベント警備、震災時の復旧・復興警備との相乗効果を図ってまいります。

(株)日本保安は、店内保安警備の専門性を高め、新しい視野での保安警備を実現してまいります。(株)ビルキャストにつきましては、清掃業務、ビルメンテナンス及び労働者派遣業務の拡大に向け当社の施設警備部門との連携を強化してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 現時点における課題としましては、経営環境の厳しい状況の中で、市場シェアの拡大による売上高の向上、それに伴う売上総利益率の確保、各種検定取得者の確保及び法令遵守の強化であると認識しております。

 当社グル-プの経営陣は、警備業の原点は「教育にあり」を再認識し、「警備員の知識及び能力の向上」及び「警備職の資格取得の推進」を実現するために当社グル-プ一丸となって社員の資質向上のための教育・研修を積極的に実施してまいります。

 また、警備業法の遵守は当然のこと、役職員のコンプライアンスへの認識を徹底させ、全社をあげて高品質の警備業務の提供と高収益体質企業への転換に向けて努力してまいります。

 当社グループにおいては、上記の経営戦略を推進し、持続的な成長の遂行にあたり、以下の課題に取り組んでまいります。

1.遵法風土の醸成

 警備事業者にとって、事業継続の大前提は警備業法の遵守であります。社員教育を強化して法令遵守を徹底してまいります。

2.警備品質の向上

 競合他社との差別化、競争力向上を実現するため、警備品質を日々高めてまいります。また、交通誘導警備、施設警備、雑踏警備、列車見張り警備、各業務ごとの資格保持者をさらに増やしてまいります。

 具体的には、全警備職の8割が資格保持者という体制を目指します。

3.財務基盤の更なる強化

 今後とも、トータルセキュリティネットワークの構築と更なる進化を図り、本業の収益力を高めることで財務基盤を強化してまいります。

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