ツムラ 【東証プライム:4540】「医薬品」 へ投稿
企業概要
2022年4月、当社グループは、新たに「パーパス」を制定し、新ビジョン「サステナビリティビジョン」を策定しました。
ツムラグループの事業は、原料生薬の栽培からはじまる“漢方バリューチェーン”によって構成され、自然環境と深い関わりがあります。
私たちは、事業の根幹を成す豊かな自然環境を未来へつなげていくために「自然環境の変化や危機に最も敏感な企業」であり続けます。また、持続可能な社会の創造に向けたさまざまな課題の解決に事業を通じて取り組んでいきます。この決意を、「自然と生きる力を、未来へ。」というサステナビリティビジョンのメッセージとし、人間・社会・地球環境のサステナビリティを推進しています。
また、2022年10月、「サステナビリティ憲章」を制定しました。本憲章は、ツムラグループ及びその役職員が「サステナビリティビジョン」実現のために取るべき行動、姿勢を規定しています。本憲章をツムラグループ及びその役職員が遵守し、各ステークホルダーの皆様との価値観の共有とより良い関係の構築を図り、サステナビリティビジョンの実現を目指していきます。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
なお、有価証券報告書提出日現在においては「リスク管理委員会」は「リスクマネジメント委員会」に名称変更しております。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関するリスクと機会や、ツムラグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るための重要な意思決定は、取締役会が担っています。また取締役会にて戦略の決定、投資判断等を行うに際しては、気候変動に係る影響を踏まえて意思決定を行っています。
取締役会は、取締役会規則に基づき毎月報告される業務執行状況に対し、助言と監督を行っています。
主にサステナビリティに関するテーマを取り扱うサステナビリティ委員会(2021年10月設置、年2回以上開催)と、経営リスクに関するテーマを取り扱うリスク管理委員会(年2回開催)において審議され、両委員会が情報を共有しています。両委員会で審議されたテーマのうち、重要な案件は取締役会に報告されます。2022年度はリスク管理委員会が2回、サステナビリティ委員会が5回開催され、取締役会への報告を行いました。なお、サステナビリティ委員会は取締役会によるモニタリング(方針提示・監督)を受けています。また、気候変動関連のリスクに関しては、サステナビリティ委員会とリスク管理委員会が情報を共有しながら、評価・管理しています。
気候変動を含むサステナビリティに関する業務の担当役員であるCo-COOは、サステナビリティ委員会の委員長を担っています。Co-COOは、リスクと機会の評価及び管理を統括しており、これらに関わる情報はサステナビリティ委員会、リスク管理委員会、サステナビリティ推進室から報告を受けます。
また、気候変動を含む長期経営ビジョンの実現を通じて当社の企業価値を持続的に向上するため、2022年度より当社の取締役(監査等委員である取締役及び非業務執行取締役を除く)及び当社と委任契約を締結している執行役員の中長期業績連動株式報酬(長期インセンティブ)の評価の一部として、GHG排出量削減を含むサステナビリティ課題の進捗目標の達成度に応じた評価指標を組み入れています。
② リスク管理
リスクに関しては、サステナビリティ委員会とリスク管理委員会が情報を共有しながら、評価・管理しています。
サステナビリティ委員会は、外部専門家の助言も踏まえ、中長期的に当社グループの経営戦略に与えるリスクとインパクトの分析と対策の検討を行います。その結果については取締役会に報告し、取締役会は必要な指示を行い、対応状況を監督します。
リスク管理委員会は、工場の操業停止等のリスクを、財務上の影響の多寡、発生確率の高さを勘案し、優先順位を決定のうえBCP対応を含む対策の検討を行います。その結果を取締役会に報告します。
サステナビリティ委員会とリスク管理委員会で検討するリスクは、事業リスクとして統合・管理しています。
(2)重要なサステナビリティ項目
① 気候変動・TCFDへの対応
当社は2021年10月にTCFD提言への賛同を表明し、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)最終報告書」に基づき、4つの開示項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)について、経営課題として認識し2021年度より検討を開始しています。2021年度は、気候変動による事業のリスクと機会について外部有識者も交えて経営層による検討会を実施し、リスクと機会の抽出を行いました。2022年度は究極的に成し遂げる事業の志「パーパス」、「サステナビリティビジョン」、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION“Cho-WA” 2031」、新中期経営計画等を踏まえて「中長期環境目標」を策定しました。また、人間・社会・地球環境のサステナビリティにツムラグループがどのように貢献すべきかを整理した重要方針として「サステナビリティ憲章」を制定しました。リスクと機会についてはさらに検討を深めシナリオ別の分析、対応策の検討を実施し、開示内容の拡充を図りました。
