企業兼大株主デンヨー東証プライム:6517】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。

 この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。

(2)経営戦略

 当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。

 そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。

2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。本中期経営計画におきましては、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。

(3)経営環境

① 企業構造

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。

② 市場の状況

 当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、経済対策などを背景に老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は全体として堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。

 また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。

③ 競合他社との競争優位性

 当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。

 その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。

 長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。

 国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。

[中期経営計画 Denyo2026の概要]

1.中期経営計画基本方針

 豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。

2.事業戦略

(1)中核分野(安定収益を確保する分野)

(国内建設関連市場)

 エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。

① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す

② 教育体制の充実による販売力の強化を図る

③ 東日本、西日本(2025年1月稼働予定)の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る

(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)

(国内定置形発電機市場)

 非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。

① 国内グループ3社の連携強化

② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2024年度後半稼働予定)の投資効果の刈り取り

③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大

(海外市場)

 海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。

① 既存製品による市場深耕・開拓を進める

② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る

③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応

(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)

(グローバルサウス未開拓市場)

 成長が期待される未開拓地域への進出

① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施

② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索

(新機軸製品)

 新機軸製品の社会実装を目指す。

① 新機軸製品の開発継続・推進

② 営業、サービス、生産体制の準備

(4)組織能力の強化

(開発・生産)

 安定的に生産できる体制を構築

① 顧客要求の早期製品化を講じる

② 生産工程の機械化・自動化を進める

③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる

(情報システム)

 生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築

① 基幹システムの改善・構築

② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める

(組織)

 多様な人材が活躍できる体制づくり

① 人財育成プログラムの高度化を図る

② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。

PR
検索