ダイワボウホールディングス 【東証プライム:3107】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)に関わる事項を審議するため、取締役会の諮問機関として、2020年4月に代表取締役を委員長とするESG推進委員会を設置いたしました。ESG推進委員会の下部組織として、実務レベルで協議・推進するためのESG推進会議を設置しております。ESG推進委員会での審議事項につきましては取締役会に答申・報告しております。取締役会は、ESG推進委員会からの答申・報告事項に対して決議のうえ、指示・監督しております。気候変動に関する事項につきましても、当社グループのマテリアリティ(重要課題)である環境課題の一つとして、この体制において協議及び審議・決議を行い、その推進を図っております。また、必要に応じて気候変動の影響を全社リスクとしてリスク管理委員会に報告・提言をしております。
気候変動リスク管理体制
(2)戦略
(気候変動)
当社グループは、気候変動は中長期にわたる課題と認識しております。そのため、様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、1.5~2℃シナリオ、4℃シナリオの複数の将来のシナリオに基づいた分析をしております。+1.5~2℃の世界では、温室効果ガス削減のための規制が強化され、低・脱炭素化が進み、移行リスクが高まると考えられます。一方+4℃の世界では、規制などの移行リスクの影響は小さいものの異常気象などの物理リスクが高まると考えられます。シナリオは2030年度を想定し、IPCCの「RCP-2.6」と「RCP-8.5」、World Energy Outlookの「NZE2050、SDS」と「STEPS」を参考にしております。
気候変動リスク・機会
| 特に影響が強い |
| ||||
主なリスク・機会 | DIS | DWB | OM | 想定される主な取り組み | ||
移行 リスク (1.5~2℃シナリオで最も顕在化すると想定) | 政策・ 法規制 リスク | 炭素価格など規制対応コストの増加 |
| 〇 |
| 低炭素エネルギーへの移行 |
|
| 〇 | 2030年度CO2排出目標達成に向けた効率化の徹底と低炭素エネルギーへの移行 | |||
技術 リスク | 環境配慮技術に対する投資・研究開発コスト増加 |
| 〇 |
| 研究機関との連携,開発ツールの活用、外部研究機関との連携 | |
|
| 〇 | 省エネ、油圧レス、自動化等での開発と早期製品化 | |||
市場 リスク | 再生可能エネルギー需要がひっ迫して商品価格が高騰 | 〇 |
|
| 大型倉庫保有による在庫確保及びマルチベンダー機能を活用した代替え商品の提案 | |
環境負荷の小さい製品の原材料費が高騰 |
| 〇 | 〇 | 製品への価格転嫁を含む販売戦略の適宜見直し | ||
評判 リスク | 対応の遅れによる企業ブランド低下 | 〇 | 〇 | 〇 | WEBサイト等による適時情報開示 | |
物理 リスク (4℃シナリオ等で最も顕在化すると想定) | 急性 リスク | 災害による事業拠点の操業停滞 | 〇 |
|
| 多拠点網による別拠点の対応及びテレワークにて事業を継続、BCP対策強化 |
| 〇 | 〇 | 風水害等に対する生産拠点のBCP対策強化 | |||
被災によるサプライチェーンの操業停滞 | 〇 |
|
| マルチベンダーの強みを活かして複数の仕入ルートの確保、及び大型倉庫保有による在庫確保 | ||
| 〇 | 〇 | 生産、物流拠点間のBCP対策強化(国内外含む) | |||
疾病の蔓延 | 〇 | 〇 | 〇 | テレワークの適時活用 | ||
慢性 リスク | 気温上昇による労働環境の悪化 | 〇 |
|
| 物流センターにおける快適な作業環境の整備 | |
〇 | 〇 | 〇 | 物流センター、工場における熱中症対策の実施 | |||
サプライチェーン上流の供給量が不安定化 | 〇 |
|
| マルチベンダーの強みを活かして複数の仕入ルートの確保、及び大型倉庫保有による在庫確保 | ||
気温上昇による空調コストの増加 | 〇 |
|
| 物流センターの自動化投資および悪条件でのロボット活用の検討 | ||
機会 | 資源の 効率性 | 生産や輸送の高効率化によるエネルギーコスト削減 | 〇 |
|
| 現状の延長、最寄り出荷、まとめ出荷、チャーター出荷の活用による輸配送の更なる効率化 |
| 〇 |
| 更なる省エネ推進や再生可能エネルギーへのシフト | |||
| 〇 |
| 省エネ機器導入によるオペレーションコスト低減 | |||
製品・ サービス | 気候変動の緩和や適応に資する商品・サービスの提供による収益の拡大 | 〇 |
|
| 将来需要を見込んだ仕入計画策定 | |
| 〇 |
| 生分解性素材など環境にやさしい商品、防災・減災商品の販売機会の拡大 | |||
|