a 戦略
自然の恵みである生薬を原料として取り扱う当社グループが持続的に成長するためには、自然環境の変化や危機に最も敏感であるべきと考えています。カーボンニュートラルの実現に向けて温室効果ガス排出量の削減に取り組むとともに、気温や降水量の変化等、気候変動リスクに対応していく必要があります。
2015年のパリ協定締結、2018年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「1.5℃特別報告書」を受け、2022年当社グループではサステナビリティビジョンを策定し、気候変動への対応を経営戦略に組み込みました。気候変動問題への社会的関心は高まっており、環境問題に取り組むことは、当社グループの事業機会の創出にもつながると考えています。
当社グループは、TCFD提言の要請に基づき、外部専門家の助言も踏まえ、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び2050年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的にシナリオ分析を実施しました(次ページの<気候変動に関するシナリオ分析>をご覧ください。)。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関するIPCCが公表する複数の既存のシナリオを参照の上、パリ協定の目標である産業革命以前に比べて全世界の平均気温の上昇を2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求するシナリオ(1.5℃未満シナリオ)、及び新たな政策・制度が導入されず、世界の温室効果ガスが現在より増加するシナリオ(4℃シナリオ)の2つの世界を想定しました。
b 指標及び目標
イ 指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope 1、2、3のGHG排出量を定めています。
ロ 実績
2021年度のScope1、2、3のGHG排出量実績は、以下のとおり(第三者検証済み)です。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) | 39,385t (前年度比4.6%増)※ |
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 | 57,184t (前年度比2.8%減) |
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) | 246,865t (前年度比16.5%増)※ |
※Scope1、3の排出量増加の主な要因は、海外工場拠点の増産によるエネルギー使用量増加、原料生薬調達量の増加によるものです。
ハ 目標
当社グループはサステナビリティへの取り組みとして、2031年度までに「温室効果ガス(GHG)排出量50%削減」、「水・廃棄物(生薬残渣)の循環化」、「環境対応型包装資材への転換」をターゲットに設定しました。
GHG排出量については2022年度から、Scope1、2排出量において「2031年度までに2020年度比50%削減」、「2050年度までに実質ゼロ」とする目標を設定しております。なお、Scope3のGHG排出量については、今後集計のさらなる精緻化を図りながら、目標設定に向けて取り組んでいく予定です。
<気候変動に関するシナリオ分析>
シナリオ | 概要 | 想定される世界の状況 |
1.5℃ シナリオ | 2100年までの平均気温の上昇が産業革命以前と比べて1.5℃に抑えられている世界 | 脱炭素社会への移行に伴う変化が事業に影響を及ぼす(移行リスク) ・気候変動に関する規制が強化され炭素税等の法規制が導入される ・低炭素技術などの技術革新が進展する ・社会全体が脱炭素に向かい、企業の脱炭素への取り組みが評価される |
4℃ シナリオ | 2100年までの平均気温が産業革命以前と比べて4℃上昇する世界 | 気象変動による物理的な被害が事業に影響を及ぼす(物理リスク) ・気候変動に関する規制は導入されるものの限定的 ・異常気象の激甚化が進み、自然災害が頻発 ・気温上昇や水不足により、生薬の生育状況の変化、取水制限、感染症の拡大等が生じる |
●1.5℃シナリオにおける影響度
分類 | 区分 | リスク・ 機会項目 | 発現 時期 | リスク と機会 | 当社グループへの影響 | 影響度 | 対応策 |
移行リスク・機会 | 政策・ 法規制 | 炭素税の導入 | 中・長期 | 税負担の増加 設備投資コストの増加 | 大 | 省エネ、再エネ利用及びサプライヤーとの協業等 | |
新たな規制の導入 | 中・長期 | 原料生薬調達量の減少あるいは調達コストの増加 | 大 | 生薬栽培拠点の複線化等 | |||
技術 | 低炭素技術の進展 | 中・長期 | 研究コストや設備投資コストの増加 | 大 | AIの活用やDXによる技術開発・革新等 | ||
中・長期 | 操業コストの減少 GHG排出量削減 | 大 | |||||
評判 | 投資家の評判変化 | 短期~長期 | 売上や株価の下落、資金調達の困難化 | 大 | ステークホルダーへの適切な情報開示とコミュニケーション | ||
評価向上による企業価値創出 | 大 | ||||||
資源 効率 | 水資源の再利用 | 中・長期 | 操業コストの減少 | 大 | 再利用設備の導入及び循環利用の推進 | ||
エネル ギー源 | 再生可能エネルギーの拡大 | 中・長期 | 電力コストの減少 | 小 ~ 中 | ― |
●4℃シナリオにおける影響度
分類 | 区分 | リスク・ 機会項目 | 発現 時期 | リスク と機会 | 当社グループへの影響 | 影響度 | 対応策 |
物理リスク・機会 | 急性 | 異常気象の激甚化 | 長期 | 自然災害の激甚化や感染症等の増加に起因する操業中断や在庫の毀損による生産・物流量や売上の減少、修繕費用の増加 | 大 | ・生薬栽培技術の革新 ・生薬栽培拠点の複線化 ・適正在庫の確保 ・BCP体制の構築・拡充 ・輸送・保管形態の変更 ・契約農家が利用する生薬用の栽培管理システムへの災害関連情報の付加や災害補償体制の構築による契約農家との取引の維持または増加等 | |
慢性 | 水リスク | 長期 | 操業中断、生産量減少、売上減少等 | 大 | |||
平均気温の上昇 | 長期 | 原料生薬の調達量の減少、売上減少や生薬栽培地の移転コストの発生 | 大 | ||||
中・長期 | 空調コストの増加 | 小 ~ 中 | |||||
中・長期 | 乳糖の価格上昇 | 小 ~ 中 | |||||
製品と サービス | 気候変動に伴う疾病の増加 | 中・長期 | 疾病構造の変化による売上の増加または減少 | 大 | 新しい製品・サービスの開発及び販売戦略の策定と実行等 |
※「炭素税導入による財務影響額の試算」、「気候変動を起因とする疾病構造の変化による売上への影響」、「水ストレス及び水害リスクの評価」、その他「事業への影響度を『大』と特定したリスク及び機会に対する対応策」等については、Webサイトをご覧ください。
https://www.tsumura.co.jp/sustainability/index.html
② 人的資本・多様性への対応
a 戦略
「組織・人的資本」こそが企業・事業価値を創造する源泉であるとして、「目指すべき人財像」、「目指すべき組織像」、「目指すべき企業文化」を明確にしています。長期的な視点から、パーパスを掲げた理念経営を支える漢方薬的組織※を目指し、人財の潜在能力開発を促し養成し続けます。
※漢方薬的組織:私たちは組織のあり方を、生薬=部門・人、漢方薬=会社・部門とみなし、漢方薬的組織の調和こそが目指すべき人財像・組織像であると固く信じています。すなわち、「会社という漢方薬は、それぞれの独立機能を有する部門という生薬で構成され、その調和・協業を図る中でベクトルを合わせ、大きな成果を生み出す。また、部門という漢方薬は、一人ひとり異なる力を有する人という生薬で構成され、協調・協働しながら部門の目標を達成する」というのが、当社グループの組織のあり方であると考えます。
[経営人財養成]
社内人財養成機関である「ツムラアカデミー室」を中心に、グループ経営人財の養成と企業文化の醸成に取り組んでいます。
パーパスを掲げた理念経営・ビジョン経営を実践し、ツムラグループを牽引する経営人財を連綿と輩出するために、若手社員を対象とした「ベーシックプログラム」、初級管理職を対象とした「アドバンスプログラム」、次世代経営人財養成プログラムである「経営基本講座」といった、各3年間の養成プログラムを実施しています。
2022年度末時点での3年間の経営基本講座プログラム修了者は52名、受講中は49名となっており、修了者から執行役員や理事が複数人選任されています。
さらに、長期ビジョンの実現を牽引する次期・次々期経営人財輩出の仕組み(呼称:T-Next)を構築しました。人事部が選抜・育成計画・配置・評価・事務局機能、ツムラアカデミー室が養成を主に担当して計画的に経営人財を輩出します。