| 〇 | 省エネ、油圧レス、自動化等の商品展開 | |||
環境配慮設備(再エネ、バッテリー、燃料電池など)に必要な材料や部品、ソリューション需要増加 |
| 〇 |
| 環境負荷の少ない商品への需要拡大の可能性に応えた商品展開 | ||
|
| 〇 | 風力発電、ガスタービン、原子力等の環境対応設備を生産する業界への販売機会の拡大 | |||
市場 | 気候関連情報の開示促進による企業イメージ向上 | 〇 | 〇 | 〇 | TCFD提言に基づく適時情報開示 |
DIS:ダイワボウ情報システム株式会社(連結)
DWB:大和紡績株式会社(連結:国内)
OM:株式会社オーエム製作所(連結:国内)
(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針と社内環境整備に関する方針)
当社グループでは、人材が企業成長の源泉であり最大の財産であるという認識のもと、持続的なグループの成長には、様々な個性、能力、知識、経験を持った人材の確保と育成が不可欠であると考えております。中期経営計画においては「未来を創る人材価値の最大化」を掲げ、人材育成と成長を支える組織風土改革に取り組んでおります。
人材の確保においては、少子化が進む中、人員を継続的に確保する必要性と、多様な人材を適時に確保することが会社にとって有益との考えから、従来の固定観念にとらわれない、幅広く柔軟な採用の在り方を追求しております。人材の育成においては、従業員教育や資格取得支援、自己啓発教育支援などの取り組みを推進することで、従業員のスキルや知識、モチベーションの向上を図っております。
また、個性や多様性を尊重した働き方を実現し、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境・労働環境の整備にも取り組んでおります。当社グループは、社内外に関わらず、多様性を尊重し受け入れ、社会と協働することで真に価値ある未来を生み出す組織を目指してまいります。
(3)リスク管理
(気候変動)
気候変動に関する事項を推進するESG推進会議は、気候変動の影響について、当社とグループ会社の連携のもとリスクと機会を評価し、状況の把握を行っております。リスク評価については少なくとも年1回、また必要に応じて実施し、ESG推進会議からESG推進委員会に報告・提言しております。ESG推進委員会は少なくとも年1回、リスク評価及びそれらへの対策案、並びに関連する指標や目標について審議を行い、取締役会に答申・報告を行っております。取締役会は、ESG推進委員会からの答申・報告事項に対して決議のうえ、指示・監督しております。
なお、財務的影響等については今後開示を拡充すべく検討を進めてまいります。
(4)指標及び目標
(気候変動)
当社グループは、2013年度Scope1・Scope2のCO2排出量を基準に、2030年度に30%削減を目標として設定し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。
Scope1・Scope2の合計量 (千tCO2)
| 2013年度 | 2030年度目標 | |
| 2013年度比削減 | ||
ITインフラ流通事業 | 2.4 | 1.6 | △34% |
繊維事業 | 132.9 | 92.7 | △30% |
産業機械事業 | 6.3 | 4.4 | △30% |
ダイワボウホールディングス単体 | 0.05 | 0.03 | △40% |
グループ計 | 141.7 | 98.7 | △30% |
範囲 ITインフラ流通事業:ダイワボウ情報システム株式会社(連結)
繊維事業:大和紡績株式会社(連結:国内)
産業機械事業:株式会社オーエム製作所(連結:国内)
ダイワボウホールディングス株式会社(単体)
(人的資本の拡充及び多様性の確保に向けた取組)
当社は2024年3月期までの中期経営計画において、当社の持続的な成長を支える人材を育成する方針として、積極的な人材登用や教育・研修などに戦略的に投資するとともに、グループ連携での人材活用、従業員がいきいきと働けるよう労働環境の整備に取り組んでいくことを掲げております。
上記方針に則り、女性が活躍できる労働環境の整備として、男女差別のない育成と公平な評価により積極的な登用に取組むとともに、母性保護や育児休職制度等の充実を図っております。
中途採用については、必要に応じて都度実施しておりますが、専門的分野における中核人材の登用の観点から積極的な中途採用の活用を実施検討してまいります。
これらの人材の多様性確保に向けた取組みについて、数値目標を策定するには至っておりませんが、2023年度中に公開予定の統合報告書において、当社グループとしての人的資本戦略とあわせて、マテリアリティ項目毎の取り組みを推進するための目標値を策定してまいります。
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