[組織・人的資本政策]
イ 目指すべき人財の採用
事業戦略実現と人財ポートフォリオにおける現状の課題解決と将来あるべき姿に向けて、新卒採用とキャリア採用をバランスよく実施しています。また、「女性の新卒採用比率50%の維持・継続」を掲げ取り組んでいます。
<人財ポートフォリオ>
「長期経営ビジョン TSUMURA VISION “Cho-WA”2031」を実現するために、どの様な人財の量・質が必要か人財ポートフォリオを策定することで、現状のギャップ及び課題を抽出・整理した上で、短期的・長期的の両観点から、必要な人事戦略・施策を検討してまいります。
ロ 目指すべき人財の育成・配置
「自ら育つ人を育む企業文化を創造する」を人財育成ポリシーとして掲げ、[人][組織][経営]の観点から各層に対応したさまざまな教育機会を設けています。若手社員のベーススキル向上に向けた教育支援にも注力するなど、自立的なキャリア形成を支援しています。
また、社員の基本情報や能力・保有スキルをデータ化し、戦略的な人財育成や適所適材の配置に反映すべく、タレントマネジメントシステムの構築を進めています。
[人]自ら学び、自ら成長しようとする人財に実践的な教育機会を提供します。あるべき姿、能力要件を明示し、教育機会の充実と自ら学びに行く仕組みをつくります。
■理念経営を担う人財の早期育成
■入社3年間を「ツムラ人の基盤づくり」として育成強化
■上位等級に必要な能力を昇格前に習得
■グローバル人財への育成強化
■自立的な学び、成長を支援
[組織]自ら成長しようとする人財づくりのため管理職を中心に育成マインドを育みます。部下育成を管理職の最も重要な役割の一つと位置づけ、業務を通して部下を動機づけし、育成する意識を強化します。
■部下育成マインドの強化
■コーチング文化の醸成
■1on1コーチングの実施
■育成計画の共有(上司-本人-人事部)
[経営]ビジョンの実現を牽引する次期・次々期の経営人財を養成する仕組み(T-Next)により継続的に育成される体制を整えます。若手教育でツムラ人としての基盤を固め、各層において次世代の経営人財が育成される仕組みをつくります。
■T-Nextによる計画的な育成
■各層のプログラムを3年間とし、実践を通じた育成
ハ ダイバーシティ&インクルージョン推進
当社グループでは、「多様な従業員のさらなる活躍に向けた環境整備と企業文化の醸成」、「多様性を重視した公平・公正な採用と登用の継続」、「女性従業員・キャリア採用入社従業員のキャリア形成支援」を掲げ、多様な視点・発想や価値観を持つすべての社員の活躍と成長を実現するため、「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みを推進していきます。
具体的には、性別、年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、多様な人財を迎え入れ、個性を尊重し合い、組織(チーム)メンバーで目的・価値を求心力とした“対話”により、社員一人ひとりの潜在能力を引き出すことで、イノベーションの創出、企業価値の向上を図っています。
働きがい・生きがいをもって活躍できる職場環境づくりのために、女性マネージャー育成セミナーの開催や育児・介護等と仕事の両立支援制度のさらなる拡充に取り組んでいます。
ニ 従業員エンゲージメント向上
「長期経営ビジョン TSUMURA VISION “Cho-WA”2031」を実現するためには、従業員一人ひとりのエンゲージメント向上が不可欠です。組織に対して自発的に貢献する意欲が高まるよう、理念の浸透、従業員の成長を支援する能力開発やキャリア構築、働き方や健康管理の環境整備に取り組んでいます。
目的・価値を求心力とした対話により主体的に行動することで、自身の潜在能力を引き出す企業文化の醸成を進めています。TSUMURA GROUP DNA Pyramidの考え方などについて対話をする「理念浸透オフサイトミーティング」を2017年より継続しており、2018年度からはコーチング文化の醸成を目指した諸施策を開始しております。2020年度からは、理念浸透ミーティングとコーチ・ミーティングを同時に開催し、理念浸透とコーチングはともに「目的と価値」に焦点を置き、相乗効果を図ることで、「ツムラ“対話”セオリー」として確立しています。
2022年度の受講人数は前年比37%増加しました。理念浸透サーベイ結果は4.06ptと前年4.02ptより上昇しました。
<信託型株式交付制度>
2022年4月に成長性としての「長期経営ビジョン」を10年単位で策定し、持続性としての「サステナビリティビジョン」は2050年のカーボンニュートラルの実現をゴールに見据えて10年ごとのマイルストーンとして策定しています。この2つのビジョンを実現のための社員の意識向上と能力の発揮、大きな貢献を成す意欲をより一層醸成していくことを目的として、社員への信託型株式交付制度を導入しました。
<リスキル「デジタルリテラシー教育」>
全社員がデジタルリテラシーを習得し、社内のDX化による生産性向上を円滑に進める目的で、2023年度よりデジタルリテラシーを高めるリスキルの取り組みをスタートしております。
<社内公募制度>
2022年度より、やりたい仕事、働きたい組織や場所を選択できる機会を提供することで自発的にキャリアプランを描いて行動できる自主自立した社員を育成するため、社内公募制度を導入しました。社員の働きがい、モチベーションの向上に繋げるとともに優秀な社員の発掘や社外流出の抑制を図ること、適所適財により、組織力を強化することを目指してまいります。
<在宅勤務制度>
2023年4月より業務の適正管理、コミュニケーション確保の内容を規定した「在宅勤務規則」に基づく本格的な運用を開始しています。具体的には、業務及び目標管理の進捗等について、デジタルツールを活用した毎日の業務報告の実施、定期的な1on1による個別面談、課単位の打合せや情報交換により、職場での業務と同様にコミュニケーションをはかることで、円滑に業務を遂行できるような運用を目指しています。
<健康経営について>
究極的に成し遂げる事業の志であるパーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げる企業として、人々の健康に寄り添い、社会のwell-beingに貢献することを目指し、健康宣言・健康方針を策定し、健康経営に取り組んでいます。その取り組みが評価され、健康保険組合連合会による健康企業宣言・金の認定を2019年から継続して受けています。女性活躍推進の基盤は健康サポートと位置づけ、2022年度より全女性従業員を対象に婦人科検診の費用負担を実施しました。また、感染予防・食・運動・禁煙についての社内イントラネット掲示やセミナーを通じた情報発信、ストレスチェックの実施など、社員一人ひとりのヘルスリテラシー向上に向け、取り組んでいます。今後は、社員が自主的に養生※に取り組む企業風土を醸成します。
※養生:ツムラでは養生を「栄養(食)・運動・睡眠・ストレス等の適正化により、身体が本来持っている自然治癒力を高め、健康増進をはかること」と考えています。
b 指標及び目標
イ 方針
多様性の確保に向けて、3つの人財育成方針を掲げ取り組んでいます。
「多様な従業員のさらなる活躍に向けた環境整備と企業文化の醸成」
・目的や価値を求心力とした「組織横断的な対話」の推進
・多様な価値観を受け入れ、尊重し合う職場環境づくり
・育児・介護等と仕事の両立支援制度のさらなる拡充
・「働きがい向上」活動の継続実施と柔軟な働き方の環境整備
「多様性を重視した公平・公正な採用と登用の継続」
・新卒・キャリアを両輪とする採用活動の継続
・女性の新卒採用比率50%の維持・継続
・個々の能力に応じ、経営に関わる重要課題、知見・経験の蓄積につながる職位等に登用
「女性従業員・キャリア採用入社従業員のキャリア形成支援」
・経営基本講座、次世代育成研修等プログラムへの積極的な女性参加と早期のキャリア開発
・女性管理職育成プログラムの実施
・キャリア採用入社従業員の入社時導入研修の充実
ロ 目標及び実績
■数値目標
指標 | 2022年度 (実績) | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
女性管理職比率(注) | 7.4% | 8.4% | 9.0% | 10.5% | |
育児休業取得率 | 男性 | 52% | 65% | 80% | 100% |
女性 | 100% | 100% | 100% | 100% | |
育休平均取得期間 | 男性 | 24日 | 40日 | 50日 | 60日 |
女性 | 119日 | 120日 | 120日 | 120日 |
(注)女性管理職比率については、各年度における4月1日時点の割合を記載しております。
なお、2023年度の女性管理職比率8.4%は実績となります。
■取り組み
“女性管理職育成プログラム”による女性管理職育成推進
“育MEN推進プロジェクト”による男性育休取得推進
“働きがいを考えるオフサイトミーティング”による従業員エンゲージメント
“コーチング文化の醸成”による個々の潜在能力発揮
“チームビルディングサポートチーム”による組織開発推進
“#OneMoreChoice※推進チーム”による女性社員健康増進
“人ツムナレッジCafe”※による社員交流と自己啓発推進
※#OneMoreChoice
「隠れ我慢」を減らし、誰もがもっと心地よく生きられる健やかな社会を目指した取り組み。
※人ツムナレッジCafe
社員一人ひとりのキャリアビジョン実現に向け、部門や年代を超えて交流し、自発的に学び合うWEB上の場。
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